南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

ウルトラライトダウン

年間定番化?

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 4月末から気温が上昇し始めて関西では夏日が多くなった。

4月末にユニクロを覗いて、「オヤっ?」と思うことがあった。
ウルトラライトダウンジャケットとウルトラライトダウンベストが陳列されたままになっていた。
気になったので大阪市内の複数店舗を廻ってみたが、そのいずれにも陳列されていた。
特定の1店舗だけということではない。

そして5月に入っても相変わらず陳列されたままである。

写真





昨年までなら、3月末までには売り場から撤去されていたが、今年は5月19日現在でも陳列されたままである。

これに対して、消費者へのグローバル対応ではないかという意見がある。

たとえば、現在、寒い国や地域へ旅行をする人たちに向けたものではないか?という意見である。
海外だと冬に水着を売っているブランドがあり、それはクリスマス休暇で暖かい国に旅行する人に向けたものだそうだ。
それと同じことではないか?というわけである。


なるほど。
まあ、そういう需要もなきにしもあらずだろう。


これに対して、予想以上に売れ残ってしまったので格納するためのスペースがないという見方もある。


しかし、いずれにしてもユニクロは昨年までは、早ければ7月中旬、遅くとも8月上旬にはウルトラライトダウンを店頭投入していたので、今年は年間通じてウルトラライトダウンが店頭に並び続けるということになる。

現在が5月20日なので、今から格納したとしてたった2か月ほどしか期間がない。
わずか2か月のために今から格納するというのは考えにくいし、手間も運送料ももったいない。
このまま、正式な今秋冬モデル投入まで陳列し続けるのではないかと推測する。


体感気温に応じた商品しか売れないといわれる状況下で、ウルトラライトダウンがほぼ年中並んでいるユニクロの店頭はこれまでの常識を大きく覆すことになる。

それにしても、ウルトラライトダウン以外のほかの冬物、たとえばウールのセーター類、ウルトラライトではないダウンジャケット類、フリース類は格納したのだから、その際に一緒にウルトラライトダウンも格納しても良かったのではないかとも思う。

ウルトラライトダウンだけを売り場に残した理由はちょっと見えづらい。
薄手なので、12月と平均気温が同じ3月には必要だろうと考えたのかもしれない。
4月の頭も毎年、寒波が来る。花冷えというやつだ。
で、すっかり暖かくなるのは4月20日ごろになるのだけど、そのころになるとゴールデンウィークが間近に迫っている。

で、「よく考えてみると、あと3か月程でまた店頭投入するのだからこのまま陳列し続けよう」ということになったのだろうか?

このあたりは推測でしかないのだけど。

まあ、そんなことはさておき、年間定番化したウルトラライトダウンをお楽しみください。( ̄ー ̄)ニヤリッ

細部ディティールと付属品でコストを下げるウルトラライトダウン

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 今月発売するモノ批評系雑誌「MONOQLO」(晋遊舎発行)でユニクロ、ジーユー、無印良品、モンベルの軽量ダウンジャケットを比較検討させてもらった。
その結果は発売後の誌面を見ていただきたい。

比較検討のためとはいえ、4枚の不良品でもないダウンジャケットを切り裂くのはなかなか心が痛んだ。
クウウウゥー(>_<)

その中で、今回はちょっと気付いたことをまとめたい。

ユニクロのウルトラライトダウンジャケット(定価5990円)についてだが、
全体のナイロン素材も、内蔵されるダウンボールもそこそこに品質が高い。
もちろん最上級ではない。
おそらく、ナイロン素材とダウンボールの品質が高いということは、それなりに原価も高いということになる。
そのため、他の部分でコストダウンを図っており、定価5990円に抑えていることを改めて感じた。

