南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2017年07月

なぜ昔はファッション業界に入る若い人が多かったのか?を考えてみた

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 そういえば、先日、「ファッション業界に若い人が入ってこないのが問題だというが、それよりも昔はどうして若い人が入ってきたのかを考えてみてはどうか?」という意見を目にした。

昔はどうしてファッション業界に若い人が大勢入ってきたのか?
これはいろいろな要因があって、当方一人で考え付くのは限界があるが、思いつくままに挙げてみる。
あとは各人で補足してもらうとありがたい。

1、成長産業、もしくはカッコイイ産業だと社会がみなしていた
2、今に比べて若い人の人口が多かった
3、ドンブリ勘定の横行する緩い業界で入り込みやすかった

ざっとこんなところではないかと思う。

1についてだが、戦後直後のガチャマン(ガッチャマンではない)時代、高度経済成長期、バブル期と繊維・ファッション産業は金回りの良い業界だった。

金回りの良い業界に人が集まるのは今も昔も、どこの国でも変わらない。
金回りが良いということ自体が人を集める装置となる。

ガチャマンというのは、紡績や合繊メーカー、織布工場などの素材メーカーが活況だったころで、ガチャと織機が動けば、万のカネが生まれるからガチャマンと呼ばれた。
1950年代のことである。

その後、大量生産・大量消費による既製服ビジネスが生まれ、アパレルメーカーが花形成長産業となった。何しろ、敗戦によってみんなが物を持ってない時代だから、作れば売れた。
とくにカジュアル洋服はこれまで戦前・戦中を通して日本には存在していない商品だったから、作れば売れたのは当たり前だ。
初期のiPhoneが高値でも飛ぶように売れたのと同じである。

70年代の高度経済成長によって国全体が経済成長し、人々の暮らしが上向き、80年代にはバブル景気を迎える。

このころまでは、各人のタンス在庫は少なかったし、経済成長で国全体のムードが明るかったから、少々高い服でも売れた。今の中国や東南アジアと同じである。

バブル崩壊直後も不況感はそれほど強くなかった。
世間のムードが変わったのは97年の山一証券・北海道拓殖銀行の倒産からである。
大手金融が倒産する日が来るとはそれまでは多くの人は思っていなかった。

今の我が国に70年代・80年代のような洋服の売れ方を期待するのは間違っている。みんなかなりのタンス在庫を抱えているので、今後、我が国の景気がどれほど回復しようとあんな買い方は二度と戻ってこない。

まあ、バブル崩壊までは、アパレルというのは成長産業・花形産業だとみなされていた。

この「みなされる」という非常に大きな要因で、時代によって同じ職業でも「みなされ方」が異なる。

先程の提起をした方は、35歳くらいなのだが、その年代になるとかつて横行した「デモシカ教師」をご存知なかった。

現在だと、教師や地方公務員は手堅い職業として人気が高いが、かつて、高度経済成長期やバブル期は、優秀な学生は給料がうなぎ上りの民間企業に就職してしまい、地方公務員や教師は、落ちこぼれや変わり者が「教師(地方公務員)にシカなれない」「教師(地方公務員)にデモなろうか」という感じで職に就いたので、デモシカと呼ばれた。

今とは「みなされ方」が180度、いや540度違っている。

繊維・アパレル産業もその当時と今では全く「みなされ方」が逆転してしまっている。

2についてだが、年代別の人口の多寡もあるのではないかと思う。

当方は1970年生まれだが、その年には193万人が生まれている。
73年生まれは210万人弱もいる。

http://shouwashi.com/transition-numberofbirths.html

一方で、就職を控えた96年生まれは120万人しかいない。

73年生まれと比べると約半分である。
ということは、単純に人口だけで考えても各業界へ就職する新卒は大きく減って当然といえる。

ちなみに47年生まれ・48年生まれはそれぞれ270万人弱ずつもいるし、52年までは毎年200万人をはるかに越える人口が生まれている。これがいわゆる団塊の世代である。

