南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

モンベル

4ブランドの軽量ダウンジャケット比較(番外編)

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 先日、モンベル、ユニクロ、無印良品、ジーユーの4ブランドの軽量ダウンジャケット比較の結果報告を行ったが、個人的に興味深かったのが各社のブランド織りネームの有無である。

まず、2990円と4ブランド中で最も定価の安かったジーユーは
襟裏にブランド織りネームとサイズネームがなかった。
これは単純に織りネーム代と縫製取り付け代をカットしたと推測される。
またこれによって、脱いだ後に襟裏を見てもどこのブランドかわからず、一種の匿名性が獲得できている。
「ユニバレ」ならぬ「ジユバレ」を防ぐ効果もある。

襟ネームなし


(ブランド織りネームもサイズネームもない襟裏)



ただし、ジーユーも販売枚数がそれなりに増えてきたので、
ブランドネームを見ずとも、デザインで「ジユバレ」する危険性があるのだが。

それとジーユーは首元のファスナーカバーがモンベル、無印とは逆で右側に付いていた。
これについての理由はわからない。
どなたかご存知の方がいたらご教授いただきたい。
もしかしたらあまり深い理由はないのかもしれない。

首元のファスナーカバー


(右側に付いたファスナーカバー)


次に、無印良品である。
無印良品はずっと以前からサイズネームのみを取り付けてきた。
そのスタンスは今も変わらない。

サイズネームのみ






しかし、近年、Tシャツなどの低価格アイテムにはサイズネームもなく、
襟裏にプリントしてある商品もある。
無印良品の中では比較的高額(6980円)な軽量ダウンにはサイズネームが付けてある。
これはTシャツなど単価が低いとネーム代と縫製代を吸収できないが、高額な物ならコストに吸収できるという考え方なのではないだろうか。

ここはまるっきりユニクロと逆の発想である。


さて、ユニクロだが、定価5990円のウルトラライトダウンの襟裏にはブランドロゴとサイズがプリントしてある。
織りネームを取り付けるという手法ではない。
一方、定価1990円のネルシャツにはブランド織りネームとサイズネームが縫い付けてある。
この関係性は無印良品と逆である。

襟ネームとサイズネームはプリント





ここからは推測だが、原則、織りネームを取り付けるのがユニクロのスタンスだが、
そこそこに高品質素材を使用したウルトラライトダウンは定価5990円に抑えるために、省略してプリントしたのではないだろうか。
さらに、友人が指摘した通り「7グラム軽くさせるための方策」でもあったのではないか。


この思想の違いが、現在のユニクロと無印良品の立ち位置を象徴しているように思えてならない。


モンベルは、定価が1万8800円なので、
ブランド織りネームもサイズネームもあるし、首元にはブランドロゴの刺繍まである。
これは価格的に見ても当然の措置だろう。


襟ネームとサイズネーム


首元には刺繍







今後、軽量ダウンはさらなる低価格化が進みそうな気配である。
量販店やホームセンターには、ジーユーを下回る定価1990円とか2560円とかいう商品がすでに陳列されている。品質的には高くないと思われるが、消費者からすると今後はよほどの上手い打ち出しをしないと、

軽量ダウン=低価格品

というイメージで同一視される危険性が高まってきたように思う。


その以前に、軽量ダウンでイオンやイトーヨーカドーなどの量販店が参入したことで、この商品群は終焉を迎えたとも考えられる。
保温肌着などはすでにその兆候が出ている。
ユニクロのヒートテックが量販店商品の中ではもっとも高額になってしまっている。

量販店各社が参入すると「その商品が終わる」という状況は、これからも変わることがなさそうだ。

4ブランドの軽量ダウンジャケット比較(後篇)

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 今日は4ブランドの軽量ダウンジャケット比較で、ユニクロとモンベルを採り上げたい。

ユニクロはご存知「ウルトラライトダウン」である。
昨日も書いたように4ブランドともMサイズで比較している。

ウルトラライトダウンはすべての部分で簡素化してある。
ただし、使用素材のクオリティは定価5990円の割に高い。
表面を覆う東レの開発素材のナイロンは高密度で薄く柔らかい。
中に詰めたダウンボールはフィルパワー640強ということなので、700以上を使用している本格的アウトドアブランドには及ばないものの、低価格ブランドのなかでは群を抜いている。

簡素化してある部分を挙げると
1、まず襟裏にブランド織りネーム、サイズネームがない。
プリントして済ませてある。

襟ネームとサイズネームはプリント

(ブランドネームとサイズネームはプリント)



