南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

東京ギフトショー

ちょっと料金が高くないですかね?

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 筆者の知人で長らく、雑貨問屋に勤務し、東京ギフトショーに出展担当をしていた人がいる。
今は違う業種に移られたが、彼の体験談によると「2小間くらいの出展で経費は200万円くらいかかったが、毎回、期間中に1000万円前後の受注が取れた」という。

東京ギフトショーの出展料は1小間=367500円(税込)である。
2小間なら735000円で、ブースを飾るための装飾物やら運送費やら交通費やら宿泊費やら出張手当やらもろもろが加算されて必要経費はだいたい200万円内外になるというわけである。

しかし、200万円の投資で1000万円前後の受注があればそれは十分である。

出展したのは良いが、さほどの受注がなかったと嘆く他の知り合いもいたが、それは仕方が無いとしか言いようがない。
なぜなら、同じ条件でそれなりの受注額を叩きだしている企業がいくつもあるからだ。
彼らの出展物が悪かったのか、ディスプレイが悪かったのか、商談トークが悪かったのか・・・・・・・・・。

ほかにも大型合同展示会がいくつかあるが、こと雑貨類に関していえば、東京ギフトショーがもっとも経費効率の良い展示会の一つだといえる。
ピーク時よりは出展社数が減ったとはいえ、2424社(今年2月展実績)もの出展があるのはそのためである。


さて、先日、テキスタイルの展示会プレミアムテキスタイルジャパン展が開催された。
筆者はこれは産地合同展だと捉えている。
ジャパンクリエーションと同じで産地の年間恒例行事なので、今後もお好きに続けられたら良いのではないかと思う。
ただし、この展示会で大型受注が決まったという話は筆者の知る範囲では聞いたことがない。

個人的に驚いたのが、出展料が1小間42万円(税込)という高額さだ。
東京ギフトショーよりも6万円も高い。
この金額で1小間出展するなら、ブース代にその他経費を加えて100万円くらいは必要になる。
出展物が異なるので単純比較はできないことは重々承知している。
それでも、同じ金額の経費を払うなら東京ギフトショーの方がはるかに効率的であろう。

しかもこの1小間は8平方メートルで、東京ギフトショーの1小間・9平方メートルより狭い。
たかが1平方メートルくらい広くても見た目はさほど変わらないが、それでも割高感はある。

東京ギフトショーはビジネスガイド社という民間企業が運営している。
一方、ジャパンクリエーションとプレミアムテキスタイルジャパンは日本ファッションウィーク推進機構・ジェトロという行政系の団体が運営している。
行政系の団体が運営していて、何故、ビジネスガイド社という営利目的の民間企業が主催する展示会の出展料金よりも高額な出展料金に設定されているのだろうか。
どうにも疑問である。


「見せるだけの祭り」で、しかも行政が関与しているにしては少々出展金額が高すぎるのではないかと思った次第だ。

業界紙に掲載されることはメリット?デメリット?

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 各業界に業界新聞が存在する。
繊維・ファッション業界で圧倒的シェアを占める繊研新聞も業界紙である。
もっとも最近は「業界紙」の持つネガティブなイメージを払しょくするために、「専門紙」と自称することが多い。

知り合いは以前、アイスクリーム新聞に勤務していたことがあるし、菓子工業新聞なんていうのもある。
刃物工具新聞もあるし、昨年自主廃業した家庭日用品新聞など、それこそ無数の専門紙が存在している。

メーカーからよく「業界紙に掲載されると、業界内でパクられませんか?」と尋ねられることがある。
これについては、否定しない。そういうこともある。
とくに、昔はひどかったようだ。

サンプルの写真が業界紙(業界雑誌も含む)に掲載された途端、同じデザインを工場に発注し、
その掲載されたメーカーよりも早く店頭に並べるということが半ば堂々と行われていた。
おそらく、今でも類似行為はあるのだろう。もちろん、昔ほど大っぴらにはできないだろうが。

さて、だからと言って「業界紙に掲載されることがデメリットしかない」とは思わない。
一般紙に掲載されても、雑誌に掲載されても、テレビ番組で採り上げられてもパクられる可能性はある。
むしろ、業界外の人間からもパクられる可能性がある。
さらに言うなら、合同展示会に出品することもパクられる可能性が高い。


消費材全般に向けた最大の展示会は「東京インターナショナル・ギフトショー」ではないかと思う。(略称東京ギフトショー)
繊維・衣料品なら最大の展示会は「インターナショナルファッションフェア(IFF)」だろう。

このほかにもいくつも大きな展示会はある。


企業の単独展示会や、仲間企業数社との小規模な合同展示会なら、入場者は主催者側でほぼ完璧に管理できる。
しかし、ギフトショーやIFFのような大規模な合同展示会になると、期間中の来場者数は軽く万を越える。
IFFの発表だと毎回だいたい3万人くらいで、東京ギフトショーだと毎回20万人と発表がある。
これらをすべて事務局側が管理することはできないし、来場者数が多いことが合同展示会のメリットである。
来場者数を規制することは事務局側の首を絞めることにもなる。

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(2009年9月のroomsの風景)



