2013年がスタートしたわけだが、新年にふさわしい話題を・・・・・・・と思うがそんな引き出しがないのでいつものようにスタートしたい。

先日、阪急百貨店うめだ本店の自主編集レディースジーンズ売り場「ワールドマップジーニスト」を取材した際、担当バイヤーがこんなことをおっしゃっていた。

「国内のジーンズナショナルブランドは変えなくてはいけないところを変えず、守るべきところを変えているように見える」

どこを「変えるべき」か「守るべき」かは人それぞれの考え方があるだろう。
阪急百貨店うめだ本店のジーンズ売り場は、増床グランドオープンに際して「ファッション」を切り口とした高価格帯商品を提案する、と決めた売り場である。
その売り場担当者から見ての感想である。

また、同じ時期に岡山県井原市のデニム生地メーカー、クロキの本社を久しぶりに訪ねた。
クロキの本社を訪ねるのは7~8年ぶりになるだろうか。
染色から整理加工までを一貫で行うデニム生地メーカー、クロキは「シャネル」「ルイ・ヴィトン」「プラダ」「グッチ」など数多くの欧米ラグジュアリ―ブランドにデニム生地を販売している。

クロキによると「欧米ラグジュアリ―ブランドのすごいところは、7年くらい定番ジーンズをまったく変化させていないところだ。使用する生地もシルエットも変化させていない」とのことだった。
これが日本のブランドなら多くの場合、定番といえども毎年、使用生地やシルエット、色使いを少しずつ変化させる。
国内のジーンズナショナルブランドはまだ定番をしっかり守り続ける部類だが、他の一般ファッションブランド、SPAブランドは定番品すらほとんどない。毎シーズン、全商品のデザインが変化させられてしまう。

ブランドの性質にもよるだろうが、トレンド追求型のブランドなら毎シーズン、フルモデルチェンジすることはある程度仕方がないのかもしれない。それでも周りからは「あのトレンド追求型のブランドを毎シーズン買っているが、以前に買ったジャケットは再販してもらいたい。気に入っていたのが傷んできているので買い直したい」という声を聞くことがある。
トレンド追求型ブランドといえども「変わらぬ定番」を求める固定客は少なからず存在するのではないか、とも感じる。

結局、ブランド戦略とは「変える部分」と「変えない部分」のバランスなのだろうが、日本の多くのブランドはこのバランスが悪いのではないかと思う。
ジーンズというアイテムに限定して見るなら、国内ナショナルブランドのジーンズは変えていない部分が多すぎて、すでに「ファッションアイテム」ではなくなっているのかもしれない。
かと言って「大衆向け実用服」というには、ユニクロやしまむらに比べて価格が高すぎる。

ジーンズナショナルブランドに限らず、日本のアパレル業界全体がこの辺りを整理して考え直してみる必要があるのではないか。