新卒の人口は年々減っているが、人気の職種・業界への競争率は高いままである。
例えば地方公務員なんて逆に競争率は年々上がっている。

となると、その割を食って志望者が減る業界が出てくるのは当然で、その一つがアパレル業界だといえる。

また、これは大先輩のご指摘だが、高度経済成長期からバブル期にかけて、我が国は重厚長大産業や金融業が発達した。そのため、優秀な学生はそちらに就職するようになり、その傾向は今も続いているともいえる。
産業間の人材獲得に繊維・アパレル業界は敗れ去ったということである。

それでもバブル崩壊までは就職者数が多かったというのは、新卒人口が多かったからだろう。
また、97年ごろから始まる就職氷河期には、優秀な学生でも企業には就職できなかったので、不承不承アパレルへ流れてくることもあった。
非正規でやるよりは、不承不承ながらアパレルでも正社員になった方が良いという判断で、その判断自体は間違ってはいないと思うが。


3については、本当にかつてはドンブリ勘定な業界で、その分、独特の緩い雰囲気があって、低学力の学生でも入り込みやすいということがあった。

しかし、今はかなり厳格に数値管理されるようになり始めており、「私、数字嫌いやねん」とか「俺、分数と小数の計算ができないっすよ」というような学生が入り込みやすい雰囲気ではなくなっている。分数と小数の計算は必須である。

企業側もよほどの事情がなければ、そんな低学力の学生を採用しようとは思わない。

これらの要因が重なりあって、アパレルには若い人が入ってこなくなっている。
じゃあどうすれば良いのかというと、各社が自助努力するしかあるまい。
決算実績を伸ばして、待遇を良くする。それしかない。

逆にいうと、ファッション業界に若い人が入ってこなくなったというのは、果たして問題なのかという疑問もある。

不人気産業に人が集まらないのはアパレルに限らず、当然であり、そういう産業はいずれ消えている。そうでなければ、いまだに江戸時代や明治時代の職種が今でもすべて残っているということになる。

人間は裸で生活するわけにはいかないので、今後も衣料品業界がゼロになることはない。しかし、不要な企業やブランドはさらに淘汰されることになる。それを回避したいなら、各社が自助努力するほかない。

若者が業界に集まらないのは若者に問題があるのではなく、業界の方に問題があるからだ。

今のアパレル業界は、低学力者にとっては入りづらく、高学歴者にとっては入る魅力が少ない業界ということなのだろう。


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業界人ですら衣料品への知識が浅いのだから、消費者の知識はさらに浅くて当然

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 断続的に売り場に立っていると、毎日必ず着用しているものなのに、一般消費者は衣料品に関する知識は驚くほど持ち合わせていないことがわかる。

いわゆるファッソニスタがいうようなテイストやらデザインやらシェイプやらに関してではなく、生地に関することだったり洗濯に関することだったりで、こちらの方はファッソニスタの御託とは異なり、生活とは密接にリンクしているはずなのだが。

先日、50代後半と思われる黒で統一したモードっぽい服装をしたご婦人が商品を買った。
非常に言葉遣いも丁寧な方だった。
買ったのは、いわゆる真っ黒のストレッチパンツである。

話は逸れるが、真っ黒のストレッチパンツとストレッチのブラックデニムパンツは、厳密にいえば生地が異なる。

生地の知識を持ち合わせている方は読み飛ばしてもらいたい。

通常の真っ黒のストレッチパンツもストレッチブラックデニムパンツも「綾織り」という織り方で織られた生地である。
織り方としては同じである。

しかし、真っ黒のストレッチパンツは経糸(たていと)・緯糸(よこいと)ともに黒い糸で織られているが、ブラックデニムは、経糸が黒・緯糸が白である。

真っ黒のストレッチパンツに使われる生地は、ツイルとかカツラギとか呼ばれる綾織りの生地が多い。

通常のストレッチパンツは綿が主体でそこにストレッチ素材が交織されている場合が多い。
表示としては綿98%・ポリウレタン(正確にはポリウレタン弾性繊維)2%くらいのものが主流だ。

