南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

タイガー

管理の行きとどかなさが魅力か?

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 人気店のヨイショ記事ばかりでは面白くない。
そう思っていたときに、産経新聞に雑貨店「タイガー」の記事が掲載された。
ちょっとした批判も盛り込まれており、「スゴイ」を連発する提灯記事よりはよほど面白かった。

人気雑貨店タイガーの不思議 いつも売り切れ…店員も売れ筋を知らなかった!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121008-00000512-san-bus_all


この中で最も売れている商品はどれなのか、とたずねると、広報担当者はしばらく考えた上で「…ありません」と回答した。どういうことなのか。「よく売れる商品は、すぐになくなるから」という。

(中略)

POS(販売時点情報管理)システムが浸透した家電量販店、カジュアル衣料品チェーン、スーパーなどに慣れた日本人にとってはやや杜撰(ずさん)に映る。また、オープンから数日で商品在庫がほぼ空になり、「日本でこんなに人気が出るとは想像していなかった」(同社関係者)と話し、1カ月近くにわたって営業休止するのは、マーケティング不足の何ものでもない。

 しかし、意外にも「いつも欲しい商品が売り切れている」「いつも入店に時間がかかる」という状況が結果的に限定品好き、行列好きの日本人の心をくすぐっているのもまた事実だ。売れる戦略を徹底する日本企業に比べ、やや杜撰なタイガーの経営は、いつまで日本の消費者に受け入れられるのか。流通関係者は今、タイガー人気の行方を注視している。


とのことである。

今でも店前を午後4時ごろに通ると、警備員が「本日の入店は終わりました」と叫んでいる。
じゃあ、店内は激コミかというとそうでもない。どっちかというと客入りが少ない場合も多い。
一体どんな基準で入場制限をかけているのかさっぱりわからない。


大阪市内に何店舗かできるまではこの正体不明の混雑ぶりは続くのではないだろうか。
現在の人気ぶりは「限定好き」という日本人の性質に沿ったものであるように思う。
また、オープン当初から臨時休業を繰り返していたのは記事中にあるように明らかにマーケティング調査不足だし、店が営業できないほど品薄になるのは物流システムがお粗末だったからとしかいいようがない。


ただ、ある程度システマティックに組み立てられた国内ブランド各社の売れ行きが不調なことに対して、ほとんど杜撰ともいえるシステムで売れ続けるタイガーは一つの違ったモデルを提供しているのかもしれない。

しかし、これも国内1店舗という体制だからこそ起きる現象である可能性が高く、複数店舗を展開するようになったときに果たして各店舗の売れ行きが好調ぶりを持続できるかどうかはかなり不透明だと言わざるを得ないだろう。

アメリカ村復活のきっかけになるかな??

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 先日、東京から出張してきたデザイナーにアメリカ村で会った。
彼らの感想が面白かった。
「ダボダボのBボーイスタイルの人がたくさんいてびっくりした。あんなかっこうの人は東京ではほとんど見かけなくなりましたよ(笑)」。

ここでいうBボーイスタイルとはヒップホップ系のファッションを指しており、10年ほど前までは、ダボダボのパンツにダボダボのTシャツを着用するというのが定番だった。
しかし、トレンドがタイトシルエットに移るにつれて、そういう人たちは徐々に姿を消して行った。
今もヒップホップテイストを好む人はいるようだが、その昔に比べるとずいぶんとジャストサイズの服を着用するようになっている。

こういう背景があり、先ほどの感想につながる。
東京都心ではヒップホップ系ファッションの人自体が少なくなり、ごくまれに見かけたとしてもジャストサイズの服を着用していることが多い。

しかし、アメリカ村には希少種の往年のヒップホップスタイルの人が多数存在しており、東京から来た彼らの目を惹いたというわけである。

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(希少種のヒップホップスタイル)


昔は大阪のファッションの中心といわれたアメリカ村だが、今はそうではない。
何しろ全国的に絶滅したと思われている希少種が多数生き残っているほど、トレンドとは無縁の地域だ。

今は安物を叩き売るような店ばかりだし、まともなブランドはほとんど退店してしまった。
以前なら「タケオキクチ」「ボイコット」「無印良品」「ビームス」「ユナイテッドアローズ」「シップス」「アーバンリサーチ」「ディーゼル」というような錚々たるブランドがアメリカ村内に店舗を構えていたが、今では「アルマーニエクスチェンジ」「ラブレス」「アディダス」「アメリカンアパレル」「アグ」くらいだろうか。

