南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2015年08月

エンブレム問題に見る危機対応の不味さ

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 東京オリンピックエンブレムから端を発した佐野研二郎氏のパクリ疑惑が止まらない。
むしろ泥沼化している。
賛否両論あるが、一連の騒動はおそらくエンブレムを取り下げるまで収束しないだろうと見ている。

あのエンブレムを「ベルギーからのパクリだ」と指摘する人々は多いが、身の回りのデザイン(グラフィック、ファッション含む)を生業としている人の中には「他の商品は別としてエンブレムに関してはオリジナルだ」という人も少なくない。
筆者はデザインに関してはわからないが、エンブレムに関していえば、仮にもデザインを生業とする人からすると「オリジナルだ」と断言できる何かを感じさせるものがあるのだろう。


さて、あのエンブレムだが、「デザインが良いと思うか?」と問われたら筆者は「あまりそう思わない」と答える。
あれがズラリとならんだらなんだか葬式の垂れ幕みたいである。
佐野氏を支持するかと問われると「支持しない」と答える。

しかし、佐野氏のロゴは新しいデザインであり、見慣れないものを大衆は批判するという意見もある。

http://blog.okudaprint.com/2015-08/2211

人はね。見慣れた物をいいと理解できるんです。
音楽でも、映画でもそうです。新しい分野の音楽が生まれた時、彼らは評価されたか。後に評価されて歴史に残る人というのは、美術の分野だけではなく科学の世界だって一緒です。


とある。
このブログはバカ長いので全文に興味のある人はそちらで読んでほしい。

なるほど。これは一理ある。
10年後とか30年後とかに「あのデザインは当時としては斬新だったよな」という風になっているかもしれない。
可能性はゼロではないと思う。好き嫌いは別として。

脱線するが、仮面ライダーのデザインだって毎年物議を醸している。
仮面ライダー1号、2号あたりのデザインを正統派とすると、2000年から再開された現代の仮面ライダーシリーズは異端的なデザインのライダーが多い。
正統派なのはクウガ、アギト、カブトなど少数である。
ほとんどが番組開始直前まで「あのデザインは変」と言われている。

今、ちょうどクライマックスを迎えている「仮面ライダードライブ」だって相当に逸脱したデザインである。
胸に斜めにタイヤが挟まれている。
仮面ライダーなのにバイクには乗らずに自動車を運転している。

それでも見慣れてくるとそうおかしいとは思わなくなる。

おそらくエンブレムに関してそうなる可能性もなきにしもあらずではないか。
あくまでも好き嫌いは別にして(笑)


エンブレムのことはこれで置いておく。


サントリーのトートバッグは完全なるパクリである。
本人も認めている。パクリというよりはコピペと言った方が適切である。
しかもきわめて手軽なお手軽コピペである。
それ以外にもコピペ疑惑のある過去商品が次々に掘り返されており、これはエンブレムを取り下げるまでやむことはないだろう。


多くの人がいうように完全になにもないところから生み出されたデザインなんてない。
どんなに独創的といわれるデザイナーでさえ、過去の作品から何かしらの影響を受けている。
これは事実である。

過去の作品をイメージして、あるいはパクったデザインなんてそれこそ今までも無数にあっただろう。
しかし、一連の佐野氏問題はそうではなくて、筆者の目にはパクリというより「コピペ(コピー&ペースト)」に映る。
これはパソコンが発達したために起きた事件だろう。
サントリーのトートバッグだって、あれは単なるコピペである。アシスタントがやったらしいが、統括した佐野氏本人の責任がゼロになるわけではない。

文字の書体、文字間の間隔、インクのかすれ具合、パンの瑕まで再現されており、それは「そのまま貼り付けた」という証拠である。

なぜ、ひと手間を加えることをしなかったのだろう。なぜ、そういう指導をスタッフに佐野氏はしなかったのだろう。

例えば書体を変えるとか文字間の間隔を変えるとか、あちこちのバランスや比率を変えるとか、瑕やカスレを消すとか、それくらいの手間はかけるべきである。仮にもデザイナーなら。
それを指導していない、もしくはできなかった佐野氏もコピペの多用者だったと見られてもそれは当然ではないかと思える。

