南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

ルミネ

ウェブでこれだけバーゲンが常態化しているのに、実店舗でバーゲンを後倒ししても意味はない

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 今年の6月もそうだが、商業施設を見ていて、何年か前ほどのバーゲン早期化はあまり感じない。

今年は6月30日の金曜日に夏バーゲンを開催する商業施設が多そうで、曜日を考えれば6月30日がベターだと思う。

一方、バーゲンの通知が常に届くのはウェブ通販である。
一昨年に始めてAmazonで買い物をして以来、年間で8回~10回くらいは買うようになった。
主には値引きされたガンダムのプラモデルだが、たまに本を買う。
あと極まれに服や靴を買う。

服や靴はもちろん値引きされた商品しか買わない。

そうなると、Amazonから頻繁にお知らせのメールが送られてくる。
やれタイムセールだ、やれアウトレットセールだ、やれプレセールだ、という具合である。

またユニクロやアダストリアのウェブでもこれまで何回か買ったから、そこからも頻繁にメールで安売りのお知らせが来る。
6月20日にはアダストリアから3通も安売りのお知らせメールが来た。

2つは21日から夏セール開催という内容だが、もう1つは先行セール開催というものだ。

ユニクロはだいたい毎週火曜と金曜に「期間限定割引」のお知らせメールが来る。

GAPはウェブで買ったことがないが会員登録しているからメールが来る。
だいたい、GAPかバナリパで「なんちゃらセール開催中」とか、「〇〇すれば〇%引き」とかそういう内容である。

ウェブからのお知らせだけを見ていたら、ほぼ毎週何かの安売りセールをやっている。

筆者が受け取るのはこの3社がほとんどだが、もっとたくさんの通販サイトを利用したことのある人は、もっとたくさんの安売りのお知らせをそれこそ週に何通も受け取っているだろう。


例えば、ウェブでは買ったことがないが、ナノユニバースは6月21日現在、ウェブでは絶賛バーゲン開催中だ。
しかも「1000円、3000円、5000円の3プライスバーゲン」である。
実店舗でのバーゲン後倒しがどうのこうのなんて論争している次元ではなく、破格の投げ売りを開催している。

キャプチャ



このように、ウェブ通販だけを見ると年がら年中、毎週何かの安売りセールをやっていると感じる。

こんなに安売りセールが頻繁に開催されているなら、何も実店舗で買う必要もなく、安い服が欲しければウェブを検索すれば良いと感じる。
ますます、実店舗離れが起きるだろう。

さて、そういう社会状況になったにもかかわらず、ルミネが今年の7月もセール後倒しを行い、7月28日から開始するとの発表があった。
率直な感想をいえば、こういう状況でルミネだけがセールを後倒しする意味があるのかと感じる。

もちろん、業界、特に製造業系からは歓迎の声があがっており、その気持ちもわかるが、個人的にはその考え方は評価できない。

各社が足並みをそろえているならまだしも、安い商品が欲しい人はいくらでもウェブで手に入るのが現実だ。


じゃあ、どういう売り方が良いのかという話になると、これだけウェブ通販が年がら年中安売りをしているなら、最早全社そろってセール時期を後倒しするというのは実現不可能である。
実店舗でバーゲンを後倒ししたところで、ウェブでやってるなら、多くの客はウェブで購入する。

だったら、店舗はセールを後倒しせず、今年なら6月30日で足並みをそろえるべきだろう。

そして、1月~3月に入荷した「古い商品」を70%オフくらいで叩き売って、集客装置としつつ、5月ごろに入荷した新しい商品を10%オフとか20%オフくらいで販売するのが正解ではないか。

どうしても売れ残った商品は,そのあとのバーゲン末期で大幅値引きをして投げ売る。

こういう方法で各社は乗り切るべきだろう。

ウェブがこれほどバーゲンを早期化・常態化している中で、たかがルミネだけがバーゲンを後倒しにしたところで、業界の趨勢がそちらに向かうことはないし、各社がバーゲンを後倒ししたところで、ウェブはそれに縛られないだろうから今のバーゲン常態化は続くだろう。

そうなるとますます実店舗の売上高が下がりウェブでの購入率が高まる。
これが進み過ぎるとアメリカのように実店舗の大量閉鎖につながることになる。

各社がそういう結果を望まないなら、バーゲンの後倒しなんていう非現実的なファンタジーとは決別すべきではないか。

ウェブがこれだけ、バーゲン早期化・常態化している中で、実店舗のバーゲン後倒しという施策は何ら意味が無い。

バーゲン品が欲しい人はウェブないし、他の商業施設で買うだけのことにしかならない。
業界からバーゲンがなくなることはないし、定価販売が広がることもない。


ところで、繊研プラスを読むと、ルミネの新井社長のこんなコメントが掲載されているがこれは事実だろうか?