その彼らだっていつまで店を構えているかはわからない。


で、ここからが本題なのだが、9月22日、デンマークの雑貨ショップ「タイガー」が1ヶ月強の休業から再オープンした。
この辺りのくだりは、日経トレンディの記事が詳しいのでそちらに譲りたい。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120921/1043725/

「タイガー」というブランドは、アメリカ村内にオープンしたショップとしては、久しぶりの大ヒットブランドだと思う。
先年、ムートンブーツブランド「アグ」がオープンしたが、タイガーほどの大騒動にはならなかった。
タイガーの店舗運営は、日経トレンディの記事内でも指摘されているように商品供給に危うさが付きまとっている。しかし、アメリカ村でこれほどの成果を挙げたブランドは本当に久しぶりである。


オープン当日に行列ができるのは当たり前。
行列ができたからといって、その後も売れ行きが好調とは限らない。
そんな事例はここ数年掃いて捨てるほどある。そのうちにひっそりと閉店している。

だからオープン当日の「○○人が行列を作った」という記事は別に興味が無い。
タイガーは商品供給や、店内オペレーションのまずさがあったとはいえ、その後も行列が出来続けた。
そういう意味ではこの注目度は本物だろう。それがいつまで続くかはわからないけれども。


もしタイガーがこのまま成功すれば、アメリカ村にもう一度、ブランドショップがある程度戻ってくるのではないかと期待をしてしまう。

タイガーを起爆剤としてアメリカ村が再構成されることはありえるのだろうか。
注意深く眺めてみたい。

糸を雑貨店で販売してみては?

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 最近、糸メーカーと知り合う機会が増えた。
彼らは生地メーカーに糸を販売することを主体としている。
生地メーカーはその糸で生地を製造し、アパレルや商社に販売する。

糸メーカーの方々に話を伺うと「我々は生地メーカーに販売することしかできない」という答えが返ってくる。
たしかにそれが一番王道だとは思うが、業績が伸び悩んでいるなら、まったく違う販路を開拓してみてはどうだろうか?

これまでからも手芸用品店などに販売されたことはあったかもしれないが、それをさらに一歩進めて雑貨店や100円ショップなどへの販売を模索してみてはどうか。


現在、無期限休業中の雑貨ショップ「タイガー」の内覧会にお邪魔したとき、けっこう広めのスペースで糸やリボンが売られているのを見た。
「タイガー」らしくカラーバリエーションが豊富で、ビビッドなカラーが多い。くすんだような色はあまりなかった。

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(タイガーで販売されている糸)






日本の雑貨ショップでも糸をこのような形で販売することは可能なのではないかと思う。


生地に関しては「メイドインジャパンの物が欲しい」という手芸ファンが数多く存在する。
国内でもいまだに糸を製造しているメーカーがある。(原料の綿花などは輸入だが)
これを「メイドインジャパンの糸ですよ」とそういう消費者層に販売することは不可能だろうか。


先日の「タイガー」内覧会でそんなことをふと思った。

マスコミは煽りすぎじゃないか?

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 自分がマスコミの片隅に身を置きながら、どうにも国内の報道に違和感を感じる。
とくに衣料品・ファッション関係の報道は針小棒大に「持ち上げて」それで終わりだ。
一部の媒体や記者を除くと追跡報道も突っ込んだ取材もあまりない。

先日から、デンマークの雑貨ショップ「タイガー」の顛末をしつこく書いているのは、それに対する抗議の意味もある。
スゴイスゴイと持ち上げておいて、何度も臨時休業を繰り返す原因については深く報道しない。
挙句の果てには、国内最大手の100円均一ショップ「ダイソー」まで脅かすのではないかという論調まで飛び出したのには驚くほかなかった。

そういうわけで、先日(8月17日)、ユニクロがアンダーカバーとのコラボ商品「UU」最終コレクションの先行発売を開始したのだが、この論調もにわかには信じられずにいる。
いわく、

銀座店には開店前から300人が行列をなし、売り切れアイテムが続出

と伝えられている。銀座店の様子は事実だろう。
しかし、これを持って「UU」は今秋冬物が爆発的に売れる。とは思えない。
現に、そこらのユニクロにだって今春夏物の「UU」は格安に値引きされて何型も残っているじゃないか。
無地の半袖Tシャツが790円に値下げされてるじゃないか。
ボーダー柄の半袖ポロシャツは残っているじゃないか。



実は昨年秋の「+J」の先行販売の報道を目にしたときには、その勢いが全店で続くのではないかと信じていた。
ところが、一部の商品は今年1月、2月までで売り切ることができたが、その他の商品はけっこう残っていた。
さらに言うなら、つい最近まで、昨年春夏物の「+J」が値下げされて販売されていた。

