南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2016年07月

黙って並べているだけでは物の価値は消費者に伝わらない

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 先日、ツイッターのタイムラインでこういうのが流れてきて、興味深かった。

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手作りの刺し子生地を使ってオリジナルのシャツやコートを作っているブランドが地方にあるそうだ。
価格はシャツが2万6000円、コートが7万9000円だという。

このツイート主は物の良し悪しのわかる方で、これを「安すぎる(それくらいに値打ちがある)」と鑑定されている。
この後もツイートが続き、試着した結果、シャツは非常にスマートなシルエットなのに動きやすいとのことであり、その感想が事実であるなら、かなりクオリティが高いといえる。

地方にはまだまだこういう無名ブランドが眠っている。
文字通り眠っているわけではないが、スポットライトを浴びていない。
おそらく地元の人にもそれほど知られていないのではないか。


こういうブランドが何とか世に出てもらいたいと思うが、だからこそ、告知や販促といった活動の重要性を痛感する。

漫然と店に並べてこの商品を売っているだけでは、今後もおそらくあまり売上高は伸びないだろう。
刺し子生地も手作りなのだそうだから、飛ぶように売れると製造が追いつかない可能性がある。
だから今のままでもよいのかもしれない。


一般消費者からすると、この商品は「高い」と感じる。
刺し子生地自体も何のことやらよくわからないし、シャツが2万6000円なんて、イタリアからの輸入シャツと同じくらいの値段である。
コートの7万9000円も同じだ。
無名ブランドにしては高すぎる。
そこそこ著名なブランドでも5万円でコートを売っている。

作り手の手間とかノウハウを考えると決して高くはないが、多くの一般消費者は間違いなく「高い」と感じる。

刺し子とはなにか、製造する際にどこに工夫を凝らしたか、特殊な商品だけにこれが伝わらないと、一般消費者にとっては「単に高い無名ブランド」としか感じられない。

筆者の関連業務でいえば、これを打破できるのは広報、販促という手段だし、小売店からすると店頭での接客(ただし上手い販売員に限る)ということになる。
最低でもどちらかを強化しないと、この商品の価値は消費者にはまったく伝わらない。


なにも活動をしないままで評価してくれるのはツイート主ほどの鑑識眼のある人間に限られており、そんな人間がこの世に何人存在しているかである。
ほとんどそんな人は存在していないだろう。

作り手からすると「このノウハウと手間暇で2万6000円は破格値」と思っているが、一般消費者は「2万6000円のシャツは高すぎる。同じ値段ならイタリアのインポートブランド買うわ」と考える。

かくして黙っていてはこの商品はおそらく売れないままだろう。

現在、産地企業による、自社企画商品が次々に市場にデビューしている。
その多くは、消費者にとって「高い」と感じる価格帯に設定されている。

製造側からすると、コストを積み上げるとこの価格になったということなのだが、消費者にはそんなことはわからない。
消費者が鑑識眼を備えるべきだという意見があるが、それはちょっとナンセンスな要望ではないかと思う。

なぜ消費者がわざわざ鑑識・鑑定の勉強をせねばならないのか。
プロ並みの鑑識眼を備えるまでにはどれほどの手間と暇が必要になるのか。そしてそんな手間暇をかけたいと思う消費者がどれほど存在するのか。

本気でそんなことを要望しているなら、それは製造側の思い上がりだろう。

逆に「お前らがわかりやすくみんなに伝えろよ」という話である。
売りたいのなら売れるように売る側が努力するべきであり、お客に過剰な努力を強いるのは筋違いではないか。


「今の消費者はわかってくれない」という嘆きの声が聞かれることがあるが、そもそもきちんと説明したのかどうかすらあやしい。

産地企業の自社企画商品やオリジナルブランドがなかなか売れにくいのは、その部分の努力を放棄してしまっているからである。
自社でやるならやればいいし、できないなら専門家に有料で依頼すべきである。

説明できないけど有料では依頼したくない、でも商品は売れてほしい。

そんな虫の良い話はこの世に存在しない。







刺し子のふきん
主婦と生活社
2013-11-22


販売員のための情報・交流の場「TOP SELLER . STYLE」が始まる

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 今日は告知なので興味のない方は読み飛ばしてもらいたい。

