MENU

南充浩 オフィシャルブログ

エイジレス化が進む消費動向

2019年12月3日 トレンド 1

このブログでは何度も書いているが、ユニクロ、最近ではジーユーはエイジレスな売り場になっている。

商品がエイジレスということではなく、来店する客がエイジレスということである。

 

ユニクロはだいぶと前から、エイジレスで中高生と70代が同じ商品を買ってレジに並ぶという光景が当たり前だったが、最近ではジーユーもそうなりつつある。さすがに60代以上はあまり見かけないが40代、50代はかなり増えている。

そういう49歳の当方も今春から秋の終わりにかけては、ジーユーで買うことが増えた。

買った回数でいうなら、今年10月末までで最も買ったのはジーユーだろう。

 

もちろん、ブランドによっては顧客ターゲットを年代で区切る必要はある。例えば、ウィゴーだと60代、70代にも買ってくれというのはあまりにも無理がある。

「蓼食う虫も好き好き」だからあれを着た60代がいてもいいと思うが、似合っているとはいえない。

また昔のマルキュー系も60代以上が着るのは無理がありすぎる。本人の自己満足までは止めないが。

 

ユニクロ、ジーユーがエイジレスなのは、低価格で買いやすいということがあるだろう。洋服を買い慣れていない人にとっては、似あうか似合わないかわからない洋服に何万円も支払うのは、無駄に思える。しかし、ユニクロ、ジーユーなら数千円くらいだし、値下げ品を選べば990円で試すことができる。

低価格以外に、ユニクロだとベーシックなデザインとそこそこの機能性がある。ジーユーはちょっと若者向けデザインだが、上手く取り入れられればコーディネイトのアクセントになる。

 

とはいえ、世の中の消費傾向や生活スタイルは急速にエイジレスになっている。

例えば、当方が毎月1~2個買っているガンダムのプラモデルだが、あんなものは以前なら「子供のおもちゃ」だった。しかし、ガンダムは初放送からすでに40年が経過しており、今では子供よりもオッサンのファンの方が多いし、ガンダムのプラモデルの需要を支えているのはオッサン世代である。

少年ジャンプや少年マガジンなどの漫画雑誌も、今ではむしろ少年よりも中高年の読者の方が多いくらいである。

そういう当方もいまだに週刊少年マガジンは読んでいたりする。

ラブコメは鬱陶しいので飛ばしているが、スポーツ漫画を楽しみに読んでいる。

 

実際に、自分たちが着ている服も20年前とあまり変わらないのではないかと思う。

横に成長してサイズが合わなくなった人はさておき、ユニクロのようなベーシックカジュアルな服は20年前と同じ物を着ているのではないだろうか。当方のタンスには30歳くらいのときに買ったセーターやジャケットなどが今でも残っていて、毎シーズン何回か着用している。

 

顧客ターゲットに年齢設定は必要なのか?

 

この辺りのことをマサ佐藤氏も先日書いている。

 

 

で、今秋は久しぶりにテレビドラマを複数観ている。最近は、仮面ライダーと戦隊シリーズ以外は、ビジネス物・職業物・刑事物くらいしかドラマを観なくなった。

今秋は「シャーロック」を見始めたので、なんとなく、「まだ結婚できない男」と「グランメゾン東京」も観ている。

 

「まだ結婚できない男」は13年前の続編ということで、当時も観ていた。

「グランメゾン東京」はそんなに熱心ではないが、前作の「ノーサイド・ゲーム」の続きで何となく観ている。

 

キムタク主演ということで始まる前にはいつも話題となるが、グランメゾン東京も同様で、47歳のシェフの役を演じている。個人的にはノーサイド・ゲームの方がはるかに面白い。

一昨日の放送を観ていたら、最後に、キムタクと鈴木京香と沢村一樹が突然激しい三角関係になって終わってしまった。

まあ、ドラマらしい展開だなと思っていたが、ふと、劇中登場人物の年齢と俳優の年齢が気になってしまった。

 

劇中登場人物はキムタクが47歳、鈴木京香が49歳、沢村一樹が49歳であり、俳優の実年齢はキムタクが47歳、鈴木京香が51歳、沢村一樹が52歳である。

うーん。なんだろう?この五十路前後の集まりは。

 

ドラマらしい激しい三角関係だが、これが少し前だったら登場人物の設定も演じる俳優も20代半ば~40歳くらいだったはずだ。

10年くらい前までのドラマだと50歳前後というのは、もう、一線を退きつつあるという役柄がほとんどで、三角関係云々になることはなかった。

五十路前後なのに、30歳前後みたいな三角関係に陥るとか冷静に考えると笑えてくる。

 

「まだ結婚できない男」も13年経過して登場人物も13歳年を食っている。

主人公の阿部寛は劇中で「53歳独身です」と言っていた。前作だと40歳だった。

53歳独身の男が主人公のラブコメというのもどうなのだろうと、冷静に考えるとちょっと笑えてくるが、こちらはコメディータッチなのでまだ許せる範囲である。

とはいえ、40歳で「結婚できない男」というのは、リアリティがあったが、53歳で「まだ結婚できない」とか言われても、それは向いてないからでそろそろ諦めた方がよいのではないかと思う。

49歳バツイチ独身の当方は、すでに子供も大きくなっているから、再婚するつもりがない。よしんば再婚したいといったところで相手にされるはずもないとすでに諦めている。ガンプラと安売りの服を友として、人生を終えることが非常に現実的である。

 

で、何が言いたいのかと言うと、今秋のドラマを観ていて感じるのが、ドラマの主な視聴者層は40歳以上の中高年層になっているということである。だから五十路前後のオッサン、オバハンの三角関係とかラブコメが放送されるのではないか。

そういえば、10月ごろ、電車の中で50歳代と思しきおばちゃんが、グランメゾン東京のキムタクの良さについて熱弁を振るっていて、「ああ、この層が主要客層なのね」と感じた。

当方も含めて顔かたちは年相応に老けているのに、マインドはあまり変わっていないという人が増えているのだろうと思う。

 

そういう意味では、よほどテイストに特徴のあるブランドを除いては、エイジレスを目指す必要がビジネス上ではあるのではないだろうか。

エイジレスにした方が、単純に購買客数も増えやすい。テイストやライフスタイルで区切るのはありだが、セクシー系とかティーンズ向けブランドを除いてはエイジレス対応を真剣に考えてみてはどうだろうか。

それにしても五十路の激しい三角関係ドラマは笑える。

 

 

そんなグランメゾン東京の文庫本をどうぞ~

この記事をSNSでシェア
 comment
  • 田中三裕 より: 2019/12/06(金) 10:47 AM

    先日はフェイスブックのコメントにて失礼いたしました、ブログ、私と思う所が同じなことが多々あり楽しく読ませていただいております、私は64歳ですがやはり、マインドは昔の人たちとはかなり違いますね。

    ユニクロ等々がなければ今のアパレルも違っていたかもと、いまだに意地でも買わないでいます
    (私もMitsuhiro ですけど⁉)

田中三裕 へ返信する コメントをキャンセル

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