南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

繊研新聞

繊研新聞が5月から電子版を開始。

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 まず、内容を取り違えていたことを関係者様に謝罪しなくてはならない。
まことにお恥ずかしい限りである。

その上で、5月に発行される繊研新聞の電子版についてあらためて考えてみたい。


その概要を以下に抜粋する。


http://www.fashionsnap.com/news/2012-03-19/senken-denshiban/

繊研新聞社が3月19日、繊研新聞の電子版「繊研新聞電子版」を5月より発刊することを発表した。国内の繊研新聞の購読者を対象にパソコンやスマートフォン、タブレットなど様々な端末から繊研新聞に掲載した記事を無料で提供。国内では電子版のみの購読は不可となるが海外居住者には電子版のみの販売を行う予定。4月9日より、事前登録申し込みを行う。


とのことである。
要するに現在、繊研新聞を購読している人のみのサービスである。
そして、問題はその金額であるが、

繊研新聞社が発行する「繊研新聞電子版」は、登録後にログインすれば午前6時(日本時間)から当日付の繊研新聞を読むことができる。海外からも申し込み可能で、価格は国内での購読料と同様月額3,975円(クレジット決済、本紙の新聞購読料は含まれない)。2012年4月分から最長1年間、過去記事をキーワード検索できる検索機能も備える。紙面は、「Adobe FlashPlayer」がインストールされているパソコンや端末では、新聞レイアウト版となり、紙面と同じすべての写真や図表、決算短信が閲覧可能。レイアウト版の対応機種は、後日ホームページを通じて案内する。

という。

「電子版のみでは契約ができない」という箇所をどうとらえるかなのだが、各新聞社ともここで頭を悩ませている。
繊研新聞に限らず、繊維ニュースでも今は亡き日本繊維新聞でも。

日経新聞は月額4000円で電子版のみが購読できる。
その金額で電子版が読みたいか?と問われると、即答できない。
かなり考えねばならない。

繊研新聞社としては電子版のみの読者が増えることは歓迎していないのだろう。
今回の措置では、紙媒体の部数に影響が出ることはほとんどない。
しかし、それで良いのかという疑問も感じる。

例えば、日経新聞のように月額4000円前後で電子版のみを購読するという設定はどうだろうか?
おそらく、さまざまな障害があるに違いないし、社内でもいろいろな意見が出されたことと想像する。
それでも、ある一定料金(例えば4000円とか3000円とか)によって電子版のみを購読できるようにした方が、読者の裾野が広がるのではないかと思う。
このあたりは完全な私見なので、「お前考え違いしてるやないか」と言われればその通りなのであるが、新聞の読者数を今以上に広げるためには、電子版のみの購読を可能にして裾野を広げるというやり方が良いと感じる。

けれども問題点もある。
会社自体が消滅したので時効だと思うが、
かつて日本繊維新聞が日経とほぼ同じプランで電子版を発行したことがある。
結局、倒産するまでの電子版契約者は100人内外だったと聞いている。

また某社の有料携帯情報サイトも登録者数が100人強であるとの噂も聞く。


さて、購読部数減少に頭を痛める繊維業界紙だが、電子版の契約者数を増やさない施策を採ったからといって、部数の減少に歯止めがかかるのだろうか?
個人的には歯止めがかかるとは思えない。

なぜなら、いささか消費者寄りの情報を重視しているとはいえ、繊維・ファッション業界向けのインターネット情報サイトは山のように存在しているからである。
もっとも有名なのはファッションスナップドットコムだろうが、それ以外にも週刊ファッション情報、ファッションプレス、ファッションJP.net、アパレルウェブ、アパレルリーダーズなどなど。がある。
一説には小さなサイトも合わせる100以上もあるという。

これらのサイトの多くは無料でニュースが閲覧できる。
こうした状況で新聞社が独力で電子化の流れに抵抗したところで、効果がないと思われる。
効果がないどころか、逆に新聞社が取り残されてしまうのではないかという危機感すら感じる。


まあ、しかし、各情報サイトとも無料で公開しているわけなので、収益化が難しいというのはどのサイトにも共通した悩みである。
バナー広告を集めるか、記事を有料で大手サイトに配信するか、くらいしか収益化の手立てがないのも現実である。

「こうすればネットでも収益化できる」という名案が、このポンコツな頭では思い浮かばないので、優秀な方の登場を待つしかない。


紙媒体の部数が減少しているのは宝島社など一部を除いて、出版業界全体の流れである。
そのためにサイトでどのように収益化するかという問題に現時点で有効な答えが出ていない。

