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南充浩 オフィシャルブログ

マイルドヤンキー向け専門のブランドを立ち上げてみてはどうか?

2020年4月23日 トレンド 5

大阪市内の主だった商業施設は非常事態宣言以降、完全休業なので、非常事態宣言から外れている奈良県の大和郡山市のイオンモールに出かけた。

4月17日のことである。

4月16日に非常事態宣言が全県に拡大されたその翌日である。

で、張り紙があって4月18日からイオンモールの専門店街は原則休業になるとのことでその前日だった。

 

平日昼間ということもあり、コロナ自粛ということもあり、モール内は閑散としていた。

閑散としたイオンモール館内

 

 

当方はジーユーで590円に値下がりしたロングスエットプルパーカを買いたかったのである。で、行って見ると破格値に投げ売りされている商品がほかにもあったので、結局、5枚買って消費税込み2805円も使ってしまった。この買い物内容についてはまた後日にまとめてみようと思う。

 

で、館内を見てみると、閑散としているが、ユニクロに買い物に来たオジサンオバサン(当方もその一人)がパラパラと、退屈だから遊びに来ていた?若者がパラパラという感じだった。

10代後半から20代後半の若者、30代~40代の若夫婦などの服装を、フードコートのマクドナルドで、プッチンプリン味のマックシェイクMサイズを飲みながら見ていると、体感的には8割強がいわゆる「マイルドヤンキー」テイストだと感じた。

普段大阪市内や東京都内の都心で見かけるような「シュっとした」人はほとんどいない。もちろんオジサン・オバサンもシュっとしていない。都心にいるようなシャレオツな中高年など一人も見かけない。

取材でときどき、岡山や福山、岐阜なんかに出張することがあるが、そこのショッピングセンターや繁華街で見かける人はだいたいがマイルドヤンキーテイストの服装をしている。

それか、昔ながらのモサっとしたオッサンスタイルかのどちらかということが多い。

 

ストリートとかモードとかトラッドとかナチュラルとか、ファッションのテイストは様々存在するが、主要なファッション雑誌や著名ブランドのウェブサイトで見かけるようなコーディネイトを地方郊外のショッピングセンターで見かけることはまずない。

 

恐らく、大都市都心で働いている人以外、日本全国の地方・郊外というのは40代までの世代はマイルドヤンキー、50代以上はモサっとしたオッサンスタイルというのが実はマジョリティなのではないかと思える。

丈短か目のテイパードパンツを穿いて、オーバーサイズのテイラードっぽいジャケットを着こなしている人なんて、実は大都市都心にしかほぼ存在していないのではないかと思う。

 

大都市都心(ほとんどが東京)に本部を構えるアパレル各社が提案するスタイルが売れないのは、それが原因である部分も少なくないのではないかと思うがどうだろうか。

アパレルの本部にお邪魔すると、仕事ができる出来ないは別として、本当にシャレオツな人が多い(シャレオツでも仕事がぜんぜんできない人も多い)。それだけでも目の保養になるのだが、いざ、地方に帰ってみるとそんな人は近所で見かけたことがない。せいぜい大阪市内や神戸市内、京都市内で見かける程度である。

人間は自分が所属している団体や地域のことにどうしても思考が縛られる生き物だから、シャレオツな人たちばかりが考えたりリサーチしたりして提案してくる服やスタイル、コーディネイトが地方・郊外にマッチしていないのではないかと思う。

昔、洋服が好調に売れていた時代もそのあたりは同じだったのだろうが、その当時だと、地方・郊外の若者には大都市都心への憧れもあったから、とりあえず真似てみようというケースも多かったのではないか。

そういえば、田舎の地元の学校に通っていた当方の周りでも大都市都心の流行を真似ようと懸命になっている同級生が少なからずいた。

しかし、今の若者はどうだろうか。昨年就職した長男や今、大学4年生の次男を見ていてもそういう感じはまったくない。

高校2年生になった甥っ子もまったくそういう気配もない。

身の周りだけで判断するのは早計にすぎる部分もあるかもしれないが、自分が学生だったころに比べて都心の人の服装を真似ようという人は減ったのではないかと感じる。

 

ファッション雑誌が売れなくなった理由も同様の部分もあるのではないかと思う。ヤンキー向け雑誌を除けばメンズもレディースも雑誌に掲載されているような服装をしている人は地方ではほとんど見かけない。まだ女性の方がそういう人は多く、男性はほぼ皆無だと感じる。

 

で、そうなると、大都市都心向けと地方・郊外型を切り離して別ブランドで提案してみてはどうかと思う。

大都市都心向けは今まで通り、地方・郊外向けはマジョリティであるマイルドヤンキー向けに徹底的にシフトさせる。マイルドヤンキーブランドはもちろん大都市都心には実店舗は出店しない。

地方・郊外だけに出店する。

というのはどうだろうか。

恐らく40代の夫婦まで客層はそれでカバーできると思う。

 

