MENU

南充浩 オフィシャルブログ

綿100%レギュラーストレートの定番ジーンズを穿かなくなった理由

2020年10月14日 ジーンズ 2

一昨年くらいに、ファッション専門学校生の模擬店に、2005年くらいから持っていた綿100%のジーンズを放出した。

積極的に売りたかったというわけではなく、店舗スペースの埋め草として提供したわけで、売上高の何割かをもらったわけでもない。売れ残った物は欲しいという学生にプレゼントして、手元には無くなってしまった。

そんなわけで、今、手元には綿100%ストレートジーンズがほとんどない。

4本くらいは残ってはいるが。

記念に手元に残した綿100%のリーバイス502 17年くらい前に買った物

 

 

 

今日は何を書くのかというと、

 

定番オンスの綿100%ジーンズって穿き心地が良くないよね

 

という話についてである。

 

一応、これには前提条件があって、12~14オンスデニム生地で作られた細身からレギュラーストレートは、ラクなパンツに慣れた身には穿き心地が悪いよね、ということである。

 

2008年から2015年まで世の中のファッションはスキニージーンズ一辺倒だった。元々、肌に貼りつくようなという意味が「スキニー」なので、ぴったりとした細身が特徴である。

しかし、12~14オンスの綿100%デニムでこれを作ってしまえば、穿く人にとっては単なる我慢比べでしかないし、その窮屈さを心地よく感じるのは相当のマゾだけだろうと思う。

必然的にストレッチ混デニム生地が大々的に採用されることになる。多くの人は我慢比べをしたいわけでもないし、マゾヒストでもないから当然である。

 

2015年頃から長らくトレンド外にあったワイドパンツが復活し、今に至る。2015年のガウチョパンツブームもその一環として見ることができる。

2020年の現在、デニム生地のワイドパンツもあるが、定番オンスで作ってしまえば、相当に重くなる。またワイド特有の「落ち感」が出ない。

それゆえに、ワイドパンツに採用されるデニム生地は少し軽めの物がほとんどで、当方も3本くらい持っているが、恐らくは11オンスとか10オンスくらいだろうと感じる。

そして、さらに多くの場合、綿100%ではなく、ポリエステルなどの合繊が混ぜられている。この理由はさらに軽量化するためだろうと考えられる。

通常、綿よりもポリエステルやナイロンの方が軽いからだ。

 

2017年頃までは、当方もオッサンながらスキニージーンズをよく穿いていた。もうこのスキニーという商材になるとリーバイスやエドウインなどの専業ブランドにはこだわらなくなり、無印良品やユニクロ、ジーユーなどの割引品ばかりを買っている。

2017年ごろから、スラックスタイプをよく穿くようになり、ジーンズの登板回数が以前よりも減った。

夏場だと合繊スラックス一辺倒である。

もちろん、このスラックスもトレンドによって形が左右されるから、ワイドシルエットか、腰や腿はゆったりしながら裾が細くなるテイパードのどちらかである。

夏場に合繊スラックス一辺倒になる理由は、汗をかいても肌にあまり貼りつかずにすぐに乾くからである。要するに「肌離れ」と「速乾性」を重視しているということである。

 

冬場だとジーンズを穿くことも増えるが、それでも以前の綿100%レギュラーストレートには戻らない。

寒さに対応するために、分厚目生地のストレッチジーンズかテイパードジーンズ、それから以前に愛用していたスキニージーンズのどれかである。

気温が低いときにワイドシルエットの合繊パンツを穿くとさすがに寒い。(笑)

脚を冷やすのは健康に良くない。(笑)

それ以外だとジョガーパンツとか、そういう細身を冬には穿いていることが多い。これは恐らく、自分の中で、冬場はセーター、コート、ブルゾンなど重ね着するため、上半身にボリュームが出やすいから、下半身を細身にしてバランスを取っているのだろうと思う。

 

で、何が言いたいのかというと、街行く人を見ていても、いわゆる「綿100%ストレートジーンズ」を穿いている人の数がめっきりこの3年くらいで減ったと感じる。

スキニージーンズやストレッチデニムジョガーパンツはいるが、王道の5ポケット型綿100%ジーンズはほとんど見かけない。穿いているとすれば、40代半ば以上~70前後の中高年層だけである。

綿100%ストレートジーンズというのは、「オッサンのズボン」になってしまったと感じる。

何か月前にSNSでこんな画像が出回ったが、まさにその通りではないかと思う。

 

こうなると、いわゆる大手ジーンズメーカーは厳しいのではないかと思う。ジーンズというズボンが無くなるとはまったく思わないが、これまでのようにジーンズがファッションを牽引するというのは構図は成り立たなくなってしまった。

ジーンズが復権することはあるのか?ということになると、当分は難しいのではないかと感じる。

なぜなら、多くの人は、ストレッチ素材の快適さや合繊パンツのラクさに慣れてしまっている。さらにワイドシルエットのラクさも体験しており、わざわざ「不便な」綿100%ストレートジーンズへ戻りたいとは思わないからである。

あと何年間もこの傾向は続くだろう。

 

しかし、10年おきか20年おき、30年おきくらいにはファッションはリバイバルする。綿100%ストレートジーンズがリバイバルすることもあるだろう。それまでどれほどのジーンズメーカーがそれまで生き延びることができるのか、である。

綿100%ジーンズも、スーツと同じで今後は極少数の愛好家のためのアイテムになるのではないかと思う。

 

 

リーバイス501をどうぞ~

この記事をSNSでシェア
 comment
  • BOCONON より: 2020/10/17(土) 7:01 PM

    「エディ・スリマンが自身のコレクションに取り入れたアイテムは必ず流行ります。”必ず” です」だと。そこまで言うか。
             ↓
    https://fashionjunction.net/flared-jeans/

    まあ確かに最近たまに見る。ベルボトム・ジーンズや黒のフレアパンツ穿いた若い娘。しかし日本の男でそんなものを穿いている奴はあまり見ない。
    仮にこれから男の間ではやったとしても(黒スキニーと同じくらい)女子の反応は良くないだろうと思う。
    たぶんせいぜい(白パンツ同様)「まあ…似合ってりゃいいんじゃないの?」程度である。
    僕自身は流行り物には関心がないのでどうでもいいようなものだが,さてどうなりますやらw

  • kkk より: 2020/11/02(月) 11:58 PM

    濃紺のブーツカットは流行る
    1番脚を綺麗に見せる
    そもそも日本人体型に合っている
    高さのあるシューズとの相性も○
    よりデザイン性やリメイク感のある物が増える中での相性○

BOCONON へ返信する コメントをキャンセル

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