南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

三越伊勢丹

バーゲン開始時期を遅らせても収益は改善しない

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 三越伊勢丹とルミネが今夏のバーゲン開始時期を遅らせるということが決定したようだ。
23日付けの各紙で報じられている。

http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20120423/JCast_129977.html

 三越伊勢丹ホールディングスは2012年7月13日から首都圏の主要9店舗でセールを開始するため、現在準備を進めている。東急百貨店も13日から2週間、首都圏の4店でセールを実施。駅直結の商業ビルを運営しているルミネ(東京・渋谷区)も全15店でのセールを7月12日から開始するとした。

バブル崩壊後に前倒しが進められてきたバーゲンセールだが、最近の消費動向は「『暑くなる前に買う』より『暑くなってから買う』という、季節の変動に合うような消費に変わってきている」(ルミネ広報)。時期を遅らせることで「欲しい時に欲しいものが揃っている」状況を作り出すことが各社の狙いだ。


とのことである。

日経新聞は「収益改善が目的」と報じている。


たしかに、季節先取りで買う消費者は減っており、よほどのファッション好きだけである。
大多数の消費者はルミネの広報が言うように体感気温に応じて夏物・冬物を買う。

今年3月・4月の売れ具合を見てもそれは一目瞭然である。
ある百貨店向け肌着メーカーは「今年は寒い時期が長かったので4月の1週目まで保温肌着が好調に動きました」という。
昨年は11月中頃まで25度以上の気温が続いた。
そうすると、当然のことながら防寒アウターは12月まで動かなかった。
12月はすでにプレセール時期であり、20%程度の割引で販売されており定価販売ではない。

だからユニクロが7月中旬にヒートテックを売り場に投入するのを見ると「見ただけで暑苦しいわ」とつい思ってしまうし、1月末に半袖ドライポロシャツが投入されれば「見てる方が凍えるわ」と感じてしまう。
「季節先取りで憧れちゃう~」などという消費者はバブル崩壊とともに消え去ったのだろう。

しかし、である。

セールを7月13日に遅らせたからと言って「収益改善」がはたされるのだろうか?
残念ながらそうは思えない。

少し開始時期を遅らせたからと言って、7月13日まで消費者はよほど欲しい物以外はバーゲン待ちするだろうから、定価販売が増えるとは考えにくい。
さらに、7月13日にセールが始まってもその期間内に全商品が完売することはあり得ない。そのため、例年通り盆明けごろまで残った商品をさらに値下げして叩き売ることになる。
収益はほとんど改善しないだろう。

かと言って、セール早期化を野放しにしておいて、7月末から初秋物や秋物を早めに立ち上げても売れるとは思わない。
なぜなら、体感温度で買う人が主流だからだ。
7月末は暑さもピークである。そんな時期に秋物を早めに、しかも定価で買うのはごく少数のファッション大好き人間くらいである。

セール時期を7月中旬とか7月上旬に戻すという取り組み自体は賛成だが、かなり厳しい状況が待ち受けており「経営陣がどこまで我慢できるか」にかかっているとしか言いようがない。


さて、件の元編集長がこの件について書かれている。
http://ameblo.jp/3819tune1224/entry-11232129843.html

私は元々バーゲンは春夏ものは旧盆以降、秋冬ものは成人式以降と長年言い続けてきた。

でもさあ、自分たちが売れ残りを危惧するためなのか、自分たちでバーゲン時期を早め早めにしていったのは1980年代半ば過ぎからだった。

そんなことをしたら自分で自分の首を絞めることになると言っても、だれも耳をかさなかった。ザマヲみろ自業自得だイイ気味だとさえ思った。

今じゃあシーズン・インの時期からバーゲンやっているのだから。私には信じられないことだが現実。


今ごろになってバーゲン時期を後倒しだってさ。

遅すぎるってんだ!

自分たちの反省なしで、正価販売の期間を延ばして売り上げ増をという安易な考え方ではないか。

百貨店の考えることってこんなものさ。




だってさ、もの心付いた年代からバーゲン早い時期育ちは既に30代半ば以上なんだぜ。今の若者は全員早いバーゲン育ちなんだヨ。

てことは今の若者から高齢者までなんだ。


早い時期のバーゲン買い物を長年してきた人たちに、正価販売を少しでも長くなんて考えたって見込みほど売り上げ増になるとは思えない。

自分たちの冒してきた反省をしてみることから考えないといけない。


とのことである。
まさに「今ごろ遅すぎる」である。遅めのバーゲン開始が再び定着するまで数年~10年くらいの月日が必要だろう。こらえ性のない経営者たちがそこまで我慢し続けられるか、である。
筆者は、おそらく2年か3年で音を上げると予想している。

今後の成り行きに注目したい。
動向ではなく、あくまでも「成り行き」に。



三越伊勢丹が夏セールの7月後半開始を検討

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 さて、福袋なのだが、今年はクリスマス明けから販売する店が出現した。
また別の店では、12月31日から販売するという。

これならいっそのこと、通年で福袋を販売すれば良いと思うのだが、それだけ在庫が余っているのだろう。

今年は、3月の東日本大震災があり、繊維アパレル業界にとってもなかなか厳しい年だった。
震災の影響もあり、今年は6月16日から夏セールが始まった。
これまで、セールはずっと早期化が進行してきたが、6月半ばという日程は異例に早い。

もっとも、6月下旬から「プレセール」が半ば堂々と開始されていたので、実際はあまり変わらないのかもしれないのだが。

一方、冬のセールも年々早期化していたが、現在は、量販店型ショッピングモールが元旦から、百貨店・ファッションビルが1月2日からと、もうこれ以上の早期化は不可能である。
その苦肉の策として、12月10日過ぎからの「プレセール」「フライングセール」「シークレットセール」などが活発化してきた。

今回の「福袋の年内販売開始」はセール早期化の一つの新しい形態だと感じる。
新しい形態だが、これについてはまったく賛同できないのであるが。

そうした中、12月21日の繊研新聞の1面に
「夏セール、7月後半へ」という記事が掲載されている。

これは、三越伊勢丹の大西洋社長のインタビューである。
「盛夏物の需要ピークにクリアランスをして、販売機会を自分たちで失わせている」と指摘。
そこで2012年の夏セールを7月後半~8月に実施する検討を始めた。
という。


その心意気には賛同するが、これはまだ「検討を始めた」段階である。
もし、実際に7月後半からセールを開始した場合、2012年の7月販売状況は間違いなく、前年実績を割ると予想する。
これに、経営陣が耐えられるかどうかである。
百貨店に限らずだが、日本の小売り・流通業は前年実績主義に囚われている。
これを断ち切らないとセール時期をずらすという施策は難しい。
2012年7月の状況を見て、「やっぱり背に腹は代えられないよねえ」と言って、
2013年から「セールは7月1日に戻します」と宣言する可能性は非常に高いと思う。



そんなわけで「検討が終わった」後の三越伊勢丹の発表を待ちたい。





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