一方、グラフィックの世界には使用が自由な「フリー素材」というものがある。

これを使用したことまでを叩くのは少し行き過ぎだろうと思う。
ただし、この「フリー素材」の中にも商標やロゴへの使用を禁止するものもある。
新たに発掘されたカメラグランプリのロゴは、元ネタはフリー素材だと指摘されているが、このフリー素材はロゴへの使用は禁止されている。
指摘されているようにフリー素材のコピペが事実だとしたら、これは大問題である。

で、佐野氏の問題からその周辺まで問題は広がってしまっているのだが、指摘されている周辺デザイナーの過去製品にもずいぶんとお手軽コピペは多い。

これはパソコンとソフトウェアが発達する以前は考えられなかったことである。
そういう意味では、この一連の事件(周辺デザイナーも含む)はパソコンとソフトウェアの発達によって、起きた事件だといえるし、今後も似たような事件は続くだろう。


さて、ここまで問題が大きくなったのは、佐野氏とその擁護者の危機対応がまずかったという印象が強い。
これは彼らデザイナーだけのことではなく、多くの企業にも参考事例となるのではないか。


1、逆切れのような会見と声明文

気持ちはわからないではないが絶対に逆効果しか生まない。


2、否定していたことが後から嘘だと証明される

ピンタレストというSNSを使用したことも見たこともないと発表していたが、そのあとで、使用していたことが証明され、佐野氏側も使用を認めた。
これで印象はさらに悪くなる。


3、親交のある人たちからの人格的擁護

これもあまり効果的ではない。
「佐野氏が良い人」だとか「人格者だ」とか言われても親交のない一般大衆からすればそんなことは関係ないし、知りようがない。
親交のない筆者からしても「そんなもん知らんがな」である。
今の問題とされているのは佐野氏の人格の善悪ではない。

一般大衆からすると論点がズレていると感じられる。
あるいは故意にズラそうとしているのか。

今後さらなる騒動が起きるのをおさえたいなら、佐野氏側は危機管理の専門家に対策を依頼すべきだろう。

ベルギーやアメリカなどで国際的に問題が起きているなら、やはりオリンピックという世界的イベントに使用するエンブレムとしてはふさわしくないのではないかと思う。
開催まであと5年もある。その間にエンブレムと佐野氏にまた新たな問題が勃発しないとも限らない。
もう一度選定しなおした方が賢明ではないか。

一連の騒動に関する報道を見て感じたのは概ねそんなことである。





佐野研二郎のWORKSHOP
佐野 研二郎
誠文堂新光社
2006-12-02











ライトオンがエヴィスの別注品の販売を開始

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 お盆休みのころ、Eメールでお知らせがきた。
ライトオンのオンラインショップからである。

ライトオンでエヴィスジーンズの別注商品の販売を開始するそうで、その先行予約販売の案内である。

あのエヴィスがライトオン用の別注を作るというのでちょっと驚いてしまったのだが、これについて独断と偏見を交えながらあれこれ考えてみたい。

価格は通常のエヴィスより少し安い13000~16000円(税抜)。

素材は全型綿100%であり、ストレッチ素材は入っていない。

サイトで見る限り、4型である。

ワイドセルビッジ
テイパードセルビッジ
レギュラー
スリム

である。
そしてレギュラーとスリムはワンウォッシュと加工の2色ずつがあるから、全部で6種類ということになる。

予約期間は8月27日までで、9月下旬に届くことになっている。

すべての商品には男性モデルが着用しているが、それを見る限りにおいてトレンドとは一線を画している。
直接的に言えばトレンドとは無関係である。

スリムとなっているが、画像で見る限りにおいては、他ブランドのレギュラーストレートくらいの太さがあるように見える。
個人的にはこれにはちょっと食指は動かない。

0000112000857_0005_L

(スリム加工色)

0000112000858_0009_L

(スリムワンウォッシュ)


綿100%デニム生地を使っているのだから、ある程度の太さがないと動きにくい。
いわゆるトレンドの細身シルエットをこの素材で作ることは無理である。

さて、顧客ターゲットはどこだろうか?

