南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

リーバイ・ストラウス・ジャパン

苦しむジーンズ専業メーカー

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 先日、リーバイ・ストラウス・ジャパンの2012年11月期連結決算が発表された。

売上高は96億1300万円(前期比4・6%増)
営業利益は2億9400万円
経常利益は3億4400万円
当期損失は12億8000万円


だった。

当初予想では売上高は97億円としていたので、やや下方修正ではあるが、前年より増収となった。
営業利益と経常利益は黒字復活したが、依然として当期損失は残ったままである。

当期損失の理由として、

最終損益につきましては、第3四半期に特別損失項目として、将来の物流業務の効率化及び物流コストの削減を目的として現在の平塚配送センターから外部倉庫への移転を決定し、有形固定資産につき減損損失を15億62百万円計上したため、税金等調整前当期純損失、当期純損失はそれぞれ、12億47百万円(前期は、15億44百万円であったため2億96百万円の改善)、12億80百万円(前期は、16億9百万円であったため3億29百万円の改善)となりました。

としている。


2013年11月期連結を

売上高98億円
営業損失6億9000万円
経常損失6億6000万円
当期損失7億2000万円


と見通しており、増収ではあるもののなかなか厳しい数字を打ち出している。

赤字になる理由として

本年度まで免除されていた親会社へ支払うべきロイヤリティが解除となること及び不透明な為替の仕入コストへの影響を勘案して営業損益及び経常損益は、690百万円の営業損失、660百万円の経常損失となり、当期純損失は720百万円程度を見込んでいます。

と挙げている。


国内大手ジーンズ専業メーカーの2強としてエドウインとリーバイスが残っていたが、エドウインは現在、再建問題に揺れている。残ったリーバイスも売上規模はなんとか維持しているものの、赤字決算が続いており、こちらも厳しい状況といえる。

専業メーカーがSPAを志向して、規模を拡大した例は業界にいくらかある。
東京シャツのシャツ工房はその好例だろう。メーカーではないが、タビオの「靴下屋」も専業ショップとして参考になるだろう。最近だと、鎌倉シャツに注目が集まっている。

こうした例を見ると、ジーンズもSPA化すれば良いのではないかと思うが、そうは簡単にいかない部分もある。
靴下は消耗品なので、定期的な買い替えが必要である。また、小さいなアイテムなのでたくさん買い込んでも収納スペースに困らない。
ワイシャツも消耗品という側面はあるし、ビジネスマンとしては、洗い替えを考慮に入れて常に数枚以上を着まわす。そういう意味ではワイシャツもある程度の数量を持つことが必要となる。毎日着たきりすずめではビジネスシーンで悪い印象を与えてしまう。

一方、ジーンズだが、こちらは毎日穿き替える必要はない。
少々汚れても大目に見られる。
消耗品という側面が薄い。破れても裾が擦り切れてもOKである。
こうなると定期的な買い替え、買い足しはなかなか望めない。とくにジーンズが非トレンド化してしまえば、定期的に購入する理由はなくなる。

そうなると単純なSPA化というのはなかなか難しい。

ジーンズ専業メーカーによるSPAがなかなか大規模に育たないのは、そういう背景もあるのではないか。
SPA化を進めるには、一層の知恵が必要となる。

リーバイスに復調の兆し?

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 1月25日の繊研新聞によると、12月、1月と「リーバイス」が好調に推移しているという。
記事によると、12月に「501」を軸とした新たなクラシックモデルを投入したところ、1月までの売り上げは前年同期比60%増以上だという。商品の価格は1万1550円以上。

日本で「リーバイス」を展開するリーバイ・ストラウス・ジャパン社の決算は11月期であるから、12月の新年度開始とともに好調な出足だといえるだろう。

ただし、記事は「売り上げ」としか書いていないため、金額ベースなのか本数ベースなのかが少しわかりにくく感じる。もし、金額ベースであるなら「売上高」と書いてもらいたかった。

記事によると、今後はブランドの高級化路線、プロパー販売重視のビジネスモデル構築を進める。とある。

同社の斎藤貴社長はかつて「ラコステ」を日本で展開するファブリカの社長を務められていた。
その昔、15年ほど前までは「ラコステ」というとポロシャツの単品専業ブランドと、世間では認識されていた。
筆者はいまだに「ラコステ」はポロシャツブランドというイメージが払しょくできず、「ラコステ」でブルゾンやパンツ類などを買おうとはなかなか思えないのだが、実際はこの15年間でトータルブランドへと完全に脱皮できたと感じる。

「リーバイス」のブランド知名度は高いが、世間的に見ればやはり「ジーンズ専業ブランド」というイメージだろう。
もちろんトップス類を作られていることは存じているが、Gジャン類、ネルシャツ類、Tシャツ類以外はあまりバリエーションがなくファッションブランドとは雲泥の差があることも事実である。
今後、さらにブランド価値を高めるためには、「ラコステ」と同様にトータルアイテムを展開するファッションブランドへと進化することが望まれる。

