ビジネス靴ブランドはスニーカーとのコラボ商材開発を強力に進めてみては?
2026年5月18日 決算 0
メディヒールほどの大ヒット作ではないが、ワークマンのヒット作の一つに「ローファースニーカー」がある。
たしか、2月下旬に先行販売し、3月に本格販売をしたと記憶しているが、ほぼ即日で店頭から完売していた。実物を見ようと数日後に店頭に出向いたら影も形も無くなっていた。
5月に再販品が追加投入されると耳にしている。
どれくらいの数量を作ったのかは公表されていない。メディヒールほどの百万点単位では製造していないことは明白だが、ワークマンの規模感からいえば最低でも数万足レベルでは生産しているはずである。
それがわずか、2~3日で完売するのだからすごい。ちなみに店頭販売価格は3300円である。色展開は黒のみ。
商品画像を見ると、スニーカーのソールの上にローファーのアッパーが付けられている。
その名の通りにローファーとスニーカーを合体させた商材である。これがなぜそんなに人気なのかというと、23年秋ごろからスニーカー全般の人気に陰りが出始めた。ブランド名は違っていても誰もかれもスニーカーを履いているわけだから、当然飽きも出てくる。そこでローファーやワークブーツなどのトラッドなカジュアル靴が再注目された。
しかし、長年スニーカーのクッションソールで甘やかされてきた足は、従来通りの硬いソールに耐え切れるはずもなく、アッパーはローファーだがソールはクッション性の良いスニーカーが求められたわけである。
ローファースニーカーなら、少しドレスっぽい洋服にも純然たるスニーカーよりは合いやすいという利点もある。
ただ、気を付けなくてはならないのは、この商品に限らずローファーは紐で調節できないため、足の形に合いにくいというデメリットがある。少し小さ目を履いて慣らしていった方が良いとその昔、メンズクラブで読んだが、慣らすまでの間はとにかく靴擦れ地獄である。
そこまで我慢して靴を履く必要があるとは当方は思えないので、靴擦れ地獄を体験した後はローファーには手を出さないと決めている。
ワークマンに限らず、どのローファースニーカーも消費者が期待しているほどには、足が楽ではない。通常の紐付きスニーカーの方が足は楽である。
このローファースニーカーと同じ発想なのが、アディダスのボートモカシンスニーカーだろう。
ボートモカシン、昔はデッキシューズとも呼ばれていたように思うが、トラッド系のカジュアルスポーツ靴である。ソールはスニーカー、アッパーデザインはモカシンというハイブリッド商品で、これも少しドレスっぽい服装に合わせやすい。
何が言いたいのかというと、今後、メンズのトラッド靴やドレス靴はこういう形態の商材としてマス層に生き残るのではないかと当方が考えているという話である。
いくら「文化がー」と大声で叫んだところで、しんどい物をわざわざマス層が履くはずもない。従来型のトラッド靴もドレス靴も消滅はしないだろうが、多くはこの手のスニーカータイプに置き換わるのではないかと思っている。
さて、先日、大規模リストラで注目を集めたメンズビジネス靴のリーガルの決算が発表された。
当初予定通りに厳しい決算だった。
リーガルの通期決算は営業赤字に転落 新浦安本社事業所と大阪事業所の売却で11億円の譲渡益 |
靴メーカーのリーガルコーポレーション(以下、リーガル)は5月14日、2026年3月期の通期連結決算を発表した。売上高は228億4100万円(前年比3.0%減)、営業損益は3億8500万円の赤字(前年は3億9700万円の黒字)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2億4400万円(同65.1%減)と大幅減益だった。
主力の靴小売事業は、売上高144億1200万円(前年比1.1%減)、営業損益は3億4000万円の赤字(前年は1億4100万円の黒字)。靴卸売事業も売上高84億1600万円(同6.2%減)、営業損益5400万円の赤字(前年は2億5500万円の黒字)と、小売・卸売の両事業が苦戦した。
とのことで、主力商材であるメンズビジネス靴自体の需要減少をハッキリ反映しているといえる。
このリーガルも含めて、ビジネスシューズ界隈の復活策としてはもう一度かつてのドレスコードを普及させようとするのは無駄だと当方は思っていて、それよりはローファースニーカーやボートモカシンスニーカーのようなスニーカーと融合したドレスダウン商材を開発すべきなのではないかと思っている。
かつて、このブログで紹介したシューフィッターの佐藤靖青氏も「ビジネス靴メーカーはプライドを捨ててスニーカーとコラボをすべき」と提言しておられたが、まさに同感である。
オンタイム以外ではすでにスニーカーが定番化しており、その機能性に慣れた人が従来型ビジネス靴を着用するのは苦痛でしかない。そうなると、スニーカー通勤者が増えてしまうわけだが、その客を少しでも取り込みたいのであれば、スニーカーと融合した商材を開発するのが最適解だろう。
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