繊維・ファッション業界といわれるが、繊維業界とファッション業界はひどく異なる。
まあ、それは置いておいて、素材を川上、アパレルメーカーを川中、小売店を川下と呼びならわしてきた。

川上には紡績、合繊メーカー、織布工場、染色加工場、整理加工場、ニッターなどが属する。
ここはけっこう縦・横のつながりがあって、協同組合みたいなものもあるし、勉強会的な集まりもある。

川中のアパレルメーカーも協同組合もあるし、経営者同士は意外に仲良しで情報交換という名の飲み会なんかも行われている。

川下の小売店でも経営陣は意外に他社との交流がある。
たまには飲み会か勉強会かわからないような会合もある。

しかし、川下の販売員にはそういう集まりがあまりない。
もちろん協同組合なんてものはない。

販売員は一般的にあまり報われにくい仕事として認識されている。
筆者も販売員上がりだ。そんなにカッコイイ一流店ではなく、イズミヤという量販店の子会社で1900円くらいの安物の洋服を販売していた。

小泉アパレル、ヤギ、タキヒヨー、美濃屋、水甚といった量販店メーカーの商品を扱っていた。

販売員はやっぱり当時から報われない職種だった。
本部の方が偉いし、売れない商品ばかり仕入れるくせにバイヤーはなんだか偉そうだったし、経営陣は根拠もなく前年比10%増の売上予算を毎月押し付けてくるし、何だこりゃって感じだった。

記者になって人気ショップの販売員と触れ合う機会が増えた。
やっぱり彼らも報われない。
意外に給料は安いし、その上、自店での買い物で毎月支払いに追われている。
量販店系の店なら単価も安いが、人気ショップになると1枚ン万円の洋服ばかりだ。
それを毎月何枚も買っているからそりゃ支払いは苦しい。

某有名セレクトショップの店員なんて毎月15万円くらい支払いがある人もいる。

おまけに洋服はどんどん売れにくくなっているし、2005年くらいからインターネット通販が台頭し始めた。
昨年あたりからこれまでネット通販に冷淡だった有名ブランドまでが目の色を変えて参入しようとしている。
現金な奴らめ。

インターネット通販が盛り上がって、大手アパレルは大量閉店を打ち出している。
ワールドとオンワード樫山とイトキンとTSIと三陽商会とを合わせたらおそらく2000店くらいは軽く閉鎖しているはずだ。

当然そこにいた販売員の多くは解雇または契約終了ということになる。

これからは人工知能も発達するし、販売員はますます不要の存在になる。

筆者だって実際に、へたくそなわけのわからん接客をする販売員よりも、ペッパー君か自動販売機を相手にしたほうが服を買いやすいと感じる。

まあ、そんな散々な販売員という職業だが、それでもそれが好きでやりたいという人も少数だがいるはずである。
一部には本当に「売るプロ」という人もいるだろう。

これからますます淘汰される販売員という職業をスキルアップするために

TOP SELLER . STYLE

という情報提供の場が設けられることになった。
サイトはこんな感じだ。

http://topseller.style/

今まで、現場販売員のための交流・勉強の場というものは設けられなかったので、これは画期的な取り組みではないかと思う。

もちろん、筆者は主宰ではない。
主宰グループはみな筆者よりも若い。
若者に交じって、画期的な取り組みだと思った46歳のオッサンは、このたび協力させてもらうことになった。

今後、どのように展開していくのか楽しみにしている。
メンバーの一人として今後もちょくちょくと活動の告知をしていきたいと思う。

興味のある方はぜひ覗いてみてもらいたい。




ネット通販で苦戦する大手総合アパレル各社

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 今回はお役立ち情報をご紹介したい。

ソフトな語り口で業界の裏事情をサラっと書いてしまうブログ『「ニットキッチン」元社長の奮闘記』で、2015年度ネットショップ売上ランキングが紹介されていた。

http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-12182062748.html

ネットショップに対する期待、過信、妄信、杞憂、恐れなどが業界内には渦巻いているが、実際のところの売上高を見るというのは、のぼせ上がった頭を冷やすには効果的である。

