低価格から高価格までアニメコラボ服の隆盛
2026年5月20日 トレンド 1
場末の商店街とか、地方の寂れたような中小型スーパー以外で、モサモサっとしたVMDの洋服店を見かけなくなった。イオンモールに行くと、ほとんどどの店も低価格帯とはいえ、洗練されたVMDで陳列されている。
都心百貨店、都心ファッションビルも同様だ。
もちろんVMDの専門家の目からすればいろいろな評価はあるのだろうが、当方を含めた大多数の素人からすれば、ほとんどが洗練されて整然としているように見える。
その結果、どの店も同じように見えてしまうという状況になっている。
洋服のデザインも同様で、低価格メーカーだからと言って、2000年代半ばまでのようなヘンテコなデザインアレンジはほとんどない。場末の在庫処分店に並んでいる商品ですら、結構洗練されたデザインをしている物が多い。ベタなデザイン商品は残ってはいるが、以前に比べると大幅に減っている。
その結果、当方を含めた大多数の素人から見ると、どのブランドのデザインも同質化しているように見えてしまう。
このような状況になると、無地の商品でブランド名がわからない物なら、ブランド物でなくても構わないという考えに至る人が多くなるのも当然の結果だといえる。
綿厚手の無地Tシャツなら、当方はワークマンのヘビーオンスTシャツ970円で十分なのである。
そういう状況下で消費者から注目されやすいのが、アニメ・漫画・ゲーム・特撮とのコラボ服だといえる。逆にいうと普段は服に興味のないその作品のファン層が買いに来ることになるから、結果として売上高が稼ぎやすい。
ただ、昔と違うのはそういうキャラクターコラボ服が単にオタク向けの商品ではなく、低価格はおろか中・高価格ブランドまで発売されており、それがいつもとは違う顧客層を獲得する手段に定着した点である。
上場以来、メディアからの注目が集まるヒューマンメイドだが、その強みの一つはアニメなどのキャラクターとのコラボにある。
ヒューマンメイドがコラボ無しに普通のビンテージレプリカ服を作っていたならここまで売れなかっただろう。それで売れるなら他のビンテージレプリカブランドはとっくの昔に巨大ブランドに成長しているが、現実はそうではない。
そのヒューマンメイドがまたポケモンコラボ服を発表した。
ヒューマン メイドとポケモンが再びコラボ 「コイキング」がモチーフに
NIGO®︎が手掛けるライフスタイルブランド「ヒューマン メイド(HUMAN MADE)」が、ポケモンとのコラボレーション第2弾を5月23日に発売する。ヒューマン メイド直営店および公式オンラインストアで取り扱う。
コラボでは、第1弾で登場した「ピカチュウ」、「カモネギ」に加え、新たに「コイキング」をモチーフにしたアパレルやアクセサリー、ホームグッズを全15型製作。アパレルからは、フロントやバックにネギを差せる「カモネギ」をフィーチャーしたユーティリティジャケット(8万5800円)やパデットブルゾン(7万4800円)をはじめ、バックにピカチュウをデザインしたデニムジャケット(5万9400円)、コイキングのイラストを配したオープンカラーレーヨンシャツ(3万6300円)などをラインナップする。グラフィックTシャツは、ピカチュウ、カモネギ、コイキングの各モチーフを採用した3型(各1万3200円)を用意。
とのことだが、個人的には何万円も出してポケモンがデカデカとプリント、刺しゅうされた服を買う気にはどうしてもなれない。
それなら同じ金額を出して、普通の無地のブランド品を買った方がよいと思えてしまうのは当方がジジイだからだろう。
ジジイたる当方にとっては、アニメキャラクターがプリントされた服なんて、ユニクロで最終処分値になってから買えば十分と思える商品である。
一方で、低価格帯でもキャラクターコラボ服は強い。ユニクロやジーユー、しまむらなどがその典型といえるが、低価格メーカーであるカイタックファミリーも堅調に増収を続けている。
カイタックファミリー、9期連続増収 〝ご飯よりもおかず〟貫く | 繊研新聞
26年2月期は9期連続の増収となった。26~27年秋冬展でも話題性のある切り口、キャラクターをはじめとしたIP(知的財産)を生かした提案などを繰り出した。
とのことで、この記事ではあまり具体的には触れられていない。なぜなら、カイタックファミリーが企画製造するキャラクターコラボ服は大手低価格チェーン店へ納品されるので、なかなか実名が挙げにくい。さらにいうと、キャラクター商品をライセンス生産しているため、版権元との兼ね合いで具体的なキャラクター名も出しづらいという背景も加わる。
では、具体的なカイタックファミリーの売上高はどのくらいかというと、
ここに25年2月期売上高452億円とある。ちなみに25年2月期のカイタックグループ全体の売上高はマイナビに907億円と提示されているから、グループの半分くらいがカイタックファミリーの売上高で占められていることがわかる。
さらに、26年2月期の売上高はグループ全体で
カイタックグループ 売上高、利益が過去最高に | THE SEN-I-NEWS 日刊繊維総合紙 繊維ニュース
カイタックグループの2026年2月期連結決算は、売上高が970億円(前期比6・9%増)と過去最高を更新した。営業利益は43億4908万円(10・2%増)、経常利益は42億8332万円(13・7%増)、純利益は27億3920万円(8・3%増)で、各利益も過去最高。増収増益は5期連続となった。
と報道されている。
グループ全体で約63億円の増収だから、カイタックファミリーも恐らくは30億円くらいは増収したのではないかと考えられる。そうなると480億円内外の売上高があったのではないかと思われる。
カイタックファミリーは典型的なスーパーマーケット向けの低価格カジュアル・パジャマ・肌着のメーカーだが、実は当方が現役記者時代の25年前からアニメキャラクター物が強かったと言われていた。
当時のアニメキャラクター物は主に子供服(肌着・靴下・パジャマ含む)だったが、今はそれが大人向けにも広がっているという状況にある。
個人的には、今後も中長期勘、このアニメキャラクター物好調は続くのではないかと見ている。逆に、2000年代半ばまでの「純然たるファッションアイテムの大規模ブーム」というのはもう訪れないのではないかとさえ思っている。
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ヒューマン メイドのユーティリティジャケット(8万5800円)とパデットブルゾン(7万4800円)を見てみたら、こんなのM65フィールドジャケットとL-2Bフライトジャケットでええやん(色使いは違うけど)と思いアルファインダストリーのサイトに行ってみたら、両方とも昔の1万数千円のイメージとは違って3万も4万もしていて驚愕。なんならアルファインダストリーもアムロ・レイモデルとかクワトロ・バジーナモデルを高額で売ってましたw