そのご婦人が買ったのは、まさに綿98%・ポリウレタン2%という組成の黒いカツラギパンツだった。

そのとき、ご婦人がこう質問された。
「このズボンは洗濯すると色落ちしますか?」と。

恐らくブルーデニムのように、他の洗濯物に色移りするかという意味だったと思うのだが、カツラギの多くは移染しにくいので、そのように答えた。

しかし、質問にはもう一つの意味もあったようで、「洗濯をすると、ブラックが薄くなりますか?」との意味も含んでいた。

こちらにはちょっと驚かざるを得なかった。

なぜなら、50代後半ということはこれまで何度も様々な衣服を洗濯してこられたはずだ。
(もしかしたら超金持ちで、「アテクシは洗濯なんてしないわ、毎日全部クリーング屋に任せています」という人なのかもしれないが)

綿主体の衣服は洗濯を繰り返せば徐々に色落ちするのは、少し洗濯をしたことがある人ならそれは常識として持ち合わせているはずである。
にもかかわらず、それを質問してくるということは、それを認識せずにその御年まで生きてこられたということになる。

これも自分の経験からだが、綿素材で洗濯を繰り返せば徐々に色落ちすることは避けられない。
ポリエステル素材なら家庭洗濯を繰り返しても色落ちはほとんどない。

洗濯層の中で他の衣類と擦れて摩擦することがさらに色落ちに拍車をかけているといえる。
だから、ネットに入れて洗濯をすれば、色落ちは幾分かは緩和できる。

だから、黒や紺などの濃色の綿素材衣服は必ず洗濯ネットに入れて洗濯をするようにしている。

そのように伝えた。

それにしても、一般消費者の生地・洗濯に関する知識のなさには驚かされる。
一般消費者が悪いのではなく、それを伝えてこなかった・上手く伝えられなかった業界に責任があるのではないかと思う。

家事を得意とする方は、そういう法則を自分で発見されているようだが、それはどちらかというと少数派だ。
多くの人は、綿素材で洗濯を繰り返せば色落ちするかどうかすら知らない。

そこらあたりを啓蒙するような活動を業界がしてみてはどうだろうか?
モンスタークレーマー対策としては、すべての衣服は洗濯できないという表示にするに越したことはないのだが。

家庭での手入れのやり方がわかると、もしかしたら衣料品の購入も多少は増えるかもしれない。

自分も含めて業界にいる人の知識のあやふやさも業界の衰退を早めているのではないかとも思う。

先日も有名なファッションブロガーが、織物(布帛)と編み物(ジャージ)を間違うということがあった。昨今では、洋服づくりに直接携わっているデザイナーや企画担当者までがこの手の知識を持ち合わせなくなっている。

スポーツウェアメーカーの若手社員が、業界紙記者に対して「ポリエステルって何ですか?」と質問してきたこともあるくらいだ。

自動車やらパソコンやらの業界でそういうことはあるのだろうか?
傍から見ていると、衣料品業界よりは随分と各人がしっかりした商品知識を持ち合わせているように見えるのだが。


オムニチャネルが云々とか、サステナビリティがどうのこうのとかエシカルがナンタラとか、そんな宙に浮いたようなことよりも、崩れかけた足元を固め直す方が先決ではないのか?
発射する土台が崩れかけているのに、空中戦ばかり志向していても飛び立つことすらできないのではないか。

業界が衰退しているのは、土台となる商品知識が崩れかけているからではないのか?