元資料は「日本ネット経済新聞」のものだそうだが、1位から444位までがランキングされている。
400とか450とか500とかきりの良い数字ではなく、なぜ444という半端な数字なのか理由は不明だ。

1位はアマゾンで7400億円だ。
2位アスクル
3位ヨドバシカメラ

と続くが、2位のアスクルで2000億円弱、3位のヨドバシカメラで1000億円だから、1位のアマゾンが独走状態にあるといえる。

さてアパレル業界でのトップはどこかというとここでもユニクロである。
320億円強の売上高である。

ユニクロがトップということは、業界で騒がれている〇〇とか××とかは、320億円以下の売上高しかないということである。
いかにアパレル業界は狭い世界で騒いでいるかがよくわかる。

百貨店だと三越伊勢丹と高島屋がほぼ同額でトップ。
三越伊勢丹が114億円、高島屋が113億円で、どちらも前年からそれぞれ20%増、13%増となっており、好調といえる。
まあ、まだ始めたばかりなのでこれから改良次第で伸びは見込める段階であり、飽和状態とか限界点に達するにはまだまだである。

ネットショップで買い物をしたことがないのではないかと疑われる某ベテランコンサルタントは高島屋のオムニ戦略をべた褒めしていたが、EC業界の人間にいわせると高島屋のオムニ戦略なんてまるでチャチだという。
同じ商品ならアマゾンや楽天で買ったほうが種類も豊富だしレスポンスも早い。割引率だってそちらのほうが高い場合もあるという状態なので今後の改善が待たれるところだ。

この何か月か百貨店の幹部と接触した感触でいうと、彼らはやっぱり基本的にネット販売をあまり深くは理解していないのではないかと感じる。
自身がネットで買い物をしたことがあるかどうかもあやしいと推測する。

こういう人たちだけではまともなネット通販事業は不可能ではないかと思う。
外部の専門家と契約するのが成功への近道だろう。あとは外部の専門家を選ぶ目を養うことだ。
外部の専門家といってもピンキリだし、詐欺師みたいな人もいる。
そのあたりをどう見極めるかである。

オンワード樫山が86億円、バロックリミテッドが80億円である。

オンワード樫山という巨大アパレルがたった86億円しか売れていないところにこの会社のネット戦略の弱さが証明されている。

肌着のピーチジョンが55億円でウサギオンラインと同額。
このあたりもネットの面白いところで良くも悪くも知名度の高いピーチジョンと、一般的にはまるで知名度が低いウサギオンラインが同額である。

実店舗での知名度とネットでの売上高は正比例しない場合があるということである。

三陽商会は33億円弱。ここもネットに弱い。

ずっと下がると322位に8億5000万円でショーイチがある。
これは以前にも紹介したバッタ屋であり、バッタ屋でランクインしているのはここぐらいなので快挙といえる。

さらに下ると332位に7億9700万円でレナウンがいる。
ここも極端にネットに弱いという証明である。腐っても知名度が高いレナウンなのにバッタ屋以下の売上高しかない。

ざっとこんなところである。

ネット通販市場全体では2014年度ですでに12兆円強あると野村総研が発表しており、これが2021年度には倍増以上の25兆円になる見通しだそうだ。

百貨店、アパレルが衰退基調に突入している中で、ネット通販市場はこれから倍増するという明るい見通しだということである。それはもちろん、実店舗の売上高を食ってネットが成長するということなのだが。

こういう市場動向から、「ネット通販こそ活路」と目を光らせる後追い業者が続出している。
繊維産地の製造加工業もその一員であり、大阪・本町や東京・馬喰町あたりに蝟集する零細アパレルもその一員である。

まあ、たしかに成長市場なので希望はある。
しかし、すでに楽天だけで4万店の出店がある。
ヤフーなら40万店だ。
この2つだけでも44万店のショップがネット上に存在することになるのに、無名の零細アパレルや産地企業が作ったポッと出のネットショップなんてどうやって消費者に選ばれるつもりだろうか?