そういう観点では、元「ラコステ」の斎藤貴社長は適任なのだろうと考えている。

新年度から明るい兆しが見えたが、手放しでは喜んでいられない。
リーバイ・ストラウス・ジャパンの24年11月期連結は

売上高97億円
営業損失9億円
経常損失8億5500万円
当期損失9億2000万円


と見通している。

23年11月期連結よりは赤字幅が縮小しているとはいえ、まだまだ楽観視できない。

また、「リーバイス」ブランドはこれまで本国の度重なる意向の変化に翻弄されてきたのも事実である。
ジャパン社の政策も5年間継続されたためしがない。
ジャパン社の歴代社長も2~3年で交代を余儀なくされている。

今の斎藤社長の方針は、高付加価値化であるため、すぐに成果が見えにくい。
米国本国が短気を起こして路線変更しないことを祈るばかりである。








リーバイスの型数半減は大賛成

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 リーバイ・ストラウス・ジャパンが今秋冬から型数を半減させる。

http://hibiryutu.blogspot.com/2011/06/blog-post_5753.html

記事によると、1万円以下の商品減らして、百貨店・セレクトショップ向けに1万~2万円の商品を増やすという。
また「505」「511」「551」の各シリーズでは生地製造から縫製、加工まで一貫して日本で手掛けるともある。


リーバイスが型数を減らすことは大いに賛成である。
逆に言えば、これまでの型数が多すぎた。
リーバイスに限らず、ジーンズ専業メーカーの悪い癖なのだが、非常に事細かにデザイン別・シルエット別の商品が企画される。
例えば、スキニー、スリムフィットストレート、タイトストレート、レギュラーストレート、リラックスストレート、ルーズストレート、タイトブーツカット、ルーズブーツカットなどなど、というように太さ細さのシルエットだけで何種類もある。ここにさらに、ポケットの仕様違いだとか、ファスナーの仕様違いだとか、少し切り替えの入った物だとかのデザイン違いの商品が上乗せして企画される。

しかし、冷静に考えてもらいたいのだが、そこまで微妙なシルエットの差が必要だろうか?
上の例で見ると、スリムフィットストレートとタイトストレートはどうちがうのか?おそらく、太さで1センチ前後の差しかない。フィットするためには「この1センチが重要」という意見もあるのは承知しているが、その「1センチ」に固執するマニア層が一体どれだけの人数存在するのだろうか?
おそらく、ごくごく少数であり、大半の消費者はスリムフィットとタイトストレートの違いをほとんど気にしていない。
同様にリラックスとルーズもさほど大きな差がない。
ならば、スキニー、細めストレート、レギュラーストレート、太めストレートの4つのシルエットに集約することが可能であろう。
ここにブーツカットを1種類だけ差し込んでも、シルエットは5種類に抑えられる。
極端な言い方をすれば、これまで10種類もあったシルエットはまったく無駄だったことになる。

しかし、リーバイスの今秋以降の戦略で問題点となるのが、型数を半減させ取り引き販路を絞るということは、必然的に「利益率は改善されるが、売上高が減少するだろう」ということになる。
これについては、リーバイ・ストラウス・ジャパンの首脳陣はある程度覚悟の上だと推測されるが、米国本社がどのように評価を下すか懸念が残る。
これまで米国本社は、日本市場の特殊性・地域性をあまり認めて来なかった経緯がある。

そして、販路を百貨店、セレクトショップへと絞るということだが、これも売上高は「良くて横ばい」ということになろう。彼らのジーンズ販売数量は、さほどに多くないからである。数量だけならライトオンやマックハウスなどのジーンズカジュアル専門店に遠く及ばない。
百貨店はおそらく、自主編集ジーンズ売り場での取り扱いになると思われるので、一定のまとまった数量が販売されるだろうが、委託販売であることが大きな懸念材料である。

また、セレクトショップにも問題がある。
たしかに、ショップ自体の訴求力はジーンズ専門店を上回るが、ことジーンズの販売数量と言うことになると極端に少ない。近年、ビッグジョンも「ビッグジョン」ブランド、「ディッキーズ」「ワールドワーカーズ」の3ブランドをセレクトショップで販売しているが、ブランドステイタスは向上したものの、販売数量はそれほど大きく伸びていないのではないだろうか。

以上の点から考えて
リーバイスの今秋冬戦略には賛成だが、問題点もいくつかある。
それをどう乗り越えていくのか、注目したい。
個人的見解では、リーバイスは、トータルアイテム化して直営店20~30店舗体制となったときが、一つの到達点だと考えているのだが。

廃番セール品を買い戻したリーバイス

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 2月25日の繊研新聞にリーバイ・ストラウス・ジャパンの齋藤貴・新社長のインタビューが掲載されている。
他の新聞・雑誌に比べてより具体的な内容となっているので、一部紹介したい。

