衣料品消費が減った分はどの分野に流れているのか?
2026年6月22日 トレンド 0
昨年の今頃は、異常に早い梅雨明けからの猛暑襲来で、すでに毎日冷房を点けて半ズボン生活をしていた。
3年くらい前から半ズボンは、ユニクロのギアショーツのヘビーローテーションとなっており、多分、5~6枚を持っている。黒、ネイビー、グレー、グレー柄、オリーブグリーンが主力で、990円に値下げされたことに釣られて買ったパープルもある。それにプラスして、ジーユーのナイロンカーゴショーツも黒、グレー、オリーブの3枚を持っているので、半ズボンをこれ以上買う必要が無い。
また夏用トップスも吸水速乾Tシャツはすでに10枚以上を持っているので、これも積極的に買う気がない。
すでに、暑さと多汗対応衣料にしか興味が無くなっていて、すでに対応商材の手持ちも多いのでほんとに衣料品への購買意欲は極度に低下している。秋冬物ならもう少し意欲は高まるがそれでも10年前までのようには購買意欲は高くない。セーターもダウンジャケットもすでにたくさん持っている。
このように当方には衣料品への強い渇望というのが無くなってしまっているが、国内消費者の多くも程度の高低はあれ、10年くらい前までのような衣料品への強い購買意欲というのは相当薄まっているのではないかと感じられる。
そのことを論じているのがこの記事だといえる。
漂流する衣料消費にどう対応するか【小島健輔リポート】 – WWDJAPAN ‐ 最新ファッション&ビューティニュース情報
コロナからの回復が一巡した衣料消費はインフレやインバウンドに押し上げられて拡大する分野がある一方で縮小が止まらない分野も多く、増えないパイの中で消費が漂流する構図が鮮明になっている。いったいどこから流出して、どこへ流れ込んでいるのだろうか。
と前置きしたうえで、
「アパレル小売市場規模」(矢野経済研究所の集計、下着類も含むが服飾雑貨は含まない)はコロナ前19年の9兆1732億円からコロナ直撃の20年は7兆5158億円まで縮小した後、年々回復して24年は8兆5010億円まで戻した。25年の集計はまだ出ていないが、食料品や光熱費の上昇による衣料支出抑制とインフレやインバウンドが交錯してわずかな増加(0.5%増の8兆5440億円前後)だったのではないかと推察されるから、19年比は93%強にとどまる。ちなみに家計調査の25年の「被覆及び履物支出」は前年比1.8%減で、19年比は89%だった。
全国百貨店売上高(日本百貨店協会)の衣料品は1兆5058億円と前年から2.2%(店舗調整前は2.4%)減少し、コロナ前19年の1兆6834億円には1776億円(10.6%)、消費税増税前の18年の1兆7725億円には2667億円(15.0%)届かなかった。25年の全国百貨店総額には免税売上高が9.99%、19年には同6.01%含まれていたから差は3.98ポイントあり、衣料品の免税売上高も同率と見るなら百貨店衣料品の国内客売上実勢は19年の86%程度(1兆4477億円)と推計できる。
百貨店衣料品は国内客の購買回復にインバウンドも加わって落ち込みは小さかったが、どちらもなかったチェーンストア(量販店)衣料品は5975億円と前年から670億円(10.1%)減少し、19年からは2822億円の減少
と数字を列挙しているが、いずれの指標も衣料品の売上高や市場規模はコロナ前の19年度、18年度には戻っていない。
2018年度・2019年度あたりが衣料品の全指標の最後のきらめきだったのではないかと思わされる。
個人的に、最も衝撃を受けたのがチェーンストア(量販店)の最新衣料品売上高が5975億円と6000億円を割り込んでしまった点である。前年度は6600億円あったが、わずか1年で600億円以上も減収している。量販店全社の衣料品売上高の合計は、しまむら1社よりも低くなってしまっている。
さらにいえば、2022年から年々物価は上昇し続けているから、物価上昇にもかかわらず減収となっているということは販売枚数(買い上げ枚数)は売上高以上に減少している可能性が高いと考えられる。
もちろん、今でも衣料品購入に強い意欲を持っている消費者は存在するだろうが、それはどちらかというとマイノリティーに転落しているのではないかというのが個人的な意見である。
しかし、一方で数少ない好調企業もあるから、大衆の衣料品購入は一握りの好調企業に集中していて、それ以外の企業やブランドが成長しにくくなっていると考えた方が適正だろう。
中・低価格ゾーンは、ユニクロ、しまむら、ジーユー、無印良品あたりに大衆の需要が集約されてしまっていて、量販店の衣料品客の多くもそこに吸収されていると考えられる。
一方、中・高価格帯需要も、例えばユナイテッドアローズやビームスなどの大手セレクトショップと、特定のラグジュアリーブランドに需要が集中してしまっており、独立系のデザイナーズブランドや個店・小規模セレクトショップ、ブティックは売り上げ拡大ができにくい状況にあると考えられるだろう。
低価格も中・高価格帯も大手有名ブランドに需要が集中し始めていて、それ以外は売り上げ規模が拡大しにくい状況に陥っているのと同時に、衣料品以外への大衆の興味が向いていることも大きい。
近年の商業施設のリニューアルにおいて、衣料品売り場は削減傾向が強く、代わりに飲食店、エンタメ店の拡大が標準化されている。
手前味噌ながら大阪市内を見ても、商業施設内の売り場が拡大しているのは飲食とエンタメばかりである。逆に「衣料品・ファッション関連を拡大しました」という商業施設を見たことが無い。
梅田大丸は10~13階を放棄して、そこはルクアサウスのエンタメフロアとして現在改装中である。(13階のみ現在営業中)
また、先日、久しぶりに訪問した「あべのフープ」は、いつの間にか3階全部がゲーム会社「カプコン」のエンターテイメントフロアに改装されてしまっていた。
フープの奥にある「あべのアンド」の1階はすでにホームセンター「カインズ」に改装されてしまっている。
このような衣料品売り場を縮小している各商業施設の改装を見ると、衣料品の市場規模が伸び悩むというのは極めて当然といえる。
衣料品の市場規模の伸び悩みは、エンタメや飲食が吸収していると考えられる。実際、当方は飲食には興味が無いが、衣料品は定価で買わないがガンプラは並んで定価で買うという生活スタイルになっている。
問題提起された記事の問いかけに対する当方の答えは
1、衣料品需要全体は縮小しており、残った需要の多くが大手ブランドに吸収されている
2、衣料品購買が減った分はエンタメ関連や飲食に流れている
という2つになる。
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