福袋についてのアレコレ
2014年12月22日 未分類 0
さて、クリスマス間近だが、筆者にはあまり関係ない。
クリスマスが終わると店頭は途端にお正月向けに変わる。
毎年のことながら、この変わり身の早さは見ていてすがすがしさを感じる。
お正月というと、恒例の福袋販売だが、今回は福袋について見てみたい。
元来、福袋は売れ残りの在庫品を詰め合わせて販売していた。
これはそれほど昔の話ではない。10年くらい前まではそういうショップが多かった。
その昔、筆者も一度買った経験があるが、正月の福袋に夏物の半袖衣料品が数点入っていた。
結局のところその時期に仕えそうなアイテムは2点ほどで、3点以上あれば儲けものだった。
これが現在では、色柄、サイズ別に分けられており、その時期に仕えそうなアイテムばかりだということは周知の事実である。
なぜ、こんなことができるかというと、多くの場合は福袋用のアイテムをわざわざ製造しているからだということも良く知られている。
ただし、中には本当に在庫をある程度の枚数を詰めている福袋もある。
筆者が知る限りにおいては、ジーンズチェーン店の多くは実際に店頭で一定期間販売した在庫を詰めている割合が高い。
とは言ってもその場合も福袋用に何点かは製造・仕入れしているようだが。
一方、セレクト系やトレンドSPA系の福袋はほとんどが新造品で占められている。
中には在庫品が混じっていたりもするが、それはよほど売れ行きが悪くて大量に残ったアイテムである。
ただし、いずれの場合も10年くらい前の福袋のように、夏用の半袖アイテムは1枚も入っていない。
2~3年前に、某有名セレクトショップ(実質は疑似SPA)のメンズ福袋と、某無名メンズブランドの福袋の中身がまったく同じなのに値段が全く異なるということでネット上で話題になったことがある。
某有名セレクトショップの福袋が1万円で、そのメンズブランドの福袋が数千円だった。その価格差がずいぶん話題になった。
なぜこんな現象が起きるかというと、
一つは同じODMメーカーに福袋の製造を両社が依頼していた可能性がある。
もう一つの可能性は、某セレクトショップがこのメンズブランドにODM生産を依頼していた可能性である。
この二つしか可能性はない。
ネット上ではこのメンズブランドがセレクトショップにODMを依頼したのではないかという推測も流れていたが、その可能性は極めて低い。
なぜなら、無名ブランドが大手セレクトショップにODMを依頼する事例は業界では存在しない。
必ず逆である。大手セレクトが無名ブランドにODMを依頼するのである。
だから大手セレクトが無名ブランドからODMを依頼されたという可能性は除外して考えるべきである。
ところで、新造品にもかかわらず、どうして福袋アイテムに値札が付いているのかという疑問がある。
これについていつものブログで解説されているのでご紹介したい。
福袋の裏話
http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-11963330744.html
つまり、
本来ショボい商品なのを
あたかも「高い」商品が
大幅に安くなっている印象を
消費者に与えたいが為だけに
わざわざ、
ありもしない「元値」が記載された
「下げ札(タグ)」を付けているんですね。
というのが結論である。
福袋用の新造品(店頭での販売実績がない)にもかかわらず、高めの価格を表記した値札が付いているのは、いわゆる「二重価格表示」にあたるので下手をすると景品表示法違反の可能性が極めて高い。
これはこのブログが指摘する通りである。
過去に販売実績がある不良在庫品の値札が定価で表示されていることは景表法違反にはならない。
だからそのアイテムは合法的であるが、福袋用の新造品にもかかわらず高価格を値札で表示するのは景表法違反になる可能性が高いということである。
そんなわけで、年始も楽しい福袋ライフをお過ごしください。