2、前を閉めるファスナーの取っ手にリボンやテープがない。
ただし、無印良品と異なり、幅広い取っ手を使っているのでつまみにくさはない。

3、ダウンジャケットで多く見られる、襟元のファスナーカバーが無い。



ヒモがないファスナー

(ヒモがないファスナーと、省略された襟もとのファスナーカバー)



他社ブランドと比べて簡素化してあるところはこの3点だろうか。

筆者は当初、「製造工程を少なくすることで、縫製のコストダウンを狙ったのではないか」とレポートに書いて提出したが、その後、ジーンズOEM事務所を経営する友人から、
「コストダウンの側面もあるが、7グラムの軽量化のための措置ではないか」と指摘された。

これには目から鱗で、お恥ずかしいことだが完全に失念していた。

2011秋冬発売の「ウルトラライトダウン」の総重量は199グラムで、2010秋冬発売の商品よりも7グラム軽量化されている。
2010秋冬モデルは総重量206グラムだった。

筆者はこの7グラムの軽量化にほとんど意義を見いだせないのだが、先の3点によって7グラムの軽量化を果たしたと考えるべきだろう。


次はモンベルである。

モンベルは価格1万8800円にふさわしい商品だといえる。
中に詰められているダウンボールのフィルパワーは900で、総重量は145グラムだという。
フィルパワー900というと、他のアウトドアブランドよりも品質の高い最高級のダウンボールである。
総重量も最も軽い。

裾はゴムでパイピングされていないが、胸幅と裾幅が等しい寸胴なシルエットなので、窮屈感を感じずに閉めることができる。

あと、表面を覆う「バリスティックエアナイロン」も細い糸で高密度に織られている。

襟元にはブランドロゴの刺繍が入り、ブランド織りネーム、サイズネームも襟裏に縫い付けられている。

首元には刺繍

(襟元のブランドロゴの刺繍)




襟ネームとサイズネーム

(ブランドネームとサイズネーム)




首元のファスナーカバー
 
(襟元のファスナーカバー)



ファスナー

(ひも付きのファスナーの取っ手)






他の3ブランドと比べると値段もダントツに高いだけのことはある。
ただ、意地悪く言えば「他の3ブランドよりも高価格なのでこれくらいは当然」とも言える。


しかし、個人的には5990円でここまでの商品を販売したユニクロのモノづくりに驚きを感じる。
色が変だとか、デザインがモサっとしているとか、CMでの打ち出し方法がおかしいとか、気になる点はいくらでもあるが、黒や紺などのベーシックな色なら、普段着使いではこれで十分ではないかと思う。

現在、どの店頭でもユニクロは完売状態に近いが、定価も4990円に下がっている。
もし、気に入った色とサイズが残っており、値段も3990円に下がるなら非常にお買い得である。


今回の結果は

モンベル>ユニクロ>無印良品≒ジーユー

という評価を下した。

しかし、消費者側からのコストパフォーマンスなら

ユニクロ≧モンベル>ジーユー>無印良品

ではないだろうか。

ちなみにこの4ブランドに限らず、どの軽量ダウンジャケットにも、ダウンボールを詰めるダウンパックは使用されていない。そのため、縫い目や表面の生地から羽根が飛び出ることは覚悟しなくてはならない。

ただし、ダウンジャケットにもうこれ以上の軽量化は必要ないと考えている。
日本人の「軽さ」へのこだわりは、他国の人々に比べて異常である。
そこまで体がヤワなのだろうか?血流が悪く疲労がたまりやすい体質なのだろうか?

2012秋冬は意義のない軽量化競争ではなく、
品質やデザイン、色柄での競争を望みたい。






ダウンのフィルパワーあれこれ

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 ユニクロの商品について、さまざまな見方がある。
個人的には「デザイン性はないけれど、街着として着用するなら安い価格の割に、品質がそこそこ高い」ことに尽きると考えている。
品質は「そこそこに高い」けれども超高品質というわけではない。
ジーンズがその代表例だろう。スエットパーカの品質も高いが、価格にそれほど格安感はない。
一方、1500円のプリントTシャツは、素材が薄くなったのであまり品質は良くないと感じ始めている。

さて、値段の割に品質が「そこそこ良い」という物の中に「ウルトラライトダウン」もある。
最高気温が10度を下回る気候の中では、どうなのかわからないが、現時点の気候だと街着としては十分だろう。
ただし、バイクや自転車に乗るには保温力不足だし、登山などはもってのほかである。