「ファッションビジネス業界が膠着(こうちゃく)状態にある大きな要因はセール(の早期化)ということをオーナーの人たちも分かっている。『夏のセールはやめましょう』という幹事会社もある。そもそも、これから暑くなる時期にセールをやるのはおかしい。本来なら、8月スタートにしたかった」という。


この人がセールを8月にやりたいというのは個人の嗜好の問題なのでどうでもいい。
疑問を感じるのはその前段である。

ファッションビジネス業界が膠着状態にある大きな要因はセールの早期化とあるが、これは事実誤認だろう。
セールが早期化しているから膠着しているのではなく、膠着して不良在庫がダブついているからセールが早期化しているのである。
因果関係を完全に取り違えている。

で、セールを後倒しすればその膠着状態が解除されるのかというと、その可能性は極めてゼロに近い。

膠着しているのは、セールの開始時期が早いからとか遅いからではなく、国内のファッション業界が、消費者の消費行動・嗜好の変化に対応できなくなっているからである。

また、オーナーが「夏のセールをやめましょう」と言ったというのも本当だろうか。
もし事実ならそのオーナーはよほどのアホか、リップサービスをふるまう人かのどちらかだろう。

ルミネに出店しているブランドというのは、個人経営のブティックではなくて、ある程度の店舗数を持ったチェーン店が9割以上である。
そういう大手企業のオーナーが「夏のセールをやめましょう」というなら、ルミネに出店しているテナントだけでなく、自社が各地に何店舗か構えている路面店で夏のセールをやめれば良いのである。

路面店ならだれに気兼ねすることもない。
ファッションビルや百貨店やショッピングモールのように、管理されているわけでもない。

セールをやめるのも後倒しするのも自由自在である。

自社の路面店ですらセールをやめられないような企業のオーナーがなぜ、「夏のセールをやめましょう」なんてことを発言できるのだろうか。

この発言が本心なのだとしたら、そのオーナーがよほどのアホか恥知らずである。


今後もルミネはバーゲンは後倒しし続けるだろう。
しかし、その動きはルミネだけに限定されたものとなり、今後は淀川の花火大会よろしく、単なる夏の風物詩の一つとして認識されるにとどまるだろう。

「また今年も、ルミネがバーゲン後倒し宣言をしたわ。そろそろ夏よね~」なんて会話が毎年6月には聞かれるようになるかもしれない。



インスタグラム始めました~♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro/



バーゲン後倒しに敬意を表して、現在、値下げ販売されているナノユニバースの商品のいくつかをどうぞ~♪




















バーゲン後倒し論争は意味が無かった

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 少し前にこんな報道があった。

ルミネ冬セールは3日スタート 初売り翌日から開催
https://www.wwdjapan.com/359322

手短にまとめると、来年1月のルミネのバーゲンの日程は1月3日開始だということである。
三越伊勢丹やHEPファイブを除く多くの百貨店、ファッションビルとほぼ同じ時期のバーゲンスタートとなる。

ここ3年ほど前からのバーゲン後倒し論争は一体何だったのかということになる。

そもそも、ルミネがバーゲン後倒しに掲げた大義名分の「産地保護」自体がおかしく、失笑を禁じ得なかった。
縫製ベースでいえば、現在、国産衣料品比率は3%前後しかない。
97%強がアジアを中心とする海外製品となっている。

ルミネが保護したかったのは中国やその他のアジアの工場だったのだろうか?という疑問しか感じない。

また取引形態から言っても、たかだかルミネが10日ほどセール開始時期を後倒ししても製造加工業にとっては意味がない。

そもそも製造加工業に対する工賃は、商品が店頭に並ぶ何カ月も前に決められている。
そして製造加工業者への支払いは、シーズンごとの商品が完売してからではない。

バーゲンを後倒ししようが前倒ししようが、製造加工業者への支払額は変わらないし、支払うタイミングはバーゲン終了時ではなく、そのはるか手前である。

仮に9月に1枚1500円の工賃で、シャツの製造を発注した場合、納品が10月だったとすると、支払いサイクルは各社によって異なるが、11月末とか12月末あたりに支払われる。
1月のセール開始時期を10日ほど後倒ししても製造加工業者に支払われる工賃には一切反映されない。

