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南充浩 オフィシャルブログ

GAPは定価設定を見直すべき

2015年12月22日 売り場探訪 0

 グローバルSPAブランド、低価格SPAブランドのセール品を買うことが多い筆者だが、以前からGAPの定価設定はおかしいと感じている。

GAPの定価はおよそZARAと同等である。
ジーンズが安い時(シーズンによって異なる)で7900円、高い時は1万円強だ。
これが最終的に売れ残れば1900円くらいにまで値下がりする。
1900円に下がるまでに売り切れる品番もあるが、2900~3900円に値下がりするのは珍しくない。
逆にGAPで定価で買う人はよほどの金持ちか情弱しかいないのではないかと思う。

定価設定はZARAと同じだが、店頭投入枚数が異なる。
ZARAに比べて異様に多い。
多いから売れ残ってそれが、最終投げ売り価格で処分される。
悪循環である。
ZARAは店頭投入枚数が少なく、売り切れたらすぐにモデルチェンジだが、GAPはユニクロと同様の積み上げ売り減らし方式なので、半額に下がるまでは売り切れることは滅多にない。

GAPでは最低でも半額になるまで待っても売り切れる品番はほとんどない。

そんなGAPが今、「全品レジにて50%オフセール」を開催している。

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ユニクロも週末値引きや期間限定値引きはあるが、こんなバカげた投げ売り企画はない。
しかもこれはセール品まで対象に含む。
1900円に値下がりした商品は950円になる。

定価9900のジーンズがすでに3900円にまで下がっているが、これも1950円になる。

2900円に値下がりしたジーンズは1450円になる。

9900円でジーンズを買った人(そんな奇特な人は少ないとは思うが)は涙目であろう。

また店頭のくじ引きで割引率が決まるという企画も頻繁に開催されている。
20%、30%、40%、50%オフのくじがあり、引いたくじによって割引率が変わる。
射幸心をあおるという批判もあるが、こんなくじ引きごときで射幸心をあおられる人はそんなにたくさんはいないだろう。
よほどゲーム類に関する耐性が低い人に限られるのではないか。

長年GAPを見て来て疑問に思うのが、どうして定価設定を下げないのだろうか。
どうせ定価では売れないのだ。利益確保もクソもない。

9900円が1900円にまで下がるからすでに定価に信用がない。
GAPは少なくとも半額になってから買うという消費者の方が多いのではないか。
だったら最初から今の半額を定価設定にすれば良いのではないか。
その方が消費者だって定価設定を信用してくれやすい。

5900円が1900円にまで下がるなら「お得感」があるが、12000円のジージャンが1900円に下がるのなら、そこには「不信感」しかない。

GAPのアウトレットに通う人も多くいると聞くが、正規店内にすでにアウトレット価格品が溢れているのにどうしてわざわざアウトレットに行くのだろうか。
しかもGAPはアウトレット用商品も製造している。
個人的に見ると、現在のGAPの正規品もあまりクオリティは高くないが、アウトレット用商品はさらに低クオリティである。しかも正規店の投げ売り品より価格が高い場合も多い。

ユニクロもときどき投げ売り品があるが、GAPほどの値引き率ではないし、H&MやZARAも死筋商品を投げ売ることがある。しかし、全品レジでさらに割引とか、定価の10分の1近くにまで下げて売ることはない。

他のグローバルSPAや低価格SPAと比較しても、GAPの価格政策は異様であり、これが上陸後長年続けられていることに対して理解に苦しむ。
数あるグローバルSPAの中で、日本国内で真っ先に凋落するとすれば、それはGAPではないかと思って生暖かく見ている。




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