つい先日開催された2017秋冬コレクションでのルイ・ヴィトン×シュプリームのコラボが話題となった。
元より最先端ファッションやラグジュアリーブランドとは縁のない筆者だが、極めて個人的な外野からの感想を書いてみたいと思う。

このほかにもブランド間のコラボ発表が多くあったとのことだが、こうしたコラボばやりには二つの要因があると思う。

1つは、人気ファッションブロガーMB氏が指摘するように、ブランドごとのセグメントがボーダレスになりつつあるということである。

ルイ・ヴィトンという高級ブランドと、シュプリームというストリートカジュアルブランドが対等な存在としてコラボレーションしている。
世の中にはブランドなんて無数にあるが、多くは「〇〇系」とか「〇〇テイスト」でセグメントされている。
そして、ファッション業界人はそのセグメントを疑うこともなく墨守しており、それがために遅れた業界に成り下がったという側面がある。

例えばこんなことは日常茶飯事だ。

「ナチュラル系」なら天然素材しか使ってはいけないという強固な固定概念がある。
商品のデザイン自体がナチュラル感あふれる物であってもその素材組成が合繊混だったり、合繊のみだったりすると「うちはナチュラル系だから」と言って、取引しない単細胞バイヤーは掃いて捨てるほどいる。

あんたらは生地バイヤーなのか?
商品のデザインが気に入って興味を持っても、生地組成の固定概念に外れるからといって仕入れないのがバイヤーの仕事かね?

だから、どこもかしこも同じようなブランドラインナップの店ばかり増えるのである。
それでいて口では同質化を嘆いているのだが、同質化を招いているのはあんたらの強固な固定概念なのだから、自作自演としか思えない。

そういうブランドごとのセグメントが、2017秋冬コレクションからはなくなりつつあるといえる。
ルイ・ヴィトン×シュプリームに限らずだ。

少し前の2017春夏コレクションではヴェットモンとワークブランドのカーハートのコラボ商品が出品されていたそうだ。

確実にブランドごとのセグメントはなくなりつつあるのではないだろうか。

もう一つは、

コラボは「競合より共栄」時代の象徴?
http://www.senken.co.jp/report/hanami_isogimi_20170123/

の記事内でも指摘されているように、

ブランド単独では注目が集められなくなってきているからと考えられる。

単独同士では注目が集められいないから、2つか3つ集まると単独でやるよりは注目が集まるだろう。
そんな考えがどのブランドにも根底に流れているような気がする。

単独で展示会やっても集客できないから何社かで集まって展示会をやればそこそこ集客できるのではないか、という合同展示会開催の考えと似た部分があると感じてしまう。

たとえルイ・ヴィトンでも筆者のように興味のない人はまったく興味を示さなくなっているから、通常の「〇〇シーズンのテーマは××を掲げて」なんて記事なら1行も読まずに華麗にスルーする。
まだ「シュプリームとコラボ」という記事なら何の共感も感心もしないが、それでも記事を流し読むことくらいはする。

とどのつまりはそういうことではないだろうか。

衣料品の売れ行きがかつてのように回復することは考えにくいから、今後はますますこういうコラボレーションが増えるだろう。

記事のタイトルは業界紙ということで「共栄」としておられるが、実際のところは「共衰の象徴」ではないかと感じる。

ところで、個人的にはトータルブランド同士のコラボというのはいまいちピンとこない。

なぜなら、トータルアイテムがそろうブランド同士がコラボをする意味が感じられないからである。
単に名義貸しみたいな感じさえする。

個人的には、トータルアイテムブランドと、特定のアイテムや特定のジャンルで定評のあるブランドとのコラボが本当のコラボではないかと思う。

例えば記事中で紹介されていたヴェットモン×カーハートのようなコラボである。
リーバイスだとかラベンハムだとかノースフェイスだとかナンガダウンだとかそういうブランドとのコラボは意味があると思う。

最近ではコレクションブランドに限らず衣料品業界はコラボ流行りだが、本当に共衰を象徴していると感じられてならない。
単独では集客できなくなっているからだろう。

先日は三越伊勢丹とビームスのコラボが発表されたが、これも単独での集客に限界を感じた小売業同士のコラボだと感じる。
業怪人業界人からすると、「百貨店が大手セレクトとコラボするのは新しい」となるのだろうが、一般消費者から見れば、「どちらも古くからある有名なファッション小売店同士」で目新しさはあまり感じられない。
よくある業界内コラボの一つとしか言いようがない。

まあ、そんな感じで業界内コラボは今後ますます増え続けるだろう。
しかし、それは業界の業界による業界のための取り組みであって、一般消費者に広く響くことはあまりないだろう。そういう意味ではファッション業界はますますマニアックでオタクな世界に進んでいるといえるのではないか。