筆者はマイルドヤンキー層ではないかと考える。
もしくはマイルドでないヤンキー層も含まれるかもしれない。

エヴィスは90年代半ばのビンテージジーンズブームで脚光を浴び、その後、ヨーロッパでのライセンス生産という戦略によって国際的に人気を高めた。
2002年の日韓ワールドカップの際、イングランド代表のベッカム選手が着用していたことから再び注目を集めた。

2005年くらいまではファッション層が着用することが多かったように思うが、2004年ごろからよりスタイリッシュな欧米プレミアムジーンズがブームとなり、ややトレンドからは外れた印象がある。
2008年からはストレッチデニム素材を使用した極細のスキニージーンズが人気となったことから完全に非トレンドブランドとなった。

この2005年前後くらいから、ファッション層が離れ、エヴィスの着用者は都心・郊外を問わずマイルドヤンキー層が主流になった印象が強い。
それから10年弱が経過している。
筆者はマイルド&マイルドでないヤンキー層向けのジーンズブランドというイメージが世間に定着したように感じる。

またエヴィスの直営店からもディスプレイや内装、外観すべてにヤンキー層志向を感じる。
同じビンテージ系ブランドのウェアハウスの直営店とはすべての印象が大きく異なる。


業績が伸び悩んでいるライトオンとしては、そのヤンキー層を積極的に取り込むつもりなのだろうか。
たしかにライトオンにはこれまであまり来なかった客層かもしれない。


ただ、それが実現した場合、店舗イメージは良くなるなると思うのだが、それはどう考えたのだろうか。


一方、ジーンズ業界全体を見渡してみると、エドウイン、リー、リーバイス、レディースのサムシング以外にナショナルブランドと呼べるジーンズブランドが消滅してしまっている。


必然的にライトオンだろうがマックハウスだろうがジーンズメイトだろうがこの4ブランドを扱うほかない。
そうすると、品揃えは同質化してしまい、あとは価格勝負になる。
もちろん販売定価が決まっているからむやみな安売りは自分の利益を削ることになるためできない。

やれるとしたら廃盤品の値引き合戦である。

新たに導入できるブランドは自社企画品くらいしか残っていない。

となると、トレンドは無関係だが、それなりに知名度が高いエヴィスはうってつけといえる。
エヴィスとしてもピーク時よりは確実に売上高が落ちているだろうから、ある程度の販売数量が見込めるライトオンとのタイアップは悪い話ではない。
単なるエヴィス側からのライセンス権供与だとしても、エヴィスにはライセンス料が入るから悪い話ではない。

かくして両社の思惑は一致したのではないだろうか。
まあ、あくまでも傍から見ていた感想であるが。

オランダのGスターは、現在、直営オンリーショップを全国で展開しつつ、ライトオンにも卸売りをしている。
実際の店頭でどれくらいGスターが売れているのかはちょっとわからない。
筆者もライトオンの店頭はよく覗くのだが、Gスターを手に取っている人はいつもほとんど見かけない。

しかし、ライトオン側とすればGスターを並べることで店のイメージアップを図ることができる。

おそらくエヴィス側もGスターの展開を幾分かは念頭に置いたのではないだろうか。

この取り組みが上手く行くかどうかはわからない。

Gスターのような安定的な取り組みになるかもしれないし、上手く行かないかもしれない。

トゥルーレリジョンというブランドがプレミアムジーンズブームのころに大人気だったが、今ではジャパン社さえなくなっており、日本では穿いている人はほとんど見かけない。

その最終局面前後の頃、ライトオンが9800円に値下げして大いに売りまくったことがある。

そんな風になってしまうブランドもある。












着物の日常着化はかなり困難

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 経産省が「着物を着る日」を導入しようと計画している。
まあ、これについての賛否両論はある。

筆者は今の着物業界も含めて否定的に見ている。
当然、業界関係者はテコ入れに期待を寄せている。

いろいろなところで書かれているけれども、ピーク時には着物業界の売上高は約1兆8000億円だったという。
現在は3000億前後を行ったり来たりしている状態で、ピーク時の6分の1にまで縮小している。

アパレル業界でいうと3000億円ならワールドの年商規模とほぼ同じであり、ユニクロの年間売上高の半分以下である。

個人的には今後も着物業界が今の体制と商品構成を維持するなら、売上高が爆発的に増えることは不可能だと考えている。
ほそぼそと伝統工芸、無形文化財的に維持されれば良いのではないか。

