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TGC・神戸コレの「販促効果」と「地域産業振興」を考えてみる

 畏友の剱英雄さんが、東京ガールズコレクション(TGC)の地域産業振興と情報発信について書いておられる。

発信力は消費に?
http://blog.goo.ne.jp/souhaits225/e/b021cbf519d2c36ada95734217cb8bcf


これは東洋経済オンラインの記事を下敷きに書かれており、たしかに東京ガールズコレクションという興行イベントは大成功しているといえる。
興行イベントという点では成功したとしかいえない。

その一方で、ブランドの販促や地方創生、地域産業振興についてはどうか?というと、これは正直なところ疑問しかない。

まず、ブランドへの販促効果という観点から見てみると、TGCに出品すれば必ず売れるとは限らない。これは事実である。
長年出品し続けているブランドもあるから、効果があるブランドもあるが、その一方で効果のないブランドもある。

例えば、2009年~2010年に出品したライトオンである。
ライトオンはこの時期、減収し続けていた。
ライトオンが増収に転じたのは2015年度からなので、販促効果はなかったということになる。

また、某セレクトショップチェーンの役員は、もともとTGCが自社ブランドへの販促になるとは考えていなかったが、当時のTGCを運営していたエフワンメディアがうるさいから、一度だけ付き合って出品したと話している。

TGCと組んだ、この形態の元祖といえる神戸コレクションも同じだと見ている。

今年9月の神戸コレクションにもビッキー、ディアプリンセスが出品している。
ビッキーは以前、傘下ブランドのクイーンズコートを出品していたこともある。
ビッキー、ディアプリンセスの2ブランドは長年出品し続けている。

売上高は神戸エレガンスブランドが過ぎてから下降しているが、出品し続けているということは、単に売上高だけではない何らかの効果があると上層部は考えているのだろう。
しかし、売上高だけで見ると、販促効果があるとはいえないのではないか。

これは私見だが、TGCと神戸コレの販促効果はその反響がある顧客層が限定されていて、そこに親和性の高いブランドは何らかの効果があるものの、ライトオンのようにまったく親和性のないブランドはほとんど効果がないと見るのがもっとも適切なのではないかと思う。

今後は、やみくもにターゲット層との親和性も考えずに「出品する」というブランドは減るだろう。
だからというわけでもないが、神戸コレクションの出品ブランドのラインナップは随分と固定化されてきたように見える。

今度は、地方創生や地域産業振興という点については、剱さんのブログの通りではないかと思う。

TGC、神戸コレクションの地方興行があるが、もちろん経済効果はゼロではない。
何千人かの人間が来るので、交通機関や飲食店、コンビニなどにはそれなりの売上高が期間中はある。
また、その土地のファッションビルなどの売上高も期間中は少し増えるかもしれない。

が、地域のアパレルメーカーやアパレルブランド、デザイナーズブランドが潤うかというとそれはちょっと難しい。

なぜなら、現在の国内のアパレル企業、ブランドの8割がたは東京本社・東京本部だからだ。
残りは京阪神、名古屋・岐阜、岡山・広島、九州あたりにパラパラと点在しているに過ぎない。

TGCや神戸コレの地方興行に登場するブランドのほとんどは、当然、東京本社ブランドばかりである。
まずもって九州に拠点を置くブランドは登場しない。

名古屋・岐阜、岡山・広島のブランドも登場しない。

パラっと京阪神のブランドが登場するくらいである。

地方自治体が町おこし、地域おこしで「ファッション」を選ぶことがあるが、何故それを選ぶのかが理解できない。

今挙げた地域以外にアパレル企業、ファッション企業が拠点を持つ地方はない。
もっと極端にいえば、東京以外ないに等しい状況である。

じゃあ、そこでいくら「ファッション産業を振興する」といったって、東京のブランドを誘致するのが関の山であり、それは果たして「地域産業振興」といえるのだろうか?

TGC、神戸コレの地方興行ももちろん同様で、東京ブランドを呼んで、東京のモデルを使うことが地域産業振興・地方創生になるのだろうか?