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やっぱり、インターネット通販では服と靴は買いにくいと思う

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 Amazonをはじめとするインターネット通販市場の拡大によって、配送サービスがパンク状態であることは、各社から報道されている。
それもそのはずで、10年前まで5兆円だった通販市場規模は、現在16兆円くらいにまで膨れ上がっている。ということはそれだけ多くの荷物が配送されているということになる。

Amazonは年会費3900円を払ってプレミア会員になると、送料無料で当日配送してくれるが、これがさらに配送サービスを圧迫している。
このあおりを受けたのか、ZOZOTOWNは当日配送から撤退している。

まあ、今すぐにどうしても欲しいというような品物はそこまでないと思うが、そんなに当日配送って必要なんだろうかと思ってしまう。

2~3週間も経過すればすっかり注文したことを忘れてしまいそうだが、4~5日くらいかかっても構わないと思うのだがどうだろうか。

当方はインターネット通販に本格デビューをしてまだ3年ほどである。
5年ほど前に子供へのプレゼント用で、国内の書店では手に入りにくい本をAmazonで注文したことがあったきりである。
それ以外はインターネット通販を利用することに抵抗があった。

当方の買い物は服や靴が多いから、実際に試着できない通販にはけっこう抵抗があり、これは今でも変わらない。
今でも通販で服や靴はあまり買わない。
サイズ感・素材感がわからないからだ。

ユニクロのネット通販はたまに利用する。
なぜなら、店頭で試着してサイズ感・素材感が分かっているからである。

とはいえ、先日、Yahoo!でスニーカーを買った。(Amazonよりも安かった)
試着したことがなくサイズ感がわからないので、かなり迷った。

アディダスのクライマクールクロベという水陸両用のスニーカーである。

何故買ったのかというと、今年は結局、関西は比較的雨の少ない梅雨だったが、いつも雨の日に履く靴を迷う。
防水靴以外の通常の靴は、雨がしみ込んで靴下が濡れてしまう。
すぐに帰宅できればそれでもかまわないが、濡れたままで一日過ごさねばならないことになるとなかなか不快感はマックスである。

そこで、3年前にこれもインターネット通販で防水スニーカー、コンバースエヴォブーツを買った。
聞いたことのない新潟の靴屋のサイトで、1足4600円と破格に安かったので、白と黒の2足を買った。

3年が経過すると、ちょっと劣化気味で、ときどき雨がうっすらとしみ込むことがある。
また、防水靴は気密性が高いため、夏場はかなり足先が暖かいことになる。
頭寒足熱とはいうが、夏場に足熱することは暑さが倍増するので、できれば履きたくない。

そこで、梅雨に備えて買おうと思った。
このクライマクールクロベは逆に濡れることが前提になっている。
これを素足に履けば、濡れても構わないのではないかと考えた。

秋冬にこれを履くとおそらく寒すぎて足先がしもやけになるが、夏場はこちらの方が快適ではないかと考えた。

そこで、6月の初めにインターネットで最安値を探した。
同じ物を買うならできるだけ安く買うのが当然である。

結果、消費税込み・送料込み・貯まったポイント(100ポイントくらい)使用で3990円というところを見つけて購入した。

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迷ったのはサイズ感である。
サイズ表を見ると、27センチの次は28センチになっている。

通常、筆者はアディダスやナイキ、プーマのスニーカーはほとんどの場合、27・5センチを買っている。

しかし、27・5センチがない。

27センチと28センチのどちらを買うべきだろうか。
そこで今度は商品の消費者レビューを読み始めた。

サイズ感は小さめと書かれているレビューが多く、それなら「28センチだ」と思いきや、何割かの割合で「ちょうど良い大きさ」とか「ちょっと大きめでした」というレビューもある。

足の形は人それぞれ個人差が大きいがここまで意見が割れると、決めかねてしまう。

悩みに悩んで、結局27センチを買った。

もし小さかったら交換してもらうのがめんどくせえなあと思いながら。

送られてきて試着してみると、27センチは素足に本当にピッタリで、靴下を着用すると履けないくらいのフィット感だった。

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(クライマクールクロベの着用感)


言ってみれば、ゴム底が付いた靴下を履いているようなフィット感と言えば通じるだろうか?

