付録付き雑誌の勢いが止まった。

金森努さんの記事によると、今年は付録付き雑誌の発行部数が前年割れしているという。

付録付き雑誌バブル崩壊!…では、どうする?
http://www.insightnow.jp/article/6727

以下に抜粋引用する。

女性向け付録付き雑誌は<昨年に前年実績を4%上回る月もあった。だが、今年1~6月の部数は8.6%減。7.8%減だった同期の雑誌全体の減少率を上回った>という。特にムック(不定期刊行物)に限っては<オリコンによると、昨年1~6月に25.1%伸びたムックの推定売り上げ部数も、今年同期間は3.4%減に。「付録付きの減少が全体を押し下げた」(オリコン)>

とのことである。

タイトルは「バブル崩壊」であるが、バブル崩壊というよりは、需要が頭打ちしたのではないかと思う。
特定の雑誌の購読者数はもともと限られている。
その購読者数を増やすため(新規の顧客獲得のため)には、付録付き雑誌は昨年まで大いに活躍した。
しかし、購読者数は無限に伸びない。どこかで拡大が止まることになる。
それが昨年いっぱいだったのではないだろうか。

また、洋服や家電製品、自動車などと違って雑誌やCDなどは一人の消費者が、同じものを何個もまとめ買いするケースがある。韓流タレントやAKBなどはまさしくそれであろう。
大多数は興味がないけれども、熱心なファンが一人で何枚もCDを買ったり、彼らが掲載された雑誌を何冊も買い占めたりする。

付録付き雑誌にも同じ構図が認められる。
今回の金森さんのまとめでも

記事には「まとめ買いが減少」というサブタイトルがあり、<「何冊も購入する人が昨年より減った」>とのジュンク堂三宮店(神戸市)のコメントもあるが、<以前は雑誌なら色違いを揃えたり贈答用に買ったりする女性客が多かった。1人で20冊“大人買い”するケースもあったという>

と触れられている。

無限に伸び続ける業態はこの世界に存在しないのだから、
付録付き雑誌も早晩、飽和点に達するとは思っていた。
その時が今年だったというだけのことだろう。

以前にも書いたことがあるが、
雑誌の付録が格安で製造できるのは、生産数量が大きいからである。
通常、洋服だとこの不況下、1型100枚くらいの製造しか受注がない。グローバルブランドなら「サンプル」並みの数量である。1型1000枚製造すれば大ヒットと言われる。
バッグやノベルティ類はもう少しロットが大きいがそれでも1万個を越える受注はかなりの大口であろう。

しかし、宝島社を例にとれば、「sweet」の発行部数は100万部を越える。
これに1冊ずつ付録が付くため、単純に計算しても付録の製造数量は100万個以上となる。
これほど大口の製造は、ほとんど見られない。
製造数量が増えれば増えるほど、1個当たりの製造コストは減少するから、100万個も製造すれば1個あたりの価格はかなり安くできる。

付録で購読者数が増える→発行部数が増えるので、付録の製造数量も増える→付録が好評でまた購読者数が増える→付録の製造数量が増え、さらに値段が安くなる→・・・・・・

という好循環のスパイラルが昨年末まで続いてきたといえる。

しかし、購読者数は伸びきってしまった。
これからは①付録のクオリティをさらに上げるか②それとも雑誌の内容をさらに充実させるか、のどちらかもしくはその両方で現在の購読者をつなぎとめるしかない。

付録付き雑誌で部数を伸ばしてきた女性向けファッション雑誌は厳しい時代に突入し始めた。
付録で話題を集められる時代はついに終わった。