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南充浩 オフィシャルブログ

4月からの値上げラッシュによって衣料品への支出額は伸び悩むだろうという話

2025年4月1日 トレンド 0

3月30日の日曜日にいつものようにスーパー万代に行くと「4月1日から値上がりします」という貼り紙があり、なぜかその日から缶チューハイ・缶ビール類が値上げされていた。

缶チューハイでいうと従来の万代店頭販売価格よりもザックリと10~15円値上がりしていた。ちなみにノンアルコールビールも同様に値上がりしていた。

缶チューハイ・缶ビールの値上げにショックを受けていたら、こんな記事が複数のメディアで掲載されていた。

2025年4月の値上げは4225品目、大規模な値上げラッシュが発生する見通し【食品主要195社の価格改定動向調査】 | ネットショップ担当者フォーラム

4月の値上げを食品分野別に集計すると、調理用みそ製品を中心とした「調味料」(2034品目)が全食品分野で最多。「酒類・飲料」(1222品目)は缶ビール・缶チューハイなどの酒類で一斉に価格が引き上げられる。そのほかコーヒー飲料で値上げとなり、2024年10月以来6か月ぶりに単月で1000品目を超えた。

「加工食品」(659品目)は、ハム・ソーセージ製品や冷凍食品などが多い。食用油など「原材料」(33品目)を含め、嗜好品や利用頻度の高い飲食料品が主な値上げ対象となった。

とのことで、これはかなり懐が痛むと感じる。

ちなみに、3月28日にはバンダイもガンプラ再販品の値上げを発表している。

再販商品の価格改定のお知らせ|お知らせ|バンダイ ホビーサイト

だいたいの値上げ幅は400~1000円くらいである。値上げは痛いが、ガンプラは月に1個か2個買う程度だから、痛いことは痛いが毎日買う食品類に比べるとマシである。

食品類は毎日買う物だからかなり痛い。激痛である。

今回の値上げラッシュの原因については

2025年の値上げトレンドは、人件費や物流費などサービス由来のコスト増を要因とした値上げで拡大傾向が顕著となっている。世界的な供給難や円安による原材料・エネルギー価格が中心だった2024年前半に比べ、トレンド変化が鮮明となった。前年に見られた急激な為替の変動による値上げは一服した傾向にあるものの、天候不順による生育不良、過去の円安による肥料価格の上昇、燃油などのエネルギー、輸送費用といった間接コストが重なり、コメや野菜類をはじめとした国産食材の調達コスト増加が続いている。

東京帝国データバンクは「飲食料品の価格はプラ容器など包装資材を含め、『モノ由来』と『サービス由来』双方の値上げに影響されている。2025年の値上げ動向は全体的に値上げの動きが低位に抑えられた前年に比べ、少なくとも今夏にかけて断続的な値上げラッシュの発生が見込まれる」とコメントしている。

とあり、2022年から2024年にかけての値上げ理由とは今回の値上げ理由は異なるというわけである。原材料費の高騰・燃料高騰などは一段落したが、物流費・人件費の上昇によるコスト増が鮮明になってきたということは、2026年以降も商品価格は上がり続けると予想される。

 

今春の店頭価格といえば、野菜類は豊作だったこともあり値下がりし始めている。毎日スーパー万代に通う当方の記憶によれば2022年ごろの販売価格に多くの品目は戻りつつある。これは不幸中の幸いというものだが、野菜類は天候要因で成果が大きく左右されるから、いつ不作に転じて価格が高騰するかもしれない。

 

 

さて、当方の生活環境で言うなら、収入は増えていない。収入が激増している人なら今回の値上げも痛くはないのかもしれないが、当方はビジネスセンスも無いので収入は今後も増えないだろうと諦めている。

ガンプラに関しては月に1個か2個買う程度なので、値上げされても許容範囲内である。一方、食品は買う品目を変更して安い物を買うことで幾何かの対応は可能だが、食品を買わなければ命にかかわるので、極端に削減することは不可能である。

となると、当方としては洋服の購買を削減するのが最も適切な行動ということになる。

もともと値下がり品しか買っていないが、2023年から買う頻度を減らしていてそれをさらに強化することになるだろう。

 

 

多くの消費者は当方と同じで収入が増えていないか、増えたとしても物価高を吸収できるほどではないと考えられるので、「不要不急」である洋服の購買を削減することになるのではないだろうか。洋服が趣味という人を除いては購買を手控える人が大幅に増えると考えるのが現実的だろう。

衣料品業界でも恐らくは値上げをすることでコスト吸収を図るブランドや企業が増えると思われるが、大きく売上高を伸ばしたり、利益率を改善するということは難しいのではないかと見ている。ますます低価格ブランドの需要は高まるだろう。

収入が激増している人、かなり増えた人でも結局のところは徴収される税金額や社会保障費も値上がりするため、可処分所得は大きくは増えない場合がほとんどではないだろうか。そんな立場になったことが無いから知らんけど。

 

個人個人の可処分所得は上限があるから、それをいかにして他分野から奪い取るかというすさまじい競争が今後はさらに激化するだろう。ただ、衣料品が趣味という愛好家以外は他分野への支出を優先することになるだろう。

参考程度だが、コンサルタントの生地雅之さんがこんなブログをアップしている。

値上げ力‐2 | コンサルタント | 生地 雅之 | アパログ | ファッション、アパレル業界のブログポータルサイト

誤字脱字・変換ミスが多くて意味の通らない文節もあるのだが、だいたいのところは、食品の値上げの話である。以前に何度もお会いさせていただいた当時までの印象でいうと、非常にファッションには気を使っておられて、それなりに著名なブランド品を身に着けておられたのだが、その生地さんでさえ、食品はなるべく安い方を買う(一部例外あり)という話を書いておられる。

結局のところは、衣料品は仕事分野でもあり趣味でもあるからそれなりにお金をかけるが、洋服ほどには執着が無い食品はそういう買い方になるという話で、人間としては当たり前の選択だといえる。

 

 

ここで考えてもらいたいのは、世の中は洋服愛好家ばかりではないということで、その洋服愛好家も10年前に比べると大きく人数が減っていると思われる点である。

だから逆パターンで、食品(趣味の品の場合も)が大好きだから高くなっても買いたい。なので洋服はなるべく安くてマシな物を買うという選択をする消費者の数は、愛好家の皆さんが想像しているよりも多いだろうということである。

人気高額ブランド以外の国内衣料品ブランドは、今春以降は結構厳しい価格戦略を強いられることになりそうだと個人的には見ている。

 

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