
「フォロワー数の多さ」「いいねの多さ」は必ずしもインフルエンサーの起用効果を保証しない
2025年1月31日 ネット通販 0
もう、かなり多くの人はご存知だが、大きい会社のエライ人なんかはいまだに知らなかったりするので、この記事を改めて紹介したい。
「フォロワー数が多い人を起用すれば良い」時代は終わり。EC事業者がインフルエンサーマーケティングで成功するための鉄則とは? | ネットショップ担当者フォーラム
国内でインフルエンサーマーケティングが台頭した2017年頃は、「インフルエンサーが投稿すれば売れる」という時代でした。
しかし、消費者のネットリテラシーが高まってきた結果、「インフルエンサーは、紹介している商品が本当に好きなわけではなく、PR案件として投稿している。それならインフルエンサーが商品を紹介しているだけだから購入しなくてもいいかな」という空気感が漂ってきています。
そうした空気感の影響か、PR案件でインフルエンサーを起用する事業者側の意識も変わりつつあります。従前は「とにかくフォロワー数が多い人を起用したい」といったフォロワー数絶対主義の価値観でしたが、それが薄れつつあるのです。
とのことで、実際、フォロワー数の多いインフルエンサーとタイアップしてもさっぱり売れなかったり、話題にならなかったりした商品やサービスは多々ある。
ただ「失敗でした」という報道は少ないから、ひっそりと忘れ去られていくことが多い。
例えば、フォロワー何百万人という某大物インフルエンサーが鳴り物入りで開始したサステナブル・エシカルな衣料品ブランドなんて開始当初はメディアが熱狂的に報じたが、いまではそんなブランドがあったことさえメディアも消費者も忘れ去っている。ちなみにブランド名でググるともう活動はしていない。
某大物インフルエンサーのことが大嫌いなのでわざわざ定点観測などしていなかったが、今ググってみると、恐らく活動は1年くらいで終わっているようである。要するに売れなかったのか、飽きたのか、アイデアが枯渇したか、のどれかだろう。いや、その全部かもしれない。
ことほど左様にインフルエンサーの起用は確実性が高くはないということが分かる。
理由は、インフルエンサーの定義や質が曖昧になっているから。フォロワーや「いいね」を買う人も多くいますし、実際の著名度やフォロワー数とは関係なく自身で「インフルエンサー」と名乗る人も現れています。これに加えて、コロナ禍の経済悪化や広告単価の上昇といった外的要因によって、広告予算を削らざるを得ない状況も生まれています。
常々、IT界隈では言われていたことがズバっと語られている。
いいねの数やフォロワー数はある程度の指標にはなるものの確実ではない。ここで言われているように、そんな物はカネを払えばなんぼでも購入できるのである。
「フォロワー数が多いのにコメントが少ないケースは怪しい」と言われることが多い。また旧ツイッターだと、フォロワー数が多いのに、いいねの数が少なかったり、インプレッションが少ないと「怪しい」場合が多いとされている。
記事の公判では具体的なインフルエンサーマーケティングの成功要素について語られているのだが、その辺りはご自身で勝手に読んでもらいたい。
この前半で語られている「似非インフルエンサー問題」と合わせて、企業担当者が考えなくてはならないのが、広告代理店との付き合い方だろう。
概して、広告出稿の依頼というものは広告代理店を通じてなされることが多い。メディアが直接「広告を出してください」と言ってくるのは、業界メディアとか地域のミニコミ誌くらいしかない。
有名な大手メディア(大手新聞、テレビ番組、有名雑誌など)の広告のほとんどは広告代理店から「広告を出してください」とか「広告を出しませんか?」と声がかかる。
ウェブが浸透している昨今の世情なので、当然、ウェブに強くて正確に各種の指標を分析できる広告代理店も多々あるが、昔ながらの広告代理店だとその辺りに弱い営業マンも数多くいる。
そうなると、彼らの切り口は「〇〇さんはフォロワー数が〇〇万のインフルエンサーです」ということしかなくなる。というかそこの指標しか彼らは理解できないのである。
ブランド側の現場担当者ならこんな営業口上にはあまり引っかからないだろううが、ウェブにあまり詳しくないタイプの経営者ならコロっと引っかかってしまう。
まあ、かつてテレビ番組内の広告枠を「視聴率〇〇%ですから」という切り口で営業していたのと同じ手口である。テレビ番組の視聴率の数値は一つの目安にはなるが、「番組が確実に〇万人に見られていた」という数値ではない。というかテレビというメディアはそれを測定することができない。テレビCMになった途端にトイレに行く人もいるだろうし、コーヒーなどの飲み物を用意するために席を離れる人もいる。当方はたまにテレビCMが始まると歯磨きをすることがある。
しかし、ウェブの場合は実際にどれほど見られたか、クリックされたかというのが測定可能になっている。このため「フォロワー数〇〇万」というのは盛り盛りの肩書に過ぎないということが即座にわかってしまう。
この理屈が分かっていない広告代理店の営業マンや企業のエライ人がいまだに少なからずいる。そしてドブにカネを捨てる羽目になるのである。
その手のアホな広告代理店の営業マンに騙されないように、大手企業のエライ人にはぜひ、紹介引用した記事を読んでもらいたいと思う今日この頃である。