リカバリーウェア分野はすでにレッドオーシャン化していると思う
2026年4月21日 トレンド 0
コロナ禍当時に盛り上がったと言われている市場があった。
ゴルフ、キャンプ、釣り、オートバイあたりである。これまでのほとんどの室内娯楽が自粛となったため、その代替品として2020年半ばごろから急速に盛り上がり始めた。
しかし、現在ではこの4分野ともに「底打ち」とか「元のサイズに戻った」と表現されて報道されている。
インドア派で友達のいない当方からすると、4分野ともにわざわざ取り組みたいとは全く思わない。当方とは真逆の属性の人だって、23年5月に以前の娯楽が全面解禁されて以降はそちらに戻っている人が多いのではないかと思う。
この4分野いずれにも当時はアパレル企業が大量参入した。特に取り組みやすかったのは特別な高機能性は求められないゴルフウェアだったので新規アパレルの大量参入があった。
キャンプ、釣り、オートバイにも新規参入はあったものの、こちらはガチ高機能が求められる分野なので、相応のノウハウが必要になるため、ノウハウの無い企業がおいそれと参入することは難しかった。
そんなわけで、20~23年にかけて大量に増えたゴルフウェアブランドだが、現在は沈静化しており、強いブランドはそれなりに残っているが、消え去った有象無象ブランドは少なくない。
同様のことが後1~2年後に起きるのではないかと思っているのがリカバリーウェアという分野である。一般医療機器として認可されているリカバリーウェアと医療機器認定されていない「血行促進服」を合わせると、かつてのゴルフブランドと同じような感覚で新規参入が相次いでいる。
アパレル業界からメガヒット商品が消えて久しいから、ちょっとでも話題になった分野にはダボハゼのように参入してしまうのが今の国内アパレル業界といえる。
しかし、リカバリーウェア分野は明らかにブランド数が飽和してしまっているというのが個人的感想である。しかも一般医療機器としては業界最安値であるワークマンの「メディヒール」の販売数量が極大化している。今年1月から3月末までですでに522万点を販売している。
1月に158万点、2月に156万点、3月に208万点と、3カ月で累計522万点を売り上げた。それでも土屋専務は、3月は「取りこぼした」と明かす。
とのことで、さらに4月には399万点を入荷している。私見だがこの4月の399万点もほぼ完売するだろうと見ている。
昨年秋に投入した商品が200万点以上完売しているから、4月投入分を合わせると優に1000万点を超えている。
ワークマンのメディヒールの強みは何度も書いているが、長袖Tシャツと同生地長パンツ(ルームウェア、パジャマ用)が合計3800円、半袖Tシャツと同生地半ズボン(同用途)が合計2580円という低価格にある。
上でも書いたように知る限りにおいては一般医療機器と銘打たれた商材の中では最安値で、同等価格は新規参入したニトリの商品になる。
正直なところ、ワークマン、ニトリよりも高い価格設定をしている他社ブランドは今後ほとんど売れなくなると思っている。バクネ、りらいぶ、Redあたりはブランド知名度の高さで一定数の需要は残るかもしれないが、それ以外は厳しいのではないかと思っている。
特に今から新規参入するブランドは価格競争力が無ければ日の目を見ることはないだろう。
理由は様々あるが、個人的には
1、機能性の差が数値化されていないからわからない(わからないなら最安値で構わない)
2、パジャマ、肌着用途なのでデザインや色柄での差別化がしにくい(しても消費を喚起しにくい)
3、そもそも効能があるのかないのか体感しにくい
という3点が大きいと見ている。
まず、1と3は密接に絡んでおり、一般医療機器とは銘打たれているが、その効能自体は数値化されて発表されていない。だから、高価格品とメディヒールの差も数値化して説明できていない。そんなあやふやな物なら最安値商品で構わないと考える人が多いのは当然だろう。
例えば、パソコンなどの家電のように「価格差に明確な性能差がある」のなら高スペックを求めて高価格品を買う人もそれなりにいるだろうが、そもそもどんなスペックかも明示されていないのにわざわざ高い方を買う人は少ない。ワークマンが3か月で522万点を売ったことがそれを証明している。
次に2だが、用途が寝間着兼ルームウェアか肌着である。寝間着や肌着にそこまでデザインや色柄の工夫は求められない。メンズなら黒無地、白無地、グレー無地があれば十分だろう。当方のように一人暮らしで交際相手無しの人間なら誰に見られるわけでもないから、寝間着や肌着の見た目など何でも構わない。どうせ市場に出ている商品も黒無地とかそんなのばかりである。だったら最安値のワークマンで十分だと考える人が多いのは当然だろう。
これが外衣なら多少はファッション性での差別化が可能だっただろうが、外衣にしてしまうとただでさえわかりにくい血行促進効果がさらにわかりにくくなる。何せ直接肌に触れる部分が大きく減っているからだ。
今回、このYouTubeチャンネルでリカバリーウェアの解説を行っているが、当方も賛同する。
ぶっちゃけいうと、この人は「試してみたけど効能はあんまり感じない」と言っている。当方も同じである。
ただ、当方は昨年4月末に買ってから1年間ほぼ毎日着て寝てみたが、この1年間で体の倦怠感はマシになった。だが、それはリカバリーウェアの効能なのかどうなのかはわからない。定期的な運動、ストレッチやマッサージ、サプリ摂取などが複合的に効果を生み出していると思われる。逆にいうと、それらがあればリカバリーウェアが無くても倦怠感は軽減できたのではないかとも思える。
生地の観点からいうと、セラミックや鉱物を練り込んで「血行促進」と謳っていた生地は25年前から業界には存在していたし、それをファイテンなどのメーカーが使用して「血行促進サポーター」などを企画製造販売していた。動画で解説されているように、綿やレーヨンに練り込むことは難しく、ポリエステルやナイロンに練り込まれていると考えられる。そうすると、ポリエステル混率の高い物が効きやすいという仮説が立てられる。その点、ワークマンのメディヒールはポリエステル95%なので、その点においても最安値品でいいじゃないかという結論に達する。
今年でリカバリーウェア市場のブランド数は飽和状態に達し、今後、ワークマンが圧倒的シェアを占めつつ、ブランドステイタスを確立できたいくつかの高価格ブランドが淡々と生き残る。そんな市場になるだろう。
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