南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

ゾゾタウンと百貨店の比較はまったく意味がない。百貨店が「小売りの王様」なんて化石の認識

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 おそらく、ゾゾタウンの株式時価総額が1兆円を越えたことも影響しているのだと思うが、ニュースピックスでも三越伊勢丹の凋落と比較したシリーズ特集が組まれている。

「ゾゾタウンは次世代百貨店」
「ゾゾタウンが百貨店の『王座』奪った日」

などのタイトルの記事がたしか8回に分けて掲載されていた。

もちろんゾゾタウンの好調は特集すべきだが、百貨店との比較はピントがズレているし、それを総力特集してしまう認識もどうかと思う。

まず、驚くのはいまだに百貨店を「小売りの王様」だと思っている人が多いことである。
何をもって彼らは「王様」を選んでいるのか判断基準はわからない。
ステイタス性ならそれなりに今でも残っているから、まあ「王様」と言えなくもない。
中元や歳暮、贈答品を送るときにやっぱりバラの模様の包装紙は効果がある。東京だったらあのタータンチェック柄の包装紙だろうか。
その包装紙のステイタス性はいまだにある。同じアサヒスーパードライの詰め合わせをもらうにしたって、そういう包装紙でもらった方が良いと感じる人は多い。イオンやセブンの包装紙にはそこまでのステイタス性はない。

売り上げ規模でいえば、百貨店の王座なんてとっくの昔に陥落している。

例えば、日本チェーンストア協会によると、スーパーの売上高は2006年に14兆円にも達している。
百貨店が20年前に9兆円弱あった売上高を毎年減らし続けてきているので、2006年当時はすでにスーパーの売上高の足元にも及ばなかったことになる。

すでに売り上げ規模でいえば、2005年あたりに百貨店の王座なんてスーパーに奪われているといえる。

2016年の百貨店の売上高は5兆9780億円しかないが、ドラッグストアチェーン店は6兆4900億円もあり、ドラッグストアの方が百貨店よりも売り上げ規模がはるかに大きくなっており、百貨店が「王様」なんていう認識は化石時代の遺物かと思ってしまう。

そういう観点での議論は無益でしかない。

また、ゾゾタウンを百貨店と比較するのもナンセンスだ。

百貨店の主要な販売物としてはファッション衣料はあるものの、それ以外に食料品もある。
現に食品強化をした百貨店はそれなりに善戦している。地上1階を食品売り場にした大丸東京店がそれを証明している。

他方、ゾゾタウンはどうだろうか。売り物はファッション衣料・用品しかない。
食料品はない。

また百貨店がステイタス性を保ち、富裕層を顧客化できている理由の一つに「外商」がある。
いわゆる富裕層と直接、個別に商品を販売するやり方で、詳細はあまり明かされていない。
一般的に高島屋や松坂屋、三越のような老舗は外商が強いとされていて、新参百貨店やファッション特化した百貨店はあまり外商は強くないとされている。

ゾゾタウンに外商なんていうシステムはない。
ツケ払いはあっても外商はない。

ゾゾタウンが扱っているのは徹頭徹尾衣料品とファッション用品のみである。

となると、ゾゾタウンは百貨店ではなくファッションビルだといえる。

ゾゾタウンの形式も、いわゆるネットの仮想商業施設に各ブランドをテナント出店させ、そこでの売上高の何%かをゾゾタウンへ納めるというもので、これはファッションビルの形式と原則的には同じだ。だからゾゾタウンは「取扱高」という表現で、テナント各店の売上高総額を発表している。
取扱高のうちの何%かがゾゾタウンの収益となるから、純粋なゾゾとしての「売上高」ではない。

さらに、ゾゾタウンの看板の一つにユナイテッドアローズやナノユニバースなどの人気セレクトショップの入店がある。ゾゾタウンが一気に成功した理由の一つにはこういう人気セレクトショップが先駆けて入店したことがある。
しかし、百貨店には例外を除いてセレクトショップは出店しない。

三越・栄店にはセレクトショップは一切出店していない。しかし、三越が運営するファッションビルの「ラシック」にはセレクトショップがひしめいている。
となると、ゾゾタウンは百貨店ではなくファッションビルだ。


一方、ゾゾタウンにはタカキューやジーンズメイトといったベタな低価格チェーン店も出店している。
どこの百貨店にタカキューやジーンズメイトが出店しているのか?
ファッションビルならこういうベタな低価格店も出店できるが、百貨店には出店できない。

この方向から見てもゾゾタウンが百貨店ではなくファッションビルであることがわかる。

だからゾゾタウンを比較すべきは百貨店ではなく、ルミネやアトレ、パルコ、ルクアなどのファッションビルであるべきで、基準が違うものを比較してあーだこーだ言っても何の意味もない。

