南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

チャンピオン

ロゴTシャツブームで売上高が伸びたブランド

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 閑話休題的な意味も込めて、たまには景気の良い話でも。

今夏は往年の懐かしいブランドのロゴTシャツが売れた。
まあ、いわゆるちょっとしたブームだったといえる。

中でも目に付いたのがチャンピオンとリーだ。
チャンピオンのブランドロゴ入りTシャツなんて、中学・高校の部活の練習着のイメージしかない。
リーのロゴ入りTシャツなんてその昔は珍しい物でもなんでもなく、普通にフロムUSAやら三信やらイズミヤの平場に並んでいて、地元の中高生のユニフォームのようなカジュアルウェアだった。

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(リーの来春夏企画)


だからチャンピオンにしろ、リーにしろロゴ入りTシャツを見かけるたびに地元のちょっとダサめ中学生・高校生と重なって仕方がない。
若い人が着るから「新鮮」に見えるのであって、オッサンが着たなら、まちがいなく「30年前の部活の練習着を保管していたのか?物持ちが良いですね」といわれるだろう。

このブログでも触れたことがあるように、今夏はファッションビル内を歩くとショップはチャンピオンとリーだらけだった。

リーを展開するリー・ジャパンはエドウインの傘下企業である。
で、エドウインの営業マンに質問したところ、リーのロゴTシャツの今夏売上高は驚異的な増え方を見せたという。
ブランドロゴTシャツブームの影響もあり、エドウインロゴ入りTシャツ、アルファインダストリーロゴ入りTシャツも驚異的な増え方だったそうで、その3ブランドのロゴ入りTシャツの売上高は、前年比で何倍増という伸び率だったとのことである。(もちろん、これらのブランドはそれまでトップス売上比率が低かったからという要因もある)

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(エドウイン、アルファインダストリーの来春夏企画)


完全にブームに乗れたといえる。

しかし、このブームが終わると反動は必ずあるだろう。
ブームが続いているうちにそれぞれのブランドのトップスを強化しなくてはならない。
そうでないとブームの終了とともに売上高は激減するからだ。

それでも暗い話がほとんどの衣料品業界においては、ロゴTシャツブームというのは数少ない明るい話といえるだろう。

それにしても、中高生の部活の練習着が一躍人気ブランドになるというのは、オッサン世代からするとなんだか釈然としない。

エドウインの営業マンによると、エドウインブランドやアルファインダストリーのロゴTシャツが伸びたのは、ロゴブームに加えて2000円前後という比較的買いやすい販売価格のおかげもあったとのことで、たしかに半袖Tシャツが1枚5000円もするなら、ちょっと買う気がなくなる。

よほどのセレブか服マニアかだろう。

一般人が奮発して買える半袖Tシャツの値段というと2000~3000円台で、5000円を越えるとちょっと厳しい。
7000円以上はよほどのマニアかセレブかしか買わない、と筆者は思っている。

エドウインやアルファインダストリーの売れ方がそれを証明しているのではないか。

ちなみに筆者の半袖Tシャツはだいたいが値引きセールで500~1000円になったもので、ユニクロ、無印良品、ライトオンの3ブランドで8割以上を占める。
値引き後1500円以上の半袖Tシャツはもう何年間も買っていない。

となると、以前に筆者がブランドスタート時になんだかんだと手伝った国産Tシャツブランド「ナインオクロック」の価格設定はまあ妥当なところだといえる。

ただ、今夏のロゴTシャツブームに反して、このブランドは無地Tシャツでスタートしたので、そのブームの恩恵は被っていない。

そのナインオクロックが今月クラウドファンディングに挑戦している。
目標100万円ということだが、正直なところ目標設定は50万円にしたほうが良かったのではないかと思った。

http://ishiwari.iwate.jp/pj/IswS2701440

1枚3000円のTシャツなので、コースがいろいろとあるとはいえ、客単価は3000円だと考えたほうが良い。
100万円を達成するには300人以上の支持がなくてはならないので、無名の新規ブランドとしてはちょっとハードルが高い。
逆に無名の新規ブランドでも100万円を達成したブランドはいくつもあるが、それらは商品単価が高かった。
最低でも7000~8000円、平均は1万円を越えていた。
となると、100人の支持で達成できる。

まあ、今から言っても始まらないので、残り日数で達成してもらいたいと思う。

とはいえ、現在54万円以上が集まっている。
ラスト、といってもあと5日ほどしかないが46万円弱を集めてもらいたい。
興味のある方は冷やかしも含めて協力してあげてはどうだろうか。

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(筆者の一番好きなナイクロのディスプレイ)

筆者は草葉の陰から見守りたい。












犬も歩けばLeeとチャンピオンに当たる

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 久しぶりにファッションビル、セレクトショップを覗いた。
夏バーゲンの中だるみの時期である。
店頭はほとんどバーゲン品だが、目ぼしいものはあらかた売れてしまったが、もう一段の値下げはまだである。
晩夏・秋冬向け新商品はそれほど入荷していない。
そんな時期である。