当方には東京の産業振興にしか見えないのだが。

東京で開催する本物のTGC、この手のイベントの元祖として神戸で開催する神戸コレクションは、客入りが見込める限りは続けるべき興行イベントだと思うが、これらの地方興行は何の効果があるのだろうか。

また、TGC、神戸コレクションを模倣した地方イベントもいくつかある。

これとても、出品ブランドは東京ブランドで、ランウェイを歩くのは東京タレントなので、一体これを地方でやる意味があるのか疑問である。

文化祭的にやるのは構わないと思うが、地方創生や地域産業振興を掲げるのは無理があるのではないかと思う。

TGC、神戸コレと同様の興行イベントを地方で開催し、それを地方創生や地域産業振興につなげるのであれば、地方が地元でアパレル企業やアパレルブランドを育成しなくてはならない。

しかし、それは至難の業だろう。

もともと京阪神には多くの大手アパレル、大手ブランドの拠点があった。
それがこの20年間で激減し、ほとんどが東京に移った。これを今さら、逆回転させることは不可能であり、京阪神にも他地方にも小規模零細ブランドは現存するものの、出品料がン百万円と噂されるTGCや神戸コレの地方興行に出品させることは財務的に不可能である。

またTGC、神戸コレの顧客層は広告代理店でいうところのF1層で、しかも好むテイストも限定されており、ナチュラル系・カジュアル系・トラッド系などが多い地方の小規模零細ブランドはまったく親和性がなく、ライトオンのように販促効果がゼロになる可能性が極めて高い。

それが業界の現状であり、この構図は今後も変わらないだろう。

東京開催のTGC、神戸開催の神戸コレクションは興行イベントとしては否定すべき要素がないが、販促効果は限定的で、地方興行については地域産業振興にはほとんど効果がないと考えるのがもっとも妥当ではないか。

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鎌倉シャツのビジネスモデルが秀逸なポイントを考えてみた
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/na76c612e6d37

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似たようなイベントは同一地域に2つ要らない

 少し前になるが、神戸コレクションと東京ガールズコレクションの提携が発表された。
個人的にはこの2つはファッションイベントというより、興行だと思っているし、あまり興味もないが、この提携は一般消費者にとっては分かり易くて良いのではないかと思っている。

TGCと神戸コレクションが企画提携
http://www.senken.co.jp/news/corporation/tgc-koube-160128/

これまで神戸コレクションも東京での興行を「東京ランウェイ」として行ってきた。
関係者はさておき、外野から眺めている分においては、東京ガールズコレクションとどう違うのかがさっぱりわからない。ステージ上を歩く芸能人が違うということはわかるが、それが大きな差異とは思えなかった。

これからは神戸コレクションは神戸で、東京は東京ガールズコレクションとすみ分けるので分かりやすい。

ところでこの手の芸能人を使ったファッション興行は、全国各地で開催されるようになったが、各地方1つずつあれば十分なのではないかと感じる。
同じ地方に同様の主旨の興行が2つ、3つ行われたところで、消費者からするとあまり区別ができない。

登場するタレントは異なるが、ステージ上を歩くだけだからそんなに差異はない。
だいたい似たようなタレントを起用するから筆者のような人間からすると大きな違いは見えない。

タレントが着るブランドも興行ごとに異なるが、その着用ブランドはあまり注目されていない。
観客は服よりもタレントを見ていると考えた方が良いだろう。

その証拠に、過去、東京ガールズコレクションにも数多くの低価格ブランドが衣装を提供している。
例えばライトオンが出展したことがあったがそれによってライトオンへの注目度が上昇したとは聞いたことがない。

観客の多くはコーディネイトはそれなりに気にして見ているだろうが、ブランド名は気にしていないからだ。
そしてコーディネイト自体は真似しようと思えば違うブランドでも似たようなアイテムをそろえることは可能だ。

今回の提携によって「関西コレクション」はけっこう厳しい立場に立たされたのではないかと思ってしまう。

もともと後発の関西コレクションは、神戸コレクションとイベント主旨はほとんど同じである。
開催場所と登場するタレントと出品ブランドが異なるが、観客として見た印象をいえばほとんど同じようである。
そして開催場所は大阪と神戸でけっこう近い。
関西以外の人だと距離感が分からないかもしれないが、神戸と大阪は電車で30分前後である。
東京と横浜みたいな距離感である。

この近距離で似たような主旨で、似たように見える興行が二つは並立しにくいのではないかというのが、個人的意見だ。
ちょうど、東京ランウェイと東京ガールズコレクションが並立しにくかったように。
おそらく観客層も重なっているだろう。
今回、神戸と東京が提携したということは、ビジネス的・金儲け的にその方がお互いにメリットがあったということである。