さて、着物を着る日についての賛否両論は様々な切り口がある。
そんな中で、業界関係者からはあまり出なかった切り口の記事が掲載されたのでご紹介したい。


経産省が促進する「着物出勤」 職場のトラブル増加は確実か
http://www.news-postseven.com/archives/20150817_341025.html

候補となっているのは、浴衣の季節である7月から8月、すでに一般社団法人全日本きもの振興会が「きものの日」として設定している11月15日、そして、仕事納め、仕事初めの年末年始の3つです。


とある。
まあ、年に3日くらいなら導入しても良いのかもと思えてくる。
ただ、仕事納めは社内の大掃除をする会社も多いからそのときに着物を着ていると汚れる可能性もあるし、いろいろと不便なのではないかとも思う。


で、目新しい切り口はこの後である。


 しかし、会社の人事労務管理をサポートする社会保険労務士という立場からは、この試みには諸手を挙げて賛成はできません。

なぜなら、どうしても着物をめぐって会社のトラブルが増えることを予感してしまうからです。

 就業規則や服装規定できっちりと定めている会社もあれば、暗黙の了解であったりと、多かれ少なかれオフィスにはドレスコートが存在します。

 着物も洋服同様、フォーマルなものから、カジュアルなものまで種類はさまざま。また、着方によって雰囲気もがらりと変わります。

 着物姿が非日常的な今、オフィスにおける着物のドレスコードをイメージできる人は少ないでしょう。なんの縛りもなく、オフィスでの着物を解禁したら、個性あふれる振り袖姿が話題をさらう最近の成人式さながら、職場で着物をめぐるひと悶着が起きそうです。

 もう一つ、懸念されるのが、お金をめぐるトラブルです。たとえ、会社が任意で着物での出勤を促したとしても、中には、「事実上の強制」ととらえる人もいるでしょう。着物を自分で着られる人は、非常に少ないのが実情です。

「着物出勤日を作るなら、着付け手当を出して欲しい」――労働者からこんな要求が出てくることも、容易に想像がつきます。

 7月31日、東京・渋谷の商業施設が企画した夏祭りに合わせて、渋谷に本社がある東急電鉄など約20社が、「浴衣で出勤」イベントを行いましたが、会社内に着付け部屋を設置、着付け師を手配するなど、万全の体制を整えています。

 要は、会社がコストをかけないと、着物出勤者は増えないということです。

「給料も上がらないのに、着物なんて買えるわけない!」

 場合によっては、着物出勤をきっかけに給料面の不満に飛び火することだって、十分、ありえます。

「コスト削減で必死なのに、きもので出勤なんて、経産省はお気楽なことを考えるもんだ。もっとやることがあるだろう」――零細・中小企業の社長からこんな怒りの声を買いそうです。

 着物で会社に出勤するきものの日の制定で着物を日常着に復活させようというのが経産省の狙いです。

 経産省の旗振りで着物出勤を推進するのであれば、量販店に並ぶスーツの価格帯でオフィスにおける着物のドレスコードの模範となるような“ビジネス着物”の提案ぐらいは、あってしかるべきでしょう。



とある。

この意見には大筋賛成である。

着物を日常着として復活させたいのであれば、ここでも指摘されているように手ごろな価格帯と、仕事をするのに適した形態の開発、着付けの簡素化が必須である。

着物を着慣れた人からはよく「着物を着ててもなんでもできる」という意見を聴くが、そこまでになるのにどれほどの時間と手間と費用がかかるのだろうか。
そしてどうしてそこまで我慢してまで慣れる必要があるのだろうか。


一人では着られない日常着なんてそんなナンセンスな物は存在しない。


それと好き嫌いの問題だが、成人式で着られるようなあの色柄はかなりダサいと思う。
明るいピンク地に大振りな花柄。
あれが本当に日本の伝統柄なのか正直言うと疑問を感じる。

日常着として復活させるのであるなら、野良着の方が適しているだろう。
野良仕事用の作業着だから当然それなりに動きやすい。


もし、この着物着用企画が実現したとしても、カジュアルフライデーやらプレミアム商品券のように思ったほどの効果は得られずに終わるのではないか。
そんな気がする。













意思のない製造加工業まで守られるべきではない

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 一昨日くらいだが、このブログの累計訪問者数が250万人を越えた。
開始したのが2010年10月だったので、5年弱の累積である。
昨年10月8日ごろに200万人を突破したので、10か月強で50万人の人が訪問してくださったことになり、12か月だと60万人ということになる。
なんともありがたいことである。

