南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

フラムクリップ

こういうプロモーションもアリではないか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - こういうプロモーションもアリではないか
 先日、ニットブランド「フラムクリップ」の展示会にお邪魔した。
最近は業界紙以外の媒体にも引っ張りだこである。注目されているのはそのユニークな集客方法とプロモーションである。

今回のプロモーションのキャッチは「オクドナルド」。
御想像のように「マクドナルド」のパロディーである。

社長が奥ノ谷さんなので「オクドナルド」。特徴は1年のうち350日くらいを短パンで過ごしていること。
もちろん真冬でも短パンである。(おそらくプライベートでは真冬はフルレングスパンツを穿いておられるはず)

ニックネームは「短パン」。
真冬は短パンの上からロングコートを羽織っておられので、ちょっとした変質者にも見える。

プロモーションのキャッチは毎回変わるが、社長のお名前である奥ノ谷か、ニックネームの短パンかのどちらかに引っかけておられる。
今回は「オクドナルド」だったが、「オクデミー賞」のときもあったし、「短パン(ユニクロの暖パンのパロディー)」のときもあった。



top_main4


(衣装は自作らしい・・・・)


前回の東京展から、社長を囲む懇親会「おっくんとカンパイ」を開始して、今回は大阪でも開催された。
筆者は参加していないが。

この懇親会は、希望者なら誰でも参加できる。だから取り引き先である小売店も何店舗も参加している。
とうぜん、小売店同士の経営者は別である。
所謂、同業他社が仲良く参加するのである。

この懇親会は意外なことに好評なのだが、中には「値入率とかバレると嫌だから」と参加しない小売店もあるという。気持ちはわからないではない。
しかし、冷静に考えれば懇親会に参加せずとも、個別の商談の中では結構その手の情報は筒抜けであるのであまり神経質に考えない方が良いのではないか。


このプロモーションと集客方法を見てどう感じられるだろうか?
「面白い」と感じられる方もおられれば、「ふざけ過ぎてる」と不快感を示す方もおられるのではないだろうか。
しかし、世界的な超一流ブランドならクールに構えていても人は集まるかもしれないが、通常の中小アパレルがいくらカッコ付けてみても人は集まらない。

もちろん、ブランディングの手法は様々ある。
クールにし続けるというのもありだろう。ただし、その姿勢を貫き通して集客できるようになるまでには数年以上の年月がかかる。

それと、極端な言い方をしてしまうと
「商品自体は超高級品であろうと、無名ブランドであろうとそう大差はない」のである。


現在の店頭の商品を見てもらえればわかると思うが、
百貨店に並ぶ「そこそこ高い服」と、低価格SPAブランドの服にそう大きな違いはない。
バブル期のように安い服がどうしようもなくダサくて粗悪品であるという状況ではない。
ブランドタグが違うかどうか、価格が違うかどうかである。

それよりも違う方法で集客して認知を高める方が近道だ。
奥ノ谷社長の場合は、それが「楽しさ」であったり懇親会であったりということである。


アパレル、ファッション業界の主流ではないかもしれないが、ナチュラル感やファミリーテイストを売りにするブランドであるなら取り入れてみても損はない手法ではないだろうか。


暖パンと短パン

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - 暖パンと短パン
 POP作り、ダイレクトメール作り、チラシ作り、など一般的に販売促進と呼ばれる分野において、ブランド展開するアパレル企業はあまり上手くないと感じることが多い。

ブランドという看板があるからなのだろうか、とにかく気取り過ぎていて内容が伝わらない。

みなさん、こんなダイレクトメールを受け取ったことはないだろうか?
無地の横長のはがきに、一言「invitation」とだけ印刷してある。
その下には日付「12/6~12/8」としか書いていない。
差出人は発見しにくく、よしんば発見できたとしてもブランド名なのか社名なのか判別できない名前が書いてあるだけ。


デザイン面で見るなら、これは非常に「シャープ」で「クール」で「スタイリッシュ」である。
しかしダイレクトメールや招待状として見るなら、内容も差出人も分からないようでは、最低基準も満たしていない。
まったくの失敗作である。

理想論で言うならシャープでクールでスタイリッシュでありながら、内容が分かりやすいものを作るべきである。
しかし、デザイン性か内容かどちらかを犠牲にしなくてはならないとするなら、どちらを選ぶ方が正解だろうか。
どちらも正解であるが、個人的な好みで言うならデザイン性を犠牲にすべきではないかと考える。

