南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

日本ジーンズ協議会

ジーンズ生産数量が減り続ける理由

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 昨日、日本ジーンズ協議会から2010年度のジーンズ生産統計が発表された。
例年だと秋以降の発表になるので、今回は予想外に早い。

ボトムス合計数量は4591万本で、
2009年の5063万本よりも約500万本減産している。


内訳をみると、
ブルージーンズが2425万本
カラージーンズが1564万本
ショートパンツ・スカートが602万本
で合計4591万本となる。


http://www.apparel-mag.com/pdf/papers/p005_jeanstokei_2010.pdf

先日もこのブログで書いたように、
ボトムス合計の生産数量は2006年から比べても2000万本以上減産している。

http://blog.livedoor.jp/minamimitsu00/archives/2873264.html

ボトムス合計で生産量が最も多かったのが、1998年の7614万本である。
またブルージーンズだけの生産量が最も多かったのは、 2005年の4945万本である。

1998年のボトムス合計が多いのは、この当時カラーストレッチパンツブームだったことから、カラージーンズの生産数量が増えたためで、カラージーンズブームは2000年まで続く。

またブルージーンズの生産量がピークとなる2005年はプレミアムジーンズブームで、レディースの生産本数がズバ抜けて多い。ちなみに2005年のレディースブルージーンズの生産数量は3010万本であり、メンズの1708万本の約1・5倍の数量を生産している。

そして大きく生産数量が減るのが2008年であり、その理由は、プレミアムジーンズブームが終了したことに加えて、ジーンズのOEM/ODM生産が主流となり、ジーンズ協議会非加盟企業が多数ジーンズを扱いだしたことによる。

以前にも書いたが、日本ジーンズ協議会に加盟しているジーンズ専業アパレルは、10社ほどであり、ユニクロ、しまむら、ハニーズ、ポイント、無印良品、ウィゴーなど低価格ゾーンを大量生産販売しているSPA企業の生産数は、毎年の生産統計に反映されていない。
また専業アパレルでもボブソン、ブルーウェイ、ドミンゴも非加盟であり、ジーンズカジュアルブランドとして確立した感のあるジョンブルも加盟していない。
もちろんエヴィスや東洋エンタープライズ「シュガーケーン」、ウェアハウスなどビンテージ系のブランドも加盟していない。
さらに量販店向け大手ジーンズメーカーであるカイタックインターナショナル、コイズミクロージングも加盟していない。


おそらく、これら非加盟企業のボトムス全体の生産数量は4000万本以上に上ると推定される。

来年後半に発表される2011年ジーンズ生産統計では、生産数量はさらに減少し、非加盟企業の推定生産本数がさらに増えると考えられる。おそらく2011年度統計では加盟企業と非加盟企業の生産数量は逆転するのではないだろうか。

以上から、ジーンズ生産数量が減少している理由は、

ジーンズブームが去ったから
日本ジーンズ協議会の非加盟企業が力を持ち始めてきたから


という二点に集約される。
正直申し上げて、すでに「日本ジーンズ協議会」という枠組みそのものが現状に即していないのではないかと思う。
日本ジーンズ協議会が現状に即した組織となるためには、先述したユニクロを筆頭とするSPA企業や、ビンテージ系のブランドなどを加盟させる必要があるのだが、果たしてそれを古参の加盟企業が認可するかどうか。

ジーンズの総生産量は4年間あまり変化していない

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 ジーンズの生産統計というものがある。
現在は2009年度の物が発表されており、2010年度が今年10月以降に発表されるはずである。

以前、他のブログでも書いたのだが、
ジーンズの総生産数量はこの4年間でほとんど変化していない。
反対にその内訳は大きく変わっており、日本ジーンズ協議会加盟企業の生産数量が減り、非加盟企業の生産数量が大きく伸びている。

2006年
協議会加盟企業・・・6756万本
非加盟企業・・・・・・・2300万本
合計9000万本

2007年
協議会加盟企業・・・6280万本
非加盟企業・・・・・・・3200万本
合計9500万本

2008年
協議会加盟企業・・・5521万本
非加盟企業・・・・・・・3800万本
合計9300万本

2009年
協議会加盟企業・・・5063万本
非加盟企業・・・・・・・4000万本
合計9000万本

(繊維流通研究会:「2011年版 ジーンズカジュアルリーダー」より)

これを見ると、ジーンズが不調と言われるが、総生産数量はこの4年間ほとんど変化していないことがわかる。
その一方で、協議会加盟企業と非加盟企業の生産数量が徐々に接近しており、
2010年の生産統計ではもっと接近するか、あるいは逆転するのではないかと思う。


