MENU

南充浩 オフィシャルブログ

今後のシルバー向け市場を考えてみた

2011年2月8日 未分類 1

 昨日、75歳になるお父上の服を買うような店がなくて困っておられるという方からコメントをいただいた。高齢者向けの洋服店という市場はあるのではないか?とのご質問があったので、つらつらと考えてみた。

たぶん市場はあると思う。
それもひどくニッチな形で。とくに男性向けはさらにニッチではないかと考えている。

きっと一度、どこかのブログでも書いたことがあると思うのだが、2005年ごろ、団塊世代向けのブランドが続々と開発されたことがある。例えば、ポイントの「アンダーカレント」。しかし、残念ながら失敗に終わっており、その後「アンダーカレント」は40代向けに顧客ターゲットを変更した。

「団塊世代は高感度」とか「団塊世代は金を使う」と2005年当時言われていたが、実際はそうでもなかった。女性と男性では団塊世代は差異があると思うんので男性に限って言えば「一部の人を除いて、正直あんまり服装に興味はないし、高感度ではない」と思う。
はからずも繊維業界の端っこに身を置いて17年くらいになるのだが、30代前半にお会いした団塊世代の方で、服装が高感度だった方は数えるほどしかいらっしゃらない。
仕事柄、紡績や合繊メーカー、産地の方々とお会いすることが多かったのだが、団塊世代の方は非常にモサッとした、ダサっとしたスーツを着ておられることが多かった。
これが、東京の大手総合アパレルの部長・役員クラスになると異なるのだろうが。

紡績や合繊メーカー、産地企業の方々というのは、アパレル業界以外の会社員の方と極めて嗜好性が近いと思う。
もちろん、彼らも当時50歳代で家のローンだとか子どもさんの教育費だとかで経済的に厳しかったのだとは思う。が、2005年当時なら、スーツカンパニーもあったし、鎌倉シャツもシャツ工房もあった。廉価商品でも色柄のコーディネイトは工夫できたはずである。「月に1枚、3900円のドレスシャツくらいは買えるでしょ?」と言いたい。

その時に工夫しなかったということは、それだけ興味がなかったと言えるのではないかと思う。例えば総合アパレルの社員でも給料の低い方も多数おられる。しかし、洋服好きな方なら、低価格ブランドを買ってコーディネイトをそれなりに楽しんでおられる。(心の底からは楽しめていないだろうけど)
興味があるかないかの違いだと思う。

団塊世代の方でさえこうなのだから、その上の世代の方はもっと興味がないのだろうと思う。

女性用の服でも、従来「ミセス向け」とされてきた商品は、現在「シルバー向け」になっている。50代半ばまでは、サイズさえ合えばキャリア向けブランドを着ることを好んでいる方が多く、従来のミセスブランドはシルバーブランドとなっているのが現状である。

以前、テレビ番組で「お年寄りの銀座・巣鴨」が紹介されていたが、70歳代以上の方々の好むような従来型の「シルバー向けの洋服」が多数並べられていた。ああいう商品を好む方々は、時間が経過するごとにドンドン少なくなるだろう。代わりに今の団塊世代、50代が70代、60代となりシルバー向け商品のテイストも様変わりしていくのではないかと思う。

コメントをいただいた方のお父上がどんな服を好まれるのかわからないが、従来型のシルバー商品は今後メンズ、レディースともに少なくなると考えている。これを機会にお父上のイメージチェンジをされても良いかもしれない。

この記事をSNSでシェア
 comment
  • naka2shi より: 2011/02/16(水) 11:08 AM

    父の場合には、ファッションと言うより、着るものと言った方が正しいです。
    ((笑)
    とりあえずみすぼらしく見えなければといったレベルで考えております。
    そんな父でも、法事とかでスーツを着るとパリッとするのが不思議です。
    これは上下の組み合わせが破たんしてないのが、大きな勝因かなと
    思っております。
    父だけではなく、私も服に関してはお手上げ状態です。
    当方は、45歳でコンピューター関係の仕事をしております。
    PCのスキルはある程度あるのですが、ファッションに関するスキルが
    全くありません。
    ファッションに関する、知識というかノウハウが
    徹底的に欠けているのでしょう。
    一般の服屋さんって、お客さんにファッションに関するセンスというか、
    ノウハウがあるのが前提になってるんですよね。
    ですので、ノウハウの無い人は全くのお手上げです。
    PCに詳しくない人が、パソコンのパーツショップに行って、
    マザーボード、CPU、メモリ等の組み合わせを選んで、PCを
    一から作るようなものです。
    そんな人が思いつくのが、
    服にICタグがついて、その上下の組み合わせはおかしいですとか、
    このシャツには、こちらのパンツをはいてくださいと、教えてくれる。
    店舗で上下セットで販売、
    AMAZONのリコメンドのように、この服を買った人は、こちらのパンツを
    買っていますとおすすめしてくれる。
    店舗に端末があって、今までの購買履歴から、このシャツは、以前に買った
    このパンツと組みわせるとよいですとおしえてくれる。
    このお店の服は、どれを買っても、組み合わせが上手にできます。等々
    何とかならないものでしょうか。。。。。
    大阪で私立の中高に通っておりました。
    私服での通学で、ファッションに興味ある友達は拘ってにお金をかけてま
    したが、割合でいうと1割程度。
    私たちの世代でも、結構な割合でファッションに関するノウハウに、欠けて
    いる人が居ると思われます。

naka2shi へ返信する コメントをキャンセル

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