まず、ブランドロゴネームとサイズネームがなく、プリントしてある。
無印良品は元からブランドロゴネームが無く、サイズネームのみなのだが、低価格のカットソー類はコスト削減の目的からプリントしてある場合が多い。しかし、比較的価格が高い(6980円)ダウンジャケットには、サイズネームが縫い付けてある。おそらくコストが吸収できると考えたのだろう。
ここがユニクロと無印良品の大きな違いだと思う。

襟ネームとサイズネームはプリント
 


次に、ファスナーの取っ手にリボンテープやヒモなどが付いていない。
取っ手部分が幅広いので指でつまんでジップアップするのには支障がない。

3番目に、襟もとに縫い返したファスナーカバーがない。
モンベルや無印良品にはあるから、これも工程の1手間を減らすことによってコストダウンを図ったと考えられる。


ヒモがないファスナー





高品質素材を使って細部ディティールと付属品でコストを下げるというユニクロの考え方が如実に表れている商品だと思う。
個人的には5990円はかなりコストパフォーマンスに優れた商品だと感じる。
とくに期間限定で3990円に下がったときには必買であろう。


現在は真冬であるから、ウルトラライトダウンの上にもう1枚ジャケット類を羽織ることをお薦めしたい。




ダウンのフィルパワーあれこれ

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 ユニクロの商品について、さまざまな見方がある。
個人的には「デザイン性はないけれど、街着として着用するなら安い価格の割に、品質がそこそこ高い」ことに尽きると考えている。
品質は「そこそこに高い」けれども超高品質というわけではない。
ジーンズがその代表例だろう。スエットパーカの品質も高いが、価格にそれほど格安感はない。
一方、1500円のプリントTシャツは、素材が薄くなったのであまり品質は良くないと感じ始めている。

さて、値段の割に品質が「そこそこ良い」という物の中に「ウルトラライトダウン」もある。
最高気温が10度を下回る気候の中では、どうなのかわからないが、現時点の気候だと街着としては十分だろう。
ただし、バイクや自転車に乗るには保温力不足だし、登山などはもってのほかである。

ウルトラライトダウンが、中に詰めている羽毛の量を減らし軽量化に成功したことの理由の一つとして、フィルパワーの高い羽毛を使ったことが挙げられる。

さて、このフィルパワーについて書かれているブログがあるのでご紹介したい。
http://www.apalog.com/shohiguchi/archive/149

「フィルパワー」とは、「1オンスのダウンが何立方インチに(ぎゅーっと押されたダウンが自身の回復力で)復元するかを数値化したもの」。

とのことである。
フィルパワーが高ければ高いほど保温性の高い羽毛であり、少量でも保温性を確保できる。

ユニクロの「ウルトラライトダウン」のフィルパワーは640強。通常、プレミアムダウンと言った場合は550以上を指すという。

そして、本格アウトドアブランドはどうかというと、以下に引用する。

試しにこの「フィルパワー」について、アウトドアブランドを扱うスポーツメーカーの企画担当者に聞いてみた。確かに550以上が高品質で、640もあれば十分だろうということだった。しかし、まともなアウトドアブランドであれば通常、使用されるダウンの質は最低750~800レベルのものだ。ハイエンドになると850~900というものもまれに見掛ける。これは当然、雪山などアウトドアのシーンで着用することを念頭に置いているからだ。

今秋、アディダスの直営店で見つけた肉厚のダウンジャケットは800フィルパワーで、上代は4万4000円くらいだった。デサントの「マーモット」の800フィルパワーの肉厚ダウンジャケットは4万5000円だった。雪山に着ていけるレベルの高機能である。同じく「マーモット」でミドラーとしてのダウンジャケット、薄手のモデルで900フィルパワーが3万円だった。


とのことである。

ユニクロの「ウルトラライトダウン」は、各アウトドアブランドよりもフィルパワーが小さく、そういう意味では「品質的に劣る」と言える。しかし、定価が5990円なので、値段的に考えるとそこそこに品質は高い。3990円にまで下がればお買い得である。
色のトーンが気になる方は外で着ずに、室内着として利用すれば良い。