そして、この手の記事に共通するのが、Jフロントリテイリングのギンザシックスの賞賛である。

一部を除いたラグジュアリーブランドを集めたという狙いは面白いが、実際に賞賛されるほどの売上高があるのかというとそれは疑問だ。
すでに小島健輔さんもブログで、売上高が芳しくないことを指摘しておられる。
オープン後わずか3か月強でその状態なのだから、旧JR大阪三越伊勢丹と同じ推移だといえる。

そして、ギンザシックスとは百貨店形態ではなく、ブランドをテナント入店させるファッションビル形式であり、百貨店が不動産業・デベロッパー業へと大きく舵を切った事例になる。

現状の既存社員・既存役員だけで従来の百貨店事業を立て直せるような状況では、もはや、なくなっているから、良くも悪くも効率しか見ていないジェイフロントがデベロッパー業へと転身するのは、それなりに評価はできるが、全百貨店の再生モデルがあれだというのはおかしいのではないか。
現にギンザシックスもオープン3か月後くらいで失速しているではないか。

なら、全百貨店が全部ルミネとかアトレとかパルコになれば事態は解決するのか。

これらの議論が大手を振ってまかり通り、それをまたアホな経営陣が真に受けるから、さらなる悲劇が生まれるのである。百貨店に限らずアパレルでも。

ニュースピックス編集部に限らず、メディアも評論家も一般大衆も、ファッションといえば百貨店とユニクロとゾゾタウンしか見ていない。
そして、まるで立脚点が違うその3つを比較して語り合っているにすぎない。
これが酒飲み話ならそれはそれで楽しいが、大真面目にやる議論ではない。

個人的には百貨店に対しての共感も同情も利害関係もまるでないが、この手の「酒飲み話」に振り回されることなく、再建したければ工夫を凝らしてもらいたいと思う。


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三越伊勢丹とカルチュアコンビニエンスクラブの提携は何が目的だったのか?
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「安い」ということさえ消費者に伝えられていないアパレルブランド

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 お盆休み中は久しぶりに梅田のヨドバシカメラに行った。

最近、衣料品はあべのキューズモールでほとんど買っているし、備品やガンプラはネットで買うことが増えたので、本当にわざわざ梅田のヨドバシカメラに行くことがなくなった。

7階の「ビューティフルライフ コムサイズム」へ行くと、「閉店セール」の貼り紙があり、ほとんどの商品が投げ売りされていた。

この「閉店」が改装などの「一時的閉店」なのか、それとも「完全閉店」なのか貼り紙だけではわからないが、もし仮に、「完全閉店」なのだとしたらなかなか感慨深い物がある。

ヨドバシカメラ梅田店のオープン時には、ビルの半分がコムサだったからだ。
オープン10年後にその半分はなくなり、7階の一画に残るのみとなったが、それすらなくなるのだとすると、完全にオープン時の体制とは別離することになる。

世の中は常に変転する。


毎年この時期は、夏のセール品が各店で投げ売りされる段階に入っているので、当方はこの時期に夏服を買うことが多かった。

とくにコムサは70%オフとか700円とかにまで投げ売りされるから5枚くらいまとめて買うこともあった。

しかし、今年の夏は、もう腐るほど持っている洋服を買い足す気はさらさらなく、どうしてもガンプラやらほかの備品・雑貨類に興味が集中した。

で、何とはなしに、7階をグルリと回ったのだが、コムサのセール品はまだまだ豊富に残っていたから、欲しい人は行ってまとめ買いすると良いのではないかと思う。

ヨドバシカメラ梅田店の7階には両端に分かれているが、ユニクロとコムサが入店している。

この日のこのタイミングだけのことかもしれないが、入店客数には明確な差があった。
ユニクロはにぎわっていたが、コムサはそこまでではなかった。
今の運営企業の状況を明示しているようで興味深い光景だった。


並んでいる商品の「見え方」もいつの間にかユニクロとコムサでさほど大差がなくなっている。


例えば、この紫のチェック柄のボタンダウンシャツ。
違いを挙げれば、ユニクロはチェック柄が細かく、紫が赤みがかっていて、コムサはチェック柄がやや大きく、紫は青みが強い。
「見た目」の違いはここくらいで、付け加えるなら、コムサは、ボタンの縫い糸の色が違うということもある。

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(ユニクロの商品)




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(コムサの商品)



神は細部に宿るという言葉もあるくらい、衣料品に細部は重要だ。
またメンズアイテムは細部の違いによって成り立っている要素も強い。

しかし、だ。個人的にはこれくらいの違いなら、50歳手前のオッサンにとっては「どうでも良い」ように感じられる。

もし、当方がどちらかを買えと言われたら、迷わず値段の安い方を買う。ブランド名は関係ない。

昨今のアパレル不振の原因の一つに、低価格ブランドとアパレルブランドの商品の見た目がほとんど変わらなくなったことが挙げられるが、この2つの商品はそれを象徴しているといえる。

では、どちらの商品が安いだろうか?

