夏物衣料品バーゲンセールがあまり盛り上がらなくなった理由
2026年9月1日 売り場探訪 0
今日から9月である。
早いもので2026年も残すところ4カ月となってしまった。
9月と言っても全国的にまだ暑い。例年よりは涼しい東京だが、天気予報を見るとまだまだ30度越えの日が多い。関西は明日水曜まで猛暑日が続き、木曜日の雨で猛暑日続きが終わる予報だが、それ以降も最高気温30度越えの日が続く。
少なくとも9月末までは夏服を着るだろうし、まだ最終処分夏服を買う人も少なくないだろう。当方は間違いなく、今月に最終処分夏服を買う。
関西は例年通りだと、10月の中頃までは半袖の夏服で過ごす気温が続くだろうと思われる。
このような気温が標準となってしまっているので、2010年代後半ぐらいから各社もMDを変化させ、夏物衣料の投入期間を長く改定した。
8月20日ごろから秋物衣料に店頭を全面的に切り替えるという商品計画が以前は標準仕様だったが、消費者の購買行動も着用行動もどんどん体感温度に沿ったものとなっているため、よほどの人気ブランドの品薄品番でないと、わざわざ先物衣料を買わなくなった。
そのため、7月下旬に「挽夏物」を投入して、9月下旬ごろまで夏物衣料を実質的なメイン商材としたブランドは少なくない。
こうした中、夏物衣料のバーゲンセールの在り方について業界と業界メディアでは議論が交わされている。
今回も夏物衣料についてのコラムを紹介しよう。」
夏物商戦が一段落した。今年も大型商業施設のセールの実施時期が二極化し、6月下旬~7月初めに開始した施設と7月中旬以降に実施した施設に分かれた。ルミネは全館セールを初日の7月16日だけに統一し、パルコは全社統一セールを今夏は休止し、セールは館ごとの対応にした。SHIBUYA109渋谷(109)は全館セールを昨年の7月1~13日から今年は7月16~30日にした。セールの勢いが全体として低下し、暑い時期が長くなる中で、夏物のプロパー販売を拡大するのが狙いだ。
7月はルミネ、パルコ、109のいずれも好調。109は全館売上高を前年比16.9%増とした。一方、セールを6月下旬から7月初めに開始した施設の売り上げも全体として順調だった。共通するのはセールの実施時期に関係なく、プロパー品も売れた点。ルミネ、パルコ、109以外も含め、セール以外の販促を強化し、成果を上げた施設も多かった。
まあ、記事には必ず字数制限があるから全てを網羅できないことはいうまでもないが、要するにセール開始を前倒しした施設も、後倒しした施設もそろって期間中の売れ行きは好調だったというものである。
セールを前倒し開始しようが、後倒し開始しようが、売れる時は売れるという見本だといえる。
夏物衣料品バーゲンセールが各施設軒並み好調だった要因の一つには、セール品と同時にプロパー品が好調だったことが挙げられている。これは他の記事でも同様で、好調だった店舗やブランドはそろってセール品と同時にプロパー品が好調だったことが伝えられている。
それゆえにこのコラムは
今夏商戦はセールへの一定のニーズがある一方で、値引き以外の需要喚起策の効果も大きいことを改めて示した。セールの在り方を考える大きなきっかけとなった。
と結論付けているが、この結論は完全に間違っているとはいわないが、完全に正しいとも思えない。
もちろん、物事全てにおいて、完全に間違っていることや完全に正しいことなど数えるほどしかないことはいうまでもない。この結論もそれなりには正しいと当方も思う。
しかし、全てのブランドがこの結論に基づいてプロパー強化を果たすと不振に転じるブランドも少なからず発生してしまうだろうというのが当方の見方である。
夏物衣料バーゲンセールというイベントは、これまで何度も書いて来たように2000年代半ば頃から急速に集客力を失い続けている。
なんばシティがDCブランドで溢れていたころ、高校生・大学生が夏休みに夏物セールの入場前に長蛇の行列を作ったことなど、最早神話伝説の類である。今ではどのような手法を使っても再現不可能うだろう。
理由は様々考えられるが、
1、夏物衣料は元から単価が低く、値下げを待つ必要性が薄い
2、開始時期がバラバラで「業界一丸」となった集客力・訴求力が弱い
3、正月ほどの国民的行事感が無い
という3点あたりが最も大きいのではないかと個人的には見ている。
当方の個人的な心情だけでいうと、夏物衣料品はバリエーションが少なく、買う意欲がわかない。さらにいえば、大量の汗を処理しなくてはならないので、吸水速乾素材しか買う気が起きないため、必然的にさらに選択肢が狭まる。衣料品の「楽しさ」という観点から言うと、当方は夏物衣料品にも夏というシーズンにも1ミリも「楽しさ」を感じない。
まあ、当方みたいな底辺のオッサンの意欲の低さはさておくとしても、似たような感じで衣料品への購買意欲が他のシーズンに比べると多少は落ちるという消費者も少なからずおられるのではないかと思う。
「正月」という国民的行事を抱える冬物衣料品バーゲン以外のシーズンは、無理にバーゲンセール期間を設ける必要は無いのではないだろうか。それこそSPA型の各ブランドがやっているように、入荷後一定期間が過ぎた不振品番を自動的に値引き処分していけばよいのではないかと思う。まとめてバーゲン販売するのは、正月だけにするのが実情に沿っているのではないかと思う。
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