さて、個人的に価格と品質のバランスが最も良い薄手ダウンジャケットは、モンベルだと思う。
ストリートジャック12月号に紹介されている商品は、フィルパワーが900で、総重量が145グラム。価格は1万8800円である。
フィルパワーはマーモットと同じで、価格はその6割程度。総重量はユニクロよりも54グラム軽い。

モンベルはほとんどバーゲンがないので、定価で買うことがベストな選択だろう。




インナーダウンでローゲージニットを箪笥の肥やしから復活させる

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 ユニクロのウルトラライトダウンで、「軽さ」を一番に打ち出す販促にはいまだに疑問しか抱けないでいる。
先日、手持ちのダウンジャケットの重量を計測してみたのだが、400グラム以下のダウンジャケットは、手に持ったときの重さも着用したときの重さも、どれもあまり変わらなかった。
もちろん個人差はあると思うが、ダウンジャケットを206グラムまで軽量化する必要性も見いだせないし、そこからさらに7グラム削って199グラムにする意味も分からない。

7グラムというと1円玉7枚分の重さであり、競技者ならいざ知らず、タウンユースであれば7グラム重かろうが軽かろうがまったく支障がない。


これまで何度も軽量ダウンはインナーに着用するものと書いてきたが、これまでのユニクロのテレビCMや販促を見ると、アウターとしての着用時の軽さばかりを強調しているため、部屋着として提案しているイオンのライトダウンの方が打ち出し方法としては正しいと感じていた。


ところで、インナーダウンってどういう着用になるのか?と疑問を抱かれる方もいるので、ユニクロの店頭マネキンからその一例をお見せしたい。

CA3G0159


(フリースのインナーにウルトラライトダウンパーカーを着用したマネキン)


軽量ダウンの上からアウターを羽織る。
この着こなしなら、箪笥の肥やしとなりやすいローゲージニットも復活させられるだろう。

肉厚のローゲージニットの上から軽量ダウンを羽織ると動きづらいし、ダウンのシルエットも崩れる。
ローゲージニットの難点は、防風性がゼロである点なので、インナーに軽量ダウンを着るとその欠点が克服できる。


ユニクロは「アウターとして軽い」よりも「軽くて薄いからインナーに着用できますよ」とアピールした方が良かったのではないだろうか?

タウンユース用防寒アウターに過度な軽量化は必要ない

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 通常の電車・バスによる通勤通学において防寒アウターの過度な軽量化は必要だろうか?という疑問が常々ある。なお、バイクによる移動や、自転車による長時間に渡る移動はこの範疇には含まない。

もちろん、本格的な競技向けスポーツや、1000メートルを越えるような冬山登山では、軽量化というのは一つの機能であることは承知している。服や靴などを1グラム軽くするだけで記録タイムが大きく変わったり、登山での疲労度が軽減されたりするからである。

今回、疑問を感じているのは、あくまでも日常生活的なタウンユースの場合である。
具体例を挙げると、ユニクロのウルトラライトダウンである。
昨年秋冬に発売されたウルトラライトダウンは206グラム、今秋冬商品はさらに改良を加えて199グラムであるという。
ウルトラライトダウンは本格的な競技用・登山用には不向きであり、あくまでもタウンユース限定である。バイク乗りに言わせると「寒すぎてバイク時の着用も不可能」であるという。
果たして、タウンユースにおいて7グラムを軽減することにどれほどの効果があるというのだろうか?わずか1円玉7枚分の重さを軽減したところで、タウンユーザーにはどっちでも良いことである。
まさか、7グラム軽くなったことで、通勤時における疲労度が圧倒的に改善されるようなことはありえないだろう。


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じゃあ、全般的にどれくらいの重さだと防寒アウターは「重い」と感じるのだろう?
さっそく手持ちの防寒アウターを計量してみた。