今後は、各地方・地域に1つという形でこの手のファッション興行は集約されるのではないだろうか。

ところで、10年ほど前、東京ガールズコレクションは歩いてるモデルを携帯電話で撮影すると、モデルが着用している服がその場で買えるという仕掛けが話題になった。

最近はめっきりその話題自体を耳にしないがどうなったのだろうか。

携帯電話がスマホへと切り替わった今こそその仕掛けを打ち出した方が良いのではないか。

話題を耳にしなくなったということは、前評判ばかり高くて実態はそれに伴っていなかったと考えられるが、スマホ向けに再挑戦してみる価値はあるのではないか。

ただし、ネット通販というのは「単にやっただけ」では売上高を獲得することは難しい局面に入っているから、即効性があるとは思えないが。


TOKYO GIRLS PARTY-TGC 10th Anniversary BEST MEGA MIX-mixed by DJ FUMI★YEAH!
オムニバス
ユニバーサル ミュージック
2015-02-18


ライブ代わりの集客イベントはわかるのだが

 大規模なファッションイベントの双璧として東京ガールズコレクションと神戸コレクションがある。
最近だと大阪では関西コレクションも立ち上げられ、回を追うごとに集客を伸ばしている。

で、好き嫌いからいうと、筆者はこの手のイベントはあまり好きではないが、そういうお祭りにはそれなりの経済効果があることは認めざるを得ない。

最近は、東京ガールズコレクションや神戸コレクションが地方巡業することも増えた。
その多くは経済的に疲弊した地方が、活性化を目的に行政ぐるみで誘致を図ることが多いのだが、これには少し違和感を覚える。

大がかりなイベントを開催すると集客が見込めるため、それなりの経済効果が期待できる。
この手のコレクションはファッションを見せるイベントではなく、歌手のライブに近い感覚のイベントと捉えたほうが適切だと感じる。

それ故に、地方でのイベント開催は一定の経済効果が期待できるが、地方都市が「ファッションで活性化」を掲げることはどうにも釈然としない。
筆者の見方はプロダクト側に立ち過ぎるのは自覚しているのだが。

まず、現状のファッション産業としてアパレル、SPAブランド、小売店の多くは東京本社である。または本社機能を東京または関東圏に集中させている。

次に、元々アパレルの多くは本社を大阪に構えていた。
神戸、京都、岐阜あたりもそれなりに本社があった。

あと、ジーンズブランドの多くは岡山、広島に本社がある。

こういう産業構造を見ていると、「ファッション」を掲げて地域振興が可能なのは、東京含む関東圏と大阪、神戸、京都、岐阜、岡山、広島あたりくらいではないかと思える。

例えば、先日も奈良で東京ガールズコレクションの出張版が開催されたが、奈良に本社を構える有名アパレルはほとんどない。エヴィスくらいだろう。
沖縄だってそうだ。皆無とは言わないが、そこまで有名なブランドの本社はない。
福岡も同じだ。

もちろん、先ほど書いたように、歌手の大規模ライブの代わりにイベントを開催するのだと思えば良い。

しかし、そういう地方都市で「ファッション」を謳い文句に掲げるのはどうにも座りが悪いと感じてしまう。
奈良でいうなら、元々は麻生地の産地であり、現在では靴下や肌着の産地である。

そういう意味では広い意味で繊維業界には関わりがある。
プロダクト的な立場で言えば、いっそのこと奈良ニットコレクションでも立ち上げれば良いのではないかと思う。
ただ、問題は多くの製造業は資金的に潤沢ではないことだ。

この手のイベントには開催に何千万円~何億円という費用が必要となる。
出展ブランドもン百万円~ン千万円をイベント開催側に支払っているのだ。
靴下や肌着の製造工場にそれほどの資金力があるとはとても思えない。

今回いろいろと考えていることは理想論に過ぎないのだが、せっかく地場に繊維製造業があるのだから、東京からタレントを呼んで来て地元と縁もゆかりもない全国チェーン店の服を着せてステージを歩かせるイベントよりも、地場と関わりのある形でのファッションイベントを模索する方が建設的ではないだろうか。

12月中旬に大コケした新規ガールズイベント?