1、まず低価格対応の5700円商品を廃止する。
2、店頭で値引き販売されている過剰な流通在庫を買い戻す。
3、30~40歳代向けのプレミアムブランド化する。


この3つが大きな骨子だと思われる。

あと、社内体制としては、リーバイ・ストラウス・ジャパン社は長らく、アジア・パシフィック・ディビジョンの管轄下にあったが、来年からこのディビジョンはなくなり、米国本社直轄となる。
また、香港に日本社のデザイン機能を移転していたが、米本社直轄で東京デザインセンターを立ち上げる。

ちょっとややこしい関係だが、齋藤社長のお言葉をそのまま引用すると「東京デザインセンターは米本社直轄で、ジャパン社とは独立した組織です。香港の企画機能が東京に移るわけでもありません。(中略)ジャパン社が日本向けの独自企画商品を直接、東京デザインセンターに依頼することはできず、米本社経由となるのですが」とのことである。

そこで、1カ月ぶりに天王寺のジーンズメイト、ヨドバシカメラ梅田店のライトオンを見て回った。ついでに北花田のイオンモール内のライトオンも見た。
1月末時点では、4900~5900円に値引きされたリーバイスの廃番商品が並んでいたのだが、3月頭の時点ではすべてなくなっていた。齋藤社長がおっしゃるようにすべて買い戻したと思われる。

この廃番値引き商品は、全国で相当な数量に上る。リーバイ・ストラウス・ジャパンは23年11月期決算で25億2300万円の純損失を見込んでいるのだが、廃番商品買い取りが大部分を占めると考えられる。


齋藤新社長とは面識がないのだが、リーバイスブランド再構築には適任ではないだろうか。かつて「ラコステ」ブランドを展開するファブリカの社長も務めておられた経歴がある。卸売りのポロシャツ単品ブランドだった「ラコステ」だが、トータルアイテム化と直営店化に成功している。
齋藤社長はそのノウハウをリーバイスにも使うおつもりなのだろう。


リーバイスのトータルアイテム化に期待したい。

苦戦を続けるリーバイ・ストラウス・ジャパン

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 アパレル業界・繊維業界以外の方々に、この拙いブログを読んでいただいているようだが、業界外の方々は「リーバイス」というブランドにどんなイメージを持たれているのだろうか?

自分の「リーバイス」に対するイメージは、リーバイ・ストラウス・ジャパン社は数年以上に渡って減収減益を続けている苦戦企業である。

ちょっと前置きが長くなってしまったのだが、
昨日、リーバイ・ストラウス・ジャパン社の2010年11月期連結決算が発表された。2009年までは単独決算だったが、2010年1月から子会社を含めた連結決算へと切り替わっている。


もう一般紙でもご存じの方も多いと思うが、改めて数字を並べさせていただく。

売上高131億6900万円
営業損失24億2500万円
純損失35億8700万円


と減収赤字拡大に終わった。

2009年11月期単独決算は
売上高171億3400万円
営業損失6億8700万円
純損失5億4700万円


だった。
また、2011年11月期連結は

売上高123億円
営業損失21億5300万円
純損失25億2300万円


と、減収赤字を見通す。

かなり厳しい状況にあると言える。

個人的には、頻繁な社長交代とそれに伴う頻繁なブランド方針の変更に原因があると思っている。


さて「リーバイス」というブランドのジーンズを愛しておられる方は、アパレル・繊維業界にも数多くいらっしゃるが、個人的に最近のリーバイス商品はあまり好きになれない。
馬鹿なこだわりなのかもしれないが、1万円前後する商品の生産地が「ベトナム」であるからだ。
以前は、中国製が多かった。

中国製食品に対しては不安が付きまとうが、こと衣服に関してはかなりレベルが高まっている。もちろん中国工場の腕の良しあしにもピンキリはあるが、下手な日本工場よりも良い製品を上げる中国工場も数多くある。そういう状況下で、例えば1万5000円のジーンズが中国製であっても「仕方ないね」と思える。

最近は、中国工場の人件費高騰から、ベトナム、カンボジア、バングラディシュ、パキスタン、タイ、インドネシア、インドあたりに縫製工場を移転する事例が多い。大雑把にわけると「中級・高額品=中国」「低価格品=アジア諸国」という使い分けになっている。
こうした現状から見ると、いくら「リーバイス」ブランドとはいえ、1万円前後(ジーンズでは中級品以上)の価格の商品をベトナムで生産していることに疑問を覚える。

OEM関連の方々からの情報では、中国に比べて、周辺アジア諸国の工場の技術はまだまだ低いらしい。人件費も安いので「低価格品=中国以外のアジア工場」という方式にならざるを得ないのが実情である。

それから、ジーンズショップの方々にお聞きすると「リーバイス」というブランドにこだわるお客さんは40代半ば以上が多く、20代・30代の方はブランドにこだわってないですよ。という。
そういう意味では「若者のリーバイス離れ」もブランド力低迷に一役買っているといえる。

「若者の○○離れ」が好きなマスコミが、どこかで報じないかと楽しみにしている。





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