11月納品でも12月納品でも結果は同じで、バーゲンの後倒しが工賃支払いに反映されることはない。

なぜなら、事前に決めた工賃通りに支払われるからで、「1月のバーゲンを後倒ししたら利益が増えたから工賃を500円プラスオンして支払うよ~」なんていうアパレルは存在しない。
1月のバーゲンを後倒しして、仮に利益額が増えたとしても、事前に決めた工賃にプラスオンして支払うことはありえない。


一体、ルミネは何を言っていたのだろうか。

ルミネが今回、バーゲン開始時期をほぼ元に戻す理由は以下の通りだ。

前倒しの大きな理由に、テナント側から強い要望があったという販売員の労働時間と負担の軽減をあげる。販売員不足で十分なシフトを組めないテナントもある中、年末の繁忙期から年始の初売り・セールまでの長期集中的な労働体制が問題とされてきた。年始セールの前倒しにより、2日の初売り後すぐにセールを開始し、集中して商戦に臨む。なお、夏のセールは従来通りの開催を予定している。

とのことで、こうなることは最初から分かっていたのではないかと思う。

洋服店の販売員の人手不足は深刻化しており、求人を出しても応募が集まりにくくなっている。

理由はさまざまある。

営業時間の長時間化、給料の低さ、休日の少なさ、今後のキャリア構築の難しさ、などなどである。

ルミネは架空の産地を保護する前に、目の前で働いている販売員たちを保護すべきだろう。

販売員という仕事がつまらない仕事だとは決して思わないが、現在のアパレル業界の販売員に対する待遇のままなら、人手が集まらないのは当然で、今後も販売員不足は続く。

ルミネの夏のバーゲンは従来通りの後倒しだそうだが、夏のバーゲンはそもそも盛り上がらないから、あってもなくても消費者にとっては同じようなものだ。お好きにどうぞだ。

夏服は定価そのものが安い。
だから定価で買っても知れているし、それが値引きされたからといって消費者が飛びつくようなこともあまり起きない。

そして、冬のバーゲンのように「正月」というイベントが組み合わされているわけではないし、各ブランドが五月雨式にバーゲンを開始するから、本当に盛り上がらない。
6月末とか7月1日とか7月5日とかの開始が多いが、正月も盆も夏休みも関係ない平日だから、消費者に「買い物をしよう」という意欲は高くない。

買い物客としての立場で個人的にいえば、6月末から開始されようが、7月1日から開始されようが、7月5日から開始されようが、あまり関係ない。
それほどに夏のバーゲンには興味がない。

おそらくそれに近い消費者は数多いのではないかと思う。

改めてルミネのバーゲン後倒しは無意味だったと感じる。








マッチポンプか?

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 これでラフォーレ原宿以外の全施設がめでたく冬のバーゲンセールに突入したわけだが、セール後倒し論を唱える施設の中で、個人的にはもっともルミネに疑問を感じる。

これまでの経緯からしてどう見ても自己都合による部分が大きいとしか感じられない。
2011年は震災の影響があったとはいえ、突如として夏セールを6月に前倒しし、その後、三越伊勢丹のセール後倒し論に追随する。

その理由もふるっていて、今まで気にかけたこともなければ、直接の取り引きがあるわけでもない「産地保護」をいきなり掲げたわけだから、いかにも取って付けたような印象しか受けなかった。

今年のルミネの冬セールは1月9日からの開始である。
派手な宣言などせずに16年前からセールを遅めに開始している大阪のHEPファイブの今冬のセールは1月10日開始である。

さて、筆者が拝読しているブログの中にメンズファッションについて書かれてあるブログがある。
ファッションに対してそれほどこだわりもなく、身に付けている製品はユニクロ、無印良品、ライトオン、ジーンズメイト、GAPのそれもすべて値下げ処分品ばかりという筆者とは異なり、ファッションに対する関心の高さがうかがえるブログである。

その1月8日のエントリーにこのような一節があった。

http://heritager.com/?p=26539

アマゾンもマガシークもZOZOも
みんなトップグレーは売切れでしたが、
なんとアイルミネにグレーの在庫発見!

