MENU

南充浩 オフィシャルブログ

テレワークを逆手に取ってネクタイを売り込める可能性があるのでは?

2020年4月24日 トレンド 4

一応、毎日、それなりにブログのネタは前日までに考えるのだが、翌朝の記事を読んで変更することも多々ある。

で、今朝また記事を読んで内容を変更した。

お読みになった方も多いだろうが、

 

コロナ減益リスクが高いアパレル企業ランキング【30社・完全版】

https://diamond.jp/articles/-/235737

 

である。

 

そこで今回は、データ分析のベンチャー企業、ゼノデータ・ラボが人工知能(AI)を使って予測した、コロナによって減益になるリスクが高いアパレル企業をランキングした。
使用したのは、膨大なメディアのニュースや決算情報、統計データを解析し、個別企業や業種への影響を予測する、ゼノデータ開発のAI、「ゼノブレイン」である。

 

とのことで、AIによる分析データである。

資産内容なんかを勘案すると、ランキングはまた変動するのではないかと思うが、参考データにはなる。

 

で、ランキングを見ていただきたいのだが、1位から4位までを紳士服大手チェーンが占めている。

1位はるやま

2位AOKI

3位コナカ

4位青山商事

という具合である。

 

こういう分析になったのは、恐らくは今回のコロナショックで「テレワーク」「ウェブ会議」「ビデオ会議」が大々的に導入されたからではないかと考えられる。

商談やミーティング、打ち合わせを画面を通じて行うやり方である。

これが導入され、多くの人が体験したため、今後、非常事態宣言が解かれた後も、ある程度定着するのではないかと考えられる。

 

これまでも「ウェブ会議」「ビデオ会議」は存在していた。50歳のジジイの当方だって何回か体験したことがある。

しかし、「ワシ、パソコンさわられへんねん」と言っている会社のお年寄り連中はどうだっただろう。恐らく体験したことがなかっただろう。体験したことがなかったゆえに平時では導入を渋っていた。

人間は自分が体験していないことをやすやすと導入できるほど物分かりの良い生き物ではない。

だが、コロナショックにより強制的に体験せざるを得ない状況となり、今回、1ヶ月近くも体験することとなったわわけである。

体験すれば、さほど難しい物ではないということがわかるし、デメリットも感じるがメリットも感じる。

となるとコロナ以降もある程度は「ビデオ会議」は残ると考えられる。

 

さすがに重要事項は難しいだろうが、簡単なミーティングやちょっとした商談程度なら「ビデオ会議でええやんけ」という風になるだろう。

そうなると、スーツの需要はさらに減る。

 

何せ、ビデオ会議なら上半身だけがきちんとしていれば済むことで、下半身は何なら映らなければ全裸でも構わないということになるから、上下セットの「スーツ」を買う人は今以上に減るだろうと考えられる。

まして、ビデオ会議もなくメールと通話とチャットで済むようなテレワークが続くのなら、最悪全裸で布団にくるまりながらでも問題ないということになり、ジャケットやシャツ類でさえ需要が減る可能性が高い。

そういう背景が恐らくは勘案されているのだろうから、ほかのスーツ系も上位に食い込んでいる。

6位のダイドーリミテッド、9位の銀座山形屋がそれである。

 

これまでもクールビズやIT化の進歩によって、カジュアル化や簡素化が進み、最大人口の団塊世代の引退と相まってスーツ需要は減り続けてきたが、今回のコロナショックを契機としたテレワークとビデオ会議の浸透によって、トドメを刺されることになるのではないかと考えられる。

このAIの判断基準の基盤はそれではないだろうか。

 

とはいえ、スーツそのものは無くならないだろうから、紳士服企業がゼロになることはない。今でもピーク時に比べればだいぶと淘汰されてしまったが、その淘汰がさらに進んでごく少数の企業だけが生き残るのではないかと思われる。

紳士服関連の経営破綻や買収・合併は今年、来年とこれから続々と出てくるだろう。

 

コロナショックがなくても今後ジワジワとそれが進行したと考えられるが、今回のコロナショックによるテレワークの浸透がそれを一気に加速させたといえる。

 

ここまで書いて、ふと考えたのだが、クールビズが原因でさらに苦境となったネクタイ業界はテレワークを逆手に取ってキャンペーンしてみてはどうか。

 

恐らく、ビデオ会議の際、今までのスーツスタイルそのままで臨む人、臨めという人は少ないだろうと思う。

オックスフォードボタンダウンシャツやシャンブレーボタンダウンシャツのようなビジカジ兼用のシャツが主流になるだろう。

ジャケットを羽織るのかどうかは難しい。何せ、テレワークの場所は自宅である。自宅のリビングや部屋でジャケットを羽織っているというのもなんだかおかしい。多分、家族が傍から見るともっとおかしい。

となると、通常のテイラードタイプのジャケットではなく、カーディガンやカーディガンから派生したニットジャケット、ベストあたりがシャツの上から羽織る「上着」ということになる。

とはいえ、シャツ姿のままでも以前ほどはうるさく言われないだろう。

そうなったときに「シャツ一枚だけではなんだかなあ」というビジネスマンもいるだろうと思われるから、そういう人に向けて「ネクタイを緩く締めるだけで少しビジネス感が出ますよ」みたいな提案をネクタイ業界がやってみてはどうだろうか。