バナー広告を出稿したい工場、企業、ブランドがおられたらぜひともご連絡ください。(笑)


それはさておき。


最近では繊維産地も含めて地方の製造加工業が自社製品開発に乗り出している。
もしくは乗り出そうとするのがトレンドとなっているといった方が正確だろうか。
もちろん繊維以外の製造加工業も同じ状況である。

それを地元の商工会議所や行政がお膳立てするケースもずいぶんとある。

しかし、結論から言ってしまえば、お膳立てにただ乗りしようとするような製造加工業者が成功することは絶対にない。
反対に自社製品開発にある程度成功している企業は、そういうお膳立てなしで自発的に動いたところがほとんどである。


先日、知り合いのデザイン会社から聞いた話だが、行政系のマッチングに呼ばれてある産地の会合に出席したところ、その中の1社が「で、オタクはうちをどんな風にしてくれるの?」と尋ねたそうだ。
いやはや、レベルの低さに呆れ果てて言葉も出ないのだが、デザイン会社は「うちが貴社をどうこうするのではなく、貴社がどうなりたいかという問題ですよ」と答えておいたとのことだが、ここに集約されている。


自社製品、自社ブランドを開発したいのなら、せめて「自社がどうなりたいか」という希望なり願望なり、ふわっとした(笑)イメージなりを持っていないとどうしようもない。

行政やデザイン会社やプロデューサーがその会社を変えるのではない。
会社が変わるのを手助けするに過ぎない。

そのことが分かっていない製造加工業者が多すぎるのではないか。

筆者も繊維産地の会議に出席したことも何度かあるのだが、ここまで低レベルな発言は出てこなかったが、「とりあえずお任せしますから、良い様にしてくださいよ」という無責任な発言は何度もあった。

一口に「良い様に」というけれども「良い様に」の捉え方はすべての人間で異なる。
100人いれば100通りの「良い様に」が存在する。
筆者の考える「良い様に」と、産地のA社が考える「良い様に」は全く異なる。
B社、C社の考える「良い様に」も当然異なる。

では、どの基準に合わせろというのか。

その基準が示されないままだから産地の取り組みの多くは失敗に終わる。

「お任せしますから」と言った割には、そのあとで結果が出ないことには必ず文句を言う。
お任せしたんだったら、その結果も呑み込むべきである。
お任せの結果が呑めないのであれば、どういう風にしたいのか事前に意思表示しなくてはならない。

デザイン会社もプロデューサーも行政もテレパシー能力者ではない。
産地のおっさんの考えていることなど意思表示なしに読み取れるはずもない。



あとで反省会などをしてみると「本当はこうしてほしかった」とか「こういう方向性を考えていた」というような意見が出るが、そんなものは後の祭りである。
タイムスリップなんてできないのだから、今更言われてもどうしようもない。


このあたりは筆者の体験だが、先の企業は本当に変わりたいとは思っていないのではないか。

とりあえず、行政に声をかけられたから「楽をして美味しい思い」ができるとでも思ったのではないか。

繊維も含めて「日本の製造加工業を守れ」という声が聞こえてくるが、こういうやる気のない製造加工業をなぜ守る必要があるのか。
しかも税金で(笑)

筆者は日本の製造加工業はやる気のある企業だけが残れば良いと考えている。
やる気のない製造加工業は淘汰されて当然であり、市場から退場すべきである。


そこに情緒とか感傷は必要ない。










無印良品で買ったお買い得品

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 毎年この時期になると最終処分値となったバーゲン品を買う。
店頭を見て回ると、夏物のめぼしかった物はあらかた売り切れており、残っているのはデザイン的にイマイチな商品と、デザインは良いが過剰に生産しすぎた商品くらいになっている。

前者はいくら安くなっても買わない。後者は買う。
後者のような作りすぎた商品は要らないという人もいるが、筆者は投げ売られているなら大歓迎である。

この時期の買い物でいつも迷うのが、「夏物を買うか、秋物を買うか」である。
秋物と言っても筆者の場合はプロパーではありえない。値下がりしている昨秋物か今春物である。