ちなみに昨年9月8日に、「+J」の先行販売会が行われたのだが、そのとき、

ユニクロ銀座店に長蛇の列

と報道されている。

今回の「UU」先行販売会の論調とそっくりではないか。

思い起こせば「+J」のファーストシーズンはかなり好評だった。
多くのアイテムが早い時期に完売した。
しかし、セカンドシーズン以降は店頭在庫を見ている印象では、通常のユニクロ商品並みの売れ行きだったと感じる。シーズン終盤になるまでほとんどのアイテムが品切れを起こしていなかった。

そして個人的には、ラストシーズンの「UU」は昨年秋冬の「+J」と同等に在庫が残ると見ている。

こういう状況を見ていると、「好調」という報道がどこまで真実を伝えているのか甚だ疑問を感じる。
昨年夏に煽りまくったステテコはどうだ?今夏は各量販店が投げ売りしているじゃないか。590円とか690円にまで値下がりしてるじゃないか。それでもまだまだ店頭在庫は残っている。


個人的に、ファッション関連の報道、とくに特定のアイテムや特定のブランドが「売れている」とか「絶好調」という報道は参考程度に聞き流すようにしている。
煽るだけがファッション報道ではないと思うのだが。
それに、マスコミが煽ってブームを起こすなんていう手法は90年代で終わっている。
意識的にか無意識的にか、日本のファッション報道はまだ煽り体質が色濃く残っている。それがどうにも鼻についてならない。



「タイガー」の無期限休業で、年内あと2店舗出店するのは難しくなったのでは?

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 先週、金曜日に雑貨ショップ「タイガー」が二度目の臨時休業したことを書いた。
8月16日~18日の3日間休むということだったが、その後、本当に休業することとなってしまったようだ。
驚くことに再オープンは未定だという。いやはや。(; ̄Д ̄)

http://www.fashionsnap.com/news/2012-08-18/tiger-osaka-close/

デンマーク発の雑貨チェーン「Tiger(タイガー)」の日本第1号店「タイガーコペンハーゲン アメリカ村店」が、臨時休業を発表した。7月21日のオープン以来、想定以上の来店客数による品薄状態のための臨時休業は2度目。再オープンは未定となっている。
(中略)

当初は3日間の休業としていたが、17日に「しばらくの期間臨時休業」と発表した。



とのことである。

さて、金曜日に書いたことだが、日本での運営オペレーションを根本から見直す必要がある。
まず商品投入量を増やすこと、そして店内の一方通行を止めることである。
これができない限りは何度でも入場制限と臨時休業を繰り返すことになる。

今回の長期臨時休業は、「タイガー」というブランドへの渇望感を消費者に与えることになり、
再オープンの際は、熱狂的に迎えられることになる可能性が高いのではないか。
しかし、気になるのは「再オープンは未定」という部分である。
例えば、「9月中旬」とか「今秋」とか「12月」というようにある程度具体的な日程を提示した方がよかったのではないだろうか。それすら目途が立っていないということだろうか。

この長期休業という手段は今回限りにすべきである。こんなことが何度も続くようでは消費者から見放されてしまう。



さて、お盆前に日経ビジネスデジタルに寄稿した際にも書いたように、こんな調子では「タイガー」が「ダイソー」を脅かすことはありえないだろう。
そもそも「タイガー」が「ダイソー」を脅かすというのは贔屓の引き倒しも良いところで、まったく比較対象にならない。

「ダイソー」は生活に密着したアイデア日用雑貨を安く販売する店だ。
「タイガー」はファッション志向の雑貨を販売する店で、用途不明の商品も数多く置いている。
「タイガー」が国内30~50店舗くらいになれば多少の影響はあるかもしれないが、消費者は用途に応じて「タイガー」と「ダイソー」を使い分けるだろう。
現時点だって、「ダイソー」にファッション性のある雑貨類を探しに行く消費者の方が稀である。

「タイガー」がある程度の店舗数になって影響を受けるのは、
パルの「スリーコインズ」やファイブフォックスの「モノコムサ」、三日月百子の「ミカヅキモモコ」あたりである。
「タイガー」の店舗数が増えれば、上記あたりは壊滅的打撃をうけるのではないだろうか。

しかし、今回の無期限休業によって「タイガー」の日本展開は遅れが生じたのではないかと考えている。
順調にいけば、年内にあと2店舗大阪に出店するはずだったが、今からまたアメリカ村店の再構築に取りかからねばならない。
筆者は年内にあと2店舗出店することは難しいのではないかと見ている。



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