南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

物作りは素人であり続けるユナイテッドアローズ

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 先日、ユナイテッドアローズの生産地誤表記が大々的に報じられた。朝日新聞のURLを貼り付けておく。

http://www.asahi.com/national/update/0304/TKY201103040497.html


記事によると、

販売したシャツやバッグなど38商品・4683点(1816万円相当)の原産国表示を誤ったと発表した。中国製バッグをイタリア製とした例もあり、消費者庁は近く、景品表示法に基づき改善を命じる行政処分を出す方針だ。

とのことである。
それにしても4683点もの商品が誤表記とはちょっと多すぎる。

ユナイテッドアローズは、以前から誤表記が多く、07年にも「カシミヤ0%」のストールを「カシミヤ70%」と表記したり、輸入スラックスブランドの原産国を「トルコ」ではなく「イタリア」と表示して大々的に報じられている。実はユナイテッドアローズのHPを見ればすぐにわかるのだが、これら以外にも数々の誤表記がほぼ毎月発覚している。

http://www.united-arrows.co.jp/info/index.html

これだけ誤表記が毎月続いてなぜ改善されないのかが不思議でたまらない。


おそらく、企画担当者が商社やOEM/ODMメーカーに商品作りを丸投げしているのだと考えられる。丸投げしているから業者が付けた製造表記をそのまま信用するしかないのだろう。自分たちで製造業者や工場と直接折衝すれば再発は防げる問題である。

ユナイテッドアローズの商品の選択センスや販売力はずば抜けているが、企画・製造・生産は素人集団のままである。どんな業種でも長年続けていれば少しずつ進歩するものであるが、ちっとも進歩しないということは、物作りに関しては少しもまじめに取り組んでいないということだろう。

利益を高めるには品番数の絞り込みが必要

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 ライトオンやジーンズメイト、マックハウスでエドウィンやリーバイスのジーンズが4900~7900円くらいに値下がりしていることがある。これはほとんどの場合、廃番になったジーンズだ。廃番ということは生産中止であるので、メーカー側も小売店に対して値下げ販売を許可するのである。

先日、リーバイ・ストラウス・ジャパン社の新社長方針のことを書いたが、新社長はブランド価値を高めるために「店頭で安売りされている商品を買い戻す」という方法を選択された。しかし、そもそもなぜ廃番が発生するかと言えば、品番数が異常に多いためである。

リーバイスというブランドを例に挙げれば、名作「501」のほかに502、503、504、505、515、517という定番がある。これ以外にも511、512などの品番や、デザイン対応やシーズン対応のイレギュラー品番がある。またエドウィンのHPで確認したところメンズだけでジーンズが165種類もある。まあここには、形が同じで色違いというものも含まれているので実際の型数は少なくなるだろうが、それにしても多すぎる。全品番がまんべんなく売れるわけではないから、これでは廃番が発生するのは当然である。

先日、ポイントの新ブランド「ナッシュダレック」の1号店がオープンした。ポイントはご存じのように、社内にデザイナーやパタンナー、生産管理を置かずに、バイヤーがOEM/ODMメーカーから提案される商品をその都度チョイスして商品を展開してきた。しかし、この「ナッシュダレック」は社内に物作りチームを開設し、自社内で企画デザインを行っている。


1号店の店頭を見ると、定番のジーンズはメンズで3~4型しかない。スリム、レギュラーストレート、ルーズ、キャロットだったと記憶している。それぞれがワンウォッシュ、少し加工したブルー、激しく加工したブルーの3色展開となる。

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(ナッシュダレックのジーンズ)



リーバイスが今後、廃番によるセール販売をなくそうと思えば「ナッシュダレック」ほど型数を絞り込む必要があるのではないか。もし、4シルエットまで絞り込んだとするなら、リーバイスは現在のような120億円の売上高は望めないことになる。ただし利益は現在よりも確保できるだろうが。


冷静に考えれば、ジーンズ専業メーカーはこれまで品番数が多すぎたのである。それはなぜかといえば、ジーンズ専門店の壁面の棚を少しでも多く自社商品で埋めるためである。自社商品が少なければ、他社の商品が壁面に並ぶこととなる。だから1つ1つのデザインはそれほど変わらないのに毎シーズン20品番も30品番も企画し続けたのである。


ジーンズ専業メーカーが利益体質を強化するなら、この無駄に多い品番数を絞らねばならないのである。ジーンズ専門店が自社オリジナル商品を開発し始めている今こそが、これまでの品番数頼りの営業政策から決別する絶好のタイミングだと思う。

さて、リーバイスはどこまで品番数を絞り込むことができるのだろうか。


850円商品の登場でチノパントレンドは終焉が近づいた

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 先日、ユニクロが「チノパン1000万本販売計画」を発表したことはまだ記憶に新しい。
ユニクロはジーンズを年間1000万~1200万本販売すると言われているので、チノパンの販売本数もその規模にまで引き上げたいのだということだろう。

チノパン自体は昨年初頭から、セレクトショップやSPAブランドではトレンドアイテムだったがユニクロはこのトレンドに乗り遅れ、トレンドではなくなっていたジーンズを強化してしまった。今回の「チノパン強化宣言」はそのリベンジだろう。

最近、西友に行くことが半ば趣味のようになっているのだが、西友では「850円チノパン」の販売が始まっている。これを見たときに、おととしに発売され、半年程度でブームが終息した「格安ジーンズ」を思い出した。

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(西友の850円チノパン)


まず、1000円以下のジーンズが欲しいという層は確実に存在するので、そこに向けての商品開発はある程度は必要である。しかし、大手マスコミの興味本位の過剰報道にメーカー側も消費者も踊らされてしまったといえる。
今では「格安ジーンズ」は各量販店が一定量を継続している程度にすぎない。

ただ、2007年に終わった高額プレミアムジーンズブームの反動もあったことから、「格安ジーンズ」のインパクトはそれなりにあった。しかし、チノパンはどうだろうか?
昨年はチノパンがトレンドアイテムだったとは言え、高額プレミアムチノパンなるものは存在しない。もちろん価格幅はピンキリだが、意外に安い価格の商品も多数存在する。
ユニクロやしまむらはずっと以前から1900円チノパンを販売しているし、ポイントの各ブランドでも4900円程度のチノパンがある。
2万円、3万円の商品が普通だったプレミアムジーンズブームとはやや様相が異なる。


それ故、ここに「850円チノパン」を投入することがはたして効果的かどうかというと疑問である。「格安ジーンズ」のようなインパクトは市場に与えないだろう。


よく「量販店に格安品が並んだらそのアイテムはトレンドから外れる」と言われるが、「850円チノパン」の登場でチノパンのトレンド寿命は終焉が近づいたと言えるのではないだろうか。
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