どうせ9月末、下手をしたら10月半ばまでは暑い。
夏物はあと2か月着られる。
一方で、9月末を越えると朝夕は涼しくなるから秋物(春物)を着用した方が良い場合もある。

まあ、物の良し悪しと価格とのバランスによって決めるのだが、この時期に夏物を買った年もあるし、秋物(春物)を買った年もある。

今年の8月は秋物(春物)を買ってしまった。
理由は格安だったからだ。
それと夏物で今年は目ぼしい物が残っていないという理由もある。

無印良品難波店で裏毛フルジップパーカと綿・シルク混のニットカーディガン、それと半袖無地VネックTシャツを買った。

無印良品の店舗を複数利用しているが、店舗によって最終処分価格が随分と違う。
「〇〇店限定価格」というのがよくある。

で、実際に2~3店舗回ってみると価格が異なる。
本当に〇〇店限定なのである。

そんなわけで難波店限定価格に出くわした。

綿裏起毛フルジップパーカは定価3980円が1500円に下がっていて、さらにレジで20%引きだったので1200円(税込)で購入できた。
綿100%でベトナム製。
写真ではわかりづらいが、杢調のスカイブルーである。
だから青みがかった杢グレーにも見える。
これなら杢グレーの代わりに着用できるのではないかと思って買った。

写真 36






実際の生地を拡大するとこんな感じで、杢スカイブルーになっている。
通常のペタっとしたブルーに染めるよりも製造費は高い。

写真66

(生地のアップ)


綿シルク混ニットカーディガンは定価4980円がなんと1000円に値下がりしており、さらにレジにて20%オフで800円(税込)で購入できた。ヤター。
綿78%・シルク22%でタイ製。

写真 27




ついで買いしたのが綿Vネック半袖Tシャツ。
定価1000円が半額の500円に下がっており、さらにレジで20%オフされて400円になった。
綿100%でベトナム製だ。

写真 16




3点合計で2400円(税込)である。
価格的には大満足である。
Tシャツは正直要らないかなとも思ったが、安かったことと、寝間着や部屋着代わりに使えるのではないかと思って買った。


見てお分かりのようにすべてブルー系だ。
理由はそれしか残っていなかったからである。
Tシャツとカーディガンはこの色しか残っていなかった。

パーカはくすんだピンクと黄色っぽい茶色とこの色の3色が残っていたが、杢グレーにちかい色としてコーディネイト幅が広そうなこの杢ブルーを選んだ。
しかし、一番たくさん枚数が残っていたのもこの杢ブルーだ。
意外に不人気だったのか、製造量が多すぎたのか。



お得な買い物だったと喜んではいるが、カーディガンとパーカを着用するのはまだまだ先である。
とくにパーカなんて10月下旬か11月ぐらいからしか着用しないだろう。
随分と季節を先取りしたものである。



それにしても夏物の着用時期は長い。
5月から10月半ばまで着用できる。
個人差はあるが、スーツやジャケット類なら夏物は11月下旬くらいまで着用できる。
業界新聞時代にお世話になった某肌着メーカーの広報の男性がいる。
もう何年も前に定年退職されたが、現役時代に「ぼくは暑いのが苦手だから5月から12月20日ごろまで夏用のスーツを着用しているよ」とおっしゃっていた。

筆者も似たような着用をしている。
さすがに12月に入ると冬服を着ているが、だいたいいつも11月のどこかで急に寒波が襲来して、それを機会に衣替えをしている。それまでは夏服を着ている。


なんだかんだといって、日本の夏は長い。
5月から10月下旬までの6か月は夏服で過ごす。
筆者の体質だと春物の着用期間は3月・4月の2か月間、夏物は6か月間、秋物は10月下旬から11月末までの1か月間、冬物は12月から2月までの3か月間という着用バランスになっている。

正確には、半袖Tシャツに長袖シャツを羽織るという中間的着こなしの時期もあるし、春物・秋物の綿セーターの上に薄手のダウンジャケットを羽織ることもあるが、大雑把にはそういう着用期間である。

となると、各社は夏物や半袖アイテムをもっと強化した方が良いのではないか。

とくに気温に対して消費が実需型になっているといわれているならそうすべきではないか。
四季を四等分するような季節MDは廃止すべきではないか。















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