内容は良く分からないがシャープでクールでスタイリッシュな招待状が出来上がったとしよう。
筆者の運営展開するブランドが「ルイ・ヴィトン」や「シャネル」ならそのまま採用する。しかし、ステイタス性がその域にまで達していない「なんちゃってブランド」なら、そんな招待状やダイレクトメールは採用しない。
分かりやすさを重視した内容にする。

さらに言うなら、世の中の大半が「なんちゃってブランド」である。
「なんちゃってブランド」が本格ブランドの真似をしたところで、その分かりにくい招待状やダイレクトメールが集客に役立つのだろうか?おそらく、本人たちが思っているほどは役立っていないのではないだろうか。


そんな中で、ダイレクトメールや招待状作りが面白いアパレルがある。
以前、一度このブログで紹介したことがあるフラムクリップだ。

http://furamuclip.com/


とにかく内容が分かりやすいと同時に「面白い」のである。
いつも何かのパロディ風の打ち出しがある。そういえば、以前の展示会では「社長のサイン会」を開催したところ、
多数のバイヤーが並んだという逸話もある。

そのフラムクリップが、年明けに開催する2012夏物展示会用の招待状を作った。
招待状に使う写真がこれである。

5e88c803-s[1]


さて、これは何のパロディかおわかりだろうか?
ユニクロの「暖パン」のビジュアルである。湖にたたずむ男性はフラムクリップの奥ノ谷圭祐社長本人である。
なぜ「短パン」なのかというと、奥ノ谷社長のニックネームが「短パン」であり、ほぼ年中を短パンで過ごしている。
正確に言うと、キャラクター作りのために1年の3分の2を短パンで過ごすことに決めていたが、最近はあまりにも知名度が高まってしまい、周りからの要望もあるためほぼ年中を短パンで過ごすようになってしまったという。

ユニクロのビジュアルと同じ中禅寺湖でロケを行い、奥ノ谷社長はビジュアルとまったく同じコーディネイトを着用している。もちろんこのために、ユニクロで一式買いそろえた。ちがうのはジーンズの長さだけである。

左手に持っているのは、短パンにするために切ったジーンズの裾だ。

このビジュアルを使った招待状が送られてきたらどうだろう?
圧倒的に目を惹くのではないだろうか。
そして、ここの招待状は、説明がいろいろと書かれてあって「分かりやすい」。

こういう社長のキャラクター作りや、パロディ的な打ち出しに対して「かっこ良くない」「三枚目路線すぎる」という批判があるのは承知している。やはり「アパレルブランドはカッコヨクあるべきだ」という意見も理解はできる。
しかし、個人的にはこういう「真剣なる悪ふざけ」は大好きである。
ともすると、筆者は悪ふざけのような人生を過ごしているので大いに共感できる。

それに、取りすまして気取ったビジュアルばかりを使っていて、ステイタスブランドに勝てるのだろうか?ユニクロのような大手企業の資本力に勝てるのだろうか?とも思う。
中小企業なら、まずインパクトありきで人を惹き付けるという販促もありではないのだろうか。

もしフラムクリップが何の変哲もない販促ビジュアルしか使わない企業なら、それほど企業規模も大きくないからアッと言う間に埋没してしまうだろう。そして一旦埋没してしまえばなかなか浮上できない。
「カッコ良さ」を犠牲にしてでもインパクトと分かりやすさを選んだのは、中小規模のアパレルとしては大英断だと思う。

次にはどのような「仕掛け」が飛び出すのか、今から期待している。

販促的見地からのHPを解説してみた

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - 販促的見地からのHPを解説してみた

 連続でDM,POPについて書いてきたのだが、今度は、藤村正宏さんのメルマガで紹介されていたアパレル企業、フラムクリップさんのHPについて。
メルマガを拝読してから、さっそくググってみた。

http://www.furamuclip.com/

けっこう人の目を惹きつける。
何よりも藤村さんの理論に忠実に従った作りになっている。
これだけ徹底して作成できるという実行力に感服する。

トップに社長の手書きのメッセージがある。
藤村さんは、手書き文字を重視されている。
印刷された文字が多い昨今だが、その中に手書き文字が入れば間違いなく目立つ。手書き年賀状が一際目につくのと同じだ。
自分は、めちゃくちゃ字が下手くそなので、なるべく手書き文字は避けたいのだが。。。。