しかもお値段は本日限りの半額!
13,650円 → 6,825円(税込)

但し、明日からルミネはセールなので
ネット上だけの先行セールなだけですが。


とのことである。

これはナノ・ユニバースの細身スエットパンツに関する内容なのだが、ルミネは1月9日のセール開始に先駆けて、1月8日には自社のインターネット通販サイト「アイルミネ」で先行セールを行っていたという。
筆者も念のためにサイトに飛んだが実際に先行セールを開催していた。

筆者はこのルミネの姿勢はご都合主義だと感じる。
もしくはマッチポンプかと思う。

セール後倒し論をぶち上げておいて、自社の通販サイトではその自社が定めたセール日程に先駆けてセールを行う。

なんだ?このシステムは?

結局自社で「セールは先行させた方が効果がある」と証明しているようなものではないか。

これならまだ愚直に理想論を説き続ける三越伊勢丹の方がよほど好感が持てる。

そんなわけでますますルミネのいうセール後倒し論はまやかしに過ぎないと感じた。

規模によって採るべき手法は異なる

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 昨日に引き続き、ルミネのセールの広告を基に考えてみたい。
レディースニットブランド「フラムクリップ」の短パン社長のブログにも紹介されているように、


「もっと安かったら買うのに。は、
 安くなっても多分買わない。し、
 買ったとしてもなんか着ない。」



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というキャッチコピーである。
ルミネというJR東日本グループの商業施設の販売姿勢に賛同できるかどうかは別として、キャッチコピー自体はなかなかの出来であるし、最後の1行は疑問だけど、2行目までは深く賛同である。

なぜなら、筆者はセール品で買った物を着倒すからである。
それでも10枚に1枚くらいはあまり着用しない物も出てくる。

昨今、「安売りは悪だ」という考え方が以前より広まってきたように思う。
販促コンサルタントの藤村正宏さんはずっとその主張を繰り返しておられるし、件の短パン社長も、丸安毛糸のニット社長も同様である。

「安売りは悪だ」と一言でまとめてしまうと誤解を受けやすいが、意味のない安売り、過度な値引き、不当な価格競争が「悪だ」という意味である。


無料品配布に集まる消費者は、ブランドのファンではなく無料品のファンであるし、
投げ売りセールに集まる消費者は、ブランドのファンではなく投げ売りセールのファンである。


投げ売りしてくれるならユニクロでも無印良品でもしまむらでもGAPでも構わないというファンである。


セールに集まる自らのファン層に疑問符を投げかけるルミネであるが、そう言いつつも来週からセールを開始するので一体どういうことなのかと首を傾げたくなる。(笑)


セールに関していえば、ユニクロのように大量生産・大量販売を行う企業は、必ず売れ残りが出るので投げ売りしてでも現金化する必要がある。これはH&MでもZARAでも同じだ。
年商規模20億円以上の小売企業になればある程度の処分セールは不可欠になるだろう。


一方、地域密着型で店舗数が1店舗とか5店舗くらいしかない小型専門店ならどうだろう。
専門店の基本として、「固定客の顔を思い出しながら仕入れを行う」と説かれている。
「これは○○さんに似あうだろうなあ」とか「これは××さんが好きそうだなあ」という具合である。
普段から様々な手法や働き掛けをして固定客との関係性を強めており、そういう仕入れができていれば、大規模店ほどには最終処分セールを行う必要はないだろう。


この「安売りは悪だ」という考え方は、小規模店に通用する考え方である。
小規模店がユニクロに煽られて、価格競争に挑んでも絶対に勝ち目が無い。
例えば、最近はユニクロの製品も綿花の高騰からか、単なる原材料コスト削減での利益追求なのか知らないが、どんどん生地は薄くなっているが、それでもあのTシャツを定価990円で販売することは中小・零細企業には不可能だろう。
ましてや週末値引きでそのTシャツを590円とか690円にすることはさらに不可能である。

今まで4900円のTシャツを販売していた小型専門店はいくらがんばっても990円に値下げすることは無理だ。
ユニクロと価格競争をしたいのなら、990円で並ばなくては勝てない。中途半端に2900円とか3900円に値下げしたところであまり効果はない。それこそ「安物好き」の消費者にはまるで響かない。
かと言って、今までの顧客も「4900円が2900円になったからもう1枚買うわ」とはならない。

