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南充浩 オフィシャルブログ

「ビジネスTシャツ」の残存者メリット

2026年4月24日 商品比較 0

以前にも書いたが、結構上等そうな生地のテイラードジャケットを丸首Tシャツの上から直に羽織っている人を見かけて心配になる。

いわゆるビジカジスタイルで、近年のビジネススタイルカジュアル化の流れで一般庶民にもすっかり定着した感のあるコーディネイトである。

私見でいうと、IT系やベンチャー経営者の制服みたいになっているように見えてしまう。多様化と言いながら服装が画一化しとるなあと思う今日この頃である。

当方が他人事ながらなぜ心配になるのかというと、テイラードジャケットの襟にべったりと皮脂がついて黄ばむからである。もちろん着用したら毎回クリーニングに出せば問題ないが、クリーニング料金もバカにならない。シーズン中に2~3回なら財布にも優しいが、お気に入りのテイラードジャケットをヘビーローテーションでTシャツの上に着用すると、シーズン中のクリーニング回数は10回を超えてしまうため、当方のような貧乏人にとっては非常に痛い。

金持ちのみなさんはそれでも懐は痛まないのだろうが、当方は懐が痛むのが嫌で、Tシャツ+テイラードジャケットのスタイルは滅多にしない。

特にウール素材のジャケットは絶対に襟付きのシャツを着た上からしか羽織らない。

もし、このスタイルをすることがあるとすると、夏用のジャケットで芯地無しタイプで、素材が綿100%かポリエステル100%もしくはポリエステル高混率の物である。これらはシャツジャケットのような作りな上に、綿やポリエステル素材は家庭洗濯しやすい。こまめに家庭で洗濯できるのでクリーニング代を節約できる。

 

 

さて、そんなTシャツ+ジャケットスタイルに対応して、首の後ろ部分が通常のTシャツよりも高くなっているビジカジTシャツが2010年代後半から様々なブランドから発売された。首の後ろ部分が高くなっていることでジャケットの襟を汚さないという仕組みになっている。

グンゼでサンプルをいただいたことがあったし、ジーユーでも販売されていて、2枚買ったことがある。記憶ではグローバルワークも展開していたような。

しかし、2020年代前半の終わりごろから、ことさら「ビジカジTシャツ」という商品をあまり目にしなくなった。頼みの綱のジーユーも販売しなくなってしまった。グンゼも継続しているのかどうかわからない。

 

 

最近はスーツどころか、テイラード型ジャケットすら羽織る機会が激減した。

だからTシャツ+ジャケットスタイルすら着ることは少ないのだが、貧乏性なのか何かの時のために備えて2~3枚買っておきたいという欲求は少しだけある。

少しだけあるが、店頭でもネット通販でもあまり見かけなくなってきていたのだが、青山商事は継続していたらしい。しかも残存者メリットを享受している様子である。

洋服の青山、「ビジネスTシャツ」需要が6年で9.7倍に 暑さにそなえ早期展開 – ITmedia ビジネスオンライン

 「洋服の青山」を展開する青山商事は4月22日、「ビジネスTシャツ」の商品量を前年の約1.4倍に増やし、過去最大規模で発売した。4月から気温の高い日が増えていることを踏まえ、夏物需要の前倒しに対応する。

とのことで、雨が降って気温が下がる日があるものの、今年の4月は昨年と比べて夏日の高気温の日が多い。

昨年の4月は関西万博オープンの日は雨で肌寒くそれがしばらく続いた。極めつけは4月28日、29日の肌寒さである。4月末にこれほど肌寒かった年は近年ちょっと記憶に無い。

それに比べると今年の4月は高気温の日が多い。

 

 

さて、前年比1・4倍の投入量とのことだが、販売数量のこれまでの推移を見てみよう。

需要は大きく伸びている。青山商事によると、2020年度に約1.7万点だったビジネスTシャツの販売数は、2025年度には約16.5万点まで増加。6年間で約9.7倍となり、全カテゴリーの中でも突出した成長率だという。

とのことで、昨年の販売量が16・5万点なので、その1・4倍というと23・1万点ということになる。ざっくりと23万点強の投入量である。

 

 

 

価格帯と好調の理由について記事では

 

「冷たいレイヤードTシャツ」(4389円)、「形態安定Tシャツ」(3289円)などを展開する。ジャケット着用時の使いやすさを重視して開発した。後ろ襟を高めに設計することで、ジャケットを着たときの皮脂汚れを防ぐほか、厚みのある素材で1枚着でも透けにくい仕様とした。

シンプルなデザインでオン・オフ問わず使えるほか、ジャケットを羽織れば商談にも対応できる点が支持されている。加えて、アイロン不要で手入れしやすい点も需要を押し上げている。

 

とのことだが、個人的には価格帯やイージーメンテナンスよりも「残存者メリット」を享受しているのではないかと思う。ジーユーは撤退した商品だし、グンゼも継続しているかどうかわからない。ユニクロはもとより発売していないし、グローバルワークでも露出が無い。ということはコモディティ層ではほとんど見かけなくなった商品だといえる。

需要は確実にあったはずだが、これら大手が撤退したり販売していなかったりするということは、何かやりにくい理由があったのだろうか。それらが手掛けていない、もしくは露出がほとんどないからこそ青山商事はその需要をほぼ独占できているのではないかと思う。

 

1シーズンに23万点という数量は今の国内衣料品市場においてはメガヒットと呼べるだろう。リカバリーウェアが悪目立ちしてしまっているが、これは隠れた大ヒット商品と呼べるのではないか。

 

価格は3000~4000円くらいと、かつてのジーユー、グンゼ商品に比べると高い。高いが、手が出ないというほどには高くない。

Tシャツ+ジャケットスタイルの人が全員、毎日クリーニングに出せるほどの金持ちぞろいとは到底思えないので、本来はこの手のビジT需要は一定数量はあったのだろう。

こういう「残存者メリット」の活かし方もあることは、業界全体としても参考になる事案なのではないか。

 

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minamimitsuhiro0423@gmail.com

 

 

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