南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

東京スカイツリー

地元商店街の苦戦は当然かと

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 以前にも書いたことがあるが、東京スカイツリーに併設する大型商業施設「東京ソラマチ」が開業してから地元商店街が苦戦しているという。昨年12月末日にも改めてその記事が掲載された。
まあ、半年経とうと何年経とうと、地元商店街の商況が好転する要素など何一つないわけで、年末に改めて掲載するほど重要な事象とは正直思えない。

東京スカイツリー地元商店街 ソラマチに地元客取られため息
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121231-00000019-pseven-soci

経済効果880億円!のはずだった。“スカイツリーバブル”が期待された墨田区内の“皮算用”だ。当のスカイツリーが依然として1か月に460万人の来場者を数える一方、お膝元、押上通り商店街はというと。

「みんなスカイツリーにもっていかれて、閑古鳥だよ」

 そう語るのは、80年近く続く地元飲食店の70代経営者。

「880億円の経済効果なんて、どこ行ったって感じだよ。開業前は見物客や作業員の人たちでにぎわったけど、開業後はいっこうにお客さんが来てくれません」

 なにしろスカイツリーには東京ソラマチという312店舗を誇る大型商業施設が。飲食店や雑貨店、生鮮食品店から惣菜店まで軒を連ねる。

 近所を回ってみると、出るわ出るわ、の不満の声。

「開業直後はスカイツリーの“整理券”を持った4~5人連れのお客さんがよく来たけど、最近はそんなに並ばないのか、めっきり人が減っちゃったよ」(60代男性・喫茶店経営者)

「ソラマチで魚から野菜まで何でも買えるから、地元のお客さんまで取られちゃって…」(30代女性・地元スーパー店員)

 そびえ立つ特大えび天が迫力満点の『タワー丼』が話題となった『そば処 かみむら』の店主もため息をつく。

「12月に入ってから落ち込みが激しくなりましたね。馴染みのお客さんは来てくれるけど、観光客が…。『タワー丼』の売り上げは3割減だよ」


とのことであるが、「経済効果880億円」という触れ込みを信じてしまった商店街の無邪気さに唖然とするばかりだ。たしかにスカイツリーとソラマチは880億円の経済効果はあるかもしれないが、地元商店街がそのおこぼれに預かれると考えていたことが甘いとしか言いようがない。

東京スカイツリーは駅に直結している。地元商店街へ行く必要はまったくない。
地元商店街は何故、駅から遠い自分たちのところまで観光客が足を運ぶと考えたのだろう?
自分が観光客の立場になって考えてみれば分かると思うのだが。
ソラマチが開業してから近隣のショッピングセンターの「オリナス錦糸町」が苦戦しているといわれている。オリナスですら苦戦するのだから、平凡な商店街など苦戦して当然だろう。


今回に限らず、大型商業施設が計画される際には必ず「○○億円の経済効果」とか「○○万人の集客効果」と地元に触れ込みがある。
しかし、地元の商店街がその恩恵を被ったという事例は耳にしたことがない。
大型商業施設が独り勝ちするのが常である。そして、さらに新しい商業施設が近隣に出来てその商業施設も寂れていくというのが常態である。

「○○億円の経済効果」という触れ込みを信じてしまう無邪気さを持ち続ける限り、各地の商店街はどんどん寂れて行くだけだろう。

スカイツリーが完成するまでの6年間無策だったのか?

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 東京スカイツリーと隣接する大規模商業施設「東京ソラマチ」の開業によって、地元商店街が苦戦しているという報道が続いている。

以前にも書いたように、物販・飲食合わせて300店を越える商業施設「ソラマチ」があれば、買い物も食事・喫茶もすべてソラマチ内で事足りてしまい、地元商店街に立ち寄る必要などまるっきりない。
地元商店街に観光客が流れないのは当然の結果である。
地元商店街は今更何を慌てているのか不思議でならない。それとも本当に観光客が流れてくるとでも考えていたのだろうか。


これについて台東デザイナーズビレッジの鈴木淳村長もブログで述べられている。

http://blog.livedoor.jp/tdv001/archives/53946771.html

地元商店街は、観光客にとっては「非日常」というほど魅力的ではなく、
地元客は「非日常」を求めてソラマチに行ってしまうということでしょう。
自ら変化し、対応する必要性を説いていることについては同感。

開業前は多少賑わっていた地域も、開業後は閑散としてしまっているようです。
私も地元の人が「アルカキットやオリナスがガラガラだから買い物しやすい」と話しているのも聞きました。

2010年暮れぐらいにイトーヨーカドーが曳舟にできているので、
近隣商店街はこれでさらに厳しいことになっているでしょう。

もっとも、スカイツリー開業後の苦戦は予想の範囲内ではなかったでしょうか。
2006年にはスカイツリー候補地として決定しているのですから、
十分な魅力づくりと発信をする時間はあったはずです。



とのことであり、まったく同感である。

地元商店街に対しての報道を見る限りにおいて、まるで「ある朝、目が覚めたら突然スカイツリーが出来上がっていました」というくらいの「急な」印象を受ける。
しかし、実際のところは建設までに何年もかかっており、その間周囲の商店街からはその様子が逐一見えていたはずである。鈴木村長が書いておられるように2006年には建設候補地が決定しているとするなら、開業まで6年間も時間があった。
6年間という時間は、何らかの手立てを講じるには十分な時間である。

