安さ、便利さを競えば実店舗は確実にネット通販に負ける
2016年7月4日 お買い得品 0
ふと思い立って、またガンダムのプラモを買った。
買うときはだいたいレビューブログを読んでから、吟味して買う。
7月はめぼしい商品が発売されないので、ちょっと昔のを買おうと思って、価格コムと近所のジョーシンとで値段を比べてみた。
HGUCユニコーンガンダムデストロイモード
2009年の商品で、もう7年近く前の商品である。
7年も前の商品なのでレビューブログは山ほどある。
膝の関節の曲がる角度が90度くらいなので、それをもう少し深く曲げる手軽な改造方法もブログで書かれている。
股関節の開脚角度も狭いのでそれを少し広げる手軽な改造方法も書かれている。
それを実行しようと思い立った。
あとは価格である。
定価は税込みで1944円である。
どれだけ安いところを見つけられるか。
近所のジョーシンは税込みで1458円だった。
価格コムの最低価格のショップは1100円台だったが、送料が500円前後かかる。
それならジョーシンで買ったほうが安い。
ヨドバシカメラの通販サイトは税込み1310円である。
しかも送料無料。
というわけでヨドバシカメラのオンライン通販に決めた。
あらかじめ価格コムで価格を見ておいて、そして近所のジョーシンに行って価格を確認した。
さらにその場からスマホで再度価格コムで価格変動を確認するという作業を行っている。
また別の機会にも書こうと思っているのだが、先日ユニクロでも同じことをした。
実店舗で品切れした商品を通販サイトで見ると残っている。
その場からスマホで通販サイトで購入した。
ユニクロの場合、実店舗も通販サイトも自社運営なので、どちらで売れてもユニクロにとっては売上高が稼げることになる。
ファーストリテイリングとすればどちらで売れようと社の収入になるのだから構わない。
しかし、価格コムはそういうサイトではない。
さまざまな業者が出店をして価格を競っているのである。
そして選ばれるためにすさまじい消耗戦を繰り広げている。
ジョーシンの店頭で筆者がとった行動は「ショールーミング」と呼ばれる。
店舗をショールームと勝手に見立てて、ネットで同一商品のさらに安売りしている店舗を探すのである。
店舗側からすればたまったものではないと思うが、消費者はそんなことを思いやってはくれない。
別に日本人が不道徳なのではない。
アメリカの消費者はもっとシビアにショールーミングを行う。
中国人も韓国人もやっているし、欧州人もやっているだろう。
同じ商品なら「何かほかの要素」がない限りは、安い店で買うのが当たり前の消費者行動である。
そして「何かほかの要素」を付加できない店やブランドはそういう扱いに甘んじるほかない。
ショールーミング追放キャンペーンなんてやったって無駄である。
悔しければ「何かほかの要素」を付加できるように研鑽、工夫するほかない。
何はともあれ、比較対象の結果ヨドバシカメラの通販サイトで購入した。
夕方の17時半くらいに購入したら、翌朝10時頃に商品が配達された。
恐るべき速さである。
昨今はネット通販が盛んになり、配送業者に過剰に負担がかかっている。
そのため、アマゾンのように一定価格以下の送料無料を廃止にする業者も出てきた。
また昨年に比べると商品の到着が遅くなっているブランドもある。
アマゾンが年間会費3900円のプライム会員以外の配送を少し遅くしたのもそういう事情もあるだろう。
が、ヨドバシカメラはいまだに送料無料を続けている。
しかも半日かからない配送速度である。
便利だが恐ろしいことである。
配送はゆうパックだった。
ゆうパックの配送業務に関しては少し黒いうわさがある。
労働問題に詳しいライターが今追跡調査中だそうだが、現場にはかなりの過重負担がかかっているのではないかと推測される。
だが、消費者からすると便利だからヨドバシカメラの通販利用は今後もさらに増えるだろう。
筆者だってお買い得品を見つければ利用する。
こういう状況下で実店舗が生き残りたいと思うならどうすべきか。
早さ、安さ、便利さを追求すれば確実に大資本の低価格ブランドかネット通販に負ける。
商品の見せ方、売り方もさることながら、接客方法も工夫されなくてはならない。
それができないような実店舗は淘汰されるのは当然である。
ブランドの展示会にやってきて「どの品番の受注量が多いですか?うちもそれを仕入れたいです」なんて寝言をいうオーナーやバイヤーがいるような店が生き残れる可能性はゼロである。