アッパーは合繊のニット地なので、おそらく着用を繰り返すうちに幾分かは伸びると考えられるので、気長に使っていこうと思う。

7月になってから、昨年からトレンドになっているロングシャツを買おうとネットで検索した。
Amazonで安値の商品をいくつか見つけたが、結局は買わなかった。
素材感や生地の厚さが皆目わからなかったからだ。
そのほとんどが生地の組成を書いていなかったり、生地の厚さに言及していなかったりした。

なるほど、着用写真だけはかっこいいが、そんなもんだけでは買う決め手にはならない。
そんな小手先の手練で売れると思ったら大間違いである。
この手のアホな業者には腹立たしささえ感じる。

結局、Amazonをはじめとするインターネット通販で買うのは、着用感を必要としないガンダムのプラモデル、本、それから雑貨、日用品消耗品ばかりで、まれに服や靴があるという感じで、靴は今回が2度目しかない。

逆にガンダムのプラモデルなら、安値になっていればインターネット通販で買う。
6月には2600円に値下がりしたマスターグレード「ジムスナイパーカスタムⅡ」を買った。

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(ジムスナイパーカスタムⅡの勇姿)



昨今は、返品無料だとか交換しやすいサービスだとか、そういうのがインターネット通販各社から新たに提案されている。

これで「消費者利便性がさらに高まる」と賞賛する声は多いが、こんなことを過剰にやっていれば、配送サービスはさらに危機的状況になる。
みんながコンビニなどの店舗受け取りを活用すると幾分緩和できそうだが、利用者が増えすぎると、今度はコンビニや店舗がストックルームを圧迫されることになりかねない。

インターネット通販こそ不況解消の切り札かのように、吹聴するダメコンサルやアホな業者も多いが、インターネット通販が増えれば増えるほど配送や店舗受け取りシステムは危機感を増す。

個人的には、配送にも店舗にもなるべく迷惑が掛からないように

1、当日配送や翌日配送は求めない
2、返品・交換を前提として気軽に注文しない


という今の自分の活用スタイルを維持することだけが、緩和策ではないかと思っている。

それにしても、ネットをやっていない年寄りに限ってどうしてインターネット通販を過剰に礼賛するのだろうか?

隣の芝生は青く見えるとはいうが、そんな感覚で世論形成がなされれば、ますますミスリードされる情弱が増えるだけではないかと思う。




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洋服の供給量は減らない

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 洋服の値崩れを防ぐことについて、その防衛策として「供給量を減らす」ことが業界から提案されるが、実現は難しいのではないかと思う。

まず、これを提案している人々が、どちらかというと小資本だったり、負け組に属していたり、する場合が多い。

小資本や負け組の論理では、大資本の論理を止められないから、グローバルブランドや国内の勝ち組大手企業の供給量が今後、激減することは考えにくい。
良くて微減、少なくとも現状維持だろう。

じゃあ、そういう小資本組や負け組が示し合わせて、供給量を削減したらどうか?ということになるが、これは恐らく独占禁止法に引っかかるのではないかと思われる。
当方は法律にはあまり詳しくないから、詳しい人がおられたらご教授いただきたい。
多分、カルテルだとかトラストに当たるのではないかと思う。

だからこれも現実的ではない。

また、業界内の事情に目を向けると、近年、アパレル企業の倒産、衣料小売り店の倒産・廃業が相次いでいる。企業数が減るということは供給量も減ると一般的に考えられがちだが、業界内の特性として、倒産企業からは何社も独立ブランドが生まれる。

例えば、業界にはVAN倒産後に独立したブランド、企業がいくつあるのか?

