南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

アバクロンビー&フィッチ

ピンとこない「香る」ジーンズ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - ピンとこない「香る」ジーンズ
 臭い、匂い、香り。
まあ、嗅覚に関する表記だと良く使われるのはこの3種類くらいだろうか。

におい、ニオイ、かおりなど平仮名や片仮名の表記もある。
で、不思議なもので「臭い」と書くと、何だか「クサそう」である。
臭い(におい)も臭い(くさい)も表記上は同じになるから不思議な感じがする。

先日、マックハウスから自社開発商品として「香るジーンズ」が発表された。
発売は4月上旬からという。

http://www.apparel-mag.com/abm_trend_1203_mh.html

マックハウスからのリリースによると香料を特殊技術でジーンズに付着させているとのことである。

個人的な感想に終始するが、
「ニオイ」というキーワードは日本人にはあまり響かないのではないかと思う。
筆者自身があまり嗅覚が鋭い方ではなく、香りについて無頓着であるから余計にそうなのかもしれない。
「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」である。

日本人でも最近は香水やコロンを付けている人が増えているが、
欧米人に比べると軽い香りが好まれる傾向は変わっていない。
また、香水をプンプンさせている人はちょっと敬遠されることも相変わらずである。


鳴り物入りで上陸したものの、最近ではさっぱり話題に上らない
「アバクロンビー&フィッチ」(略称アバクロ)のショップもそうである。
アバクロ銀座店の不人気の理由の一つとして、必ず「店内に振り撒かれている香水がクサすぎる」というものがある。
あまりの不評ぶりに香水のにおいを少し抑えるようにしたとも聞くが、アメリカでは受け入れられた手法であるにも拘わらず、日本ではご覧の通りだ。

ニオイをインプットさせることで、ブランドを刷り込む手法だと聞いたことがあるが、
現状の日本人にとって、ニオイはそれほど有力な要因ではないと感じる。

取り越し苦労かもしれないが、上半身に香水やコロンを付けた場合、
ジーンズから異なる香りが発せられるのは逆効果ではないのかとも思う。
異なる香りが重なることのリスクはないのだろうか?


ニオイに鈍感な筆者には、香るジーンズというのはあまりピンとこない商品である。

海外ビジネスは現地適合化が最重要

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - 海外ビジネスは現地適合化が最重要
 日本企業が中国に進出して成功するためには「現地適合化しないとダメ」と言われる。
実際に進出した日本企業の多くは適合化できずに苦戦しているようだ。

しかし、現地適合化は当然のことで、外国企業が日本に進出した場合も適合できなければ失敗に終わる。
その代表例は、フランスの大手量販店「カルフール」だろう。
鳴り物入りで進出してきたが、業績はさっぱり振るわず、店舗をイオンに売却して撤退した。
西友を傘下に収めたウォルマートもアメリカ流を持ち込んだものの、成功しているとは言いづらい。異例の粘り腰で撤退こそしていないが、いつまで堪えきることができるのだろうか。

衣料品業界では「H&M」「フォーエバー21」が挙げられるだろう。
それぞれスウェーデン、アメリカ西海岸を拠点とするグローバルなSPAブランドだが、先日もお伝えしたように日本では苦戦傾向にある。ブーム(らしきもの)は一時的・局地的な物だった。

ファッション性の高いトレンドアイテムを次々と安値で販売するという手法を採る両ブランドであるが、素材の品質、縫製の品質はかなり悪い。中には数シーズン使いまわせる物もあるが、Tシャツやカットソー類はほぼワンシーズンでの使い捨て感覚である。
70年代・80年代に我が国の流通界でもてはやされたペガサスセミナーの「チェーンストア理論」によると、
「ベーシックなアイテムは高価格で、トレンドアイテムは低価格で提供する」ことが原則となっており、両ブランドはこの理論に忠実であるとも言える。
これを「効率的」と見なすのか「もったいない。資源の無駄使い」と見なすのかは意見の分かれるところである。

一方、現地適合化にある程度成功したのは「GAP」だろう。
日本での店舗数は100店舗前後にまで増えている。上陸当初は、サイズはアメリカ人基準でブカブカ、素材も縫製も劣悪だった。
以前に書いたことがあるが、黒のストレッチパンツを一度洗濯すると縮んでねじれたことがある。また知り合いの子供服アパレルの管理職は、チノパンを3回着用したら破れたという。
しかし、今のGAPは日本人の体形に合わせた日本規格となっており、素材や縫製も上陸当初よりは向上した。それでもときどき、小さな穴の空いた生地や間違えた縫製などを発見するのだが。

「H&M」「フォーエバー21」は日本などという「小さな市場」を見ておらず、中国での展開が主眼であろう。
しかし、現在、中国国内でも数多くの現地アパレルが怒涛の勢いで各地に出店していると聞く。
欧州や米国で売れた両ブランドがそのままの体制で、中国の現地アパレルと勝負をして勝てるのかどうか、予断を許さない状況なのではないかと推測する。

方向性は異なるが、「アバクロンビー&フィッチ」も日本で現地適合化できずにスタートダッシュに失敗した例と言える。日本語が話せない白人のモデル店員、大音響で流す音楽、店の外まで匂うキツイ香水、どれ一つ採っても自己満足の世界で、まったく日本人消費者のことを考えていない。おまけに価格は本国の1・7~1・8倍と高い。これでは売れなくても当然である。

これらの事例を照らし合わせると、海外進出するならば現地適合化が最重要であることがわかる。
現地適合したくないのであれば、海外進出せずに自国内で堅実なビジネスを続けるべきである。個人的心情では、後者企業を支持しているのだが。






記事検索
livedoor プロフィール
タグクラウド
QRコード
QRコード