ウルトラライトダウンが、中に詰めている羽毛の量を減らし軽量化に成功したことの理由の一つとして、フィルパワーの高い羽毛を使ったことが挙げられる。

さて、このフィルパワーについて書かれているブログがあるのでご紹介したい。
http://www.apalog.com/shohiguchi/archive/149

「フィルパワー」とは、「1オンスのダウンが何立方インチに(ぎゅーっと押されたダウンが自身の回復力で)復元するかを数値化したもの」。

とのことである。
フィルパワーが高ければ高いほど保温性の高い羽毛であり、少量でも保温性を確保できる。

ユニクロの「ウルトラライトダウン」のフィルパワーは640強。通常、プレミアムダウンと言った場合は550以上を指すという。

そして、本格アウトドアブランドはどうかというと、以下に引用する。

試しにこの「フィルパワー」について、アウトドアブランドを扱うスポーツメーカーの企画担当者に聞いてみた。確かに550以上が高品質で、640もあれば十分だろうということだった。しかし、まともなアウトドアブランドであれば通常、使用されるダウンの質は最低750~800レベルのものだ。ハイエンドになると850~900というものもまれに見掛ける。これは当然、雪山などアウトドアのシーンで着用することを念頭に置いているからだ。

今秋、アディダスの直営店で見つけた肉厚のダウンジャケットは800フィルパワーで、上代は4万4000円くらいだった。デサントの「マーモット」の800フィルパワーの肉厚ダウンジャケットは4万5000円だった。雪山に着ていけるレベルの高機能である。同じく「マーモット」でミドラーとしてのダウンジャケット、薄手のモデルで900フィルパワーが3万円だった。


とのことである。

ユニクロの「ウルトラライトダウン」は、各アウトドアブランドよりもフィルパワーが小さく、そういう意味では「品質的に劣る」と言える。しかし、定価が5990円なので、値段的に考えるとそこそこに品質は高い。3990円にまで下がればお買い得である。
色のトーンが気になる方は外で着ずに、室内着として利用すれば良い。

さて、個人的に価格と品質のバランスが最も良い薄手ダウンジャケットは、モンベルだと思う。
ストリートジャック12月号に紹介されている商品は、フィルパワーが900で、総重量が145グラム。価格は1万8800円である。
フィルパワーはマーモットと同じで、価格はその6割程度。総重量はユニクロよりも54グラム軽い。

モンベルはほとんどバーゲンがないので、定価で買うことがベストな選択だろう。




ウルトラライトダウンはインナーとして着てみては?

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 昨日、ツイッターでユニクロのウルトラライトダウンジャケットの話題が出たのだが、もともとウルトラライトダウンというのは、インナー用に開発されたダウンジャケットである。
本格的な冬山登山の場合、軽量薄手ダウンを着こんだ上から厚手のダウンジャケットを羽織る。
ユニクロの専売特許でも何でもなく、モンベル、パタゴニアなど主要アウトドアブランドから軒並みリリースされている。

しかし、ユニクロのウルトラライトダウンは安価に抑える目的から、縫製工程での省略が多く、スペックが低いため冬山登山には利用できない。完全なタウンユースアイテムである。

個人的には、原材料コストを削減するために内蔵する羽毛量を減らしただけの商品を「ウルトラライトダウン」というネーミングでごまかしているのではないかとも勘ぐっている。
タウンユースに限定するといっても、真冬にバイクや自転車に乗ると、ウルトラライトダウンでは保温できないと推測される。

現在、ユニクロの店頭のマネキンは、セーターやフリースの上から、このウルトラライトダウンを羽織ったコーディネイトで陳列されている。コーディネイトで言えば定番中の定番で、何の新鮮味もない。
もっと気温が下がれば、おそらく寒々しい印象を与える。

ツイッター上では、ウルトラライトダウンを本来の用途であるインナーとしてコーディネイトしてみてはどうか?という意見が出た。なかなか斬新なアイデアだと思う。
ウルトラライトダウンジャケットの上から店頭のマネキンにフリースやニットアウターを羽織らせてみてはどうだろうか?

もしくはウルトラライトダウンベストの上からジャケット類を羽織らせてみる。現在、「LEON」や「SAFARI」などのオッサン向けファッション雑誌では、テイラードジャケットの上からダウンベストを羽織るというコーディネイトが提案されている。
ジャケットの上に羽織るダウンジャケットは厚手の方がバランスが良く、ボリュームのないウルトラライトダウンジャケットには不向きだと思う。いっそのことウルトラライトダウンベストをテイラードジャケットの下に着るというコーディネイトを店頭で提案してみたら面白い。

ユニクロ広報の青野さん、一度本社に提案してみてくださーい。(^^

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