帝国データバンクによると、9月30日、広告代理店、中央宣興が破産申し立てをした。負債総額は76億円。
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/3352.html

この代理店は業界順位で20位内外というかなりの規模をもっており、バブル期には消費者金融、武富士のテレビCMを手がけていたという。一世を風靡した「武富士ダンサーズ」も同社のCMから生まれた。

この中央宣興の倒産の内情を告発したブログがあり、かなり面白いのでご紹介したい。

「中央宣興倒産の裏側は北朝鮮の一族存続主義と同じ / mochino」
http://www.amviy.jp/bbs/index.html

このブログによると社員の給与は未払い。破産なのでその未払い分は未来永劫払われない可能性があるとのこと。
さらに中央宣興の経営体質についても創業者、大澤隆氏のワンマンぶりが特筆されている。
現在は長男が社長を務め、次男も役員にいる。
驚くべきは、大澤隆氏の死後、その妻が「社主」の肩書きで会社に常駐するようになったとのこと。

よくあることだが、創業者の死後、それまで仕事をしていなかった妻がオーナーとしてシャシャリ出てきた企業はロクなことにならない。
もはや家庭と企業の区別もつかなくなっていることの表れだろう。

そして、記事によると社会経験のない孫も役員として入社しているという。
家族三代による放漫杜撰経営などどこかのM専門学校をついつい思い出してしまう。

今回の破産の経緯についても、

彼らは、隠し財産がたくさんありました。
それが、中宣名義で買われている不動産類で、創業者社長がなくなった際に、相続関係であぶり出され、中宣名義なら、社員の保養施設にしなさいと指導を受けて、いろいろな場所の別荘が明るみになったそうです。

今回、会社更生法を申請せずに、一気に、倒産の道を選んだのは、経営者責任を逃れるためです。

会社更生法を申請した場合、いろいろな資産をどのように生かして再生するかを検討するわけですから、会社名義のものはすべて処分されるでしょう。
また、外部から人が入ってきて、自分の会社としての更生は望むことはできないでしょう。

しかし、倒産にしてしまえば、あとは管財人と弁護士などで整理していきます。
うまく、資産を動かしていれば、それは、大澤家の財産になり、守られる可能性も大いにあります。

こういう裏が、倒産を引き起こしているのです。

とのことである。

しかし、こうした事例はこの中央宣興だけの特質ではない。
残念ながら、繊維業界・アパレル業界、それ以外の業界にも数多くある。
繊維アパレル業界での「無軌道家族経営」的なブラック企業は多々あるものの、企業規模が小さく、笑い話ですませられることもある。

けれどもこの中央宣興のようにそこそこの規模となった企業がいつまでも「無軌道家族経営」では困る。困るというよりはあってはならない。これは中央宣興だけの問題ではなく、各業界の中堅大手企業にも言えることである。