MENU

南充浩 オフィシャルブログ

衣料品・服飾雑貨のネット通販は目先の需要は取り込み尽くしたのではないか?

2024年4月2日 ネット通販 0

コロナ禍によって2020年は飛躍的にネット通販が伸びた。

これは当たり前の話で実店舗が営業停止していれば、ネット通販しか買う窓口が無い。必然的にネット通販は伸びる。別にネット通販の何かが飛躍的に改善したわけではない。売り場がそこしかなかったから期間限定の残存者メリットを享受しただけの話である。

2010年代半ば以降、ネット通販への成長神話みたいなものを無邪気に信じている人が少なからず見受けられたが、そんなに美味しい売場がこの世に存在しているはずもない。一旦の需要を取り込んだら、あとは伸び悩みか低減するしかない。その中で成長を続けられるのはほんの一握りの勝ち組しかないというのは実店舗と同様である。

ただ、売り方が実店舗なのかネット通販なのかという違いしかない。

衣料品に限定して言うと、欲しいアイテム(ブランド名はあまりこだわらないと仮定する)があったとして、それを1つか2つ買えば普通の人は事足りる。当方ですら、1つのアイテムは色違いで2枚買う程度である。(白と黒とか紺と黒みたいに)

となると、選ばれる売り場は1店舗ないし2店舗である。

そしてこの1店ないし2店は実店舗だろうがネット通販だろうが消費者にとってはどっちでも構わない。

通勤通学の途中に立ち寄りやすければ実店舗の方が利便性が高いだろうし、仕事などで早朝か深夜しか買い物ができにくいならネット通販の方が利便性が高い。その消費者にとって利便性が高い方を選ぶだけの話である。

「是が非でもネット通販で買いたい」なんていう変態嗜好の人間は決してマジョリティではない。

実際にコロナショックが徐々に緩和されてくると、21年、22年とネット通販市場規模は伸びなくなり、前年並みから微減に転じた。

当たり前である。実店舗が営業していてそちらの方が利便性が高いと感じる人はそちらで買う。何が何でもネット通販で買わねば我慢できないなんていう変態の人口はそんなに多くない。

 

これに付随してD2Cの市場規模が国内外で縮小し始めたという報道もあちこちで始まった。

少し以前に国内D2C市場規模が減少し始めているのではないかという記事をご紹介した。

日本のD2C市場は縮小傾向?巨大な卸・小売市場と対峙するには“本質的な役割”を理解すべし (1/3)|ECzine(イーシージン)

またアメリカではナイキのD2C売上高が減少しはじめて、あれだけバッサリ切った卸売りを再強化し始めているという報道も相次いでいる。まあ、ナイキらしい強者の傲慢さをうかがわせる話である。当方はナイキが嫌いなので極力商品は買わないようにしているが、すでにハイテクスニーカーをコロナ禍に4足買ってしまった。まあこれ以降はナイキの商品を買うことは無い。

ナイキ 、9年ぶりにデジタル事業売上が減少。D2C戦略の有効性問われる | DIGIDAY[日本版]

 

当方からするとナイキのデジタル販売が無限成長し続けると考えている方がおかしくて、デジタル販売の需要をある程度取り切ってしまったのだろうとしか思えない。

そもそも試着も含めてネット通販には不便な点も多くある。ネット通販を好む層はほぼ参加し尽くしており、好まない層は今後はコロナ禍のようなやむにやまれぬ状況が出現しない限りは、ネット通販を使うことはないだろう。

 

 

先日、ネット通販でテクシーリュクスのダブルモンクストラップストレートチップのドレスシューズを買った。平たくいうとスーツに合わせらる革靴である。

理由は、当方の次男が5月に結婚式を挙げるからである。式の詳細なんかは本人たちが勝手にやっているのでイマイチよくわからない。5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の「不倫制裁スレッド」を愛読している当方からすると、次男は大丈夫なのだろうかと不安しかない。

それはさておき。

新郎の父ということでモーニングを着用せねばならなくなり、買うかレンタルするか悩んだが、今後、そんなに着る機会もないだろうと思うのでレンタルすることにした。

ただ、靴と靴下だけは自前で用意してほしいとのことだったので、当日自宅から式場までその靴を履いて向かうことになる。当日の天気は今の段階ではわからないが、もし雨だった場合、手持ちの通常の革靴ではえらいことになってしまう。自動車で行けば被害は最小限で済むのだろうが、あいにくとスーパーペーパードライバーなので電車で行くしかない。となると、それなりの距離を雨の中歩かねばならない。

そんなわけで、一念発起してかねてから試してみたかったテクシーリュクスのゴアテックス内蔵(防水透湿機能)をポチることにした。定価は17600円なのだが、できるだけ安いところを探すと13800円(送料無料)というのが楽天市場にあってポチった。

 

 

3Eと説明が書かれていたので、2Eのスニーカーは28・5センチを履いているため、27・5センチをポチった。

到着して自宅で試着してみると少し大きい。何度試着しても大きい。

数日悩んだ挙句、27・0センチに交換をお願いしてみた。すると交換OKだったので返送した。

当たり前だが返送はこちらが送料を支払った。ゆうパック持ち込みで1080円だった。この商品を買うときにいろいろと工夫して貯めた楽天ポイント1200円分と50円引きクーポンを使ってさらに安くしていたが、この返送料金でほとんどチャラになってしまったわけである。

27・0センチに無事交換してもらえたのだが、やっぱりネット通販で着用品を買うのは難しいということを改めて感じた。

これが実店舗なら2~3足試着すれば返品交換は発生しにくい。

最近はリーボックのスニーカーの投げ売り品ばかりネット通販で買っているが、サイズ感がもう十分に分かっているからできることであって、初めてのブランドの商品はサイズ感がわからないのでサイズ交換になる可能性が極めて高い。

 

当方からすると衣料品・靴などの着用物はサイズ交換の可能性が常にあるため、ネット通販が最上級に便利でありぜひとも多用したいものではまったくない。

2021年以降、衣料品ブランドの各ネット通販が成長一辺倒ではなく、勝ち組・負け組がハッキリし始めたのはサイズ感も大きな要因の1つなのではないか。

2010年代後半にSNSイキリたちがガナっていたネット通販万能論は一体何を根拠にしていたのか当時も今もまるでわからないままである。

 

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