明らかにネットの海に埋没する。

これが超有名ブランドなら話は別だ。
わざわざそのブランド名で検索してネットショップまでたどり着いてくれるだろう。
しかし、ポッと出のブランドはブランド名すら知られていないのである。検索する手段すらないのと同じだ。

これでどうして、「ネットショップを出せばすぐにでも何千万円も売れる」なんて甘い考えを抱けるのか理解不能である。

2008年~11年くらいまで中国の好景気に沸いた時期があった。
その当時、この手の業者は「中国なら売れる」なんてことを平然と言っていたが、中国人の気質や商習慣、現地マーケティングの何も知らないくせに「よくそんな甘い考えで暮らせる」とあきれ果てたものである。今のネットへの進出もそれと同じニオイがする。
今回も敗北のニオイがプンプンしている。

レナウンほどの知名度があっても7億9700万円しか売れていない。

零細アパレルや産地企業は自分たちがレナウン以上の知名度があると思っているのだろうか?
もちろん、ウサギオンラインやショーイチのように知名度が低くくても売上高が稼げている企業もあるが、それは早くからネットに特化して事業化しているからである。
集客のノウハウを十分に蓄えており、これから進出する無名ブランドとは比べ物にならない。

ネット通販はそれほどの激戦地だと知ったうえで取り組む必要がある。










Amazonオリジナルで配信された仮面ライダーアマゾンズ(笑)

低価格ブランドがスーピマコットンTシャツを製造販売できる理由

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 ユニクロでスーピマコットンTシャツが販売されていることはよく知られている。
そういえば、何年か前は、ユニクロでプレミアムコットンのTシャツやポロシャツが売られていたが最近は見かけない。それがスーピマコットンに代わったということだろうか?

さて、夏のバーゲン売り場を歩くと、今夏のメンズブランドのTシャツは素材に着目したものが多いことに気が付く。

ユニクロと同じくスーピマコットンをTシャツやポロシャツに使用しているのがグローバルワークである。

またコーエンはギザコットン、アメリカンコットンを使ったTシャツを販売している。

いずれのブランドも低価格の範疇に属しており、その差別化の一端として希少性の高い(といわれる)素材を使用することになったのだろう。
また、Tシャツというアイテムは、細部はさまざまあるが、見た目はほとんどどのブランドもあまり変わらない。
明らかに差別化を訴えるのはこれまで色・柄だった。
しかし、色・柄の差別化も行きつくところまで行っているから、次の差別化の手段としては、使用素材での差別化ということになったのではないかとも思う。

そういえば、少し前まで無印良品では新疆綿のTシャツやポロシャツが販売されていた。

ところで、スーピマコットンとはなにか?
コットンUSAのページから引用する。

http://www.cottonusa.jp/

アメリカ綿は品質の良さで知られていますが、

なかでももっともグレードの高いのが「スーピマ綿」です。

スーピマは、“Superior Pima(高級ピマ)”を略したもの。

もともとアメリカ大陸では、南米ペルーでピマ種の綿花が

栽培されていました。

その綿花を中心に品種改良されたのが

スーピマ綿で、この名称は、アメリカスーピマ協会の登録商標になっています。


スーピマ綿は、繊維長35mm以上の超長繊維綿です。

繊維が細く長く、しかも長さが均一で、強く、耐久性に優れています。

また、しっとりと柔らかい肌ざわりはカシミヤに匹敵すると言われているほど。

製品になったときの独特の光沢も魅力です。



とのことでカシミヤに匹敵するかどうかは置いておいて、スーピマコットンを使った生地は光沢がありソフトなことは事実である。

ここで、綿についてのおさらいだが、コットンは綿花から作られる。
採取されたばかりの綿花はタンポポの綿毛みたいな感じである。
その綿毛みたいなのを紡いで(これが紡績)、綿糸にする。

この綿毛みたいなものの1本当たりの長さを繊維長(せんいちょう)という。
繊維の長さだから繊維長というわけだ。

で、綿花の種類や栽培する地区の気候によって繊維長の長さは異なる。
アメリカのピマ綿はもともと繊維長が長かった。
南米のアスペロ綿は繊維長が短いことで知られている。

繊維長の長い綿を長綿(ちょうめん)と呼ぶ。
スーピマはそれをさらに長くしたから超長綿(ちょうちょうめん)と呼ばれる。

筆者の入った業界新聞は素材分野が強かったし、筆者も入社当初は紡績各社を回ったこともあるので、
長綿とか超長綿とかいう言葉を一番最初に覚えた。
文字で書かれるとなるほどと思うのだが、一番最初に音だけで聞かされたときは、チョウチョウメンは蝶々綿かと思った。