まず
ユニクロの「ライトダウンジャケット」

今の「ウルトラライトダウン」が発売される前の商品である。
重さは500グラム


今年正月に購入したジーンズメイトの軽量ダウン
ちなみに価格は2900円にまで値下がりしてから買った。
重さは385グラム


2008年にファミリーセールで購入した「クロコダイル」の軽量ダウン
重さは375グラム


もうひとつ。
昨年秋に息子用にジーユーで購入した薄手のダウンジャケット
重さは310グラム


だった。

手持ちの中で最も重いと感じられる防寒アウターも計量してみる。

2000年のそごう心斎橋本店の閉店時に、閉店セールで買った「フォーバーズ」のロングコート
厚手のヘリンボーンツイードで織られており、丈の長さはひざ丈を越える。
ずっと重いなあと感じていたのだが、計ってみると
2キログラム

もあった。重いはずだわ。


知り合いのデザイナーさんからいただいた10年以上前の「グレンフェル」のロングダッフルコート
これも2キログラム


2007年ごろに買った「無印良品」のショートダッフルコート
これは少し軽くて愛用していたのだが、
1キログラム

だった。

なお、家庭用の計量秤を使用したので多少の誤差はあるかもしれない。



さてさて、ダウンジャケットは4種類計量してみたのだが、
そのどれもが手に取った感触で「重い」と感じた物はない。

ウールのコートは3種類計量してみたが、
「フォーバーズ」「グレンフェル」(各々2キログラムずつ)は明らかに手に取った瞬間に「重い」と感じ、
「無印良品」(1キログラム)は「まあこんなものか、ダウンよりは重いがそれほど苦にするほどでもない」という感想である。

この計量結果を踏まえると、
500グラム以下(500グラムも含まれる)のアウターの重さは、それほど気にならない方が多いのではないかと推測される。
残念ながら600グラム~900グラムの防寒アウターの手持ちがなかったため、どこからが「重い」と感じる境目なのかは今回は探求できなかった。

「ウルトラライトダウン」は昨年時点で重さが206グラムであるため、今秋冬商品で7グラムを軽減する必要はなかったのではないだろうか。
もっとも、毎年何かしらをバージョンアップさせるのがユニクロの姿勢であるため、7グラムの軽量化もその一環であることは重々承知している。
しかし、バージョンアップを図るのであれば、7グラムの軽量化よりも保温性とかウオッシャブルなど他の機能性に目を向けるべきではないだろうか。


冒頭にも書いたように、本格的な競技用、本格的な登山用であれば7グラムの軽量化は大いに取り組むべき課題である。しかし、ウルトラライトダウンの用途はタウンユースに限られている。あれを着て1000メートル級の冬山登山に臨むのは自殺行為である。
タウンユース用の防寒アウターであれば、500グラム以下の総重量は、ほとんど気にならないし過度に軽量化しても着用者に何の効果もない。

意味のない7グラムの軽量化は、まさに売るための「販促用語」に過ぎないのではないかと疑っている次第である。そして、ユニクロにはこの「販促用語」が溢れており、物事の本質をごまかしているとも感じられる。


ユニクロの「ウルトラライトダウン」に追随して、低価格ゾーンの他社アパレルでも過度な軽量化追求の動きを目にすることがある。元来、タウンユースとしてしか着用できない低価格ゾーンの防寒アウターに過度な軽量化はまったく必要ない。400グラム前後をキープすれば十分である。
「ユニクロが199グラムなら、うちは185グラムだ」などという過度な競争は製造コストを下げるだけの方便にしか聞こえない。200グラムを切ったタウンユース用のアウターを、そこから7グラム下げようが、15グラム下げようが利用者にはまったく何の着用メリットもない。
むしろ詰め物が減った分だけ防寒性がおろそかになっているのではないかとさえ思う。


他社が、無意味な「アウター軽量化過当競争」に参加しないことを望んでやまない。












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