改めていうことでもないが、先日、改めて情報を伝えるのは難しいと痛感した。

2010年12月から産地機業の生地切り売りイベント「テキスタイル・マルシェ」を始めた。
今年の8月にも開催したので、開始してから一年半強が経過している。

開始当初から知り合いの小規模ブランドや独立系デザイナーにも案内状や案内のメールを送って、来場を促したつもりだった。
おかげさまで、毎回、案内した人の半分くらいは来場してくださっているのだが、先日、某ブランド主催者に「あのイベントいつからやってるんですか?次回は教えてくださいよ」と言われた。

実は、そのブランド主催者にも開始当初から何度も案内を送っているのだが、どうやら記憶に残っていないようだった。
もちろん、こちらの作成した案内状の文面のまずさもあるのだろう。
念のために言うと、彼らの記憶力が悪いと批難したいのでもない。


人に記憶してもらうということは、想像以上に難しいということだ。


新しいブランドを立ち上げると、ファッション雑誌やインターネットで告知する。
業界紙や一部の経済紙も告知記事を掲載してくれる。
これらの媒体に広告を出稿するというのも常套手段である。


これで告知の仕事はある程度完了したことになる。
しかし、意外に他人様は覚えてくれていない。
今回の「テキスタイル・マルシェ」と同様である。
他人様に記憶してもらうためには、繰り返し繰り返し媒体に掲載され、自社の告知を行う必要がある。
一回こっきりで終わってしまうと、半年くらい過ぎれば誰も覚えていない。

「テキスタイル・マルシェ」も1年半かかってようやく、先の彼らに認知されたということになる。
新しい物事を認知、記憶してもらうにはやはりそれくらいの時間はかかるということだろう。

年に1回、決算が良ければ業界紙に広告を出す。
そんなアパレルや産地企業、製造業がけっこうある。
業界紙側とすれば、「もらえるものはありがたくいただきます」という姿勢になるのだが、
果たして、純粋に告知という意味では、この「年に1回」の広告は意味があるのだろうか。

繰り返すが、知名度の高いブランドや企業なら話は別である。
「あの○○ブランドが広告を出している」と業界内で受け止められる。
しかし、それほど知名度がない企業なら、残念ながら3カ月後には広告出稿したことすら業界から忘れ去られているだろう。


今回も痛感したのだが、主催側が思っている以上に、他人様は覚えてくれていない。
「ちょっとクドいなあ」と主催側が感じるくらいに告知をしても、やや足りないくらいなのではないだろうか。