南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

Si-HIRAI

売り場探訪:西友

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 先日、12年来お付き合いしていただいている、デザイナー平井達也さんから「ツイッターで売り場中継したことを随時、まとめてはどうか?」とご提案いただいた。このブログの新しい一つの切り口としてさっそく始めたい。
大晦日だが、思い立ったが吉日である。

ちなみに平井さんのコレクションブランド「Si-Hirai」のHPはここ。

http://www.si-hirai.com/


昨日、久しぶりに西友に行った。
昨年秋に話題をさらった850円ジーンズだが、レディース商品はこの日680円に値引きセールが行われていた。

・ワンウォッシュみたいな濃紺
全体的のっぺり色落ちした淡色ブルーの2色展開
・どちらもヒゲ加工なし
・ヒゲ加工は加工賃が高いので850円商品には使うことができない
・素材は綿75%・ポリエステル24%・ポリウレタン1%


これは、綿が昨年秋よりも高いので(商品が作られた時期は今ほど高騰していない)、綿の配合率を下げ、ポリエステルを24%使ったと見ている。来年春物以降はポリエステル配合率がさらに高くなるだろう。

ちなみに1470円ジーンズはヒゲ加工入りで、綿97%・ポリウレタン3%
まともにジーンズと呼べる最低価格は1470円である。
「安いけど安っぽくないジーンズ」というポスターが850円コーナーに貼ってあったが「すみません、どう見ても安っぽいです。失笑物のポスターです」。


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ダウンジャケット類の値引き
・ペンフィールドのダウンジャケットが半額で3950円に。
ただし、デザインがあまり見かけないタイプ。

・西友オリジナルのリバーシブルダウンジャケットが3割引きの4130円に。表無地の裏ハウンドトゥース。ただし、裏は恐ろしく安っぽい光沢なので裏側を向けて着ることはできない
 
・トレンドのウールダウンジャケット発見
黒とチャコールグレーの無地2色で、値引きされていない7900円
似たような色を2色展開しているのが意味不明
黒のほかは、ライトグレーか茶系、ベージュ系にすべき
売り残すことをビビっての安全パイ2色なのだろうが、これなら1色展開にすべき
せっかくデザインも悪くないのに量販店の平場に陳列されているとひどく
安物くさい。量販店は売り場作りを見直すべし

・ラムウールセーターが1000円引きの1900円に

・ウールニットパーカーがあるが、ウォッシャブル加工のため、素材の手触りが変。ウォッシャブル加工は、早い話、ウールにコーティングしてあるものなのでコーティング剤の問題だろうか?

以上がざっと見た西友の売り場である。

悪くない商品もあるのだが、量販店のフラットな売り場作りではちっとも良く見えず、全商品が限りなく安物くさく見えていた。これは西友だけの問題ではなく、イオン、イトーヨーカドー、イズミヤ、ユニーなどすべての量販店が改善しなくてはならない問題だろう。
売り場作りを改善せずにイオンやイトーヨーカドーのように、モノ作りシステムをいくらいじっても衣料品の売り上げにはつながらない。
それこそイオン、イトーヨーカドー特有の無駄な努力である。
岡田氏、鈴木氏ともにそのことがわかっていない。わかっていないからこそイオンもイトーヨーカドーも迷走しっぱなしである。 

綺麗事ばかりのプロフィールなんて・・・・

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 12年前のブランドデビュー以来、変わらずお付き合いさせていただいている「Si-HIRAI(スー・ヒライ)」デザイナーの平井達也さんが、「サンヴェットモン」というブランドのホームページを紹介してくださった。

平井さんによると「サンヴェットモン」デザイナーの水野直昭さんは、独立前の職場の後輩にあたるそうで、今でも交流があるという。
水野さんは、以前「ヴェットモン」というブランドを展開しておられたが、ブランドを休止してその3年後に、新ブランド「サンヴェットモン」として再デビューされたという経緯がある。

平井さんが注目されたのは、新ブランド「サンヴェットモン」のHPのブランドプロフィールの部分である。
http://www.saintvetement.com/brandprofile.html

画面は字が小さく文章が長いので多少読みづらいが、ブランドが変わるにいたった経緯、休止の間にしていたこと、新ブランドのスタンスが丁寧にインタビュー形式でマイナス面の要素も含めて書かれている。

元来「ヴェットモン」は大手企業の資本参加によって展開されていたブランドであったが、その企業が資本を引き上げたことからブランド休止に至ったという。ブランド休止後、水野さんはアパレル企業で3年間働いた後、再び「サンヴェットモン」を立ち上げた。
ブランドプロフィールにはさすがに「資本が引き上げられたから」とは語られていないが、「様々なところに問題が発生し、解決不能になり止めざるを得なくなりました」と素直に自分の言葉のように語られている。

また休止中についても「大量生産、大量消費を改めて学んで」と説明されている。

平井さん同様に、自分もなかなかに良い説明だと感じた。

通常、ブランドや企業の成り立ちは、とかく「きれいごと」しか語られていない印象がある。ましてや自社のHPやパンフレットにおいては、それこそ胸やけするくらいのきれいごとで埋め尽くされている場合が多い。
しかし、実際に取材をしてみると、マイナスの要素も含む紆余曲折を経て企業やブランドが成長してきたことがわかる。そういう話にはやはりリアリティがある。綺麗事で埋め尽くされたプロフィールにはリアリティがない。

少し誇張して表現する。

「○○ブランドは、開始数年後に、一旦経営が厳しくなりましたが、大手企業××の善意のみによって援助され、そこからもう一度がんばりました。そして20年後ようやく本社ビルを持つに至りました」

というような経歴説明がしばしばある。

しかしここには、なぜ経営が厳しくなったのかが説明されていないだけでなく、大手企業××の援助の意図がわからない。多くの場合、大手企業××が善意のみで援助するわけがない。またその後、20年間どのようにがんばったのかがまったく見えない。リアリティが皆無であるために、読み手に何の感動も印象も与えない。おそらく記憶にも残らない。


自分の(自社の)マイナス面をさらけ出すのは大変な勇気がいると思う。だからといって自社経歴やブランドプロフィールが完全な綺麗事に終始すると、読み手側にはまったく響かない。そういう意味では「サンヴェットモン」のブランドプロフィールはある程度正直にマイナス面をカミングアウトすることで、好印象を与えている。





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