石油原料に支えられているスニーカー、衣料品
2026年6月4日 素材 1
大勢はすでに決していると思われるが、今回のイラン戦争で、石油というか原油がいかに多くの分野を支えているのかが顕在化されたといえる。
当方も含めて、多くの人は自分が直接かかわっている分野と自分の生活にかかわっている分野しか普段は認識できていないということもわかった。
一般的には原油の供給が細れば、ガソリンや電気代への影響を真っ先に考慮する。
工場関係者なら重油、軽油辺りにも注意は向くだろうか。あと航空関連ならジェット燃料か。
しかし、4月からクローズアップされた「ナフサショック」によって、メディカル分野や一般の日用生活雑貨にも大きな影響が出ることが今回顕在化した。
もちろん、当方とてメディカル分野への影響なんていうのは想像外である。それほどに現代社会は一つの要件が様々な分野に細かく入り組んでいる。これは多分、原油だけのことではない。
繊維・衣料品・ファッション分野でも原油の影響は確実にある。
実際、6月以降どのように推移するのかはわからないが、当初は合繊メーカー各社がポリエステルなどの石油由来の化合繊の値上げを発表した。
これがそのまま継続されるのか、原油供給が解放されてもとに戻るのかはわからない。
そんな中、5月の上順にこんな記事が掲載されて、改めて気付かされた。多分、当方が普段目にする媒体でこの視点の記事は掲載されていないと思う。
スニーカー市場 を襲う原油高の波。素材の70%が石油由来である現実 | DIGIDAY[日本版]
- イラン情勢により原油供給難が生じるなか、靴業界が物流・素材コストの上昇に直面している。
- 合成素材の靴は素材の約70%が石油化学由来で、靴1足の総コスト構造の半分超に原油価格が影響する。
とある。
石油由来の副産物がミッドソールからパッド、縫製にいたるまで靴のあらゆる構成要素に使われているため、靴の生産そのものにも支障を及ぼしている。
ブラック・スエード・スタジオ(Black Suede Studio)など、一部のブランドは、発泡材や接着剤などの材料を仕入れる際に、サブライヤーから値上げを迫られている。
一方、クル(Kuru)などのブランドは燃料サーチャージの引き上げに見舞われている。
とのことでガソリンなどの燃料高騰で運賃・輸送費が値上がりするのは誰でもわかりやすい。
しかし、スニーカーはよく考えてみれば、特殊なモデルを除くと、化合繊と石油由来成分の塊である。
当然、アッパー素材やインソール、や靴底のソール、すべてに影響がでる。
今のスニーカーはどんどん高機能化している。
軽量化、高反発性、吸水速乾などなど。それを実現しているのは天然素材ではなく、化合繊素材である。だからいまだに置き換わっていないどころか、化合繊の使用比率はどんどん上がっている。
実際に当方が着用しているハイテクスニーカーもほとんどが合繊素材である。以前、アッパーに綿キャンバス生地を使ったローテクスニーカーを買って何か月か着用してみたが、足の疲れ方がひどくて捨ててしまった。
あれはスペルガのキャンバススニーカーだったがもう二度と買わない。あと、若い頃にコンバースオールスターのキャンバスも履いた時期があったが、あれももう二度と買わない。
立ち仕事や長距離の歩行を快適にサポートするのは、化合繊素材の塊のハイテクスニーカーである。
エコ素材にこだわったオールバーズの着用評価が低く、化合繊の塊のオンやホカの着用評価が高いことが、天然素材スニーカーでは快適性を実現できないことを証明している。
また、衣料品における吸水速乾機能やストレッチ機能も天然素材では実現できないだろう。
このように見ると、イラン戦争前までの世界的な環境保護主張の「脱石油」が如何に荒唐無稽な机上の空論だったかがわかる。
衣料品、スニーカーだけではなくメディカル用品、薬剤などもたちどころに影響がでる。
そればかりではなく、今、イシキタカイ系が飛びついているEV自動車、人工知能は普及すればするほど電力需要は増える。そして現在の発電は、火力発電がメインで、自然発電だけでは賄うことができない。増産を賄えるとすると火力発電を強化するか、原子力発電を増設するかである。
太陽光発電だって、東日本大震災以降15年も拡大し続けていまだに電力量の多くを賄うことができていない。
一般に知られているように火力発電は石油か石炭によって発電されるから、これからますます発電用の石油は不可欠になる。
今から50年後、100年後には技術進歩によって、もしかしたら脱石油が実現しているのかもしれないが、直近では実現不可能な空想論に過ぎない。脱石油どころか、これほど多くを我々は石油に依存しているということを認識する必要がある。中期的にはますます石油は不可欠な資源ということをイラン戦争は再認識させている。
もちろん、今後の技術革新には期待するほかないが、15年かけてほとんど実用性が変わらなかった太陽光発電を見ると、技術革新はそんな一朝一夕に成し遂げられるものではないということがわかる。
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多くのエネルギーは太陽光が元になっていて、太陽光を何百万年分か貯まったのが原油とか石炭とかの化石燃料なので、太陽光をそのままリアルタイムで発電に使う太陽光発電が化石燃料に対抗できるはず無いという動画を作ってるユーチューバー氏がいました。言われてみればなるほどなぁ、ですが意識高い系の人に言っても理解はしてくれなさそうですw