そこで、今回は現在の日本ジーンズ協議会加盟企業を見てみたい。

アズマ(株)
アゼアス(株)
伊藤忠商事(株)
烏城物産(株)
栄光商事(株)
(株)エドウイン商事
カイハラ(株)
(株)協同
倉敷紡績(株)
クロキ(株)
グンゼ(株)
(株)京浜流通センター
(株)サーブ
正織興業(株)
セブン商事(株)
(株)第一ドライクリーニング
タカヤ商事(株)
テンタック(株)
東京吉岡(株)
東洋紡スペシャルティズトレーディング(株)
豊島(株)
豊田通商(株)
ナクシス(株)
(株)西江デニム
日清紡テキスタイル(株)
日本綿布(株)
(株)ニッセン
(株)ビッグジョン
フーセンウサギ(株)
(株)フクイ
(株)ベティスミス
豊和(株)
株式会社Miles Corporation
(株)松井文しょう堂
三井物産インターファッション(株)
三菱商事ファッション(株)
(株)ミツボシコーポレーション
モリリン株式会社
吉田染工(株)
リー・ジャパン(株)
リーバイ・ストラウスジャパン(株)
YKKスナップファスナー(株)
YKKファスニングプロダクツ販売(株)

という顔ぶれとなっている。
このうち、アパレルは、エドウイン商事、リー・ジャパン、リーバイ・ストラウスジャパン、ビッグジョン、タカヤ商事、ベティスミス、フーセンウサギであり、栄光商事がインポートを扱う。

この中には、ユニクロ、しまむら、ハニーズ、ポイント、無印良品はもちろん入っておらず、ボブソン、ブルーウェイ、ドミンゴ、ジョンブルといった老舗専業アパレルも、カイタックインターナショナル、コイズミクロージングという大手量販店向けジーンズメーカーも入っていない。

加盟企業の生産数量が減り、非加盟企業の生産数量が増えているという事実は、
前者の生産数量が減り、後者の生産数量が増えていることを表している。

例えばユニクロ1社だけを見ても、ジーンズの年間販売本数が1000万本前後あると言われ、好調時には1500万本・不調時には800万本と噂されているほど、生産数量が多い。
トレンドアイテムではないとはいえ、非加盟企業各社のジーンズ生産数量というのは、むしろ今後も増え続ける可能性が極めて高い。
一方、加盟企業の生産数量が大きく伸びることは、極めて難しいのではないかと考えている。

ただ、加盟企業各社がトータルアイテム化して、直営販売店をチェーン店化すれば、生産数量が伸びていくのではないかと、なかば妄想している。
そこに行きつくまでの時間がどれほど必要なのかは見通せないのだが。

ジーンズ専業メーカーには厳しい状況が続きそう

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 先日、ジーンズの生産統計についてザッとしたことを書いたのだが、2005年からの4年間で、2000万本も生産数量が減少している。

http://blog.livedoor.jp/minamimitsu00/archives/2222152.html

では、なぜ4年間で2000万本も生産数量が減少したのかをあれこれ考えてみる。
1つは、以前も書いたように、ジーンズ生産統計は日本ジーンズ協議会加盟企業のみを集計してあり、加盟していない企業の生産数量はおおよそ想像できるものの、集計されていない。
日本ジーンズ協議会には、ユニクロもポイントもしまむらも加盟していない。また量販店向けジーンズメーカーの雄であるカイタックインターナショナルもコイズミクロージングも加盟していない。

それを考慮すると、ジーンズ協議会加盟企業の生産数量が激減したといえる。

友人のジーンズOEM業者によると「ジーンズの流通量はむしろ増えている印象がある」という。ジーンズ協議会に加盟していない企業のジーンズ生産量が増え、反対に加盟企業の生産数量が減ったのではないか。


また、ジーンズがトレンドアイテムではなくなった背景に関して「千円以下の格安ジーンズ出現の影響があったのではないか?」という声も良く聞く。
これは一定の影響があったのではないだろうか。ただ、それほど大きくないのではないかとも思う。
格安ジーンズ自体は非常に短命に終わっており、すでに各売り場では大幅に縮小されている。一つにはジーユーや量販店が思っていたほどには支持されなかったのだろう。もうひとつには格安ジーンズ向けのデニム生地が供給しにくくなったことがある。

格安ジーンズのスタート当初は、デッドストック在庫のデニム生地を安値で引き取って生産していたというが、そのデッドストックも尽きた。そうすると、わざわざ安い素材を生産しなくてはならなくなるのだが、製造業者にとってはあまりメリットがない。
さらに昨年から綿花価格も高騰しているため、今後はさらに安い生地の生産が厳しくなる。