売上枚数は増えずに、確実に売上高だけが減ることになる。

「安売りは悪だ」という主張の根底には、「だから、小規模専門店は高くても買ってもらえる努力・工夫が必要ですよ」というメッセージが流れている。


そういえば、南堀江に1店舗だけ展開するメンズカジュアル専門店のオーナーがこんなことを言っていたのを思い出した。
「夏と冬のセール時期、うちはお客が少ないんです。以前はその対策として『セール』とデカデカと貼り出しましたが、まるで効果なしでした」と。

今はセールの貼り出しを小さくして、大手のセール時期には先物の定価販売に力を入れているそうで、そちらの方が売上高が上がったという。

大手の採るべき手法と小手の採るべき手法は異なって当たり前である。
繊維・ファッション業界が衰退した原因の一つに小規模・零細企業が大手と同様の手法を採り入れようとしたことも挙げられるだろう。
小規模・零細企業の経営者の多くが独自の手法を思い付かず、大手の手法を安易に採り入れて失敗しただけである。

小規模専門店の姿勢としてはこの専門店が正解といえる。

そのキャッチコピーには賛同しますが・・・・

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 レディースニットブランド「フラムクリップ」を展開するピーアイの短パン社長がブログでセールについて触れられていた。

7月12日からセールを開始するルミネの広告のコピーが割合に良くできている。

「もっと安かったら買うのに。は、
 安くなっても多分買わない。し、
 買ったとしてもなんか着ない。」


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3行に別れたコピーの前2行はとくにその通りだと思う。
最後の1行は、筆者個人には当てはまらない。(笑)
買った限りは着ることを前提で、セール品でも試着を繰り返してからようやく買うからである。
逆にあまり深く考えずに買ったプロパー品の方が着なかったりして、その場合は深く落ち込んでしまう。orz

セール目当てに来るお客の多くは、そのブランドのファンではなく、セール品のファンなのである。
無料配布目当てに来るお客の多くが、ブランドのファンではなく、無料品のファンなのと同じだ。

先日、ユニクロの吸水速乾肌着「エアリズム」の無料モニターに妻が当選したという。
高校生の息子二人分のが当たったのだと喜んで受け取りに行った。
断言しても良いが彼女はユニクロのファンでもなければエアリズムのファンでもない。無料品のファンである。
無料で配布されるならイオンのでもイトーヨーカドーのでもしまむらのでも無印良品のでも構わないだろう。
そういうキャンペーンがあれば必ず応募している。

ただ、ファッション衣料と異なり、肌着は消耗品・実用衣料である。
仕入品を配布しているならあまり効果はないが、自社開発製品を配布してファンを作ろうというのは、わからないではない。肌着は必ず買い替え時期が訪れるからだ。その際に自社製品を買ってもらうための種まきなので、一定の効果はあるといえる。

これがファッション衣料ならその効果はもっと薄まる。
別に必需品でもないし、消耗も肌着や靴下に比べればほとんどないに等しい。
流行り廃りもある。
とくに仕入品を配布するのはもっとも効果が薄いだろう。

それはさておき。

今回のルミネのセールの広告のコピーには賛同だが、ルミネのセールに対する姿勢はいまだに賛同できかねる。
2012年夏に三越伊勢丹HDに追随する形でセール後倒しを発表した。
「セールに来るお客の多くは、セール品のファンにすぎない」と喝破してきながら、実際には遅めではあるがセールは行うのである。だから筆者の目には言動不一致と映る。

さらにいえば、セール前倒しを極端に進めたのもルミネである。

2011年3月の東日本大震災の影響を口実に、2011年6月半ばにセールをいち早く前倒しにしたのは他ならぬルミネである。
震災の影響は当然あるとしてもなぜ、わずか1年で真逆のことをやり始めたのか。
それに関しての詳細な説明は知る限りでは発表されていない。取って付けたような「産地支援」という大義名分だけは掲げていたけれども。

ルミネのセール後倒しが「産地支援」に関してほとんど何の効果も期待できないのは、以前にも書いた通りだし、
日経ビジネスオンラインにも寄稿させていただいた。

「産地支援」はバーゲン後ろ倒しの理由にならない
破壊者が今ごろ「産地を守る」と言う白々しさ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130603/249030/


まあ、そんなわけでセールに関してのルミネの迷走ぶりは、業界の迷走ぶりを極めて端的に示しているように感じられる。
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