ビデオ会議が終わればネクタイを外せばよいことだし、外してそのままのシャツスタイルで遊びに行くのも違和感がない。

 

さらにいえば、クールビズでノーネクタイが推奨されたのは、会社や電車内の冷房温度設定を高めにするためだった(この高め設定には根拠がないと言われるが)。また、営業などで外回りをする際の暑さも考慮されている。

しかし、テレワークになるなら、自宅の部屋で冷暖房は点けているだろうし、扇風機も点けているだろうから「ネクタイをしているから暑いんだ」という風にはならない。また、外回りもしない。外回りをしないなら、ネクタイを締めていても暑くなりすぎるということもない。

となると、「ビデオ会議用ネクタイ」なんていう売り方も可能になるのではないかと思う。

個人的にはそんなにネクタイを締めるのは好きではないが、ネクタイ業界からすると今回はクールビズの逆の状況で、冷暖房の効いた部屋にずっと居るわけだから、ネクタイを締めていても問題ないということになり逆に売り時ではないだろうか。

そんなことをつらつらと考えたが、採用してみてもイイと思えるなら採用してみてはどうか。

成功した暁には、連絡をいただいて何%かアイデア料をもらえるととてもうれしいのだが。(笑)

 

 

ビジカジ兼用ならこんなニットタイがピッタリ。謎ブランドの899円のニットタイをAmazonでどうぞ~

この記事をSNSでシェア
 comment
  • Nami より: 2020/04/24(金) 2:34 PM

    いつも興味深く拝読させていただいております。
    面白い提案だと思いました。
    一日中オンライン会議が続くわけでもなく、
    シャツを着る時間が短時間なら、2~3回同じシャツを着ることもあるでしょうから、
    シャツは同じでも、ネクタイだけ替えて雰囲気を変えるのもアリですよね。

  • BOCONON より: 2020/04/28(火) 9:41 PM

    スーツ自体が廃れつつあって,スーツ着ててもネクタイはなしのズボラな男だらけな世の中ですからねえ。悪いが僕にはアイディア倒れな気がする。
    むしろネクタイなしでも様になるシャツの提案でもしては如何? 「ボタンダウンシャツやバンドカラー≒いわゆるスタンドカラーのドレスシャツ(いわゆるワイシャツ)はネクタイなしでも比較的見苦しく見えません。ホリゾンタルカラーのシャツもポロシャツ感覚でいけまっせ」なんてね。商売につながるか否かは責任持てませんが(笑)。

    老婆心ながらつけ加えると,画像のようなニットタイは(良い色柄ですが)一般にスモールノットで結ばないと,結び目がダンゴ状になってしまってあまり格好良くないです。TVに出て来る芸能人なんかでもそんな風になっている人を時々見かける( “スモールノット” とはどんな結び方か,というのは検索すれば出て来ます)。

    • スーツにネクタイ=自殺マニアの服 より: 2020/05/14(木) 3:43 PM

      >BOCONON
      何様だよその言い方は。

      俺からすれば何でもかんでも男性のビジネス/フォーマル服はスーツにネクタイ、スーツにネクタイ、スーツにネクタイ、
      と「馬鹿の一つ覚え」でそれしか考えず、言わず、作らず、売ってこのかったアパレル/ファッション業界の連中の
      責任だろうが。

      別に「この世の中に」男性のきちんとした服なんて他にいくらでもあるし、「ビジネスの場」で「絶対的に」
      スーツにネクタイしか方法がないわけじゃないだろ。
      スーツにネクタイというのは例えば「相撲における廻し」のように伝統芸能的、競技的に必要不可欠な存在
      なのか?だったらなんで「馬鹿の一つ覚え」でそれしか生産して押し付けてばっかりいたんだ?

      別に(今における)女性のスカートのように、使いたくない者には一生たりとも使わなくともいい(逆に
      使いたけりゃ一生使っても結構だが)そんな存在でこそネクタイとやらはあるべきなんじゃないのか?

      ネクタイを「犬のリード」「自殺の首ひも」「奴隷の鎖自慢」と考えて忌避したり批判する、それもまた
      内心の自由であり人権なんじゃないのか?
      それすら大事にできないファッション業界の連中こそ、今のままを続けるなら叩かれるべきだ。

      • BOCONON より: 2020/06/04(木) 5:23 AM

        ちょっと何言ってるか分からない…と言うより何に腹を立てているのやら分からないよ,これじゃ。
        > アパレル/ファッション業界の連中の責任だろうが
          何の責任ですかあ?
        > 「ビジネスの場」で「絶対的に」スーツにネクタイしか方法がない
        > 競技的に必要不可欠な存在なのか
          そんな事誰も言うてへんがな。
        > ネクタイを「犬のリード」「自殺の首ひも」「奴隷の鎖自慢」と考えて忌避した  り批判する、それもまた内心の自由であり人権なんじゃないのか?
          僕はネクタイ崇拝も強制もしていない。
          忌避でも批判でもしたいならそれはどうぞご随意に,であります。

        まあ落ち着けや,君w

スーツにネクタイ=自殺マニアの服 へ返信する コメントをキャンセル

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