ライフスタイル雑誌「Free&Easy」が休刊となった。
雑誌の休刊というのは実質的に廃刊である。
ライフスタイル雑誌とされているが筆者はファッション系の雑誌だと思ってときどき読んでいた。

ジーンズ、アメカジ、古着系には強い雑誌だったが、休刊となったということは採算が悪化していたということだ。
儲かっているなら休刊にはなっていない。
以前に一度だけジーンズ特集の際に原稿を書いたことがある。

それにしてもファッション系の雑誌は苦戦を強いられている。
とくに男性雑誌は厳しい。

発行部数は公称で10万部とされているが、はっきり言って10万部を維持できていたなら休刊にはなっていない。
実際の購買部数はかなり少なかったのではないか。

http://www.j-magazine.or.jp/magadata/?module=list&action=list

ここで主だった雑誌の3か月ごとの平均発行部数が調べられるが、Free&Easyは掲載されていない。
最新版のデータである2015年7月~9月の各雑誌の発行部数を見てみよう。

メンズクラブが64567部
ゲイナーが68600部
ライトニングが92967部
UOMOが60000 部
LEONが82067部
MEN’S EX が31967部
Safari が198400部
GQ JAPANが46250部

である。

この中で10万部を越えているのはSafariだけであり、それに近いのがライトニングである。
それ以外は10万部から遠く離れている。

メンズEXとGQJapanはそれぞれ3万部強、46000部強しかない。

それでも発行を続けられているということは、人件費をよほど安く抑えているか、広告出稿がそれなりに集まっているかである。
大概の雑誌は購読料ではなく広告料で成り立っているというのは周知の事実だ。

となると、Free&Easyの場合は、広告料が集まらずに赤字になっていたと考えられる。
発行部数が10万部もあったとは考えられない。同じ年代をターゲットにした男性雑誌は軒並み5万~6万部である。おそらくこの雑誌も実際の発行部数はそのあたりだったのではないかと考えられる。
公称部数というのはあくまでも公称であってほぼ自称である。

某業界紙が公称部数10万部とか5万部とか唱えているが、それは実際の数字ではない。
業界紙だけでなく経済誌も雑誌もすべて同じで公称というのはほぼ自称である。
自称プロサーファーとか自称ミュージシャンとかそういうのとほぼ変わらない。

しかし、メンズEXが3万部強、GQJAPANが4万6000部強で発行し続けていられるのは、広告出稿料がそれなりに集まっているからであろう。
広告出稿料が集まっているのはどうしてわかるとかというと書店で実際に雑誌を手に取ってみればわかる。
ページ数が分厚ければそれだけたくさんの広告が集まっているということである。
LEONなんてときどき電話帳みたいに分厚いときがある。あれは広告がものすごく集まった証である。

反対にペラペラに薄いときは広告が集まっていないということになる。

ファッション系雑誌の休刊が相次いでいるが、今後もこの流れは続くだろう。
すべての雑誌が休刊になるとは思わないが大半は淘汰される。
その受け皿となっているのがウェブだろう。

男性雑誌はもともとネタと広告の少ない2月号と8月号をストリートスナップ特集にすることで乗り切ってきたが、最近はこのストリートスナップ特集号が年2回以上に増えているように感じる。

おそらくネタと広告が集まってないのだろうと推測されるのだが、それだけではないだろう。

読者がリアルさを求めているからそれに対応するには容貌と体格の整ったモデルよりも、そこらへんを歩いている一般人を集めた方が、より共感が得られると編集部が判断しているからだろう。
中には一般人じゃなくて知り合いの広告代理店社員とか販売員をサクラとして紛れ込ませていることもあるが、モデルよりはリアリティがある。

たしかにこれは一つの名案かもしれないが、この場合はウェブとの競合がさらに激しくなる。
wearなどのアプリやストリートスナップを集めたウェブサイトで事足りてしまう。
しかもそれらを閲覧するのは無料である。
毎月500~1000円を支払う雑誌では太刀打ちできない。

またファッションを専門に論じているブログの方が雑誌よりも読み応えのある場合も多い。

ブロガーの場合は一人で書いているが、雑誌は多くの人の手によって編集されている。
また書き手も多数がかかわっている。

当然のことながら、雑誌の記事は完全には意思統一されていない。

これが経済や政治を論じるような雑誌なら様々な意見を集めるのは有益である。
しかし、ファッションについての情報を書いている雑誌で、意思統一ができないのは読者に混乱を招くことになるのではないかと思う。

例えば、「〇〇という着こなしがイケてる」という記事の何ページかあとに「〇〇という着こなしはNG」みたいな一文が掲載されていたら読者はどちらを信じるべきだろうか。
そしてこういうことが実際に何度も掲載されていたのを筆者も知っている。

ファッションブロガーの場合は、賛成できるかどうかは別にして、個人の論調で徹頭徹尾まとめられておりそういう混乱を招くことはない。

ファッションブロガーがストリートスナップを集めて自分の価値観で評論したウェブ媒体の方が、ファッション雑誌よりも読みやすいし、説得力があるということになる。

ストリートスナップの過度の重視と、多人数での製作による主張のブレ。

この部分を考え直さないとファッション雑誌はウェブメディアに今後も負け続けることになるのではないか。
そして一部の熱狂的信者を集められた雑誌だけが残るのではないだろうか。現在はまだその過渡期にある。

どの雑誌が最終的に生き残るのか興味深く外野から眺めたい。