ただ、それでも繊維・ファッション情報で圧倒的なシェアを持つ繊研新聞が、有料無料を問わず紙媒体購読者以外にも読める電子媒体や情報サイトを開設することは、かなりの数の読者を獲得できるのではないか。
読者数を獲得してから、新しいビジネスに結びつけるやり方を模索しても良いのかもしれない。

じゃあ、その新しいビジネスって何よ?と突っ込まれるとこれまた難問であるのだが・・・・・。

福島の縫製工場の商品を引き取らない大手総合アパレル2社と有名百貨店

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 以前、某有名セレクトショップが福島の縫製工場に依頼していたシャツの引き取りを拒否したことを書いた。
昨日、知り合いから、大手総合アパレル2社と東京本社の有名百貨店1社が福島の縫製工場の商品引き取りを拒否しているとの情報を聞いた。

大手総合アパレル2社と百貨店1社はホームページのトップで、被災者支援を打ち出しており被災地に物資や義援金を寄付している。申し訳ないがこの3社の姿勢は中途半端な偽善である。本来なら社名を書くところであるが、福島の縫製工場からの裏付けが取れていないので、今回は止めておく。


以前書いたことの繰り返しになってしまうが、
放射線を浴びた衣料品類は、よほどの量でなければ洗浄すれば大丈夫だと聞いている。
ならばこの3社は洗浄する努力をすべきだろう。被災者支援を打ち出すのであれば、福島県内にある縫製工場も被災者である。なぜ縫製工場の支援をしないのか。
縫製工場は被災していなくても、従業員は被災しているかもしれない。従業員は被災していなくても家族や親族は被災しているかもしれない。
もっとはっきり言えば、売り上げ不振で貯まった在庫商品を被災地の縫製工場に、どさくさ紛れで押し付けようとしているのではないかと疑ってさえいる。


ファッションだ、トレンドだ。人道支援だとカッコイイことばかり口にするが、この手のかっこ悪い話が山盛り存在するのがアパレル・ファッション業界の実態である。

もし、自分に聞き取り調査が来れば、4社まとめて社名を報告させていただく。

2011年旧暦占い

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 毎年、1月の初めに繊研新聞で「今年の旧暦占い」という特別企画記事が掲載される。これは、今の暦(新暦)ではなく、旧暦によってその年の気候の移り変わりを予測するというものである。
旧暦と新暦は、だいたい大雑把に1カ月半ほどのズレがあるのだが、その年によってほぼ1カ月の場合と、2カ月近くズレる場合がある。

衣料品の販売にとって、暑さ・寒さというのは重要な要素なので、今年はいつごろ暑くなるのか、いつごろ寒くなるのかということが気にかかる。

昨年(2010年)はこの旧暦占いが的中した。春の訪れが遅かった。理由は閏月があり、1年が13カ月あったせいだ。4月20日ごろまで寒さが続いて、春物の売れ行きが鈍かった。
以前はクラボウの元常務、小林さんが長らく旧暦占いを書かれていたのだが、近年は違う方に変わられている。


今年の旧暦占いは、旧暦の元旦と新暦の立春がほぼ重なるので、順調に気候が推移するという。

【春】3月5日ごろから春らしくなり、桜の満開は3月下旬。
【夏】ゴールデンウイークの間に夏らしくなり、梅雨明けも早い。
   残暑が長引くことはない。
【秋】2010年よりも早く秋が来る。
【冬】10月下旬から寒波到来。


とのことである。

この占いが的中するなら、2011年は久しぶりに暦通りの順調な気候推移になりそうだ。

ブランド力、トレンド提案、コーディネイト販売などと言っても、洋服の需要はやはり気温で決まる。暑ければ半そでが欲しいし、寒くなれば防寒着が欲しくなる。気温無視で買ってもらえるブランドなどは、業界でもほんの一握りである。

センイ・ジヤァナルが破産。負債総額は4億円

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 繊維業界紙、センイ・ジヤァナルが11月29日号を最後に廃刊し、11月30日に自己破産申請の準備に入ったという。
負債総額は4億円。

http://www.fashionsnap.com/news/2010-11-30/seni-journal/

ファッションスナップドットコムに詳細と沿革が述べられているのでご参照いただきたい。

11月1日に日本繊維新聞が経営破綻し、1カ月で2紙が消え去った。
個人的にはセンイ・ジヤァナルの方が先になくなると思っていたが、50人前後の社員を抱えていた日本繊維新聞の方が先に倒れ、10人前後で運営していたセンイ・ジヤァナルの方が、人件費が少ない分だけ長く残れたといえる。