こう見ると、格安ジーンズは一定数量は売り場に残るものの、今後は一段と縮小されるのではないだろうか。



いわゆるジーンズ専業メーカーと、総合アパレルのジーンズとを見比べた場合、以前ほどには差がないと感じる。
これは、かつてビッグジョンの尾崎篤社長もおっしゃっていたように「ジーンズメーカーのOBや退職組が、総合アパレルなど今までジーンズを手掛けてこなかった企業に転職したことが大きいのではないか」と考えている。
現実に、ユニクロにせよ、ライトオンのPBにせよジーンズの企画は、ジーンズメーカー出身者が手掛けている。また、ジーンズメーカーからの退職組がOEM・ODM事務所を立ち上げて、広くアパレル各社の企画に参加している。おおげさに言えば「ノウハウの流出」で商品差がなくなった状況にある。


今後、この傾向はさらに進むと個人的に推測しており、ジーンズ専業メーカーはよほどブランディングを上手く考えないと、アパレルの単なるOEMメーカーになり下がる可能性もある。

メンズもジーンズ離れが深刻

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 先日、2月7日発行「週刊東洋経済」のジーンズカジュアル動向についてたった一言だが、コメントを掲載していただいた。自分の名前の漢字が少し違っていたのはご愛嬌ということで。(笑)

記事は、ジーンズメイトの昨年末の株価急騰事件から始まるのだが、昨今のジーンズカジュアルショップ苦戦の原因を取材している。さまざまな要因があると思うのだが、2Pということで、あれもこれも盛り込むことはできなかったのだろうと思う。

まず、どれくらいジーンズというアイテム(カラージーンズやショートパンツも含む)がここ3年間苦戦しているのかという具体的根拠として、ジーンズ生産統計が挙げられている。誌面のP21に棒グラフがあるので、そちらをご紹介すると、

プレミアムジーンズブームのピークだった05年の生産統計は約7000万本
06年は少し7000万本を割る
07年は6500万本を割る
08年は5500万本まで減る
09年は約5000万本


という推移である。

これは毎年、日本ジーンズ協議会が発表しているジーンズ生産統計による数字である。
繊維流通研究会のHPには98年から09年までの生産統計が掲載されてあるので、こちらも参照いただきたい。
http://www.apparel-mag.com/pdf/papers/p005_jeanstokei_2010.pdf

しかし、この統計には大きな落とし穴がある。
東洋経済にも注釈があるのだが、ユニクロやスーパーなどの生産数量は含まれていない。もっと正確に言えば日本ジーンズ協議会に加盟していない企業、例えばポイントやしまむらなどの生産数量も含まれていない。
もし、ここにユニクロが含まれていれば1000万本前後は増えることになる。
逆に日本ジーンズ協議会の加盟各社の生産数量が激減している証拠にもなる。


それにしても、このジーンズ生産数量の低下の原因はなんだろうか?
文中には「レディースでレギンスがトレンドになり、ジーンズ需要が減った」と書かれてあるが、それだけではないだろう。トレンドに関して言えばメンズでもジーンズ離れが顕著である。

2010年はメンズ、レディースともにカジュアルテイストがトレンドとなった。とくにアウトドアテイストのカジュアルは好調だった。従来であれば、カジュアルがトレンドに浮上するとき、必ずジーンズの需要も増えた。
しかし、今回のカジュアルトレンドではジーンズは浮上せず、チノパンやカーゴパンツが浮上した。この傾向は2011年も続いている。

3階・チノクロップド













(アーバンリサーチのクロップド丈チノカーゴパンツ)



トレンドというと兎角レディースに目が向きがちだが、メンズカジュアルでもジーンズがトレンドではなくなったことはかなりの痛手だ。なぜなら、レディースはパンツ類を穿かなくてもスカートもあればレギンスもある。ワンピースもある。ボトムスの種類が豊富だ。
しかし、メンズはよほどの特殊な嗜好を除いて、ボトムスはパンツしかない。そのパンツも種類が少なく、ジーンズかチノパンかカーゴパンツかワークパンツ、あとウールのトラウザーくらいだろう。
この少ない選択肢の中からジーンズが漏れてしまったという事実はかなり衝撃的ではないだろうか。


オーソドックスなジーンズに魅力を感じる方も多いとは思うが、それ以上に新しいジーンズの打ち出しがないと、見向きもしない消費者層も相当にいるのではないだろうか。ジーンズの企画担当者はビンテージマニアになるのではなく、新しいデザインやスタイリングを開発しなくては、次のジーンズブームは5年先になるだろう。
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