地元商店街は6年間何の手だても講じずにただボーっとしていただけなのだろうか?もしそうなら、スカイツリー開業による弊害は、自衛策を講じなかった地元商店街の責任である。

この地元商店街と同じような性癖が繊維産地にもある。
例えば、経産省のジャパンブランド認定事業の助成金は3年が期限である。
当然、3年目が終われば次はない。
ほんの数年前なら、この助成金が終わってもほかの行政からの助成金を取得することができた。
しかし、現在は財政が悪化していることもあり、ほかの助成金も望めない状況にある。

これは、ジャパンブランド事業に認定されたときからわかっていることである。
だから、3年後以降をどうするかを考えてスタートしなくてはならない。
だのに、助成金が終了してから「ワシら次はどうしたら良いのだろうか?」とようやく心配し始める産地企業が何社もある。

その案件については3年前から考えておかなくてはならないのでは?
助成金は「ある日突然に終了」するものではなく、3年後に終わるということは最初からわかっていることである。

6年間無策だった地元商店街、3年間無策だった産地企業。
現在苦境に立たされている原因はどちらも同じである。






スカイツリー祭りよりもオリナスに興味が湧く

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 先日、アウトレットモールが飽和状態に達しつつあるという記事を紹介したが、
これは何もアウトレットモールだけのことではなく、ファッションビルも郊外型ショッピングモールも数的には飽和状態だろう。

毎年ドンドンと商業施設ができるが、新しい商業施設ができて、単純に流通の売上高がプラスオンされるわけではない。どこかが必ず負けてその売上高が新商業施設に振り替えられるだけのことである。
昨年春は大阪市内の商業施設がオープンラッシュだったが、そのために西梅田の中小商業施設や堀江・南船場・アメリカ村の売上高がさらにそちらに振り替えられただけではないのか。

もっとも、新商業施設ができることでプラス面もあり、何となく地域やその地方のムードが盛り上がるということもある。その盛り上がりは長くは続かないのだけれども。

5月22日に東京スカイツリーがオープンする。
オープン当日の入場券が完売しつつあると、朝の情報番組で報道していた。
ユニクロ銀座店と同じく、別にその当日に並んでまで行く必要があるのかと思うが、これも「祭り」の一種なのだろう。

そのスカイツリーについて

スカイツリーのせいでゴーストタウンになる錦糸町
http://news.livedoor.com/article/detail/6424687/

という記事が掲載された。
ゲンダイネットなのでいささか娯楽的な書き口だが、こういう側面は否定できないだろう。

5月22日に迫ったスカイツリーの開業が、歓楽街「錦糸町」の息の根を止めてしまうかもしれない。

 錦糸町はスカイツリーと同じ墨田区内で目と鼻の距離にあるからだ。長引く不況で活気を失った街は、すでに青息吐息だ。そこに追い打ちをかけるように、スカイツリーができる。そして、出店舗数312という巨大商業施設「東京ソラマチ」が併設されるのだ。錦糸町の客足は完全に奪われかねない。

「スカイツリーがやろうとしているのは、客の囲い込み。ひとり勝ちを狙っているとしか思えません」と言うのは、錦糸町商店街振興組合の山田昇理事長だ。墨田区全体の商店街連合会の会長も兼務し、スカイツリー側に「地元商店街との共存関係の構築」を呼びかけたが、色よい返事はなかったという。山田氏が続ける。


とのことである。
また、続けて

 JR錦糸町駅を降り立つと、夜の街は実に閑散としている。かつてはロシア人女性が歓楽街を彩った一角も、今や中東系アジア人の客引きたちが暇そうに立っているだけ。路上を行き交う酔客は少なく、記者の姿を見つけるなり、客引きは「ロシア、ルーマニア、タイ、フィリピン、どう?」と、必死の勧誘を続けた。

 駅北口から徒歩5分。06年に開業したショッピングモール「オリナス」の光景は哀れだ。もっとも駅に近いのに、好立地の1階ですらアパレル店をはじめ、テナントが次々と撤退している。代わりの店も入らず、営業時間中なのに敷地面積2万7335平方メートルもの広大な施設は閉店後のような静けさだ。

「90年代から2度の再開発で駅前はキレイになりましたが、どの街にもあるような店ばかりになってしまった。かつての雑多な魅力が失われ、街は廃れるばかり。確実にゴーストタウンになってしまいます」(山田氏)


ともある。

この「オリナス」の状況が今日の国内市場を象徴しているように思える。
新しい商業施設ができてしばらくの間は好調だが、消費者が一巡してしまうと次の商業施設に大部分が移動してしまう。リピーターを数多く作ることはなかなかに難しい。

華やかに見える東京の中心地も「オリナス」の例にもれず、閑古鳥の鳴いている商業施設は数多くあるのではないか。大阪などは閑古鳥の鳴いている施設や地区は数多くあるから、それを特集するだけでも面白いのではないだろうか。

そういえば、東京の表参道を何度か歩いて移動したことがあるが、大通りに面した路面店でも空き店舗が目立っていたことを思い出す。
あれらは商業施設ではないが、客の奪い合いに負けた店舗の末路であることには変わりは無い。


スカイツリーを取材するメディアは数多くあるかもしれないが、「オリナス」の現状を業界紙や経済誌に詳しく取材してもらいたいと感じている。


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