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南充浩 オフィシャルブログ

形骸化するジーンズ生産統計

2012年8月7日 未分類 0

 先ごろ、2011年度のジーンズ生産統計が発表された。
これは、2011年の1月~12月までのジーンズの生産統計である。
これによると、昨年度のボトムス生産量合計は4711万本と2010年度実績を2・6%上回った。
2010年度が4591万本であり、久しぶりに若干ではあるがボトムス生産量が増加した。

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しかし、これを持ってジーンズが売れたとは言えない。
なぜなら、日本ジーンズ協議会が注釈しているように、増えたのはチノパンを含むカラーパンツであり、ブルージーンズは減少している。
おそらく、デニム以外の厚地織物生地を使ったパンツはすべてカラーパンツに集約されているのではないか。

さらに、何度もこのブログで書いているが、この統計は日本ジーンズ協議会の加盟企業のみなので、ユニクロやしまむら、ポイント、ハニーズなどの非加盟企業の生産数量は含まれていない。
また同じジーンズ専業メーカーでもブルーウェイ、ドミンゴ、ジョンブル、コダマコーポレーション、カイタックインターナショナルなどは加盟しておらず、これも生産量には含まれていない。

さて、先日、この生産統計について雑談していたのだが、10年以上前の生産統計と比較することが果たして正しいのかどうかである。

ジーンズの好不調やトレンド化など、その時々に応じた消費動向はある程度考慮が必要だが、そもそも加盟企業自体がこの10年間で大きく変わってしまっている。
2004年当時は現在のエドウイン商事、リーバイ・ストラウス・ジャパン、ビッグジョン、タカヤ商事、ベティスミス、リー・ジャパンの6社に加えてボブソンが加盟していた。

さらにその前になるとブルーウェイやドミンゴ、そのもっと前にはジョンブルも加盟していた。
現在の加盟社数は増えてはいるが、そのほとんどが原料メーカーや洗い加工業者、染色工場になっており、いわゆるジーンズ専業メーカーは現在6社にまで減っている。
これでは過去の生産統計と比較する意味があまりない。

某専業メーカー社長は先日、「ジーンズ協議会の枠組みが変わってしまっているので、生産統計を発表する意味はないのではないか?数字上だけ見れば減産が続いており、消費者に沈滞ムードを印象付けてしまう」と懸念を示されていた。

そう言う意味では生産統計と同時に、協議会の加盟メンバーを毎年ごとに確認する必要がある。
しかし、残念なことに5年前、10年前、15年前の協議会のメンバー一覧表はほとんど残っていない。
各業界紙のバックナンバーには残っているかもしれないが、それを閲覧するのは一般的に取れる手段ではない。また、ネットから拾うことは至難の業だろう。
かく言う筆者も記録には残していないので、いつごろ、ジーンズ専業メーカー各社が脱退していったのか正確な年度はわからない。

この部分を無視して、単純比較だけしていても生産統計は意味がない。

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