8月に入ったらもう一段の値下げに入るが、それまでは中だるみの時期が続く。

商品の見た目も品質も、低価格ブランドとそれほど変わらなくなったから、2005年以降ファッションビルブランドでセール品を買うことが少なくなった。
2010年以降は百貨店ブランド、ファッションビルブランドで商品を買っていない。
2010年以降に買ったのは、ユニクロ、ライトオン、ジーンズメイト、無印良品、レイジブルー、GAP、バナナリパブリック、ジーユー、ウィゴー、チャオパニックティピー、グローバルワーク、ZARA、イトーヨーカドー、西友である。
しかも全部値引き品だ。定価では1品も買っていない。


それはさておき、買わないが、ときどきはファッションビルも覗く。


今夏、ファッションビルのテナントに入店しているセレクトショップ系チェーン店で目に付いたのが「Lee」と「チャンピオン」のダブルネーム、別注品の多さである。

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デニムとコーデュロイのクラッチバッグ



猫も杓子もLeeとチャンピオン、犬も歩けばLeeとチャンピオンに当たる、そんな感じである。

独立系デザイナーやら小規模ブランドは資本力がないから、直営店を複数まとめて出店することは難しい。
必然的に卸売りで売上規模を拡大するということになる。
専門店やセレクトショップに向けて卸すことになるが、その際、問題になるのが「バッティング問題」である。
野球のバッティングではない。そんなものは張本勲にでも任せておけば良い。

英語のスペルはまったく同じだが、「予定などがかち合うこと。物事が競合すること」という意味もある。
業界でバッティングというとこちらのことを指す。

要するに近隣店や競合店に同じ商品が入荷するのを嫌うということである。

隣り合った店に卸すことはさすがに避けた方が良いとは思うが、少し離れた(といっても3キロ~5キロくらい)離れた店に卸すことまで禁じようとするのはどうかと思う。
ケツの穴の小さい店は、業界外の人が想像するより多い。

衣料品不振といわれる状況だから百歩譲って、そういうことを言い出す気持ちはわからないではない。
わからないではないが、じゃあ、このLeeとチャンピオンであふれかえっている店頭をどう説明するつもりなのか?

自分たちが争ってLeeとチャンピオンの商品を並べたのだろう。
同じフロアにそれを扱っている店舗が何店舗もあるというのに。
これこそ究極のバッティングではないか。
それでよくぞ、小規模ブランドに「バッティングが~」と抗議できたものだと呆れ果てる。

自分らが勝手に同質化しているくせに。

これはまた別途書いてみるが、先ごろ話題となった経産省からの提言には、「無難な売れ筋追求に終始して同質化した」とあったが、それはメーカーだけの責任なのか。
小売店は放っておいても勝手に同質化しているではないか。

さらにいうなら、メーカーがいくら「変わったもの」を作ろうと、販売する小売店がそれを拒否するなら、そういう商品は店頭に並ぶことがない。
経産省も業界のエライサンも何か勘違いしているんじゃないか。

経産省も業界のエライサンも基本的に物作り脳しか持ち合わせていない。
だからいまだに「個性的な商品を作る」ことだけを重点的に考えているのだが、いくら作っても小売店や流通業者がそれを選択しなければ結果は同じなのである。
店頭にそういう物作り脳の人々が好むような「個性的な商品」は並ぶことがない。店頭に並ばないということは消費者の目に触れる機会はほぼなくなるということだ。

これだけLeeとチャンピオンで同質化しておきながら、「バッティング問題」を言い出す小売店側の身勝手さにも驚くばかりだ。

こういう店頭の同質化は今にはじまったことではない。
何年も前から変わっていない。並んでいるブランドがそのシーズンによって異なっているだけである。
ラベンハムだったりニューバランスだったりノースフェイスだったりしただけのことである。

小規模ブランドをバッティングで締め上げながら、人気ブランドはバッティングを気にせずに店頭に並べる。
そういう小売店は自らは気が付いていないだろうが、ブランドにおんぶに抱っこの状態である。

ブランドに頼り切っているだけだと、自らカミングアウトしているに等しいことになぜ気が付かないのか。

「ブランドを並べていたら売れる」という高度経済成長かバブル期の思考から抜け出せていないのが、そういう店のスタッフであり、バイヤーであり経営者である。
そういう店は実は存在価値がなくて、現在の顧客は店ではなく、品ぞろえを評価しているだけなのである。

しかし、もし、同じ品ぞろえの店があれば、その店はまったく要らないということになる。
同じ品ぞろえでさらに値引き販売する店が近隣にできればすぐさま潰れる。

「他店で人気があるから」とか「世間的にブームだから」とか「有名店や大手で扱っているから」とか、そういう理由だけでLeeとチャンピオンを並べることに何のためらいも感じない小売店に、小規模ブランドをバッティングで縛る資格はまったくない。

















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