次に「オススメ商品」のタブをクリックすると、
スタッフの顔写真入りでオススメポイントが書かれている。
例えば「キラキラ裾ボーダーチュニック」を見ると、

これがフラム的クリスマスSTYLE!
ラメ糸やフィラメント糸を用いたキラキラ・ふわふわなニットチュニック。

と手短にまとめられている。個人的にはもう少しいろいろと書きこんだ方が良い気もするが、その下に、

話題のMADE IN山形ならではの繊細なテクニックを駆使した一品で「イッツアパーリータイムよ♪」

とある。パーリータイムとは、人気アニメ戦国バサラに登場する伊達政宗の口癖で「パーティータイム」のことである。作中の伊達政宗はときどき英語を使う。
このニットが山形産地のものであることを伝えている。

これがフラム流の商品説明なのだろう。ユニクロなら「ニットの名高い産地である山形の工場で、繊細なテクニックで編みあげました。素材混率は○○が○%・●●が*%です」というような具合に書かれたはずだと想像する。企業それぞれの色で書けば良いのである。


フラムクリップのHPの最大の特徴は
「お客様の声」「小売店様の声」のタブがあることである。
とくに「お客様の声」は藤村さんのセミナーでは外せない重要要素である。実際に着用した消費者からの声がまとめられているのだが(もちろん良い内容のもので)、これを自社スタッフが「購入されたお客様も着心地最高ですとおっしゃっておられます」などと書くと最悪である。
なぜなら、スタッフが捏造して勝手にコメントを書いているのではないか?と疑う人が多いからだ。
だから、ここでは実名こそ出さないものの「熊本県 40代 マイユキさん」と個人名を出してコメントを掲載している。

この「消費者の声を直接掲載する」というのが、テクニックで、口コミ風の効果があり、読者に信用してもらいやすい。HP以外にカタログやチラシ、DMなどでも活用できるテクニックである。
もちろんアパレルだけではなく、食品、コスメ、ドラッグ類、雑貨、日用品と何にでも応用ができる。逆にどちらかといえば、アパレル以外のジャンルが得意として来た手法といえる。


消費者からの声を集める際に気をつけなくてはならないことがある。
藤村さんによるとハガキやアンケート用紙に「御意見・ご要望をお聞かせください」と書いてはいけないという。ましてや「私どもの至らない点をご指摘ください」や「お叱りの声をお願いします」などは論外である。

まず「御意見・ご要望をお聞かせください」と書いた場合、おそらく7割は批判的・否定的な意見や、無茶苦茶な「要望」が寄せられる。人間の反応は意外と素直なので、「御要望を」と書くと本当に自分の「要望」を書いてしまう(実現できるかどうかは別にして)。「御意見を」と書くと、否定的な意見を書く人が多い。
次の「至らない点をご指摘ください」や「お叱りの声を」などと書くと、本当に至らない点だけを指摘してくれる。本当に怒りの声を書いてくれる。

前向きな声が欲しい場合は「スタッフに励ましの声をお願いします」とか「当店に熱いメッセージをお願いします」と書くのが正解だという。本当に「励ましの声」や「熱いメッセージ」が送られてくる。





また「小売店様の声」というコーナーは良く考えられてあると思う。
例えば、ショップであれば「小売店様の声」を掲載する必要はないのだが、この会社は卸売りがメインなのだろう。小売店さんからの声を紹介することで、先ほどの「お客様の声」と同じ効果があるだけではなく、お得意様である小売店さんを宣伝告知してあげられるという効果もある。
この仕掛けはすごいと思う。

本当に、セミナーで学んだことを忠実に形にしておられる。
学ぶの語源は「真似ぶ」にあるというのが、高校三年生当時の担任の口癖だった。一旦学んだからといって忠実に「真似ぶ」ことはなかなかできるものではない。もちろん「真似ぶ」といっても「パクる」こととはまた別物である。

チラシ、店頭POP、DMなどの販促ツールを作るときにこのテクニックを採り入れてみられてはどうだろうか?

PR
PR






記事検索
livedoor プロフィール
タグクラウド
QRコード
QRコード