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南充浩 オフィシャルブログ

中高価格の高感度ゾーンも気温によって衣料品の売れ行きは大きく左右される

2026年7月7日 月次速報 0

上場アパレル企業の6月月次速報がほぼ出そろったようである。

ファッションスナップドットコムが毎月恒例の記事としてまとめてくれているので引用したい。

低気温に台風接近、ユニクロ16%減 国内アパレル関連大手2026年6月度

 

前回、ユニクロとワークマン、それから無印良品の衣料品・雑貨部門の6月月次速報を紹介した。

今回はそれ以外の企業を見てみよう。

国内アパレル関連大手各社が、2026年6月度の既存店売上高を発表した。気象庁の発表によると、当月は東京都心で6月として20年ぶりに8日連続で最高気温25℃未満を記録するなど、平均気温が平年を下回った。また、梅雨時期であることに加え、台風6〜8号が相次いで接近したことで降水量増により客足が遠のき、ファーストリテイリングの国内ユニクロ事業やしまむら、ユナイテッドアローズ、ワークマンなどは軒並み減収となった。

 

概要としてはこれに尽きる。

都内だけでなく、関西も含めほぼ全国的に「涼しい6月」だった。冷房を点けねばならないほどの暑い日、蒸し暑い日は数えるほどしかなかった。体感的には片手で足りるだろう。

東北や北海道は例年よりも高気温の日が多かったと報道されているものの、関東や関西などの「高気温」とは基準が異なるので、耐え難い猛暑とは言えない程度の高温、平たく言うと関東・関西だと涼しいと体感できる程度の高温だったのではないかと考えられる。

 

各社の数字は元記事を読んでいただければわかるが、クリックするのがめんどくさいという人のために、転載する。

しまむらは

既存店売上高 2%減

既存店客数 3・4%減

既存店客単価 1・1%増

 

アンドエスティは

既存店売上高 6・2%減

既存店客数 5・6%減

既存店客単価 0・7%減

 

となっている。

物価上昇の状況下にあって、各社ともにアパレル製品も値上げしているが、客単価が減少したのはアンドエスティだけである。

当方としては安いにこしたことはないが、アンドエスティという企業にとっては目立たないが深刻な数字ではないかと考えられる。

全般的な物価上昇で、衣料品の物価も全体的に上がっている。にもかかわらず、アンドエスティの客単価は微減に終わっている。

恐らくは相当な値引き販売が行われ、その値引きされた価格でしか売れていないという状況が考えられる。要は定価や定価に近い価格ではあまり売れず、大幅値引きされた物がメインで買われている状況ではないだろうか。

定価の価格設定を見直すか、商品政策を見直すか、最低でもどちらかを着手しなくてはならないだろう。これを見逃すと、今はさほどの影響もないかもしれないが、いずれ大きな破綻を招くことになりかねない。

 

 

ユナイテッドアローズ(既存店+EC)は

売上高 2・8%増

客数 4・2%減

客単価 5・8%増

となっていて、増収となっているように見えるが、ユナイテッドアローズの公式サイトでは

6月は前年よりも低い気温の日が多かったことや台風の影響により、小売売上が前年を下回ったものの、ネット通販売上が大きく伸長しました。

とある。実店舗は苦戦したがECで伸びたと読める。

さらに

速報数値には収益認識基準変更の影響は含まれておりません。収益認識基準変更の影響は確報値に反映され、速報値から数ポイント程度下がります。
2026年5月の確報値では、速報値に対して全社売上が2.4pt、小売+ネット通販既存店売上が2.0ptのマイナスとなっています。

と説明されており、現在発表されているのは速報値であり、確報値ではない。そのため、確報値では数ポイント査低下する可能性が示唆されている。実例として5月の確報値が述べられている。5月と同様に2ポイント強低下するなら、6月の既存店売上高は減収ということになる。確報値の発表が待たれる。

 

 

最後はバロックジャパンリミテッドだが、

既存店売上高 13・0%減

既存店客数 15・6%減

既存店客単価 3・1%増

と大幅減収に終わっている。

付け加えるなら客数の減少幅も大きい。他社の客数の減少幅が3~5%程度であるのに対して、16%弱も客数が減少している。

ここまで客数の減少が大きいということは、バロックジャパンが展開しているブランドそのものが消費者からの支持を大きく失っていると考えた方が適切だろう。

 

 

毎月、ファッションスナップドットコムは定点観測的にこの7社の月次速報をまとめているが、バロックジャパンはほぼ毎月、売上高の前年割れが続いている。

他の6社は減収の月もあれば増収の月もあるという健全な推移を示しているが、バロックだけはずっと前年割れの減収続きである。

この状況は相当に危機的だと思うが、謎の忖度なのか、業界内影響力の強さ?なのか、メディア関係者との関係性の深さ?なのか、バロックジャパンの月次速報と決算を批判批評している記事が掲載されているのをあまり見たことが無い。

この7社の中で最も経営が危ういのは間違いなくバロックジャパンである。

 

低価格ゾーンは前回でも触れたように如実に気温変化で売れ行きが大きく左右されるが、比較的に高感度顧客を広範囲に取り込んでいると思われるユナイテッドアローズでさえ、気温要因が商況を左右したことがわかる。バロックの場合、気温要因もさることながら展開ブランドのほとんどが消費者から支持されにくくなっており、事態は一層深刻だといえる。

 

 

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