それと同じように、アパレルや小売店が倒産・廃業すると、そのメンバーがそれぞれ独立してまたアパレル企業や小売店を始める。
最近だとOEM/ODM事務所を始める人も多い。
それぞれ個々の企業規模は小さいが、業界内のブランド総数は逆に増えるくらいだ。

1社が倒産すれば、そこから5~10社くらいは零細アパレルや零細ブランドが生まれる。

となると、業界全体の供給量はあまり減らない。逆に増えるくらいではないかと思われる。

それに、実際のところ、国内の流通総数は一時期(たぶん2014年ごろ)41億点だったのが、最近では39億点に減少している。
2億点くらいは3年間で減少しており、そういう意味では不振各社の生産調整・在庫調整が進んだのではないかと思う。

以前、日経MJの紙面でイシキタカイ系wの某ファッション専門学校生が、「一枚から服を作ればよいのに」と語ったことがあるが、既存の製造システムでは不可能である。
これに類した「イシキタカイ系のクリエイターw」も業界には多く、彼らの共通特徴として国内の製造加工業の保護・重視を訴えるが、「一枚から作る」と「国内の製造加工業の保護・重視」は矛盾する事柄で両立は不可能である。

中国や東南アジアの最新設備の工場と比べると、国内各工場の生産能力は少ないが、それでも国内各工場とて大量生産システムで運用されている。

織布ならたくさんのメートル数を織れば織るほど、1メートルあたりの生地値は安くなる。
染色も同じ。たくさんの数量を一気に染めれば染めるほど個々の染色加工賃は安くなる。
縫製も同じ。たくさんの枚数を縫えば縫うほど1枚当たりの縫製工賃は安くなる。

近年は国内工場への注文が減っているのでミニマムロットは下がっているとはいえ、1枚から縫います、1メートルから織ります、なんていう工場はサンプル工場以外存在しない。

となると、イシキタカイ系wがいうように「1枚で作る」システム確立を標榜しつつ、「国内の製造加工業を保護しろ・活性化しろ」というのは二律背反で、両立できないことがわかる。

国内の製造加工業を保護・活性化したいのなら、ある程度の数量を継続的に作らせ続けなくてはならない。

たまたま2017年7月だけ100枚の製造を注文してめでたしめでたしとはならない。

何年間も毎月100枚ずつの製造を注文しなくては工場を救ったことにはならない。
2017年7月だけの注文は単なる「スポット」でしかない。
スポットで「国内の製造加工業に貢献した」と思うのは単なる自己満足にすぎない。


洋服の値崩れを食い止めたいなら、個々の企業・ブランドが厳密に希望的観測を排除して「売り切れる」製造枚数をはじき出し、定価か少しの値下げだけで「売り切れる」販売施策をとるほかない。


各社・各ブランドは、製造枚数の設定が甘くないかを再度確認すべきだし、販売方法が本当にそれでよいのかどうかを再度確認すべきだろう。
それができなければ、洋服の供給量は減らないし、値崩れは永遠に止まらない。


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ユニクロ対ZARA
齊藤 孝浩
日本経済新聞出版社
2014-11-20






衣料品の国産比率は金額ベースで26%

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 衣料品の国産比率は3%というのは、よく言われることだが、最近これが独り歩きしすぎていると感じる。
この数字が事実であることは間違いないが、この数字は「数量ベース」なのである。

国内で流通している総量に対して3%ということである。

しかし、店頭を見てみると、「日本製」と書かれた衣料品は結構ある。
低価格カジュアル店は別として、3000円台の日本製衣料品も珍しくない。
みなさんの体感的には恐らく3%よりも多いと感じているのではないだろうか。

別の数字を示すと、「国産比率は約26%」ともいえる。
これは「金額ベース」である。
販売された金額をベースとすると国産比率は26%前後ということになる。

なぜなら、日本製衣料品は比較的高額だからである。
日本製で「Tシャツ590円」なんていう商品は、バッタ屋以外の正規店では存在していない。

となると、自動的に金額ベースでの日本製衣料品比率は高くなる。

経産省が2015年に作成した資料にもそれは明記されている。

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/apparel_supply/pdf/001_03_00.pdf#search=%27%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E8%A1%A3%E6%96%99%E5%93%81%E6%A7%8B%E6%88%90%E6%AF%94%E9%87%91%E9%A1%8D%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9%27