また、事務局側が受付でいくら厳重に入場管理を行っても、会場内には何時の間にやら怪しげな団体や、胡散臭い個人が歩き回ってしまうこともある。
そして、それらの人々が展示サンプルを撮影して、超特急で製造し販売するという事件は後を絶たないようだ。
近年だと、日本人業者よりもアジア系業者の動きに、出展各社は神経を尖らせている。


しかし、それでも大型展示会に出展するメリットはある。
これまで取り引きの無かった企業と出会える可能性が高まるからである。
だからいまだに大型展示会は無くならない。

話がそれたが、業界紙に掲載されることも合同展示会に出展することも、リスクは大して変わらないのではないか。一般紙・雑誌に掲載されるリスクもあるし、テレビ番組で放映されるリスクも少なからずある。

紳士的な業界紙がほとんどだが、中にはユスリタカリみたいな業界紙もある。
その選別・識別は必要だが、業界紙に掲載されることは、マスコミ対策の第一歩と捉える方が良いのではないか。業界紙と一般紙、雑誌とはまた体質は異なるが、無名のブランドにとって掲載されることは知名度向上の第一段階だと考えている。


掲載されるチャンスを無駄にすることはないのである。

製造業のディスプレイ下手

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 国内の大型展示会と言えば、東京ギフトショーや今週始まるIFF(インターナショナルファッションフェア)がある。
IFFよりも、東京ギフトショーの方が、大がかりな造作のブースが多い。
ジャングルみたいに植物を植え込んだものや、アドバルーンを上げたものなどさまざまである。

展示会の出展ブースは派手な飾りつけを行えば行うほど、費用は高くなるので、派手に飾りつけているブースに対して「もったいない。金の無駄やで」と揶揄する方々も多くいらっしゃる。
一方、シンプルすぎる出展ブースも多々ある。
ハンガーに衣服をチョロッとかけただけとか、棚に一列陳列しただけとかで、まことに味気ない。
よく言えば「質実剛健」とか「剛毅木訥」なのかもしれないのだが。


さて、ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)という概念がある。
VMDに関しては大家が多くいらっしゃるので門外漢が多くを語ることは避けようと思う。というか積極的に避けたい!

下記のHPにVMDの基本概念がわかりやすく書かれており、参考にさせていただいた。

http://www.f-biz.net/kiso01/kisotisiki004.html

ここに消費者が購入を決める際の心の変遷に順番が書かれているので引用させていただく。

①Attention(注意):「あっ、何かしら、気になるわ。」

  4~8mの距離なので、が決め手になる。


②Interest(関心):「まあ、ステキ!ちょっと覗いてみよう。」

  2~4mの距離なので、デザインが決め手になる。


③Desire(欲求):「コレいいな、欲しいな。」

  1~2mの距離なので、素材感が決め手になる。


④Memory(記憶):「どんな服と合うかしら、でも、ちょっと他の店も見てみようかな。」

  45㎝~1mの距離なので、着まわし感が決め手になる


⑤Action(行動):「やっぱりコレにしよう!コレください!」

  45㎝以下の距離なので、着心地感が決め手になる



という順番になり、遠くからの認知は一番最初は色である。ここには柄も付け足して良いのではないかと思う。
色柄で認知して、さらに近付いて衣服のデザインを知覚する。
その後、さらに近づいて素材感(織り、編み、表面感などなど)を知覚する。
着まわし感というのは、頭の中で「手持ちのあれとあれをコレに組み合わせて~」と考えることであろう。
最後の着心地は、試着してみないとわからない。45センチ以下というよりは、試着して密着した距離であると考えた方が良いだろう。


こう考えてみると、展示会のブース作りも同じで、
まず最初に遠くからでも分かるような色柄や目立った造作が必要となるといえる。

ところが、多くの国内企業は
「うちの商品は触ってもらえればわかる」というスタンスを採っており、
これでは、なかなかお客を集めることは難しい。
なぜなら素材感がわかるためには、1~2メートルにまで近づいてもらう必要があるからだ。
言ってみれば、先の5条件のうちの③番からいきなり始めているようなものである。


これは海外展示会の出展にも通じることであり、シナジープランニングの坂口昌章さんによると
「海外展示会こそ、ブースの造作も含めた遠目からでも分かる演出が必要となるが、国内企業の多くは、ディスプレイをないがしろにし過ぎている」
とのことである。

普段交流させていただいている国内生地製造企業は、フランスのプルミエールヴィジョン(PV)や香港や上海の海外展示会にも出展されるケースが多い。
果たしてブースのディスプレイにも気を配っておられるだろうか?
生地を触ってもらうためにはブース全体の飾りつけも大いに影響する要素であるし、
また、自慢の生地にしても白無地や黒無地ばかりでは、触ってもらうには至らないことも指摘したい。
売り物である生地もやはり、最初に遠目から認知されるのは「色柄」である。
いかに、目を引く特徴的な色柄の生地を開発できるかという点も、展示会で成果を得るためには重要である。

国内企業が、海外の大型展示会で勝ち抜くためには、色柄提案やブース全体のディスプレイからの改善が必要といえる。


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