 12月の中旬に関西でガールズファッションイベントがあったと聞く。イベントの名前もわからないから本当に伝聞で恐縮している。
そのガールズイベントの集客が少なすぎて大コケしたと言われている。

以前も書いたように、現在ファッションショーといえば神戸コレクション、東京ガールズコレクション(TGC)に代表される、タレントやタレントモデルが服を着てステージを歩くと言う形式が広く認知されている。
そもそも論から言えば、このスタイルを確立したのは神戸コレクションであり、それを発展拡大させたのが東京ガールズコレクションである。

その後、雨後のタケノコのように(関係者各位失礼)、どんどんと○○ガールズショーや○○ガールズアワードなど類似イベントが登場し、今も登場しようとしている。しかし、これらがファッション振興に役立っているかと言えばかなり疑問だ。
観客(主に10代・20代の女性)は、タレントやタレントモデルを見に来ているのであり、彼女らがどのブランドの服を着ているかと言うのは興味の対象外にある。もっとあけすけに言ってしまえば、全員にトップバリュの衣服を着せてステージを歩かせても観客は誰も気が付かないだろう。

開始直後の神戸コレクションやTGCは出展ブランドの売り上げ拡大の役目も果たしていた。しかし、今は違う。ライトオンやマックハウスも今年春のガールズイベントに出展していたが、その後もずっと前年比15~25%減少を続けている。売上高は一向に回復していない。同じ論法で言えば、イオンもそうだろう。

そして、新しいイベントが打ち出されるものの先行イベントとの違いは、登場するタレントだけ。これでは、12月中旬に新規ガールズイベントが大コケするのも当然であろう。もう、その手のイベントには飽和感があるからだ。

かと言って、パリコレ、ミラノコレなどの形式と同様のファッションショーが見ていて楽しいかと言うとあまり楽しくない。静寂と単調なリズムが続くので1時間以上見続けると眠ってしまう。某専門学校の卒業製作ショーは2時間半もあるのだが、とても苦痛で最後まで見ていることはできない。途中で眠るか退席するかのどちらかである。

今後はタレント頼りではない、新しいイベントの形式を模索する必要があるだろう。タレントショーはTGCに任せておけば良い。同じ形式で新規参入したところで、規模でも知名度でも登場タレントでも勝てない。ならば違う方向性を模索するべきである。

タレントを登場させてファッションショーにエンターテイメント性を与えたのは神戸コレクション、TGCの功績である。今後の新規イベントは、それを踏まえつつさらに新しい要素を加えることが必要だろう。こういう自分もその新しいスタイルのビジョンは見えていないのだが。

ハートキャッチプリキュアに見るファッションショー

JFWが開幕し、現在、東京コレクションが行われている。

ファッションショーと言えば、意外にファッション関係者に人気が高いのが「ハートキャッチプリキュア」だと思う。
17日の日曜日の回では、学園祭で念願のファッション部のファッションショーが開催された。放送当初からだから8カ月前後こだわってきたファッションショー。
その光景は、パリコレクションやミラノコレクションに見られるよな通常のファッションショーではなく、観客から歓声が飛ぶライブ形式の、いわば東京ガールズコレクション(TGC)や神戸コレクションと同じものだった。
画面を見る限り、観客も数千人(!)おり、規模的にも神戸コレクション並みであり「そんな大人数入れる体育館は学校にないやろ!」とツッコんでしまった。

これにはショックを受けたファッション関係者も多いようで、今の小さい女の子にとって「ファッションショー=TGC、神戸コレクション」になっているということになる。

実際にオーソドックスなファッションショーは見ていてあまり楽しい物ではないと思う。ライブや映画、演劇に比べて。自分は仕事なので何度か見させていただいたことがあるが、1時間を越えると眠くなる。
音楽はあるものの、ナレーションもなく、歓声も飛ばない。(当たり前だが)
ある意味静寂なのである。
これだと50分くらいで集中力が途切れ、1時間過ぎるころには意識を失っている場合がある。(早い話が眠っている)

これに比べ、TGCや神戸コレクション形式だとライブ感があるので1時間を越えても眠りに落ちることはあまりない。

オーソドックスなコレクションショーが廃れ、TGCなどのライブ形式に人気が集まるのも理解できる。これも時代の移り変わりかもしれない。

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