ついでにスクリーンショットも貼っておく。

経産省キャプチャ


輸入品浸透比率が2012年の段階で、金額ベースでは73%になっている。
ということは国産比率は2012年の時点では27%あったということになる。

そこから5年が経過して、国内の縫製加工業者はさらに減っているだろうから、順当に考えると25~26%というのが現在の状況だろう。

金額ベースに比べて、数量ベースが急落した理由は何だろうか?

様々な要因が考えられるが、最大の要因は、衣料品の供給数量が増えたことだろう。
そしてその増えた分量はほぼ中国をはじめとするアジア製だった。

例えば、ユニクロの台頭。

衣料品の供給枚数は20億枚から39億枚に倍増している。
正確には一時期41億枚まで拡大したが、やや減少して39億枚になった。
このあたりの2億枚の減少は、市場の悪さを鑑みて各社が少しずつ生産調整・在庫調整を行った結果だといえるのではないだろうか。

この増えた20億枚のほとんどが中国をはじめとするアジア製だったといえる。

これによって、数量ベースでの国産比率は急落した。
もちろん、国内の製造加工業者が減少し続けているのは言うまでもないが、もし、供給数量がここまで激増しなければ、数量ベースの落ち込みはもう少し緩やかだったのではないかと思う。

要するに、分母が激増した結果、数量ベースの国産比率が急落したのである。

ちょうど、食料自給率の議論と似ている。
我が国の自給率が低いといわれ続けているが、それは「カロリーベース」での議論であって、カロリーベースなる不思議な指標を採用しているのは我が国と韓国くらいだ。

オウベイガーのみなさんが大好きな欧米諸国は「生産額ベース」で食料自給率を論じている。

だから、「欧米に比べて我が国の食料自給率が低すぎる」というのは、基準が異なるので議論としてはおかしい。
生産額ベースでの我が国の食料自給率はだいたい65%前後もある。

本来は、欧米と比較するならこの生産額ベースで論じるべきで、もしカロリーベースで論じたいなら欧米の自給率もカロリーベースで換算し直さないと意味が無い。

なんだか、カロリーベースで大騒ぎしている自給率と、数量ベースで大騒ぎしている国内衣料品比率はちょっと似た構図ではないだろうか。

金額ベースでの26%というのもかなり厳しい状態であることは間違いないが。

とはいえ、国内の衣料品製造業者は減少の一途をたどっており、今後ますます減少することは間違いない。
一部の強い国内業者を残して、最終的には経営が悪化していたり、後継者がいない業者は消滅してしまうだろう。

最近では、ファクトリエやトウキョウベースといった国産品を扱う新興企業が登場しており、それらが発展することで国産業者の減少が食い止められるのではないかという期待が寄せられているように見えるが、それは糠喜びというものではないかと思っている。

なぜなら、ファクトリエやトウキョウベースという企業が扱っている国産業者は、いわば「強者」に分類されるものがほとんどで、弱小零細業者は扱っていない。
極端な言い方をすれば、強者はファクトリエやトウキョウベースが無くても存続し続けるだろうし、弱小零細は取り扱われないのだから、いくらファクトリエやトウキョウベースが巨大化しようと、経営環境は好転しない。
だから弱小零細業者はこれからもどんどんと姿を消し続けていくだろう。

弱小零細業者がもしも、生き残りたいと思うなら、自助努力しかない。

新進著名企業は助けてはくれないし、アパレル業界にキュウレンジャーみたいな究極の救世主は永遠に登場しないからだ。
最近、キュウレンジャーには12人目の新メンバーとして「伝説の救世主」も登場したが、そんな伝説の救世主も業界には永遠に登場しない。


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