以前、ツイッターでも述べたのだが、繊維業界紙4紙の経営状況は

日本繊維新聞≒センイ・ジヤァナル<繊維ニュース<繊研新聞の順であり、下位2紙がなくなり、業界紙は繊維ニュースと繊研新聞の2紙になってしまった。
90年代初頭に経営危機に陥った日本繊維新聞は、紡績や商社の資本援助で15年間生き延びたのだが、センイ・ジヤァナルはニット製造機械メーカーやミシンメーカーからの資本援助によって今日まで生き延びてきた。

しかし、11月に入ってセンイ・ジヤァナルは自社のHPを維持できなくなり、他のブログサイトにジャンプするようになっており、サーバー維持もできなくなったということでは「かなりヤバイな」と思っていた。来年前半には逝ってしまうのではないかと考えていたが、11月末で終わったので予想よりも早かった。

従来型の繊維業界紙4紙は媒体数が多すぎた。2紙になってちょうど適正規模ではないだろうか。しかし、残る2紙も決して安泰ではない。いっそのこと、元が同じ会社なのだから繊維ニュースと繊研新聞が再合併すれば一番効率的だと思うのだが。

ところで、取材対象先からの資本援助で生き延びることが報道機関として正しい姿だろうか。と常々考えていた。
もちろん、媒体スタッフは生き延びなければならないから、取材対象先からの援助であろうとも受けるべきだと言うだろうが、新聞という業態からすれば望ましくない。
なぜなら、資本援助先のニット機械製造メーカーや紡績について不利益になる報道は自然と差し控えるからである。

テレビ局や朝日や読売などの一般紙でさえ、広告スポンサーの事件については報道に手心を加えると言われている。これが広告スポンサーでなく、資本主だったらどうだろうか?さらに手心を加えることになるだろう。そうなれば、業界紙として報道する資格はないと思う。

商社やアパレル、原料メーカーに広く資本参加を募って業界向けの媒体を作るという構想があるとする。
しかし、出来上がった媒体は何のための媒体だろうか?資本参加企業のPR紙となるだけである。こういう構想で出来上がった媒体はロクなものではない。それならいっそのことPR業務に徹すればよい。

そういう意味では独資で踏ん張っている繊維ニュースと繊研新聞に頑張ってもらいたい。

年の半分はバーゲン。安売り万歳。

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 バーゲンの時期が年々早まっている。しかし、若い方々はどれくらい早まっているのかあまりわからないのではないかと思う。

11月9日の繊研新聞の1面下のコラム「め・て・みみ」にバーゲンのことが書かれており実際にどれくらいバーゲン時期が始まったかがわかる。
以下に抜粋する。

「昔って夏物バーゲン、お盆明けだったよね」という話題に。
「そうそう30年くらい前、阪急ファイブは8月最後の週だった」「実際、秋物が並ぶのも9月中旬からだった」「なんでこうなっちゃったんだろう」

とある。
どうもこのコラムを書いた記者さんは関西在住もしくは関西出身のようである。なぜならたとえに挙げるのが「阪急ファイブ」だからだ。これは今、梅田にあるHEPファイブの前身の商業施設だ。

この記者さんが書いているように、30年前というと1980年代は、夏のバーゲンは8月中旬に、冬のバーゲンは1月下旬もしくは2月上旬に、いや下手をしたら2月下旬くらいに始まっていた。
気温的にはまだ2,3週間着られるが、その季節のピークは終わったという頃合いに始まっており、まさに理にかなった値下げである。

今月、11月は秋冬物が定価で販売できる最後の月。来月12月からはあちこちで「シークレットセール」「メンバーズセール」「プレセール」「クリスマスセール」「フライングセール」が始まる。いろいろなネーミングでごまかしてはいるが要はバーゲンだ。
そして、1月1日から全面バーゲンとなり、それが牛のヨダレのようにダラダラズルズルと2月20日ごろまで引きずられる。

夏は6月から名称ごまかしバーゲンが始まり、7月から全面バーゲン。お盆明けまでズルズルダラダラとセールが続く。

夏冬合わせると合計6カ月、年の半分はバーゲンという計算になる。


繊研新聞の記者さんではないが、まさに
「なんでこうなっちゃったんだろう」
である。
毎年、繊研新聞などで各メーカーのトップ、各小売流通業のトップが「セールの前倒し反対」を語るが、そういうトップの在籍する企業が率先して早期セールを行うのだから笑い話にもならない。あれは業界新聞向けのリップサービスということだろうか?
それなら、古い話で恐縮だが、ラッシャー木村のマイクパフォーマンスの方がよほど面白い。

素朴な疑問なのだけれど、メーカーと小売流通業のトップが集まってバーゲン開始時期の協定を結ぶことはできないのだろうか?ただ、繊研新聞紙面で「バーゲン早期化が問題だ」と語っていても何も始まらない。実際に早期化させているのは自分たちなわけだし。
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