綿花は一般的に繊維長の長いものほど高級とされる。
理由は、それを使って生地を作るとソフトで光沢感があるからだ。
また昔は繊維長の長い綿の存在が希少だったということもある。

だからスーピマは長い間、高級綿とされていたということとである。
コーエンのTシャツに使われているギザ綿も同じ超長綿である。
スーピマがアメリカなら、ギザはエジプトの綿花である。

じゃあどうしてユニクロはスーピマコットンを使ったTシャツを1000円で販売できるのか。
そんなに希少だというならユニクロだけでなくグローバルワークでも使えるのか?
コーエンがなぜギザ綿を使えるのか?

もちろん、ユニクロが想像を絶するほどの大量生産をしているから、一枚当たりのコストが下がってその値段で売れるという背景はほかのアイテムと変わらない。

が、以前、カシミヤニットでも書いたように、材料そのものが高級でもその使用量さえ少なくすれば比較的低コストで製造することができる。

綿花1グラム=10円だったと仮にする。

これを100グラム使ってTシャツを作ると、生地代は1000円になる。
一方、30グラムだけを使ってTシャツを作ると生地代は300円で済む。

当然、100グラム使って作られたTシャツは生地が肉厚だが、30グラムのTシャツは生地が薄くなる。

カシミヤだってシルクだって同じやり方で生地代を抑えることは可能だ。
ギザ綿だって同じ理屈だ。

筆者がユニクロのスーピマコットンTシャツを見ると、明らかに生地が薄い。
プレミアムコットンを名乗らせていた過去の商品よりも生地が薄いと思う。

もちろん1000円はコストパフォーマンスが高いのだが、多汗症か更年期障害かわからない汗っかきの筆者にとっては、ユニクロのスーピマコットンTシャツは真夏に着るには頼りないと感じる。

それにしてもスーピマコットンやらギザ綿やらを低価格ブランドまでが使う時代になった。
「こだわり素材を使っているからうちは品質が良くて高価格」なんて言っていたブランドは、より異なる打ち出しを求められることになる。
リバティプリントにしてもそうだ。ユニクロではリバティ社と契約したプリント柄シャツが1290円で投げ売られている。

もう使用素材だけで差別化、高級化できる時代ではない。
いわゆる「こだわりブランド」はそろそろ別の打ち出しを考えなくてはならない。
もしくは素材についてもっと詳細に語るかのどちらかである。

なかなかやっかいな時代になったものである。


















今夏のバーゲンで買ったお買い得品

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 三越伊勢丹を除いて、セールが始まって長くて3週間、短くて10日くらいが経過している。
通常いわれるのは、「目ぼしい商品はほぼ売り切れて、残っているのは人気が低い商品ばかり」だと。

しかし、個人的には今の時期から8月のお盆が終わるころにかけて、投げ売りされている夏物を買うのが好きである。
これから、今年も五月雨式にさらなる投げ売り品を買うことになると思う。

そんなわけでさっそく3種類を買ってしまった。
今回はユニクロと無印良品である。

まず無印良品で、このスニーカーを買った。
定価3980円(税込み)が半額で1990円である。
形からするとおそらくニューバランスのコピー商品だと思うのだが、この1990円はお買い得だ。
ネイビーとグリーンとこのボルドーの3色があったが、たまたま筆者の足に合うサイズがこのボルドー1足しか店頭に残っていなかったのでこれを買った。

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ボルドーのスニーカーは持っていないので即決した。

翌日に履いて外出してみたが、クッション性もよくなかなか履き心地は悪くない。
耐久性がどれくらいあるかだが、仮に1年かそこらで破損したとしても価格から考えると十分である。
初回の履き心地の良さから考えると1990円は十分にコストパフォーマンスが高いといえる。

サイズが合って、気に入った色があるならお勧めである。


次はユニクロで2点。

先日、ドライタックイージーパンツを買ったことをこのブログで書いた。
ブルーのギンガムチェック柄の商品である。
買ったときは1290円だったが、今週火曜日からさらに300円値下がりしたようで、990円で販売されていた。
その中で、濃紺のストライプ柄と濃紺のウインドーペン柄があった。
濃紺のストライプ柄はまったく同じ生地でジョガーパンツも作られていたのだが、そのジョガーパンツも1990円に値下がりしていた。