どうせ、今まで通りに「東京の最新トレンドガー」とか「ニューヨークノー」とか「パリデワー」とか言ったところで洋服は簡単には売れない。

だったら、馬鹿にならない人口がいる地方・郊外でマジョリティを占めるマイルドヤンキーだけを狙ったブランドを考えてみるのも一つの方法ではないかと思う。

 

今日で、50歳という年齢になって名実ともにジジイになってしまったなあと思いながら、そんなことを考えてみた。

馬上少年過ぐ、である。

 

 

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 comment
  • とおりすがりのオッサン より: 2020/04/23(木) 12:54 PM

    お誕生日おめでとうございます。

    今回も面白い提案ですね。でも、オサレなアパレルの幹部は「ウチの仕事じゃない!」とかいって取り合わなそうですがw
    南さんをコンサルタントにしたら復活するアパレルもあるんじゃないかと思いますが、偉い人はなかなか他人の言うことは聞かないんですよね、無駄にプライドあったりして。でも、変なコンサルタントにはコロッと騙されたりもしますが。

    コロナの影響で仕事相手の大手企業が軒並み休業、在宅勤務とかで全く仕事無くて暇なので、うちのオンボロ中長期業の会社のサーバーから過去の業績拾ってみたら、過去10年でアホなコンサルタントに数千万もつぎ込んでたのに、その10年間のトータルの経常損益はマイナス2000万以上になってて笑いました。そのコンサルの会社はコンサルだけで年間40億くらい売り上げてるんですけどねw

    南さんもアイデアとか光るものがあると思うので(上から目線ですみませんw)、インチキコンサルとかやったほうが儲かるんじゃないでしょうか?

  •   より: 2020/04/23(木) 4:05 PM

    楽天市場に沢山ある服屋さんがソレです

  • むかしイオンモールで働いてた人 より: 2020/04/23(木) 5:47 PM

    イオンモールの3Fだと、けっこうそれに近いテイストのローカルセレクトはありますよね。
    Bean’sやGarboを展開してる三重県の会社とか。
    多店舗してるからやはりそういう需要はあるんだと思います。

  • 細野 より: 2020/04/23(木) 5:48 PM

    同じ環境で育ったはずの私の弟もマイルドヤンキー族です。絆とか家族、仲間という言葉が大好きで、遠出や外出を何より嫌います。そんな弟はいつもスウェットを着ています。別れた弟の元妻もスウェットを葬式の日以外はいつも着ていました。あと、ドラえもんとかドラゴンボールみたいなアニメのキャラの服もよく着ています。彼らが求める服は家で着ていて、着心地が良くて、生活感のある安くて丈夫な服なのではないでしょうか。お洒落さは微塵も求めてないです。さらに自分の好きなカラーやキャラやロゴが描いてあったら、少し高くても意外にお金を出すような気がします。そういえば、子供にはキャラクター物の服ばかり着せてました。いっそのこと、スウェットとスカジャン&キャラクターTシャツの専門店なんか出したら売れるかも?私は行きたくないですが…。

  • 西谷 より: 2020/04/24(金) 2:47 PM

    マイルドヤンキー層の取り込みにビジネス的な旨味があるのでは…という指摘はその通りだと思いますが、田舎といっても、天王寺まで30分程度の奈良だと、「丈短か目のテイパードパンツを穿いて、オーバーサイズのテイラードっぽいジャケット」スタイルで大阪まで通勤通学する層もマイルドヤンキー以上に無視出来ないと思います。
    平日昼間に地元にいるマイルドヤンキー層とは違い、彼らの行動パターンは、服が欲しい時は定期を使って土日に天王寺まで行き、地元のイオンモールではせいぜい会社帰りに食品を買い求める程度と思われます。
    もしこの仮説が当たっているのであれば、自分なら郊外のイオンの営業戦略は以下のように立てます。
    衣類、雑貨等はマイルドヤンキー向けの品揃えを強化し、一般的な閉店時間20時からさら早めて、18,19時には閉める。
    (人件費を抑えられるし、夜中に出歩いてお金を落とさない中高生のマイルドヤンキーに居つかれずに済む)
    食品は、「意識高い」層が好みそうなオーガニックや地産食材を強化し、彼らの帰宅時間に合わせて深夜まで営業する。
    BGMや内装等もそれに合わせてフロア毎に変える必要もあるでしょう。
    蛇足ですが、上の人がおっしゃってる、スカジャンを着てるヤンキーは漫画のクローズでしか見たことがありません。
    数年前、ちょっとしたブームになり、外資系のファスト・ブランドでも展開されていましたが、もちろんヤンキーはZARAやH&Mは着ないでしょう。
    今は下火になり、実際にスカジャンを着ているのは、ロカビリーバンドをやってる人たちか雑誌ライトニングの愛読者ぐらいだと思われます。

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