カイハラ製デニムを強くアピールするユニクロ
2011年8月16日 未分類 0
ユニクロの3990円ジーンズ。そのデニム生地のほとんどを広島県福山市のカイハラが製造していることは有名である。ユニクロ側も盛んに「カイハラ製デニム」をアピールしている。
日本の産地企業として、有数の規模を誇るカイハラだが、ユニクロ側のPRも他の産地企業と比べて突出している。ユニクロのダウンジャケットのナイロン素材は北陸産地での生産があるはずなのだが、あまりPRされていない。それだけカイハラとユニクロの関係が良好だということだろう。
先日のメルマガでは、カイハラの工場風景がついに紹介されていた。
小さい写真なので見にくいかもしれないが、見ていただきたい。
これはある意味で、産地企業のもっとも理想的なPRだと思う。
1、有力ブランドとの連携がわかりやすい
2、工場設備が掲載されていることで、物作りのイメージが伝わりやすい
という効果が挙げられる。
筆者もときどき、産地企業のPR方法について尋ねられることがあるのだが、
ブランド側に了解を取ってからの話しではあるが、取り組み先のブランド名を自社HPで挙げることと、
工場設備の写真の掲載をお薦めしているのだが、現状はなかなか受け入れてもらえない。
今回のカイハラの件は、産地関係者にもよく見ていただきたい。
さて、提言に産地が二の足を踏む理由は
1、ブランド側から叱られるのではないか
2、工場設備なんか見せても仕方がない
3、最新設備でないから恥ずかしい
という3つくらいに集約される。
1については、ブランド側に了解を求め、拒否したブランドは掲載しないということで解決できる。了解してくれたブランドだけを掲載すれば済むことである。
2については明らかに産地企業が自社を卑下している。
3についてだが、今回のカイハラはなるほど最新設備だが、最新設備が必ずしも効果的とは限らない。最新設備が見たければ中国の工場で十分なのである。反対に、最新設備を備えた中国と対抗するためには、最新設備ではあまり意味がない。
それよりも、旧型設備で作っていることをアピールする方が、中国工場と差別化がしやすい。
ここの部分は是が非でも産地側の意識を変えてもらわなくてはならない。
今回の事例は、ぜひ産地の方々にも参考にしていただきたい。