ユニクロは定価2990円の1000円引きで1990円に値下がりしている。
コムサは定価5500円だが、70%オフなので1650円になっている。

コムサの方が340円も安い。

もし、当方がどちらかを買うなら、コムサのシャツを買う。

一般的にはユニクロには「安い」というイメージがあるが、実際はそうでもない場合もある。
例えばコムサのセール品の方が安かったりする。

しかし、売れ行きや入店客数はまったく違う。ユニクロと圧倒的に差がある。
ユニクロではまとめ買いが見られるが、コムサも含めた通常のアパレルブランドでは投げ売りセールでもそれほどのまとめ買いは見られない。

それはなぜか?
コムサも含めた通常のアパレルブランドが「安い」ということを消費者に伝えられていないからだ。
消費者は「安い」ということを認識していないし、アパレルブランドは消費者に「安いという価値」を伝達できていない。

自社のブランドの価値を消費者に伝える必要がある。
ブランドの価値はさまざまで、「安い」ということも価値の一つである。
じゃあ、その「安さ」を伝えなければ、そのブランドは消費者にとって何の価値もないブランドということになってしまう。お分かりだろうか?

世の中に商品は山ほどあるし、服はタンス在庫に腐るほどある。
にも拘わらず、自社を選んでもらって買ってもらうには、理由付けが必要になる。

しかも、一昔前と異なり、低価格ブランドの洋服も見た目は「それなり」に良くなっている。

もう、見た目やブランドネームの違いだけで買ってくれる要素はほぼない。

じゃあ、価値を伝えなくては誰も買ってくれない。投げ売りセールで安いならその「安い」という価値を強烈にアピールする必要がある。

投げ売りセールにも拘わらず入店客数がそれほどでもないコムサには、「安さ」すら消費者に伝えきれていないアパレルブランドの悲哀を感じるほかない。



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ネットで買って大失敗した商品

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 多くの会社がお盆休みなので、今回はお気楽に。

ネット通販をあまり利用しなかった当方もやっぱり、月に1度はネットで買うようになった。
ガンダムのプラモデルについては、ネットで買っても「失敗した」と思うことはないが、服や靴などの身に着ける物はやっぱり「失敗した」と思う物がある。

今回は、ネットで買って「最大に失敗した」と思っている商品を紹介したい。

昨年の6月ごろ、その年の春に話題になったスペルガの防水スニーカーを買った。
いつものように1円でも安く買うためにさまざまなウェブサイトを調べたことは言うまでもない。

買った値段は6500円ほど。

これが当時ではスペルがの防水スニーカーの最安値だった。

IMG_1453



サイズは、スペルガの同じデザインのキャンバススニーカーを持っているので確認済みだ。
27・5センチである。

この防水スニーカーの理屈は、アッパーがすべてEVAで一体成型されている。
そのため、防水性があるというわけだ。

購入してから数日で到着した。

試し履きしてみるとキャンバススニーカーとサイズ感は同じだった。

ここまでは良かった。
当方の思い描いたとおりに展開していた。

到着後すぐに雨が降った。梅雨時だった。

ちょうどその日に遠方に取材に行く予定があったので、これを履いた。

出かけて30分後くらいにすでに後悔し始めていた。
足が痛くてたまらないのである。

まず、どこが痛いかというと、足幅がきつく感じられる。
キャンバスや合皮、レザーの靴も痛いことがあるが、それでも何度も履いているうちに伸びる。
ほとんどの方がその「伸び」を実感していないのではないかと思うが、この靴を履いてみると、相当にそれらの素材は伸びていることがわかる。

EVAは逆にほとんど伸びない。

またかかとの部分も痛くなってきた。
かかと部分の「ヘリ」がアキレス腱の下あたりの皮膚を容赦なく削っているのである。

これもキャンバスや合皮、レザーならある程度使いこんでくると素材が柔らかくなって皮膚を削ることがなくなるが、EVAは容易く劣化しない。

左右から締め付けられ、かかと部分の皮膚は擦り剝け、さんざんな目にあった。

あと、このEVAは独特の成分があるのか、何か変な甘ったるい薬品のようなニオイがする。
1年以上経過した今でもニオイを発しており、この靴を入れている下駄箱にはニオイが充満している。

その後、何度か履いてみたがやっぱりEVAはなかなか劣化しないから、いつも同じ結果に終わってしまった。
そしてこの半年くらいは履かないまま収納している。

これがネットで買った「最大の失敗」商品である。
6500円もしたのでためらっているが、捨ててしまおうかと考えている。
もしくはかかと部分を何かで切り取ってスリッパとして活用するか。

実店舗で試着していてももしかしたら、試着しただけではこの欠点に気が付かなかったかもしれない。

それでも事前に欠点を発見できた可能性も数%くらいはあったのではないかとも思う。

ネット通販は安くて便利であることは十二分に理解できたが、やっぱりこういう身に着けてみてから違和感を感じることは避けられない。

身に着ける商品を買う際には、細心の注意が必要だと改めて思った。


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今後も月に2~4本くらいのペースで、アップしていきたいと思いますので、ご支援を賜ると幸いです。

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