最初はそのストライプ柄のジョガーパンツを買おうかと思ったのだが、この生地はストレッチ性がない。
腿が太いので、ストレッチ性がないジョガーパンツは動きにくいと思われるのでやめた。
タックイージーパンツはジョガーパンツよりも腰回りと腿にゆとりがあるし、価格も1000円安いので、そちらに切り替えた。ストライプ柄とウインドーペン柄があって迷ったのだが、ストライプよりもチェック柄の方が基本的に好きなのと店頭在庫がそちらの方が残り少なかったのでウインドーペン柄を買った。

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定価2990円が990円なので超お買い得である。
ドライタックイージーパンツは990円の今なら何本か買っておいて損はない。
1290円の時点でも十分にコストパフォーマンスが高かったが、990円なら本当にお値打ち品である。
違う色柄をあと何本か買ってみようと思う。

話は横道にそれるが、ユニクロは同素材異種商品を意識的に増やすことで製造コスト引き下げを行っている。
このタックイージーパンツとジョガーパンツもそうだ。
同じ濃紺のストライプ柄でまったく同じ組成である。

使用素材をまとめることで、その素材の買い付けメーター数が長くなり、1メートルあたりの価格がさらに安くなる。

今夏の商品でいえば、セオリーとのコラボ商品もそうだ。
4型あるが、素材は2種類しかない。
それぞれの素材で2型ずつを製造している。こうすることで素材の使用量が増えて、生地1メートル当たりの価格が安く抑えられる。

こういう素材の集約がユニクロは非常にうまい。

もともと他のアパレルも素材集約を行っていたはずなのだが、近年は各型の生産数量が減りすぎているためかあまりこういう手法で作られた商品を見かけることが少ない。
1型100枚未満程度しか作れないブランドがわざわざ素材を集約する必要もなく、それこそ生地問屋から着分だけを購入すれば良いのである。
そういうことだろう。

最後に買ったのが、プレミアムリネンシャツ(定価2990円)で、このネイビーのチェック柄だけがなぜか1290円にまで値下がりしている。よほど不人気商品なのだろうか。

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ネイビーがちょっと濃すぎるという気もするのだが、コーディネイトしやすい柄だと思う。
なぜこれだけが店頭に溢れかえっているのかちょっとよくわからない。
筆者の感覚が一般消費者とズレているだけかもしれないが。

さて、これ以外にもいくつかショップを見て回ったのでその感想を。

目玉商品なので現在あまり値下がりしていないが、値下がりしたらぜひ買ってみたいと思う商品は、汗ジミ防止Tシャツである。
吸水速乾機能は広まったが、大量に汗をかいたら濡れて変色することは防げない。
逆に吸水速乾機能はないが、汗ジミを表に出さないようにする機能がこの汗ジミ防止機能である。

何年か前に無印良品で何枚か買ったが、今年の夏は無印にはない。

ジーンズメイトとレイジブルーにある。
レイジブルーは無地だけだがジーンズメイトはプリントTシャツもあるので、値下がりしたらジーンズメイトで買ってみたいと思っている。

あと、コーエンのTシャツ類は結構良いと思う。
今夏は〇〇コットンという素材にこだわった打ち出しをしており、なかなか良い仕上がりになっている。
生地もがっしりしたのが多い。
定価が1800~3600円なので、ユニクロと比べると(定価1000~1900円)と1・5倍くらい高いが、ユニクロのグラフィックプリントTシャツはあまりセンスが良いとは思えないので、現在20~40%引きのコーエンがさらに値下がりしたら何枚か買ってみたいと思っている。

アメリカンイーグルのTシャツは生地が薄くて柔らかすぎて頼りない。

多汗症か更年期障害かわからないが汗を大量にかく筆者にとってはアメリカンイーグルのでは心もとない。
そういう意味ではコーエンのTシャツは良いと思う。

これから、あと1ヵ月間、断続的にバーゲンの「落穂拾い」が続けてみる。















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