拡大を続けるリカバリーウェア市場だが永遠に成長し続けることはないという話
2026年6月3日 トレンド 0
効果があるのかないのかわからないのがリカバリーウェアという商材だが、今のところ売り上げ規模は拡大し続けている。
とはいえ、これはまだまだ「お試し需要」なので、今の状況を持って「今後も変わらず拡大成長し続ける」とは言えない。
例えば、当方の身の周りでも昨年秋にワークマンの「メディヒール」を上下セットで買ったものの、効果が実感できなかったとしてすでに着用していない人もいる。
以前にも書いたが、昨年9月にワークマンのテレビCMを見て気になったという叔母が1セット買った。どこの店に在庫が残っているのかを当方がネットショップの在庫検索で調べてあげたのだが。
その後、今年の正月に会ったときに着用した感想を聞いたところ「効き目がさっぱりわからないから、今は着用していない」とのことだった。
一応、リカバリーウェアは連続して1か月くらい着用しないと効能が実感できないと言われている。それをキチンと守ったのかどうかは聞けずじまいだったが、こういう人はそう珍しくない。
何度も書いているように、当方もまるまる1年間、ほぼ毎晩着用し続けているが効能はあまり実感していない。相変わらず肩凝りはあるし、腰痛も少しある。
疲労回復しているかと言われるとよくわからない。それよりは1時間多く寝た方が疲労回復を実感できるのではないかと思う。
とはいえ、複合的な要因かもしれないが、謎の倦怠感は軽減されているから、それは効果があったのかもしれない。
サプリメントや筋トレと同じで、今日やったからすぐに明日から効果があるというものでもない。1か月から3ヶ月くらいは毎晩着用しないと効果がわからない。着用し続けても効果は実感しにくい。
最近では、リカバリーウェアに対して懐疑的な記事も多数掲載されるようになってきた。単なる感覚を基準とした記事ではなく、医者が論陣を張っている場合もある。
さて、そんなリカバリーウェアだが、どこまで市場は拡大するのだろうか?
ワークマンの26年3月期におけるリカバリーウェアの売上高は115億円だったと発表された。大規模投入が昨年9月だったので、3月末までの半年間の実績である。
半年間で115億円なので単純に2倍すると230億円ということになる。
メディヒールの商品群の店頭販売価格はだいたい990~2300円なので、単価を2000円だと仮定する。すでに800万点の販売実績があると発表されているので、年間で1000万枚完売したと仮定する。
2000円×1000万枚だと200億円になるので、だいたいこのペースで販売されていると考えらえる。
ワークマンの26年3月期のチェーン店売上高は2000億円強なので、年間に換算すると1割がメディヒールの売上高と考えられる。
今のメディヒールの売り上げ規模というのは年間200億円で、今の店頭の完売状況を見ていると、300億円に到達するのはそう遠い先のことではないと思われる。
さて、そんなリカバリーウェアだが、続々と新規参入が続いている。
また「一般医療機器」という名称を付けない「血行促進衣料」にも新規参入は続いており、しまむらまでもがすでに参戦している。
一般医療機器と単なる血行促進衣料とは、明確な機能差があると思われがちだが、多分そんなに明確な機能差はない。なんなら、一般医療機器という名称も物凄く機能性が高いということを担保したものではない。
極端な言い方をすると、ばんそうこうも包帯も「一般医療機器」である。ばんそうこうや包帯に目を見張るような高機能があるかというと全く無い。
そんなリカバリーウェア市場だが、2030年には1700億円になるという試算がある。
拡大するリカバリーウェア市場 有力ブランドは次のステージへ | 繊研新聞
日本能率協会総合研究所マーケティング・データ・バンクは「リカバリーウェア市場は30年に1700億円規模(24年は189億円)になる」と昨年に発表した。
とある。
6年間で約10倍に増える感じである。これは売れ行きが伸びていることもあるが、新規参入者が続出していることも大きい。
じゃあ、このまま市場規模は拡大の一途をたどるのかと問われると、当方はそう思わない。
今の売れ行きの伸びは、以前に繊研新聞も書いていたように「お試し需要」の性質が強い。お試しした結果、効能が無いと感じる人が必ず発生する。そしてその比率は結構高いのではないかと思われる。
効果を感じない人の比率は1~2割程度ではおさまらないだろうと当方は見ている。どうだろうか、3~5割くらいは効能を感じないのではないかと思う。
そういう人は買い換えや買い足しはしないだろう。ちょうど当方の叔母のように。
お試し需が行き渡った後、リピーター化するのは多く見積もっても半分ではないだろうか。そうなると、売り上げ規模は拡大した後、縮小し、一定の水準で止まるということになる。
また、厚生労働省などの規制や指導が今よりも厳しくなれば、この市場はさらに縮小する。
いずれにせよ、手放しで成長し続けることが期待できる市場ではないから、大手や先行ブランドは今のうちから出口戦略を考えておく必要がある。それを怠ると、過剰在庫に押しつぶされる未来が待っている。
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