MENU

南充浩 オフィシャルブログ

都心旗艦店の占有率がますます高まっている百貨店業界

2026年5月26日 百貨店 0

25年度の百貨店店舗別売上高ランキングが発表された。

今回に限らず、毎回非常に価値があるまとめ記事で15位まで表示されている。この15店舗が売上高1000億円を越えている。当然16位からは売上高1000億円未満ということになる。

 

百貨店の店舗別売上高ランキング 2025年度、顧客基盤で明暗 – WWDJAPAN

 

 

順位にほとんど変動はない。24年度は全店が増収だったが、25年度は増収の店舗と減収の店舗に別れた。表にはコロナ前の19年度の売上高も表示されているが、これに比べると全店そろって大幅に売上高を伸ばしている。1位 の伊勢丹新宿店はコロナ前の19年度売上高と比較すると1・5倍くらいの増収となっている。

2位の阪急うめだ本店の25年度は前年比4・5%減の3487億円となったが、24年度売上高は19年度比で1・5倍の売上高に拡大している。

実際の売れ行き拡大による好調ぶりとともに、物価高による増収もあるのではないかとも思う。 物価高でありながら25年度は減収に転じた店舗は数字で見える以上に売れ行きの鈍さが現場では感じられたのではないだろうか。

 

 

さて、このランキングには、これまで常連だった西武池袋とそごう横浜店の名前が無い。そごう・西武が22年度を最後に店舗別売上高を公表しなくなったからだ。

そごう・西武は23年度から店舗売上高の公表をしていない。22年度は西武池袋本店が1768億円(現在、営業面積を半分に縮小)、そごう横浜店が1063億円だった。

とある。

この一文から類推すると、西武池袋は営業面積が半減しているので当然売上高も大幅に縮小しているのではないかと思われる。とはいえ、22年度はコロナ自粛の影響がまだ残っていたから、同じ面積ならそれよりは増えているだろうから、22年度比では半減には至っていないのではないかと思われる。

そごう横浜店は縮小などしていないので、悪くても売上高1000億円は維持しているだろうし、良ければ売上高を伸ばしているだろうから、当然上位15位の中に入っていただろう。

 

 

15店舗中で単独でランクインしているのが、阪急、近鉄あべの、東武池袋、松屋銀座となっており、阪急、近鉄、東武の旗艦店以外の店舗の弱さがうかがえる。

また、銀座地区でいうと松屋銀座と三越銀座はそろって減収しており、銀座地区の百貨店が前年に比べると苦戦したといえる。銀座地区の苦戦の理由としては中国人客が減少したことが大きいのではないかと思われる。

というのも、どの百貨店もそれなりにインバウンド需要の占める割合は大きいだろうが、中国人客以外の外国人客はさほど「銀座での買い物」にこだわらないと思われる。逆に中国人客が異様に銀座にこだわる姿勢が強いとように当方には見えている。

そのため、銀座地区は他地区よりも中国人客が多くその影響を受けたのではないかと推察している。

 

 

 

伊勢丹新宿の絶好調ぶりに加えて日本橋三越と銀座三越の3店舗がランクインしている三越伊勢丹の強さに目をひかれがちだが、逆にいうと、三越伊勢丹はこの三店舗以外が昔から弱いままだといえる。

一方、髙島屋は4店舗ランクイン、大丸松坂屋も地味ながら3店舗ランクインしている。東京地区の3店舗に偏重している三越伊勢丹に比べると、全国的に分散している髙島屋と大丸松坂屋の方がバランスは安定しているのではないか。

 

 

 

さて、この上位15位各店舗の19年度比の増収ぶりを見ると「百貨店絶好調」と思えてしまうが、話はそう単純ではない。

上位15店舗がこれほど大幅増収を果たしているにもかかわらず、百貨店全体としては依然として苦戦業種であり、この一文はそれを示している。

日本百貨店協会によると、全国売上高は前年比1.5%減の総額5兆6754億円だった。協会加盟の店舗は162店舗あるが、上位10店舗で約3分の1以上のシェアを占める。富裕層や訪日客の支えがある大都市の店舗と、それらの恩恵が少ない地方都市の店舗の差が開いている。

 

とあり、全国百貨店売上高は1・5%減の減収に終わっているばかりでなく、協会加盟の店舗数は162店舗となっており、160店舗割れが目前に迫っている。

広く知られているように、毎年のように地方・郊外百貨店の閉店が続いているから、総売上高が6兆円台に回復することはほぼ不可能だろう。

 

 

さらにいうと、上位10店舗だけで全国百貨店売上高の3分の1以上を占めている。15位まで足せばその占有率はさらに高まり、3分の2に近づく。

いかに大都市都心旗艦店だけが潤っているかがわかる。

もっとわかりやすく言えば、15店舗を除く残り147店舗を合わせても売上高は3分の1強くらいしかないということで、いかに各社の旗艦店以外の店舗の売上高が低いのかである。

 

 

 

当方は百貨店に対して何の思い入れもないから、不振店舗が閉店・撤退するのは当然のことだと思っており、何の感慨もない。何年後のことになるのかはわからないが、いずれ、各社の都心旗艦店以外の地方・郊外の小型店舗は全て閉店となるのではないかと推測している。

百貨店は各社ともに旗艦店数店舗ずつだけが残るというのが現実的な未来だろう。

 

 

・お知らせや仕事の依頼がありましたら、Gメールまでお願いします。

minamimitsuhiro0423@gmail.com

 

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