ファッション専門学校は製造業への就職斡旋を強化しては?
2011年11月17日 未分類 0
ファッション専門学校を卒業してもなかなか就職がない。
専門学校に寄せられる求人のほとんどが「販売員」募集である。
しかし、専門学校に進学する生徒は、服作りを志向している子が多い。ここに需給バランスのミスマッチがある。
そして、生活のために覚悟を決めて販売員として就職しても、アパレル各社に販売員としてキャリアを積ませるような教育システムがあまりない。
23歳で販売員として就職したとして、数年はそれで過ごせるだろう。
じゃあ、30歳を過ぎたらどうなるの?40歳を過ぎたらどうなるの?
ここまでをきっちりとシステム化しているアパレル企業はほとんどないだろう。
せっかく服作りの基礎を覚えて、作ることを志向している子たちが、40歳越えるまで販売員のままで我慢できるだろうか?筆者はできないと思う。
作り手が販売員を経験するのは良いことである。
しかし、作り手志向の人間が永遠に販売員としてしか仕事が続けられないなら悲劇的だ。
しかも、アパレル企業には40代、50代まで販売員を育てていく気もないし、そのノウハウもない。
販売員として就職してもその大半は腰掛けにならざるを得ない。
アパレル企業の経営者は「売り場が重要」と口では述べるが、販売員をまるで重視していない人が多くいる。
なら、縫製工場、染工場、織布工場、ニット工場などに卒業生の就職をあっせんしてはどうだろうか?
おそらく、すでにそれに取り組んでいる専門学校もいくつかあるにちがいない。
以前、ファッション専門学校に勤務したことがあるのだが、そこはまるっきり取り組んでいなかった。経験則から照らし合わせると、製造業への就職あっせんに取り組んでいない学校もまだ相当数あるのではないかと推測している。
もちろん、そういう工場も経営が苦しく、資金的にも新卒採用どころではないのだろう。
また新人を育てるのも手間がかかる。
それでも、中には新卒採用しても良いという企業もあるだろう。
そういうところに、なんとか卒業生を就職あっせんする専門学校が増えないものだろうか。
昨今、生地作りや縫製の重要性に注目する真面目な学生さんも増えている。
理想論かもしれないが、そういう学生さんを製造業と結び付ける動きがもっと盛んになることを願わずにはいられない。